このブログを検索

2009年10月20日火曜日

last night in New Orleans(ASA day 4)

あっという間に4日目。
テレビをつけると予報では今日は華氏70/56なので21/13℃程度。Hurricane Rickがメキシコ西海岸よりに迫ってきており、これから数日後には荒天になりそうだ。テレビのCMはうつ病や尿失禁やOSAS(obstructive sleep apnea syndrome: 睡眠時無呼吸症候群)やらと病気の治療に関するものがやたらと目につく。

そして4時半に起きて何をしていたかというと。外に出ると人っ子一人いない。だが路面電車は動いている。Canal Streetはまだ明るいが、一本横に入ると非常に暗い…。しかしN Peters Street ⇒ Decatur Streetを歩いてゆく。ホテルから全部で15分くらい歩くとジャクソン広場Jackson squareの筈だが…。
ガイドブックにあるとおり「夜間は閉鎖」されていた。
英雄ジャクソンの像は拝めなかったがいつの日かの楽しみにとっておこう。

そして今日も7時過ぎに元気に通りを歩いて会場へ。昨日の午後より少し体調も改善したので、予定通りにリフレッシャーコースを受ける。以下の2コースを受けましたが、ともに勉強になった。
1. Perioperative Blood Pressure- A New Look At an Old Problem - Solomon Aronson
Aronson先生はこの道の大家のようで自分の論文も相当引用していた。
2. Anesthesia for Spine Surgery - Susan Black
特に2番目の講習の1項目に挙げられていたIOM(虚血性の眼障害)は復習になりました。どんな患者にIOMが起こりやすいか、と断定的には言えないが長時間手術、低血圧、大量輸液、輸血、などとの関係があるようだった。0.028-0.2%という頻度ではあるが、IOMは両目に起こり、なおかつ永久的な障害が多いことから術前のICが非常に重要であると改めて感じた。スライドに文字をいっぱい入れてくださると理解が進んでよい。
その後はMedically challenging casesのコーナーへ。今日は心臓麻酔、小児麻酔他の演題が多いようだった。
私の先輩にあたる先生が演題を出したとおっしゃっていたので見に行くことに。sevofluraneによるMHの一例報告だった。
・男児、家族歴なし
・投与から3時間、手術は殆ど終了という段階で発症。
・初発はETCO2上昇と頻脈。徐々に高熱に。ETCO2が100を超えていた。
他にも下肢動脈血栓症手術の術中の脳梗塞やら、骨盤骨折による大腿静脈DVTからの肺塞栓やら血栓・塞栓ものが目立った。本当に麻酔って恐ろしいですな。ポスターそれぞれの前にはauthorが立っていて、こちらがまじまじとポスターを読んで質問をするとみな情熱的に語ってくