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2009年12月30日水曜日

The most impressive books(2009年に読んだ本)

以下に今年特に思い出深い本を並べてみる。
数字は順位ではなく単に読んだ順である。
数えてみたら今年は全部で170冊弱読んでいた。
ちなみに医学関係で購入したのは50数冊。
もともと多読ではないので、ここ数年では一番読んだ部類に入る。後から思い返すといつ読んだのか謎である。
今年の読書の傾向としては圧倒的に自己啓発系の本が多かったことである。2,3,5,6等の本にもっと早く出会っていれば…とちょっと思うこともあるが、もっと早く読んでいたら心の肥やしになっていなかったかもしれない。だから今年読むことができたことに感謝したい。

1.ベストパートナーになるために―男と女が知っておくべき「分かち愛」のルール 男は火星から、女は金星からやってきた/著:ジョングレイ、訳:大島渚訳/知的生きかた文庫、三笠書房
2、史上最強の人生戦略マニュアル/著:フィリップマグロー、訳:勝間和代/きこ書房
3、7つの習慣―成功には原則があった! /著:フランクリンコヴィー、訳:川西茂/キングベアー出版
4、さあ、才能(じぶん)に目覚めよう―あなたの5つの強みを見出し、活かす/著:マーカス バッキンガム、ドナルド・O. クリフトン、訳:田口 俊樹/日本経済新聞出版社
5、夢を実現する戦略ノート /著:ジョン・C. マクスウェル、訳:斎藤孝/知的生きかた文庫、三笠書房
6、思考は現実化する【携帯版】/著:ナポレオン・ヒル、訳:田中 孝顕/きこ書房
7、自省録/著:マルクスアウレーリウス、訳:神谷 美恵子/岩波文庫
8、理系のための人生設計ガイド/著:坪田一男/講談社ブルーバックス
9、投資戦略の発想法2010/著:木村剛/ナレッジフォア
10、TQ―心の安らぎを発見する時間管理の探究/著:ハイラム・W. スミス、訳:黄木 信、ジェームス スキナー/キングベアー出版
11、怒らないこと―役立つ初期仏教法話〈1〉/著:アルボムッレ スマナサーラ/サンガ新書
12、<貧乏>のススメ/著:齋藤孝/ミシマ社

昔何かどこかで以下のフレーズに出会った。
「10代にやったことで20代が決まる、20代にやったことで30代の人生が決まる。」
至極当たり前なのだが、自分にとってこの言葉は非常に重い。今医師として仕事をしているのは10代の下積みがあったからである。では30代はどうなる?20代は前半を浪費した気がしてならない。最後の1年はとっても大事に使おう。時間は何よりも大事な資源である。

2009年12月29日火曜日

ACLS guideline2005受講

夕方の有楽町線内、3人がけの優先席に高校生くらいの男子3人が、アニメキャラがプリントされた大き目のペーパーバッグをいくつも持って座っていた。疲れ果てた表情でうつらうつらしながら。そういえば今日はビッグサイトで開かれる同人アニメの祭典(day 1)だったことを思い出した。きっと目当ての同人誌を買うために何時間も並んだのだろう。彼らもまた闘いの後なのか。

私はといえば予てからの懸案事項だったACLS guideline 2005のコースを受講してきたところだった。勿論麻酔専門医試験の受験資格を得るため。3年前に受けたguideline 2000との記憶と比べると随分と胸骨圧迫の比率が増えた。昨日今日の2日間で「私が医師になってから行った胸骨圧迫の回数」をゆうに超えた。胸骨圧迫のし過ぎで左手の手背がとても痛い。絶え間ないCPRというのは本当だった。明日の当直ではきっと喉頭鏡を握れないに違いない。手術室内でACLSを発動させる状況には全くもって遭遇したくないが、今日学んだことは実地ではきっと役に立つだろう。

会場が銀座線京橋駅の近くだったため、簡単に昼食を食べられるところがないかと心配していたが、オフィスが多いせいか杞憂に終わった。初日に食べた「チャーハン検定認定の店」のチャーハンはそこまで自分の口には合わなかったのでちょっとがっかりしてしまった。そのため今日は立ち食いそばで済ませてしまった。米がパラパラなのはよいと思うのだが、味付けが自分のストライクではなかった。ご近所の430円のチャーハンの方がよっぽどおいしく感じた。

闇夜の月

暖かい気持ちになると普段より感性が鋭くなる。
それは自分以外の全ての人には皆その人の歴史があり、尊重すべきものであること。感謝と尊敬の対象となること。謙虚に学ぶところがあること。overworkになり視野が狭窄するとついつい忘れがちになるが、とっても大事なことである。
小学6年生のとき、校長先生は私たち6年生ひとりひとりに対するメッセージを色紙に書いてくださった。格言というか戒めというか。他の人たちにどんなメッセージが送られたかはまったく覚えていない。だが私に送ってくださった言葉は今でも覚えているし、色紙も大事に保存してある。
そこには力強い達筆な毛筆で漢字6文字が刻まれている。

「我以外皆我師」

今一度私の中の原則を思い出そう。

月はいつでも太陽の光を跳ね返し、明るく輝いている。どんなに荒天だろうとも。

還暦のお祝いの席に同席させていただいて考えたこと。

2009年12月27日日曜日

reunion

仕事を全く離れて真面目な話やしょうもない話、玉石混交に語り合えるのは10代を共に過ごした仲間とだからか。
高校を卒業したのが10年前。10年分それぞれ別々の時を過ごしたはずだが、時々その時間を交錯させ今日という日を迎えている。昔の友人と会い話すことは普通のことかもしれないが、奇跡的なことでもあるように感じる。今日を迎えることができたことに感謝し、これから先も一生懸命生きていこう。

AVATAR☆☆☆☆☆

私の中では「殺人魚フライングキラー」以来の衝撃だった。
RhapsodyとWithin' Temptationが紡ぐ音楽にパンツァードラグーン(昔セガサターンというゲーム機で発売されていたシューティングゲーム。竜にまたがって敵を倒していくゲームである)の世界が混ざったような世界だった。もう感想もない。圧倒的な独創性、美しい世界描写。3Dメガネで映画を観たのは初めてだったが、完全に世界に引き込まれて現実世界に戻りたくなくなってしまった。
真冬の夜に片道自転車30分こいで見に行った甲斐があった。
映画は受身の娯楽だが、観た後にいろいろと考えてしまった。

2009年12月23日水曜日

腕神経叢ブロック 続き

鎖骨下アプローチ、カテーテルによる持続鎮痛に関して。
0.2%ロピバカイン4ml/hから0.05~0.1%にすると手指も動き、リハビリに良いようだった。

今日ようやく投稿論文一式の準備が整った。明日には送付できそうである。

2009年12月21日月曜日

a new notebook

散々悩んだ挙句、新しいモバイルノートを買うことにした。
自分が欲しかったのはバッテリー10時間以上、画面12~14インチ、ドライブ付き、重量1.5kg以下、Windows 7。ということでそれらを検索の条件に入れただけでごく少数のパソコンに選択肢が限定された。
アフターケアを考えるなら多少値が張っても近くの量販店に行くのがベターなのかも知れないが、これまで購入したパソコンでアフターケアを利用したことがないことに思い至り、インターネットでの通販を選択した。年末に近づき出荷まで時間がかかるだろうが気長に待ちたい。

2009年12月19日土曜日

腕神経叢ブロック(鎖骨下アプローチ)

今週の木曜日、橈骨遠位端変形治癒骨折後の整復術に対して上記麻酔を行なう機会をいただいた。
数冊の教科書での予習とイメージトレーニングの反復、エコープローベを事前に実際にあてて神経の見え方を確認して当日に臨んだ。指導医がいるとはいえ、患者さんにブロックを施行するのは、施行させてもらえるのは自分なので、決して適当にはできない。前の晩はちょっと興奮して緊張してなかなか眠れなかった。
50分ほどかけてブロック施行に必要な針、薬剤、その他を手術部内をうろうろとまわって準備する。朝イチ8時40分の入室。首尾よく静脈路を確保し、フェンタニルとミダゾラムを少量使用した後にエコーで神経叢をプレスキャンする。幸いほっそりとした体格の方だったので、想定通りに腋窩動脈が見え、周りに3本の神経束を同定。思いの他順調にブロックを施行できた。エコーガイド下神経ブロックはエコープローベを左手で把持しながらエコーモニターを見つつブロック針を進めていく、という操作を行うわけだが、これがなかなか難しい。エコーで見えている画面上で見えるよう針を進めていくので慣れが必要である。
 今回は術後鎮痛のためにカテーテル挿入が必要だった。手術部位が橈骨ということで後神経束近傍にカテーテルを留置した。カテーテルの視認性がエコー上思わしくなかったので薬剤を注入して正確な位置にあることを確認した。

 IP合併や重症筋無力症の胸部手術で難しい症例があったり、心外手術のオンコールに対応して病院に泊まったり、インシデントレポートが数件あがったりと結構忙しい週だった。一つ一つのピンチに真摯に対応することで少しずつレベルアップしていくと信じて頑張りたい。

2009年12月9日水曜日

第11回TEE講習会の募集開始

12月7日から心臓血管麻酔学会会員向けに上記の募集が始まっている。
講習会は3月6日と7日の2日間。参加費は20000円である。
非会員は12月21日から応募でき、参加費は27000円である。ちょうど学会年会費1年分だけ高い。
この講習会は私も過去2回参加したが、集中力を保ったまま最初から最後まで聴講するだけで相当な体力を消耗する。一晩中大動脈弓部置換の麻酔をやった後のような。だが、目的意識があれば(JB-POTに受かりたい、とか自分のTEEで患者さんの予後を少しでもよくしたい、など)非常に得るものが大きいと思う。今回は1日目の最後のセクションにJB-POTの過去問を解く時間もあるようだし、興味があれば積極的に参加したほうがよさそうである。

EGO WRAPPIN' の名曲「色彩のブルース」を愛聴して久しいが先日ベストアルバムが出ていることに気づいてレンタルしてみた。タイトルは「BEST WRAPPIN' 1996-2008」で二枚組。アップテンポな曲が多い「ヤルキ盤」とムーディなゆっくりめの曲が多い「セツナ盤」という分けられ方をしており、気分に合わせて変えられるところが嬉しい。

2009年12月8日火曜日

diagnosis of iliotibial band syndrome (ITBS)

今日は当直明けだったので最近気になっていた右膝外側の痛みを見てもらうために近所の整形外科で診察を受けてきた。
夕方だったので1時間くらい待たされるかと思いきや、運よくすぐ見てもらうことができた。診察は非常に丁寧で、説明・対応は親切で非常に分かりやすかった。
症状はランニング中、10分程度走っていると痛みが出るというものだったが、どうやら「腸脛靱帯炎」が一番疑われるということだった。
ランニング、サイクリング、ハイキング、ウェイトリフティング等でよくみられる疾患らしく、まさに自分が最近やっていることが負担になっていることは間違いないようであった。
説明によると走っていて、足が接地する際に「knee in」という状態、つまり内股のようになっていて、靱帯に負荷がかかっているようである。対応としては圧痛部位のマッサージ、走り方を意識して変える、走る場所を変える(これはいつも道路の同じ側を走っていると同じ場所に負荷がかかるから道の反対側を走るだけでも違うということであった)、ランニングシューズを負荷が軽減できるようなものを選択する、などが挙げられた。
流石整形外科の開業医の先生は私が自分でもわからなかった圧痛点をピタリと刺激してくださった。
理学療法士さんのマッサージの指導もあり、行ってよかった。

明日の胸腹部大動脈瘤の麻酔もきっとうまくいくだろう。

2009年12月5日土曜日

カールじいさんの空飛ぶ家☆☆☆☆

10ヶ月ぶりの映画館だった。全編温かさでいっぱいの映画だった。
一般公開初日ということもあり、レイトショーながらけっこうお客さんはいっぱいだった。

第6回JB-POTの結果が返ってきた

合格できていたのでほっとした。

文章問題 51/80 (63.75%)
ビデオ問題 26/40 (65%)
総合 77/120 (64.1%)

受験用に使用していた問題集「Perioperative Transesophageal Echocardiography Self-Assessment and Review」のあまりの正答率の低さに今年は記念受験になるかな、と半ばあきらめていただけに嬉しい結果となった。

確か昨年はクリスマスのころに結果が返ってきたので今年は合格通知が早い。相対順位は142位と昨年より落ちたが、ビデオ問題の得点率が上昇した。3~4週間に1回位でしか心臓外科の麻酔を担当する機会がなかったが、少ない機会でもきちんと計測したり記録したりしたことが少しは結果に反映されたようだ。少しでもadvanceに到達できるように努力していこう。英語での試験問題にもついていけたことは自信にしよう。

2009年11月28日土曜日

今週の運動の記録

22日(日)ランニング12分38秒
23日(月)自転車往路40分50秒
24日(火)自転車復路50分00秒
26日(木)自転車往路40分30秒
           復路42分10秒
28日(土)ランニング15分00秒 ウォーキング10分(+買物で結構歩いた)
ランニング用にAddidasのシューズを買ってみた。底が厚い分負担が軽くなるのだろうが、右膝がちょっと痛い。

2009年11月22日日曜日

Arch EnemyのThe root of all evil

http://www.amazon.com/dp/B0015T963C

10月からワイヤレス電子ブックリーダー「Kindle」がAmazon.comで買えるようになっていたようだ。重い本を持ち歩かなくてよいのはとっても魅力的だが、259ドルする。日本語版はない。今の私の英語力では高すぎる投資である。いずれ日本語版で利用できるようになり、医学書籍を全て手軽に持ち運べるようになればよい。電子化のよいところは検索機能だと思う。検索語を入力すると複数の書籍から該当する箇所を拾いあげ、数秒でほしい情報にアクセスできる。そんな日が待ち遠しい。

寒かったが雨降りではなかったので今日も走ってみた。12分38秒。昨日より少なめにした。筋肉痛になりそうだったためである。
・腰を高い位置保持する
・腕をしっかり振る
・背筋を伸ばす
を意識して走ってみた。走り終わった後は暑い位だが、走り始めは寒い。もっと防寒対策を強化する必要がありそうだ。
今日はランニングのお伴としてArch Enemyの新しいアルバム「The root of all evil」を利用してみた。現ヴォーカル、Angela Gossow加入前の1st~3rdアルバムのリレコーディングアルバムである。ランニングのお供にデスメタルは相性がよいかと思っていたが、意外とそうでもなかった。大音量で聞いていると自分の呼吸の音が聞こえずうまく一定にできない。曲に聴き入ってしまい、前方不注意になる。かといってさだまさしばかり聞いていられない。BGMは今後の課題としよう。

肝心のアルバムの方は…やはりJohan Liivaの歌い方の方が聴きなれていたせいかどうもしっくりこない。特に「The Immortal」を聴いていてそう感じた。「Rise of the Tyrant」での咆哮を期待していたのだが、今作での彼女の歌い方はちょっとおとなしい感じがした。その中でも「Diva Satanica」では野獣のようで噛みつくように歌っておりいい仕事をしている。初期の超名曲「Field of Desolation」が収録されていないのが若干残念な気がする。かわりと言うわけではないだろうが「Bridge of Destiny」が13曲目に再録されている。この曲の最後(5:32~)にくる、まるで演歌のような情念たっぷりのギターソロの美しさに改めて涙した。このギターメロディは人類の宝と言っても過言ではないと思う。

明日は日当直なので購入したダウンジャケットを着て自転車で行ってみよう。

2009年11月21日土曜日

theory and practice

http://madowazuzu.exblog.jp/10435553/

でも取り上げられているが、歯牙損傷は麻酔科医にとっては非常に厄介でかつ屈辱的なことである。
私が術前の患者に介入する時点では、殆どが手術予定は翌日か近日中と決まっており、「歯医者さんにかかって治してもらってくださいね~」などと悠長なことを言っていられない。経口挿管は必要、でも歯は折りたくない。そ~っと挿管する。よし、上手くいった。でも胃管がうまく入らない、そういえば経食道心エコーも入れなきゃ…など本当に悪夢である。
対処法としては術前診察時にくどい位「歯牙損傷の可能性」を説明することだが、繰り返せば繰り返すほど自分が本当にプロの麻酔科医なのか自信がなくなってくる。ただの保身で説明しているかのような錯覚と自責に捕らわれる。経鼻ファイバー挿管をすれば歯牙損傷の可能性は減るだろうがゼロではない。鼻出血の問題も浮上してくる。人間のやることだから完全なんてありえないよ、と割り切れれば解決するが納得できない。こうした葛藤が安全管理に役立つのだろうか。

10カ月後にハーフマラソンを走ることを目標として今日から走ることにした。今日は初回なので西隣の駅まで往復15分22秒だけとした。走り始めは寒いが家に帰ってくる頃には汗まみれになった。前々から走ることは嫌いではなかったので楽しかった。
フルマラソンも走れる知り合いの看護師さんに練習方法を聞いたところ、まずは3km程度を週2-3回できることを目標にすればよいのでは、ということであった。10kmを練習で一定して走れるようになれば20kmはいける(本当か?)そうなので、まずは「走ることを習慣とすること」を目標にしようと思う。今の体力だと週に1-2回職場まで自転車で往復するだけで昼間の臨床に差し支える(=眠くなる)ので、まずはその状態から脱却したい。 
 
今日で29歳になった。
誕生日は両親に感謝する日である。ありがとう。
30代で更に周りの人に、社会に貢献できるように日常に感謝して大事に過ごしたいと思う。

2009年11月20日金曜日

four operations

今日は出張麻酔の日で4件の麻酔を担当した。
出張先の病院で暇そうにしていた研修医の先生の指導をすることにしたところ、1件目の患者さんの点滴を目にも止まらぬ速さで決めてくれた。遠目に見ても楽々入るだろうとは思っていたが、思いもよらぬところで凄い達人に巡り合えた!と嬉しい悲鳴をあげていたところ、残念ながらその点滴は皮下に漏れていた。その後のワンポイントレッスンを彼女は分かってくれただろうか?
原則「内筒を引き外筒内に逆流が来たら初めて外筒を進める」
これを守らない初期研修医がなぜこんなに多いのか。
守るだけで成功率は格段に上昇するのだが。

家に着いたら22時過ぎで、妻も友人の結婚式のため帰秋中のため何もする気が起きないので、今日はおとなしく寝ることにしよう。

2009年11月17日火曜日

ろい

リスクがある患者さんの麻酔の前日に眠れないことなど今まで殆どなかったが(むしろいつも熟眠でき過ぎていて困っていたくらい)、日曜日の夜は寝つきが悪かった。そして寝ても何度か目が覚めてしまった。
それというのも僧帽弁形成術の麻酔の担当になっていたためである。TEEで逆流の機序や部位を外科医に正確に示すことで術式の最終決定に大きな役割を果たす。その責任は大きい。そして人工心肺離脱後の逆流の評価、逆流があった場合のsecond runの提案、各種カニューレ抜去後の新たな心臓・大動脈の異常の有無、LVOTO出現の有無の評価等非常に重要な任務が麻酔担当医に課せられる。

手術室で珍しく循環器内科の先生たちと話をすることができたが、ともにTEEを見ながら「ロイを広げてみてください」と言われ「???」理解不能で固まる私。ロイってなんですか?と聞くとなんてことはない「region of interest: 関心領域」のことであった。
普段私の周りで使われない略語だったが、循環器内科ではよく使われているのだろう。自分が何気なく使う言葉―研修医や患者さんに―も相手の立場にたって用いる必要性を感じる一日であった。

2009年11月15日日曜日

練馬のど根性商品券

土曜日のbicycle time 15:20-16:05
8min:練馬cycle spot
16min: 落合南長崎駅前駐輪場付近
24min: 高戸橋交差点
42min: 到着
往路に必要な時間は道路の混み具合にはあまり影響がないようだ。
自転車の良いところの1つは道すがら色々な匂いを感じることができるところである。主に飲食店からくる匂いが多いのだが、当然のことながら自動車の排気ガスの臭いもあるわけで。排気ガスは肺には悪そうだが自転車による運動負荷で心肺機能は上昇していくだろうから、健康に対する影響は相対的にはプラスになるだろう。

昨日妻に練馬区商店街で使える「ど根性商品券」を買ってきてもらった。10000円で11000円分使えるという何とも太っ腹な券である。しかもおつりがちゃんともらえる。幸い我々が普段利用しているスーパー2店舗でも使えるので購入してみた。商品券のデザインがこの漫画になっているのは、ピョン吉が平面ガエルになった場所が練馬区の石神井公園をモデルにしていることからきているのだろうか。商店街の意気込みと「ど根性」をかけての起用なのだろうか。

大学時代の友人二人と待ち合わせ、滅多に足を踏み入れない新丸ビル内の、琉球料理「うりずん」に行ってきた。沖縄はまだ未体験なので、ゴーヤチャンプルイーとラフテー暮らしか知らない私はメニューを見てもピンとこなかったが、その中では「ドゥル天(田芋の茎を茹でて揚げたものらしい)」が美味しかった。
「豆腐よう(島豆腐を泡盛などで発酵させたもの)」は私の口には全く口に合わかったが、酒の肴にはよいのかもしれない。

2009年11月11日水曜日

看護師向け勉強会

今日は機会を頂き、勉強会で話をした。
自分は「麻酔器」の担当で15分程度だったのだが、その他に勉強会幹事の看護師さん2人が呼吸と循環の基礎的内容を話してくれた。
彼女たちのスライドの表題に"指導:○○先生"と入っていたが非常に照れくさい。しかも指導的なことはロクにしていないので申し訳ない気分になる。
彼女たちの話し方に比べて随分とフランク(つまり不十分な喋り原稿しか用意していない)になってしまい不評を買ったかもしれないと反省したが、「分かりやすかった」と聴衆の何人かから評価していただいたのでまずは一安心した。

12月にも同様の企画をするというのでそちらもまた頑張りたい。
こういう地道な活動が手術室のレベルの上昇に、ひいては患者さんの利益につながると思えば、大変やりがいのある仕事である。

自分が考えるのはこういう勉強会では様々な年数の看護師さんが対象となっているだけに、全員を満足させるのは非常に難しい。
であるから、
①ビジュアルに訴える:絵や画像を可能な限り取り入れる
②小さい文字は使わない
③大きな声で眠くならないようにテンポよく、情熱をもって話す
を原則として簡単な内容6割~8割、ちょっと知識欲を満たす内容2割、トリビア1割程度が良いのでないかと思う。

最近よくやるのがGoogle検索で「 " "」を利用した検索である。
「麻酔器」を検索すると
  anesthesia machineは 294000件
  "anesthesia machine"は72500件
  "anesthesia apparatus"は11500件
ヒットする。
英語論文でどちらがより自然な表現なのかを探すときには「" "」を利用するとちょっと賢くなった気がする。特に前置詞の使い方がよく分かっていない自分にはとてもよい。

今日学んだこと
フォンダパリヌクスは
・2.5mg/day、腎機能障害(CCr 30ml/min以下)や体重40kg未満、高齢者では1.5mg/dayを使用する。
・妊婦はまだcontroversial
・エノキサパリンよりPE発症率低下させる

悪性高熱症を疑うバイタル:体温上昇率が15分間に0.5℃以上でかつ最高体温が38℃以上

MHの体温上昇率の話は勉強会中に看護師さんが1年目看護師に問題としてあてていた。よかった、自分に振られなくて。忘れてました。

2009年11月10日火曜日

hyperuricemia

今頃になって先月の健康診断結果を見て愕然とした。
尿酸値が7.5mg/dlであった。基準値はちなみに7.0以下である。
7.1ならまだしも7.5というのはちょっと高い。

そして昨日はIABPの先端の位置をTEEで心臓外科医に示す機会があった。
「LSCAの3cm下」と知識としては分かっている。
講習で聞いたり、JB-POTの動画問題で出ても簡単なはずなのに、life-threateningな状態だと正確かつ的確な判断をするのが大変難しいことが身をもってわかった。まぁ昨日はそれよりもいろんなことを学んだので、実りの多い日だった。

当直でfullに近い状態で仕事をする場合には、その通勤に自転車を使うのはまだ負担が大きい。自転車通勤を早くもっと日常に自然な形として組み込みたい。

2009年11月7日土曜日

44/148

この数字は何かというと、私が今年購入した一般書の中で中古書の占める割合である。齋藤孝氏の「<貧乏>のススメ」を臨床麻酔学会の会場で購入し、読了してからというもの、自分のエネルギーの源について思いを馳せることが再び増えてきた。
そして今日も愛車(と言っても駐輪場に放置している時間が長いのだが)に乗り、自転車屋さんでタイヤの空気を入れてもらい、ブックオフに行った。
上記の本で参考文献として取り上げられていた氏の言うところの所謂「貧乏力」の源たる本と出合えないかと期待しながら。
 そして見つけたのは齋藤氏が紹介していた21冊のうち
 ・1.「反貧困」―湯浅誠氏
 ・2.「武士の家計簿―加賀藩御算用者の幕末維新」―磯田道史氏
の2冊だけであった。

<1>の私の思考に与える破壊力たるや強力で「2006年国税庁の発表では年収200万円以下の給与所得者は1022万人」「全労働者の1/3が非正規」ということであった(これはほんのほんの序の口である)。
<1>を読んで私が思うのはここに落ちたくないということである。その点は齋藤氏と近い感覚かもしれない。社会問題として貧困を考える本であろうが、私はまだまだお子様である。落ちたくないから死ぬ気で働く。働かなくても生きていくのに十分すぎる賃金を得ていても働く。働く本当の理由はお金ではなく、貧しかった頃に、子供の頃の環境に決して戻りたくないからである。あの頃には戻りたくない。 しかし<1>の中には一生懸命働いても貧困から抜け出せない人が次々と登場する。今の私には貧困にあえぐ日本の人々に対してできることが何もない。

私の仕事への動機の一部は間違いなく「貧乏力」から来ている。

ひとつのことで頭がいっぱいになる

寝ても覚めても今書いている論文のことで頭がいっぱいになる。
本屋に行っても、麻酔をしていても道で英語をshadowingしていても。
今日なんて夢にまで見てしまった。「きみが今書いているものは論文にして発表した方が良いだろう」とその道の権威が言ってくださるという。

英語で書くなんて自分にはハードルが高すぎると思っていたし、研修医のころは想像もしなかった。でもいろんな本を読み、論文を読み、nativeの言い回しを取り敢えず真似することで何とか道が開けてきた気がする。あとは論理的な一貫性がきちんと貫けるかというところか。まぁ満足するまでやってみようと思う。

2009年11月5日木曜日

axillary block

今日久しぶりに腕神経叢ブロック腋窩アプローチを行った。
患者入室が8:45, 全麻導入しブロック手技完了が9:17。
「左手でエコープローベを持ち、右手でブロック針を超音波画像内で進める」という、それだけの行為がまだまだ未熟である。
私の麻酔科医としてのプロフェッショナル意識は「手術まで安全、早く、確実に」であるが、それにはゴールがない。理想を求めて実践あるのみである。

今日学んだこと
・ICUでの潰瘍病変予防効果としてのH2ブロッカー、制酸剤、スクラルファート投与は優劣が決していない。
・H2ブロッカーやPPIのやみくもな投与は胃pHを上げ、菌繁殖を促し、誤嚥性肺炎のリスクを上昇させる。
・長期人工呼吸器管理、ステロイド、潰瘍の既往者など高リスク者にはH2ブロッカーを経腸投与ないし経静脈投与。PPIよりH2ブロッカーが廉価。

・腰神経叢ブロックは抗凝固者には血腫のリスクあり危険

2009年11月4日水曜日

術前外来診察開始に伴い考えること

以前研修していた病院では外来術前診が普通に行われており、私もそれが普通なのだと思っていた。今の病院に来て「それ」が普通ではなかったことを知り、というかそうではない状態というのもある、ということを知った。それでも「そうでない状態」の中で働けばそれがそういうものだと思ってしまいそうなあたり、習慣の恐ろしさを感じる。

そして今回の外来化に幸運にも立ち会うことができた。既存の習慣を壊し、新しい習慣を作るのはとても大変なことだったと推測するし、地道な地道な作業の連続だったことだと思う。自分はその場にいて、ただの傍観者に等しい存在であった。

私は私の梯子を昇るので精いっぱい。その梯子が「多くの人を幸せにするために貢献する」というゴールに向かうために日々起動修正をしていこう。

2009年11月3日火曜日

急に寒くなった

今日の鍋材料

春菊:garland chrysanthemum
えのき:velvet shrank
白菜:Chinese cabbage
豆腐:tofu
豚肉:pork
ポン酢:pozu sauce
にんにく:garlic

秋田の大館はもう雪が降ったようだ。

2009年11月2日月曜日

on duty → a charge anesthesiologist

今日から当院でも術前診察を外来ブースで本格的に始めることになった。この実現には医局長の多大なる貢献があったことと思う。尊敬。

2009年11月1日日曜日

難しすぎる

日本語で普段ものを考えていると、英語で文章を組み立てるのがいかに難しいかということに気づかない。私は今まで気づかなかった。それと同時になんと狭い世界で生きているのかという重圧感に負けそうになる。

できない、のではなくできる方法を考えよう。悔しいから。

2009年10月31日土曜日

第29回臨床麻酔学会 in 浜松 (day 3)

9:00-10:00 臨床研究のデザイン より
tips
・リサーチクエスチョン(RQ)に対する答えを出すために
 しっかりした「設計図」を書く必要あり
・RQのリテラシー
・7つの御法度を「RQの作り方」の本を読んで復習
・臨床研究はFINER
Feasible, Interesting, Novel, Ethical, Relevant
・バイアスがある場合にはdiscussionで明確に記載する

10:00-12:00 
ICUでのanalgesia based sedation(ABS)のシンポジウム
・まず何よりも鎮痛から評価せよ
・hypnoticsは長期予後に影響する。なるべく最小限に。
・ABSは抜管までの時間を短縮する
・daily sedation interruption 1日1回
 午前中にhypnoticsを中断する。
 病態が落ち着いてなければ、ちょっと覚まして
 神経学的所見をみるだけでも。
・筋弛緩はVAPやCIM(critical illness myopathy)と関連。
 なるべく使わない(class 1B)
・もっともよく使われるのはRASS
 (Richmond agitation sedation scale)
 落ち着いていて呼べば簡単に目をあけるくらいの鎮静度にする。
 RASS -4
・SBT(spontaneous breathing trial ):いきなりT-ピースや
 CPAPにして2時間程度自発呼吸させる。OKなら抜管。
◎良好な覚醒のためには鎮痛は前提条件
・腸管抑制には①プリンペラン②大建中湯③エリスロマイシン
・DEXのみではABSは難しい。
  NPPVではよい適応かも。
  MDZから抜管前にスイッチ。
  アルコール離脱せん妄 など

13:30- 術中のカテコラミン投与を見直す
・血行動態改善 ≠ 予後改善  ではない
・カテコラミンの有用性は収縮不全でのみ認められる。
・βブロッカー(特にカルベジロール)はDOBの有効な
 反応を抑制する。PDE3阻害薬がbetterかも。
・DOAはNaの再吸収を抑制して尿量を増やすだけ。
 尿細管に良い影響を与えない。
・大手術時は必要なポイントで必要なだけカテコラミンを
 利用する。漫然と投与しない。

2009年10月30日金曜日

第29回臨床麻酔学会 in 浜松(day 2)

今日は6時半に朝食をとり、10時から自分の口演発表。口演は初めてだったため緊張してやや早口になってしまったが、いい経験になった。次回に生かそうと思う。

齋藤孝先生の講演を聴くことができたのは何よりも収穫であった。
・上虚下実(上半身をやわらか~くして臍下に力を入れる)
・上機嫌 意味もなく。年を取ればとるほど。
・男は40歳過ぎたら普通にしても不機嫌に見える
氏の体から出るオーラはまさに上機嫌であり、聴衆を一体化する力には敬服した。同じことを違う人間が語ったとしてもああはならないだろう。日本語は言葉自体に魂が宿っていると説明していたが、語り部が重要な要素であることは間違いない。

狭窄気道マネジメント

狭窄気道:声門下の狭窄

Tips
・自発呼吸可能でも陽圧換気できる保証なし
・上下大静脈や肺動静脈に注意。
 換気できても血流が途絶することで低酸素血症を引き起こすことがある
・最低でもどちらかの肺で換気できることを目標に。体位にも注意。
・画像からは換気困難の予測は困難
・補助循環の必要性を予測するのは困難。
  PCPSを装着すればよいというわけではない。
   flowによっては酸素化の悪い血が脳や心臓に流れることもある。
・麻酔導入後、酸素化が1回確立されても最後まで気を抜かない。
  腫瘍出血によって肺や血管が術中に虚脱することもある。
・術前問診では体位による呼吸困難感の変化、SpO2の推移、顔面浮腫の有無。

2009年10月29日木曜日

今思うことと昔思ったこと

研修医のころは「素晴らしい指導者がいなければ駄目だ」と思っていた。

今思うのは「自分の学ぶ意欲があればどこにいようと関係ない。またどんなに素晴らしい環境にいても、自分の意欲がなければ意味がない」ということ。

私は両方に恵まれていて大変幸せである。

第29回臨床麻酔学会 in 浜松(day 1)

浜松駅で下車したのは生まれて初めてだったが、とても駅ビルがきれいで嬉しい驚き(浜松在住の人には大変失礼で申し訳ありません。自分自身も秋田生まれなのでご容赦ください)。

 学会で勉強する機会が頂きたくて、それには自分が症例報告でも発表せねばと思い、抄録を6月に大急ぎで仕上げ、ありがたいことに採用していただき、このような機会を得ることができた。まずそれに感謝したい。ありがとうございます。

 今日感じたことは
・自分の実践を文字として残すことがいかに重要であるかということ
・先人たちの偉大な業績のもと、現在の我々の臨床の実践があるということ
である。

それにもまして感じたことは
・組織を強く成長させるためには、いかに「人ひとりひとり」が大事かということ
である。新人ひとりひとりの得意な領域を遺憾なく発揮できるよう、上の立場のものは考える必要があるし、上もまた研鑽を積む必要がある。私はまだまだ修業中の身であるが、それでも後進に何らかの指導をする必要はあるので、自分を引き締めることを改めて感じた次第である。

私の愛読書の一つにマルクス・アウレーリウスの「自省録」(岩波文庫、神谷美恵子訳)があるが、かの偉大な皇帝はこう記している。

いかなる行動をもでたらめにおこなうな。技術の完璧を保証する法則に従わずにはおこなうな。(第四巻、二)

advanced TEE

advancedになるためには以下の4項目が重要
・術後評価がしっかりできるように
・術前評価を見直す
・定量的評価ができる
・幅広い病態を評価できる

TEEを安全に使用するために
・ACC/AHA/ASE 2003 guidelineに準拠して、
 適応を自信を持って提示できるようにする

TEEの合併症を避けるために
 ・術前評価で嚥下困難、頚部病変、放射線治療、ステロイド歴、
  心拡大、左房拡大、大きな胸部大動脈瘤などの評価
 ・長時間のCPBは消化管出血のリスク
 ・TIS < 1 を維持。必要ないときは画面はfreezeに。
  特に低体温中は注意。
 ・食道裂孔ヘルニアは禁忌ではないが注意。
 ・経胃でupかけて…と思ったら実は食道内でもupかけながら
  動かしていた、などとならないよう愛護的に。
 ・TEE挿入時は十分なゼリー。
  左手でjaw lift(口に手を入れて十分持ちあげる)し、
  probe先端に思いを馳せながら。
 ・TEE抜去後はprobe先端に血液付着等の異常がなかったか
  麻酔記録に残す。

その他の知識の復習
・ASDは位置によって脱血管の位置などが異なるので注意。確認。
・VSDは傍膜様部近くは刺激伝導系が通る。
・大動脈解離。エントリーは必ず偽腔の上流。
  7割は上行大動脈前右側。
  弓部を観察するには0°のままupしていく。
  使っても軽くanteflexのみ。
・MR。全麻下では過小評価する。
  CPB前後での相対的な逆流量もチェック。
・大動脈二尖弁。AVR後も拡大することあり。
  小さなARでも手術適応のことあり。

lower-limb peripheral nerve blocks

臨床麻酔学会 sonociteのブースにてレッスンしていただいた。

Tips
・大腿神経ブロック(femoral nerve block: FNB)
・坐骨神経膝窩ブロック(sciatic nerve block: SNB)
の2つがマスターできればおおよそ事足りる。
TKAを行うときは太いSNB ⇒ FNB の順でブロックする。
・FNBのtips
・描出レベルは鼠径溝より少し上。しわより頭側。
 ・大腿動脈と腸腰筋の間
 ・よく見えなければ筋膜を2つ貫いて
 「筋膜と腸腰筋の間」に薬が広がればよい 
 ・あやしければ初めは少量の生食を使用
 ・コンパートメントが異なると「陰部神経の大腿枝」のみがブロックされる。
 そうなると大腿内側のみの感覚低下
 ・電気刺激を併用して大腿四頭筋の収縮を見てもよい
 ・入れる量は20ml程度。SNBと組み合わせる場合には総量に注意
 ・術後鎮痛は0.15%ropivacaineを5ml/h程度

・SNB膝窩のtips
 ・膝立て仰臥位でやる時はプローベが逆さまになるので、
  画面も上下反転できるものだとよい
 ・膝窩溝より5-10cm上方でよく見えるが、分枝するので
  上下によく観察してから。

・SNB殿下アプローチなどはもっと習熟してからでよいと感じた。

2009年10月28日水曜日

第6回JB-POTの動画問題覚え書き

試験時間は103分程度、30症例 設問は40問
私は英語で受験したために、そもそも問題を読み誤っていた可能性があります。ご了承下さい。

1.僧帽弁。ProlapseしているのはA1~P3のどれ?
2.ファロー四徴症
3.RWMAの場所、責任動脈
4.AVP後のperivalvelar leakageなど
5.全身空気塞栓の可能性が高そうな動画はどれか。5つの動画から
6.PACを進めている画像
7.心タンポナーデの場所、古いものか新しいものか、肝静脈波形は?
8.ASDの型(二次孔欠損かcoronary sinus型か、など)
9.VSD
10.TTEのview(どこからみているものなのか)と見えているアーチファクト
   (acoustic shadow, multiple reflectionとか)の組み合わせ
11.ARとAAEの妊婦、何の弁を使用するか、弁のサイズは?
   もしくはDavid手術?
12.CX吻合した後にPFOあり。肝静脈に空気の画像?
13.CAVD+PS診断
14.肝静脈にvenous canulaの画像。その対応は? ⇒ 深いから抜く
15.若年男性の上行大動脈CTにflapあり。TEEでは?
16.大動脈解離のLMT or RCA進展
17.TEEのモニタ設定をいろいろいじっている。(フィルタ、PRF、ゲイン他)
18.LVOTOの診断と治療
19.IABPの位置、LSCAに入っている動画と、いい位置の動画と。
20.人工物の位置と種類
21.ユースタキ弁、クマジン稜、分界稜、
22.IVCの腫瘍、IASにも。
23.OMIによるDCM様のTEE。Simpon法を行っている画像や
   MV逆流の画像など。LVEDP高そう?

受験から1ヶ月半経って、こうやって見直してみると合格ラインに達していなかったような気がしてきた。CHDに関しては普段見たことないからなぁ。筆記問題を通じてもCHDの比率が今回は少し高かった。
エコーの原理に関しては勉強していたとしても難問であった可能性がある問題が多かった印象を受けた。

2009年10月27日火曜日

全身の酸素化の問題

手術が終わり、ICUに搬送する際、麻酔科も同行するが、ICUで血圧が途端に低下することを目の当たりにしたことが何度かある。
「けっこうなプラスバランスなんですけどね」と、研修医がいうことがあるが、問題なのはバランスではなく「全身の酸素化がどの程度保たれているのか」ということだ。
酸素運搬量は心拍出量、動脈血酸素分圧、ヘモグロビン値で決まるだから、血圧の維持、肺の酸素化を改善するための呼吸条件の設定、貧血の是正ということになる。麻酔科医はそれを手術中を通して気を抜かずに行わなければならない。そのための動脈圧ラインであり、FloTrac/VigileoでありTEEである。何のために麻酔をやっているかという目標を常に意識する必要がある。

2009年10月26日月曜日

月曜日は憂鬱

そう感じる人は多いと思う。
私もその一人。
だが、研修医の麻酔の準備を確認し、学会の予演をし、麻酔導入をし、また別の麻酔導入・維持をし、また別の麻酔導入を研修医と共にし、会議に出席し、また麻酔の交代をし、抜管をし、挿管の指導をし、術前診察のチェックをし、と一日が終わるころには憂鬱な気分など吹き飛んでいて。
代わりに達成感が残る。

2009年10月25日日曜日

GUMBOときりたんぽ

GUMBOという料理をご存じだろうか。アフリカのアンゴラで話されているバントゥー語の方言でオクラを意味する「kingombo」がなまったものと言われているらしいが、アメリカのルイジアナ州、ニューオリンズでよく食べられている。先日ASAでニューオリンズを訪れた際にも何度か食したが、オクラのとろみとシーフード、チキンのスープが絶妙にマッチしており、塩味が効いていてとても美味しかった。

昨日近くのスーパーで見つけたものはその名も「GUMBO NOODLE」である。ASAに行っていなかったら素通りしていただろう。どんな味なのか気になり衝動買いしてしまった。
蓋を開けてみると
オクラが確かに入っている。
味は…期待通りというか期待通りではなかったというか至って普通であった。オクラが入ったカップヌードルである。このカップ麺からはニューオリンズは思い出せなそうである。オクラはその滑り気から納豆なんかと一緒で日本産だとすっかり思い込んでいたが、実はアフリカが原産らしい。日本に入ってきたのは明治時代だそうだ。

食べ物といえば今週末はインフルエンザ疑いで咽頭痛が続いていたので殆ど自宅で寝るだけの療養生活をしていた。
寒かったので、これをついに開ける時が来た。
きりたんぽはセリと舞茸、ゴボウが入っていなくてはならない。

2009年10月23日金曜日

みどりの窓口

JRの切符を買うとき、私はよく池袋駅の"えきねっと"端末を利用しているのだが、いつもいつでも空いていて数分で購入できる。端末操作もクレジットカードを入れて暗証番号を入力するだけと極めて簡単である。みどりの窓口で並んでいるのはどういう用件の人々なんだろう。

English words

validate: 確認、有効にする
vulnerable: 傷つきやすい
Fxn: functionの略
integrity: 完全、無欠
exacerbation: 悪化
hemostasis: 止血
denude: 奪う、裸にする
aggregation: 集合
labile: 不安定な
stepping-stone: 到達手段
nomenclature: 命名、名称
phlebotomy: 静脈切開
parturient: 分娩の
sublux: 亜脱臼
compensate: 埋め合わせ、補償
bariatrics: 肥満学
gluteal: 殿部の
gurney: 車輪のついた担架
judicious: 賢明な、思慮深い
baroreceptor: 圧受容器
conventional: 型にはまった
anecdotal: 逸話的な

2009年10月22日木曜日

outward(ASA day 5)

起きる。2時半。寝る。
3時半。また寝る。
4時半。起きる。
ホテルを出発するのは5時45分。
寝癖を直してホテルの1階でN先生と合流。
帰りの空港までのtaxiはとても綺麗で黒人の運転手さんも非常に紳士的であった。外はまだ暗い。空港に着いてから少しの買い物と朝食をとり、grammarの本を読んで過ごす。全然頭に入らないのですぐやめる。入国審査と打って変わって出国審査は非常にあっさりしていた。

ニューオリンズからダラスまでの飛行機はあっという間で特にトラブルはなし。トラブルはなかったのだが、ダラス空港で成田行きの飛行機搭乗の際に出国カードは?と聞かれ???となった。アメリカ人お姉さんは埒があかないと判断したのか日本人の担当者を呼び、「こっちに来るときに書いて持っているはずですよ、探して下さい。」とのこと。あなたの日本語はよくわかりますが、そのカードはもっていませんよ。
・・・。
あ~スーツケースの中にしまったっけ。
I forgot it in my suitcase.とか何とかと日本人相手になぜかしどろもどろの英語で説明するとその女性も半ば呆れ顔。再度新しい用紙に記入するよう言われ事なきを得ることができた。あ~次来るときはもっとましな状態で来ようと一人反省。

無事に機内に乗り込めたはよいが、殆ど眠れず。どこでもいつでも眠れるというのを自慢にしてきたが撤回しなければならない。なので行きで見れなかった映画にトライ。アメリカでCMしまくってた”My sister’s keeper”を見ることに。理由は単にCameron Diazのファンだから。それだけである。
しかし見始めたものの3分で中断。Cameronの吹き替えの声が思いっきり中年~高年女性のそれなのである。吹き替えを担当している声優さんが悪いと言っているのではない。私の中の”Cameron Diazの吹き替えの声のイメージ”にまるで合わなかったのである。残念。

代わりに…NINTENDO DSでゲーム。ゲームで英語のディクテーションをする→ すぐ飽きる → ノートパソコンを立ち上げ仕事のネタを書きとめる → 飽きる → 手帳にアイディアを書きとめる → 飽きる → DS の繰り返しで10時間消費する。残り3時間になった時点でもう一度映画にトライすることに。”Paul Blant: Mall Cop”というコメディ映画をみる。文字通りショッピングモールのちょっと体格のいい太った警備官が、惚れた女性のためにモール乗っ取り強盗団と孤軍奮闘するお話である。これまた映画の雰囲気が2009年のものとはとても思えず、子供の頃によく見たテレビ東京で放映していた80年代B-C級映画の雰囲気にたまらなく近いのである。映画の内容はベタだし、特にこれといったひねりはなかったが雰囲気だけでとても楽しめた。久しぶりにいい映画を見たと1人満足する。

そうこうしてフライトは特に問題なく終了。結局ダラスから成田まで13時間も乗っていたのに殆ど全覚醒状態であった。久しぶりの日本で税関が全員マスクで何故かとても違和感。成田エクスプレスの発車時間までかなり空いていたので、京成線の上野行き急行に乗り日暮里経由で帰ることに。家に着いたのは19時。ホテルを出て実に23時間後であった。本当にお疲れ様。そして無事に渡米させてくださった皆さんに感謝。ありがとうございます。

帰宅してから燃えるゴミをまとめたり夕食の食器洗いをしたり洗濯物を干したり、区営駐輪場に1週間放置しておいた愛車を見に行ったり。あっという間に10月21日が終わる。

明日からまた麻酔を精一杯頑張ろ。

2009年10月20日火曜日

last night in New Orleans(ASA day 4)

あっという間に4日目。
テレビをつけると予報では今日は華氏70/56なので21/13℃程度。Hurricane Rickがメキシコ西海岸よりに迫ってきており、これから数日後には荒天になりそうだ。テレビのCMはうつ病や尿失禁やOSAS(obstructive sleep apnea syndrome: 睡眠時無呼吸症候群)やらと病気の治療に関するものがやたらと目につく。

そして4時半に起きて何をしていたかというと。外に出ると人っ子一人いない。だが路面電車は動いている。Canal Streetはまだ明るいが、一本横に入ると非常に暗い…。しかしN Peters Street ⇒ Decatur Streetを歩いてゆく。ホテルから全部で15分くらい歩くとジャクソン広場Jackson squareの筈だが…。
ガイドブックにあるとおり「夜間は閉鎖」されていた。
英雄ジャクソンの像は拝めなかったがいつの日かの楽しみにとっておこう。

そして今日も7時過ぎに元気に通りを歩いて会場へ。昨日の午後より少し体調も改善したので、予定通りにリフレッシャーコースを受ける。以下の2コースを受けましたが、ともに勉強になった。
1. Perioperative Blood Pressure- A New Look At an Old Problem - Solomon Aronson
Aronson先生はこの道の大家のようで自分の論文も相当引用していた。
2. Anesthesia for Spine Surgery - Susan Black
特に2番目の講習の1項目に挙げられていたIOM(虚血性の眼障害)は復習になりました。どんな患者にIOMが起こりやすいか、と断定的には言えないが長時間手術、低血圧、大量輸液、輸血、などとの関係があるようだった。0.028-0.2%という頻度ではあるが、IOMは両目に起こり、なおかつ永久的な障害が多いことから術前のICが非常に重要であると改めて感じた。スライドに文字をいっぱい入れてくださると理解が進んでよい。
その後はMedically challenging casesのコーナーへ。今日は心臓麻酔、小児麻酔他の演題が多いようだった。
私の先輩にあたる先生が演題を出したとおっしゃっていたので見に行くことに。sevofluraneによるMHの一例報告だった。
・男児、家族歴なし
・投与から3時間、手術は殆ど終了という段階で発症。
・初発はETCO2上昇と頻脈。徐々に高熱に。ETCO2が100を超えていた。
他にも下肢動脈血栓症手術の術中の脳梗塞やら、骨盤骨折による大腿静脈DVTからの肺塞栓やら血栓・塞栓ものが目立った。本当に麻酔って恐ろしいですな。ポスターそれぞれの前にはauthorが立っていて、こちらがまじまじとポスターを読んで質問をするとみな情熱的に語ってくれる。麻酔の情熱は万国共通に違いない。

その後休むために一旦自室に戻り、午後は申し込んでおいた湿地帯ツアーにN先生、I先生と共に出かける。会場からバスに乗ること30分弱で大層な田舎に到着。田舎暮らしの私のは愛着が非常に持てる場所ではあったが、流石に住む気にはならない。長い長い沼地を30人ほどが乗れる船に乗って進む。この日は暑かったが、田舎に来たためか風のせいか船の上はとても過ごしやすかった。
船に乗り込み、しばらく進むとワニが。微動だにしないものもいて人形なのかロボットなのかはたまた生きているのか?といった感じだったが、スイスイと水の中を泳ぐものもいた。愛想良く見えなくもないが、万が一、水中に誰か転落でもしたらきっと噛みちぎりにくるに違いない。
16時頃には会場に戻り、明日早いことを考えて17時半には夕食。1日目に食べて美味しかった炭火焼きの牡蠣をいただく。デザートでいただいたバニラアイスはすごいボリュームで美味だったが、オーダーするときに「vanilla」がなかなか伝わらなくて悲しかった。
荷造りして23時に就寝。

2009年10月18日日曜日

New Orleans(ASA day 3)

14時間の時差をものともせず、今日も5時40分に起床。時差があるとは思えない程よく眠れた。

朝食もそこそこに今日は8:00からリフレッシャーコースを受ける予定だったので、徒歩で会場に向かう。今日も寒い。朝の予報では今日は19℃/11℃。陽は出ているが寒い。
ホテルを出てから7分歩くと会場の1番東端に着くのだが、東西にひたすら長いために、会場内をずんずんと直進する。目的の部屋は1番西の端なので結局ホテルから全部で15分くらいは歩いたのではないだろうか。やや体も温まってきた。

①New development in thoracic anesthesia – E.Cohen
貫禄充分のCohen先生の講演。昨日口演会場で聞いていた英語よりは理解できた気がした。
・Barotraumaの原因になるから12ml/kgはだめ。
6ml/kg + PEEPで高CO2血症を多少は容認する。
・DLT挿入必要患者の8-10%はdifficult airway
・側臥位中はTLVではQs/QT (肺内シャント率. 因みに正常値は<5%) = 10% だがOLVでは27.5%まで増加
・筋弛緩が効いた状態ではdependent lungの底側横隔膜の動きが悪くなり無気肺を作りやすい。
PEEPは大事だがそれだけではだめ。
・A&A 2008 106(2)379-383 DLTの適切なサイズ
・A&A 2009 108()1097-1101 DLT VS Blocker
・BJA 2009 102(4)551-560 OLV中の肺CT
・Anesthesiology 2009:110:1316-1326
OLV中の炎症反応はpropofol > sevofluraneとセボの方が小さい。
またOLV中にsevoを利用する一つの根拠が増えそうだ。

②TEE for the occasional cardiac anesthesiologist – Michael K. Cahalan
・JAMA 2009の論文では心外1200例ほどのうちPFOが17%にあった。PFOの閉鎖術をした例としなかった例でstrokeの頻度はむしろ閉鎖術をした方が高かった。これはいかに解釈すべき?
・基本的な断面は20のうち8つ①ME AO-SAX, ②ME-4C, ③-2C, ④ME LV-LAX, ⑤ME bicaval, ⑥ME IF-OF, ⑦TG LV-SAX  ⑧うーん、思い出せない。
をまずは描出できるように。
など基本に忠実な内容で復習になった。

③Anesthesic management of the morbidly obese parturient – B. Bucklin
・超肥満患者は絶飲食してても胃酸のpHが低下しておりLES(lower esophageal sphincter)の筋力が低下しているから誤嚥に要注意
・どんな麻酔法を取るかは術者とのコミュニケーションが重要
・気道確保困難グッズを手元にできる限り用意しておくこと
・硬膜外針は普通は9-10cm程度で大丈夫。あまり長いものは合併症が危険だから要注意
・硬膜外麻酔は坐位を考慮。Paramedianで行うと僅かな角度でも到達部位では相当角度がついている
・術後の低酸素血症にも要注意。モニターをチャットできるように。酸素か悪ければCPAPなどを考慮

昼食はRiverwarkまで歩く元気もあまりなかったので近くのfood courtで$3のFrench Friesのみで済ませてしまう。
余った時間は知識整理に充てる。

④Perioperative care of the patient with renal dysfunction: You can make a difference – R. Sladen
午後の最初。RIFLE criteriaの話から始まり、血圧・血管内容量が重要という結論はこれまでに学んだことの総復習といった内容だった。雑誌「Intensivist Vol.3」にも相当詳しく書いてあったので、その内容よりほほぉ!と思うような知見は得られなかった。少なくても自分の英語力では。

⑤Hematologic challenges in cardiothoracic and vascular surgery – L. Shore- Lesserson
新しい発見があることを期待して出てみたものの、HITの話が大半だったように感じた。他の部屋はどこも寒いのにも関らずこの部屋だけ暖房が効いており(しかも自分の席のすぐ近くから温まってきているようだった)、徐々に具合が悪くなってきたのもあり後半は集中できなかった。話の内容もやや高度で自分の理解を超えていた。やや傾眠傾向だったのを時差ボケのせいにしてみる。

⑥には行ったものの全身がだるくなってきたため直前で受講するのをやめる。空腹のせいか?と思ってハンバーガーとオレンジジュースを摂取してみたものの状況は著変なし。 むしろ悪化した。しばらく椅子に腰かけて休むもののだるさは一向に改善せず、Medically Challenging casesのブースに行ってN先生の発表を見に行く。

17時過ぎということもあるのか隣の機器展示場ではアルコールも配られ、演者の何人かはワインを片手におしゃべりに興じている。こんなラフな会はなかなか日本では見られない。アメリカでは普通なんだろうか?
Medically Challenging casesのブースの雰囲気はポスター発表会場と大して変わらなかった。発表者もアメリカからのものが殆どであった。この日の内容は神経ブロックと脳神経麻酔がメインだっただろうか。ロクロニウムのアナフィラキシー報告もあったし、propofol infusion syndromeの報告もあったから分類はよくわからない。もやもや病のSTA-MCA吻合術の麻酔管理の症例報告もあった。こっちでは稀なんだろう。他には「下肢の整形手術を全麻でやって、覚醒が悪く、実はPFOと心房中隔瘤を合併しており奇異性脳塞栓を発症してした」という自分なら遭遇したくない症例報告もあった。PFO。恐ろしい。先日受けたJB-POTでも似たような知識をあちこちで問われていたような気がしたのを思い出した。


ガスター、プリンペラン、ムコスタ、ロキソニンのpre-medicationを済ませ18時45分のHiltonからのバスに乗り込み15分程度行くと「The Elms」に到着。「Edewards Japan Night」に参加する。歴史を感じさせる味わい深い装いの洋館。ブッフェなので好きなだけ飲んだり食べたりできたのだが、肉と野菜を少々、ペンネ風のものとデザートのアイスをいただき、後はワイン2杯と珈琲という比較的軽めの内容で終了した。日本人麻酔科医が200人弱も集まっていると聞き驚き。
それにしても遠く異国の地で、こんなに近くでJazzの生演奏が聴けるというのは、とても幸せなことだ。Jazzの余韻に浸りながら21時半にはホテルに戻る。

明日の朝しかジャクソン広場に行く暇がない!24時に寝る。

2009年10月17日土曜日

New Orleans (ASA day 2)

眠れなかった割に5時過ぎには目が覚め6時半から朝食。
ホテル屋上階。窓越しに朝焼けのMississippi riverが眺望できる。

8時過ぎにはホテルの1階で学会参加登録して会場のconvention centerに向かう。歩いても近かったが、シャトルバスを利用。

会場の構造を一通り確認した後、”E-mail corner”があったのでパソコンに向かってまたメールチェック。
今日もインシデント報告はないようでひと安心である。
妻にメールを送る。


全く受ける予定ではなかったが、当日になった計3件のリフレッシャーコースを受講することに。
リフレッシャーコースごとに演者の採点をするのだが、印象的だったのは”Free of Commercial Bias?”の項目。
日本ではまず見かけない。
空調の影響かどの部屋もとても寒い。Yシャツの上にジャケットを羽織る。

①Anesthesia for patients with valvular heart disease for non-cardiac surgery – S. Konstadt
②Utility of TEE in non-cardiac surgery – S. Shernan
③Approach to the patient who may have a bleeding disorder – C. Petrovitch

日本でもなじみのある題目ではあるが、日本とは演者の迫力が違うような印象を持った。
特に②のDr. Shernanは話すことを心から楽しんでいると思わせる身振り、手振りである。私が英語を母国語としないせいなのか不明だが演者のpassionが伝わってくる時間であった。肝心の内容もエコー動画が大変多く、話も聞き取りやすかったように思う。

講演では術中の”life-threatening hemodynamic disturbance”に対するRescue ECHOはTEEの適応class 1であり、メリットとデメリットを考えて積極的に施行すべきということを盛んに強調していた。印象的だったのは30歳女性、肺塞栓+PFOのよる奇異性塞栓の動画。PFOを通過して右房から左房へ血栓が流れ出ていく画像もそうだが、その後心肺停止になり開胸心マしている動画を見たのは今日が初めて。
アメリカでは日本のJB-POTTERよりTEE専門医になるハードルが高い。NBEが求める150例/年のTEE経験っていうのは日本国内の施設ではなかなか達成できない。

残りの時間はポスターを見て回る。
日本人の先生方の発表も結構多い。
メンターのI先生のポスター発表を拝聴する。私にはchairmanのCohen先生の英語がよくわからず。 海外でのposter presentationには高い高いハードルがあることを改めて感じた。

学会会場を16時半には後にして、歩いて市街地の方に向かい夕食。
どれもおいしかったのだが、デザートのBread Puddingがアメリカナイズされた結構なボリューム。”パンとレーズンをバニラの香りのカスタードソースに浸してオーブンで焼き、ラム酒の甘いソースをかけて食べる”と聞いていたが、その通りの濃厚でこってりとした甘さ。ふた口分残してしまった。ごめんなさい。

フレンチクォーター界隈は街の至る所からジャズが流れてくる素敵な空間であった。しかし寒い。
ホテルに戻った後は絵葉書を購入し、フロントから出してもらうことに。
“I’d like to send this postcard to Japan.”と聞いたら”Yeah, How much??”と逆に値段を聞き返されてちょっとびっくり。
取り敢えずうろ覚えだった”90¢”と答えて切手を張ってもらったものの、ちゃんと日本に届くのだろうか。

この日は23時半に床に就く。

2009年10月16日金曜日

seat 43G(ASA day1)

Altitude 10363m(34000 feet)、Temperature -51℃、1046km/h、Pacific Ocean(東京から1272km)の機上で地点で書いている。 高度10000m上でWordを使用するのは人生初の体験である。 そして渡米するのも初めての経験である。 初渡米は英語力に多大な不安を抱えながらではあるが全く不安はない。

ちなみに私の英語力がどの程度かというと・・・
①”Would you like something to drink? ”と聞かれ、”Coffee please”とすんなり答えることができてうれしい。
そんなレベルである。
②Flight attendantの方が隣座席の人のカップを回収する時に手が滑って私の手に当たってしまった時には’I’m sorry.’と謝られたが、”All right. It’s OK.”とすぐ返すことができたのもうれしい。
そんなレベルである。
でもすぐに’All right ’と答えられたのは「英会話はキャッチボール」ということをそのエピソードの数分前に学んだからである。
成田空港の三省堂で購入した「ヘタでも通じる英会話術/晴山陽一/PHP新書」が早速功を奏していることを実感。滞在中に読みながら実践していこう。だんまりを決め込んだりしたらダメだ。
ともあれそんな28歳5年目麻酔科医がよくもまぁASA総会に行きたいなんて言ったもんだ。まぁ何とかなるだろう精神で行ってくることに。

時は遡り16時過ぎの成田空港。一緒に行くN先生と合流し、最後の日本食(折り寿司)・雑誌等を購入して出国手続きをした後、Duty free shopではお互いの時間をそれぞれ過ごす。私は、と私の妻も免税店のブランド物には興味がないのでぶらぶらして過ごす。無料でインターネットができるYahoo cafeを見つけたのでそこに入り、mailをチェックする。どうやらインシデント報告のメールはないようだ。妻にメールを出しておく。
再度New Orleansの天気を確認したところ、 好天のようである。ちなみに摂氏(℃) = (華氏 – 32 ) × 5/9 である。おおよそ華氏60度が15℃、86度で30℃である。
搭乗時間まではDSで「美文字トレーニング」をやって過ごす。3か月ぶりくらいにやるのですっかり下手になっている。「軍」の字がどうしてもうまく書けない。8画目の横棒を長めに書くのがポイントのようだがどうにもうまくいかない。うまくいかないのですぐにトレーニングを終了する。非常に飽きやすい。

20時20分頃にDinnerが配膳される。肉じゃが、ご飯、丸いパン、オーストラリアのバター、チーズ、グリーンサラダ(カレーピラフ様添え物つき。ドレッシングもあったが未使用)、寿司(稲荷寿司と蒸しエビ。キッコーマンの醤油付き)、ナビスコのクラッカー、タルト生地のクリームのデザート(キウイとブドウが乗っかっていた)、水(CRYSTAL GEYSER240ml)、その他に欲すればジュースももらえたようだった。味はまぁまぁ、可もなく不可もなくであった。 隣の推定100kgの白人男性がどのように寿司を食べるか気になったので横目でちらちらと観察していたら、フォークで思いっきり蒸しエビを串刺しにしていた。そうだよな。通路を挟んだ右隣の、これまた推定100kgの白人男性は手でつまみ上げて器用に食べていた。彼は日本で寿司を食べたのだろうか。ちなみに私は串刺しにして食べた。 買ってあった押し寿司パックが気になって仕方なかったので、機内食を食べ終わった後、間髪入れずそれに手をつけて完食した。やや無駄なカロリーとは思ったが、間をあけると余計に無駄になるので許容することとした。
トイレのために立ち上がって機内を後ろから見渡すと、多くの人が映画を見ているようだった。一番人気は「Transformer: the revenge」だっただろうか?1作目を劇場で観ており、いつか見ようと思っていた映画だったので、「よーしこれを機に字幕なし映画デビューするぞ~」と意気込んで見始めたがものの15分で挫折。日本語版にして続きを見たが、挫折。映画英語はスラングいっぱいだし初学者には難しいとは知っていたが、自分のあきらめの良さにちょっと感動。

よくよく考えてみると、今回の学会旅行は  

・初めてのアメリカをメンター付きで訪問できる 
・英会話の練習になる  
・英語講演のリスニングの練習になる  
・仕事に関する知識欲が満たされる
・一人で内省する時間をゆっくりと持てる  

といいことづくめである。こんな機会を与えてくれた職場の環境に大変感謝。
エコノミークラス席は確かに手台が隣席の人と共用になってしまうので窮屈ではある(現に左隣の手台は推定100kgの白人さんに完全に占領されている)が通路席に面していればそれほどの圧迫感はない。足もそこそこ延ばせるし、こういう時は小さめの体形でよかったなと思う。大柄な白人の方々を見ると確かにDVTが出来てもおかしくない。彼らの股関節の屈曲具合からも鼠径部の深部静脈あたりに血栓が出来そうである。今ここで肺塞栓を発症されても東京から3672km、 日付変更線の直上では救命する自信はない。mouth to mouthの人工呼吸すらできるか怪しい。
今は東京22時11分、この地点での時間は1時11分。アラスカのアンカレッジとハワイのホノルルと東京を頂点とした三角形の丁度真ん中あたりを飛んでいるようだ。映画鑑賞に挫折した私はi-PodでLady GAGAの「Paper Gangsta」を繰り返し聴く。何せアメリカに行くんだから。
その後東京時間の0時(バーガー生地にハムとチーズが挟まっており、マスタードチューブがおまけでついてくる。プラス、ココア味のバースナック)と4時(フルーツ)に食事が出てくる。食べたくないが、出てくると食べてしまうのは飛行機の中にいるから。なったことはないが養豚場のブタの気分である。

そういえば一昨日乳腺外科の手術室でレジデントの先生が硬膜外カテーテルを入れているところを見にいった時のこと。名札に”London”と書かれている学生を見て「お、これは英語を話すチャンス!」と思い、「She’s inserting an epidural catheter.」と話しかけたら 「向こうでの入れ方と違っていて面白いですね」と日本語で返されてしまい、がっくりした。よく見るとちょっと色黒な日本人学生さんだった。折角「catheter」の発音を「キャスィタ」と勇気を出して強調して言ったのだが。まぁそれは兎も角その学生が見学した施設ではloss of resistanceではやっていなかったそうだ。ではどうやるの?と聞いたところ靱帯を抜ける針先の感覚と髄液・血液の逆流が来ないことでやっていたとのこと。もしそうだとしたらその麻酔科医は相当な腕の持ち主である気がするが、靱帯を突く正中法の時はよいだろうが、傍正中法の時はどうするのだろうか?謎である。

そしてダラス空港に着いたのが、ほぼ予定通りの現地時間15時半。 入国審査で長蛇の列…。 他の便の到着も重なったのかとにかくここで1時間ほど並び、 乗り継ぎ時間の1時間25分があっという間に消耗された。 流石テロに脅える大国、生半可なことでは入国させてくれない。ASAに参加するであろう、紙ポスターを入れた筒を持ち歩いている人もちらほら見かける。 とにかく全部の指の指紋と顔写真を撮られ、入国審査を受けた後はN先生とともにダッシュダッシュ。 空港内を乗り継ぎ便に乗るためにシャトルに乗りこむ。15分くらい乗ったか。

とってもいい天気!とにかく空港が広い! そしてギリギリのところでスーツケースを再び預け、機内に乗り込む。他の大学の麻酔科の先生たちにもお会いする。 ニューオリンズ行きは17時予定の出発だったが、私たちの他にもギリギリになった人が何人かいたため、 17時10分頃の出発となった。 私は3列席の真ん中で屈強そうなアメリカ人に挟まれ小さくしていたが、離陸するのが早いかもう眠くて眠くてそのまま落ちることに。 んで目が覚めたらニューオリンズ国際空港に到着。 おぉ流石ジャズの街。 ルイ・アームストロングが歓迎している。
Baggage Claimsでスーツケースと無事に対面し、タクシー乗り場からHilton New Orleans Riversideに向かう。 空港からホテルまでは30分ちょっと。タクシーの運転手さんは相当飛ばしている。 ホテルに着いたのは現地時間で19時半過ぎ。日本時間だと10月17日土曜の午前9時半か。 この時点で金曜日を33時間半過ごしている感覚。よく分からないが、まだそこそこ元気である。飛行機に乗る前のプリンペラン5mgとガスター10mgが効いたためか消化器症状はなし。チェックインしてdinnerへと向かう。
入ったのはDrago’s seafoodというお店。本店は郊外の人気店らしいが、宿泊したホテルに支店があった。 凄く混んでおり数十分待ったが、待った甲斐があった。
まずはAMBER BEER。アルコールに弱い私でも大変飲みやすいお味。お代わりする。 真ん中にあるやや大きいのがCatfish(なまず)のフライ。やや臭みはあったが、非常に食べやすい味だった。
海老や牡蠣フライ、French Friesは日本のものと著変なし。
そしてメインがこちら。
Charbroiled Oyster(牡蠣の炭火焼き)である。(注:写真左上の指は、緑色手袋がトレードマークの尊敬する大先生のもの)
これがとっても美味。塩味が強かったが、塩と炭火とで芳醇な香り。御飯があったら何杯でもいけそうである。
オーダーを取りに来てくれた人はウズベキスタンから3年前にニューオリンズに来たというイケメン(写真がなくて申し訳ない)。日本にも一度来たことがあるとかで映画「おしん」が好きだと言っていた。
夕食のあとは自分の部屋でインターネットにつなごうと格闘したがどうにも無理で小一時間ほど消耗した後に諦めることとした。
25時過ぎにようやく就寝。

2009年10月14日水曜日

自転車にまつわる諸問題

今日は自転車で通勤路を往復した。
何回か往復して気づいたのだが、要する時間というのはがむしゃらに漕ぐ時間がどれくらい長いか、ではなく赤信号にどれくらい引っかかって待たされるか、の時間によるようである。
車道の一番端っこを車にひかれないように注意しながら走るのも割と大変なことである。
もう一つ気づいたことは英語のshadowingなんかできない、ということである。
電車通勤で独り言をぶつぶつ言うのは極めて困難なので、自転車通勤ならば可能では、と思い何度か試したが、無理である。大抵息が上がっている。ましてや上り坂では不可能。そして自動車の騒音がうるさくて音が聞き取れないのである。ノイズキャンセリングイヤホンを使ってもいいのだろうが、そうなると今度は車の音が全く聞こえなくなるだろうし、怖くて使えない。多発外傷の危険性が上昇する。困った。

2009年10月13日火曜日

bicycle③

今日は復路。
私の自転車の空気は最低でも1/月は入れた方がいいらしい。
助言してくれた自転車屋さんに感謝。

しかし透析+OMIの人の麻酔は難しい。
腹臥位中にVFになったらどうしようか悩んだ1日だった。

2009年10月10日土曜日

大きな一日

家族に関することというのは繊細に取り扱わないといけないような事項だが、人生30年弱にしてまた新しい認知が得られるということ自体、貴重な経験であろう。感謝。

2009年10月4日日曜日

Izu trip

城ヶ崎海岸の景色が素晴らしかったことは改めて言う必要もないほどであるが、ダークホース的な存在感を放っていたのはこちらである。

どんな世界にもその道を究めようとする人がいる。

万華鏡の奥深さのはじっこだけでもかじることができたのは、この旅行の収穫であろう。

2009年9月26日土曜日

poster presentation in Matsumoto

リスクマネージャ会議に出席、プレゼンテーション。バタバタと落ち着かないまま「あずさ」に乗って昨夜、松本までやってきました。電車の中でパソコンをいじっていて酔ったのは昨夜が初めて。特急に乗る前に吉野家の牛丼をなぜか大盛りで食べてしまったせいかもしれない。

今回の発表は午後だったのだが、職場の皆さんが聴きに来てくれて嬉しかった。一緒のセクションで発表していた研修医の先生もとっても堂々としていた。素晴らしい。

いろいろと講演はあったと思うのだが、最近疲弊しているためかあまり聴くことができなかった。食べた信州蕎麦の味もよく覚えていません。

松本にはその昔、松本城を見に連れてきてもらった記憶があるのだが、今回見た景色には全く見覚えがなかった。交通手段が車と電車という違いだけのせいだろうか。

2009年9月20日日曜日

In Akita, silver week holidays

And I'm in an internet cafe now.
I'm doing unfinished business that I couldn't do before this 5-day holiday.

しかし困ったことが一つある。
カフェのパソコンには「医学辞書」が搭載されていないことだ。
それ以外は極めて快適である。

昨日、練馬から秋田に帰省する際、こまちの中から久しぶりに夕焼けを見た。
夕焼けの美しさをしばらく忘れていた。
まだ美しいものを美しいと感じられる自分の精神は健康だろう。

2009年9月11日金曜日

5:46 am in Nerima


美しい朝焼けを浴びることができるのが早起きの得がたい特典である。
明日は心臓血管麻酔学会。JB-POT直前講座だけでも受けたい。

2009年9月5日土曜日

21:28 pm in Ochanomizu


御茶ノ水橋から見る夜の聖橋と御茶ノ水駅は私の好きな景色の一つである。
さだまさしの「檸檬」を大音量で聴きつつ、ほろ酔いで見るのが最高に贅沢な鑑賞の仕方である。
勧誘説明会を途中で失礼し、自転車で練馬に帰る。
途中で道に迷ってなぜか神楽坂の方向へ行ってしまった。

2009年8月5日水曜日

人生の目的地は何処か


広島平和記念資料館に行き、その後広島交響楽団によるフォーレのレクイエムの公演を聴いた。
天国があるのならばこのような音楽につつまれているのかもしれない。
核爆弾についてこれまでろくに真剣に考えたことなどなかったが、この景色を見てまだ核を落としたいと思う人がいるのだとしたら、それはそれで凄いことだ。私にはおよそ信じにくいことではあるが。
被爆者の方々がテレビで「広島に来てもらいたい」と言っていた気持ちのほんの少しかもしれないが、私にも届いたような気がした1日だった。

2009年8月3日月曜日

In Hiroshima

今日は夏休み初日ということで4時20分に起床.
6時23分品川発博多行きの「のぞみ3号」に乗って広島駅に降り立つ。10時3分着です。道中、作家Louis Sacharの「Holes」を読む。
広島駅の近くにもジュンク堂書店があったので

①Intensivist Vol.3. (AKIの特集号)
②Tuesdays with Morrie
③The rulebook- English grammar, word usage and punctuation

の3冊を購入して喫茶店で読む。
AKIは周術期のとても重要な予後規定因子なので、麻酔科医は十分にその発生に気を配る必要がある。①は非常に興味深く、余りに微細かつ詳細な内容で大変感銘を受けた。著者らの熱い情熱が伝わってくるようである。

 1作目からファンだったホラー映画「SAW」シリーズだが、5作目に至ってついに私の興味から外れてしまったようだ。「SAW 5」のメイン登場人物5人はただの犬死である。ストーリーの本筋とは殆ど関係がなく、全く興ざめであった。

・今日久しぶりにWithin Tempation のLive DVD「BLACK SYMPHONY」(Rotterdam, Ahoyでの撮影)とArch Enemyの「Tyrants of the Rising Sun -live in Japan」を交互に見たのだが、Sharon Den AdelもAngela Gossowも、ヴォーカルの存在感が際立っていると本当にライブは素晴らしいものなる。背筋に寒気が走るほどの歌唱力である。バンドが何曲も名曲を持っているのも凄いが、それをライブでもきちんと再現できるのだから。むしろスタジオ版と違った魅力がいっぱい味わえる。見ている人に感動を与えられる仕事というのは本当に素晴らしい。

広島初日は「広島でなくてもできること」で一日の殆どを消化した。

2009年8月2日日曜日

日本集中治療医学会主催のリフレッシャーコース

Today I attended the refreshers' course held by the Japanese society of Intensive Care Medicine at TMDU.
I was especially interested in a lecture about updated strategy for critical care nutrition.
Dr. Terashima(who talked on it) was a good talker.
I got the whole story about it. (Overfeedings is harmful to critical ill patient such as in postoperative state.)
Although the weather was nasty, it was meaningful day.
It'll be muggy tomorrow.
I have to prepare my baggage because I'm going to Hiroshima tomorrow.

2009年7月31日金曜日

何気ない日々でも

ふとしたことからいろいろ考えることはある。
日々の麻酔を単なるルーチンワークと考えて行うのか、患者の人生の一大イベントに貢献できる貴重な経験ととらえるのかで、人生に対するスタンスも変わるような気がする。

・できないことに集中するのではなく、やりたいこと、やらないといけないことに意識を集中する。
・できないことの言い訳ばかりしていても状況は好転しない。
・道は自分で開拓していくものである。
・にこにこして、失敗しても笑って指導しよう。

私より若い麻酔科医たちが組織に貢献しているのを見るととても頼もしく感じる。そして心から尊敬と感謝をする。ありがとう。そして私も私ができる形で組織に貢献しよう。

2009年7月30日木曜日

my interests

周術期の輸液管理、統計学、英語。今の私の成長目標である。

ようやくIRBに臨床研究計画書を提出することができた。指導してくださった先生方に大変感謝。

2009年6月1日月曜日

計画の困難

研究計画について2人の指導者と話をする時間を作っていただいたが、計画を立案するというのは大変難しいことなんだと改めて実感した。
これまで抄読会等で読む「研究方法」の部分は大抵そこまで詳細に注意を配っていなかった。どの研究者たちもその論文の下に多大な知恵や労力を払っているのだということを改めて感じた一日だった。

2009年5月31日日曜日

today's study

i attended the study course of "ultrasound guided peripheral nerve block".
Dr. Sakura(Shimane university) lectured us how it was useful for patient's pain relief and how it was easy to achieve.
But i struggled with direction of a needle(with right arm) under echo guidance(with left arm) .
It seems hard for me to use for actual patients. But i wanna make an effort that being my strong point.

2009年5月29日金曜日

全て考え方次第

今週はかなり過重労働だったが、学びの意欲はまだまだあるようだ。
少し休んでまた前に進もう。

2009年5月27日水曜日

hypourine output during OPCAB

今日はOff Pump CABG。
2型DMによるCKDを合併した2枝バイパス患者さんだったのだが、
クレアチニンが2.8ともなると腎症はstage Ⅳであり、麻酔時間が長時間になると当然尿量も減る。
術直後のCHDFは避けられたが、いろいろと考えさせられる一日だった。

2009年5月23日土曜日

so sleepy

i slept for 10 hours today.
i cooked 5 menus for dinner. all of those were so delicious.
i'd been written a paper about "a case report of CRPS compicated movement disorder".
but it's so slow progress in my job, i'm getting so tired and bored.
good night

2009年5月22日金曜日

It's a special week!

i've experienced a lot of valuable things this week.
i anesthetized three cardiovascular patients, and all of them were under severe conditions.
But all patients had been in a good clinical course.
i'm so happy because i can feel to be a help to others.

2009年5月2日土曜日

Kanazawa trip


加賀に来るのはおそらく9年ぶりくらい。駅前があまりにも整備されていたので驚愕した。
なんだか街全体が暖かい雰囲気でとても居心地が良かった。

2009年4月15日水曜日

得られるものはすべて吸収したい

1年ぶりに心臓麻酔を担当させてもらった。
思えば幸せな環境である。
1人の麻酔指導医がつきっきりで麻酔を指導してくださるのだから。

笑顔、感謝、謙虚、前負荷。
この four wordsが麻酔導入前の私の頭の中をぐるぐるまわっていた。

2009年4月5日日曜日

意外に起きられる

これまで携帯電話のアラームで起床していたが、起床成功率はせいぜい80-90%というところだった。新勤務地は朝早いのでこれでは不安…と思い、購入したのがvibration機能付きのG-SHOCKである。
音はならずに腕に来る振動だけで起きられるというところに惹かれて購入を決意した。

我が家は起床時間が夫婦で2時間以上ずれているから睡眠問題は深刻である。
誰だって自分で起きる必要のない5時前にけたたましいアラーム音で睡眠を妨害されたくないものだろうし。
してG-SHOCKを使用開始。
その塩梅や如何に…であるが、既に4月1日から連続5回の施行では100%の成功率で起きられている。

2009年3月26日木曜日

道未だ半ばにして

JB-POT講習会に参加している。
「JB-POTに挑戦!」の問題の出来は5割という悲しいけれど当然の結果であった。
やっぱり受験してから半年何もしないでいると後退するものだ。
しかし、悲観することはない。

・心臓外科症例ではTEE chartを漏れなく記入する。
・後進の指導に労を惜しまない
・いつでもプラスアルファの仕事をする
・英語力をつける。
を目標に新年度いってみよう。

2009年3月7日土曜日

気力と体力

気力と体力は正比例する傾向が強い。
少なくとも私のこれまでの人生においては。

30年弱生きてきたが、ようやく自分の人生のスタート地点に立った、という思いだ。
日々、気力と体力が充実しているのが分かる。そしてやる気が自分の体を突き破って出ていくのを抑えなくてはいけないような…そんな瞬間も一日に何回もあるのを感じる。こんな状態は人生で初めてである。

そしてその理由を自分なりに分析してみた。以下思いつくままにつらつらと。
・大きな視点で見れば、この1年ほど「鬱になっている場合ではない」くらいやらなくてはいけないこと&やりたいことがあったためか、自分の人生に対する心構えが大きく変化した。
・結婚式や新婚旅行に関係する諸問題をある程度の戦略をもって解決していったこと。
・結婚生活を上手く送っていくために、妻と様々な話し合いをしていったこと。
・妻という家族ができたことで、妻に対する責任を感じるようになったこと。
・JB-POTを受けようと決意し、学習計画を立て、着々とこなし、無事に合格できたこと。
・初めて一人でオンコール業務をすることになったこと。その中で自分で決断しなくてはならないことが数多あったこと。仕事と患者の生命に対する責任をより大きく感じるようになったこと。
・人とのコミュニケーションは「逃避的では決していけない」と心から思えるようになったこと。それは結婚式の準備においても、また、一人の麻酔科のプロとして仕事を安全に施行するために絶対必要であった。
・長い通勤時間を無駄にしないように様々な策を講じたこと。

・読書の大切さに再び目覚めたこと。特に以下の本に出会えたこと。
①史上最強の人生戦略マニュアル:大阪での心エコ-図学会時に一人の時間をとることができ、そこで熟読。本の中での質問に答えることで、自分の過去の問題に決着をつけていった。
②7つの習慣:これは現在も読み進めている最中。読んでいる最中からまさに”パラダイム・シフト”が起こっている。
③加藤諦三氏の数冊の著書:自分を責めることをやめることができた。
④自助論:人間の可能性の無限性を感じることができ、大いに勇気づけられた。

・優先順位をつけて、物事に当たること。
・優先順位を考えて、断らなくてはいけないことはきっちりと断ることが必要だということに気づいたこと。
・周りに流されず、私自身の人生、考え方、ものの受け止め方、そういったもの全てには「私自身しか責任を持つ人間がいないこと」に心から気づいたこと。
・認知次第で人生の可能性はいくらでも変わりうることに気づいたこと。
・この世に生を受けて以来、一番今が素晴らしいと、初めて心の底から思えていること。
・生活に原則をうちたて、原則に従って生きていくことを決心したこと。

挙げればきりがないが、とにかく私は生まれてよかったと心から感じている日々である。
両親には心から感謝している。
そして私は周りの人たちを幸せにしていきたい。
今、この人生に使命感を感じている。
感謝。

2009年2月22日日曜日

Mamma Mia!は☆☆☆☆☆

映画館に足を運んだのは実に11か月ぶり、「魔法にかけられて」以来である。
honeymoonも無事終了し、一息ついた週末に劇場に行ってみた。何と午前中の上映に、である。

Meryl Streepはじめ50代女性3人(Julie WaltersとChristine Baranski)とその他すべての出演者が踊り歌いまくるミュージカル映画。何せ全編ABBAである。楽しくないはずがない。あっという間の108分。
My favorite songである"The Winner takes it all"があるだけでも劇場に足を運んだ甲斐があった。上映中知らない曲は2曲程度だっただろうか。それくらい超有名な曲のオンパレード。しかもどれも歌詞が場面にしっかりはまっているのには脱帽。このような作品を作り上げるスタッフ全ての力にはただただ敬意を表する限り。
エンターテインメントに徹し、売れるものを作るのはとても労力がいるのだろうな。

2009年2月18日水曜日

memory in honeymoon

2月10日―16日は私の人生の中でも忘れがたい時間であった。真冬に真夏のCairnsで過ごした数日間であった。

語るより、写真を見て脳裏に浮かぶ感情に身を委ねたい。










2009年2月8日日曜日

明治天皇

ドナルド・キーン著の「明治天皇」を読み始めている。
日本人でさえ(というか私なんですが)よく分かっていない明治天皇についての伝記を、外国人が詳細に記載している様は素直に賞賛と敬服に値する。

2009年2月6日金曜日

自分を変える

・認知を変えることで世界は変わる。
・他人の至らない点を責めたり非難したりするより、良いところをみていこう。
・足りないところは補えばよい。
・他人の至らない点は非難せずに、さりげなくフォローして自分を高めるようにしていく。

2009年2月3日火曜日

2月も始まり

なるべくポジティブな思考回路で頭の中を埋めよう。
疲れた?
 今日も麻酔科をコールしてくれて感謝。
 また一つ経験が増えて、麻酔に対する愛が深まった。
やる気が出ない?
 今日も元気に仕事をして、こうして歩いて帰ってきている。
 大きな病気をせずに日々他人に貢献できる幸せで十分。

2009年1月31日土曜日

my hope

自分の平和を築く必要がある。
自分をもっと高める必要がある。
自分にもっともっといろいろ要求する必要がある。

願わくはさらなるチャレンジを恐れない勇気を。
人に拒絶されることを恐れない強い心を。
思っているだけでは何も変わらない。
行動だけで他人は私を評価する。
私がいくら周りの人に感謝していると思っていても、毎日むっつりしていたら、いい気持ちはしないだろう。

私は今この瞬間から意識と行動を変えていかなくてはならない。

2009年1月30日金曜日

1月の総括

1月5日の仕事初め以来、11回のうち7回オンコール呼び出しがあり、麻酔を担当させてもらった。
そのうち本当に生死にかかわる病態が4回。
内訳としては敗血症3回(そのうち1回はエピネフリン使用、2回はノルエピネフリン使用、1回はドパミンのみで対応)と頭部外傷1回(PS 5Eのacute subdural hematoma)であった。

今月は目標達成率としては50%程度か。
風邪を一回もひくことなく、生きがいと熱意をもって仕事に取り組めた。
 
問題点
・体に悪いと分かっていながら夜中の零時過ぎに緊急手術が終わり、ラーメン他のカロリーをとってしまうことがあった。これは長期的な利益より、目先の食欲を満たそうとした私の浅はかな考えるのためである。
・5時に起きるのを目標としていながら、達成できないことが多々あった。
 これは…A.寝る時間が遅い B.寝る前に酒を飲む C.疲労がたまっている
ほかにも考えられるだろうが、このあたりが主因か。
もう少し生活リズムを考える必要あり。

今年はあと11か月ある。
日々これ精進。謙虚に貪欲に。あせらず確実に。
目標をたててそれにむかって邁進するようにしよう。

2009年1月29日木曜日

進歩は常にゆっくりと

・計画をたてればいつでも変更することはできるが、その計画すらなければ正しい道で先に進むことができない。
・進歩が実感できない日でも、一生懸命よりよくしようとしていればいつかその進歩に気づく日も来るだろう。
・常に軌道を修正することに集中する

2009年1月28日水曜日

美味パスタ

大泉学園駅から徒歩5分の"Enoteca Lione"というお店。
サラダとパスタ(大葉のパスタとアサリのパスタ)を食す。
結構私好みの味だった。

雑誌「心エコー」でIEの勉強をしよう。

2009年1月27日火曜日

カテコラミンが効かない

今日の麻酔はdopamine(max 10γ) もnorepinephrine(max 0.20γ)も反応が乏しいSAHの方。
発症日が不明であり、著明な脱水があったためか(Na 155, UA 17.0 ,BUN/Cr 60/1.3)と想像する。
輸液もどれくらいしたらよいのか不明。

毎日が日々これ精進。

2009年1月26日月曜日

戒め

最短距離は一生懸命やること。
そして昇る梯子を間違えていないかを確認すること。
それがどんな目標も達成するための近道だそうな。

2009年1月25日日曜日

Ninja - Europe

1986年発表のEuropeの3rdアルバム「The Final Countdown」はあまりにも有名な" The Final Countdown"で幕を開ける。
大好きなバラードの"Carrie"を経て5曲目に登場するのが"Ninja"である。
アップテンポの湿ったメロディーをもつキャッチーな名曲である。
日本人の99%は「Ninja = 忍者」をイメージすると思うが、この曲はそのイメージからかけ離れたキラキラキーボードとギターのイントロで、一気にそのイメージをぶち壊す。Joey Tempestのハスキーなヴォーカルがそもそも全く「忍者」を歌う声質ではないと思うが、そんなことはおかまいなしで曲は突き進む。
挙句、サビの「ニンジャサバ~ぃ」で腰砕けになり卒倒しそうになるが、本当に名曲なのである。

"Seven Doors Hotel"が聴きたくて「Rock the Night: Very Best of Europe 」を引っ張り出し、収録されていた"Ninja"をたまたま今日偶然に発見して(しかもlive版!)、この曲を初めて聴いた21歳の頃を思い出した。日照時間の少ない極寒の北国で鬱々と自分のDark sideと格闘し続けた大学時代である。"Ninja"のような透き通った北欧ロックを聴いて当時を思い出すことになるとは。私が道を違わず社会人になれたのは幾多の音楽に支えられていたおかげである。"Ninja"もそんな自分の名曲群に燦然と輝く一曲なのである。
ちなみに「Rock the Night: Very Best of Europe」の輸入盤には"Ninja"は入っていないから要注意。

2009年1月24日土曜日

初心者に教える初心者の苦悩

禅の言葉に「冷暖自知」という言葉があるという。
いくら人から水の冷たさや温かさを教えてもらっても、結局自分で体験しなければ、
その冷たさや温かさを知ることはできない、という意味だ。

気管挿管の上達が思うようにいかなくてちょっとばかり落ち込んでいる研修医を見ていてその言葉と重ね合わせた。
気管挿管が1月弱で習得できるわけはない。
麻酔科医を10年以上やっていても苦戦する気道はあるのだから。

だから1つ1つを「自分が挿管できなければこの人は亡くなってしまうんだ」という
意気込みでやってもらいたい。

結果は後から付いてくる。ただ目の前のことに神経を集中するのみ。

2009年1月18日日曜日

腸穿孔敗血症ショックARDS

今日は8時前に病院からコール。
あと30分余りで当番から解放されるというところの出来事であった。
これで今年になってから月木土月木土と連続6回のコールである。

しかも今日はタクシーがつかまらない。
各駅停車しか止まらないような駅近に住んでるとこういうとき非常に困る。
仕方ないので電車に飛び乗っていくこと3駅。
駅にタクシーが常駐してそうな大きめな駅まで行くと案の定タクシーが。

約束通りに1時間以内に手術室に到着。
患者を迎えると喘ぎ呼吸で意識障害があるようだった。

発症から何日経っていたかは分からないが、severe sepsis、ARDSであろう。
RSI→AOSで維持しながら外科医に10分弱待ってもらいCVCを挿入。
手術開始後しばらくはバイタルもそこそこで維持してたが、腹腔内にたまった
得体のしれない液体を5000mlも吸引すると、その後は血圧が低下の一途をたどる。
その後はポンピング、DOA、NOR(今日は0.3γでも昇圧できなかったから
エピネフリンも一時的に使用)でサポート。
最終的にはエピネフリンなしで退室。乳酸値は2.6mmol/L程度。 pH 7.20程度。
SSGC2008を意識して行った私の麻酔は正しかったのだろうか。

2009年1月9日金曜日

4000文字を書く力

斎藤孝氏によると原稿用紙10枚書く力、というものを見つけるのは難しいらしい。
そこで思い出すのは、自分が小・中学生時代に読書感想文原稿用紙5枚描き上げるのが、なんと難しかったことか、ということである。
氏曰く
「いきなり書き始めて、4000文字の間に論理的な一貫性を保つのは相当難しい」。
全体の構成を考えるメモ書きから作業を始めるのが常套手段だそうだ。
私は普段そのような長い文章を書く習慣はないし、このようなブログやメールで駄文を
つくるだけである。
このブログで生産的な何かが作れるように模索してみたいと思う。

2009年1月1日木曜日

夢が正夢になった

JB-POT合格の意味をもう一度考えると
「2008年9月28日のあなたの知識と判断力は、まぁ評価してもよいよ」
と言われたのに過ぎないだろう。
どんな資格試験にも言えることだろうが、試験自体が目的ではない。
道具として毎日使うであろう英語の習得ならなおさらである。TOEICなどは目安でしかない。試験はペースメーカーであり、通過点であり、その後には
①目の前の患者に益するだけの治療法が有るか無いかについて、
 最新の英語論文を自分で読み吟味し、その治療法を利用するかどうか判断することができる
②英語のニュースや洋画を字幕なしで理解することができる。
③日本語が理解できない手術患者に対して、患者さんが安心できるような麻酔の説明を提供できる
といったことが目標としてあるのだ。
ここで止まっていてはならない。

・今日ここまで頑張ってこられたのは、様々な人のおかげであることを私は忘れない。
・人生の師でもある祖父に特に感謝する。
・毎日を一緒に過ごしている全ての周りの人に感謝の念を忘れない。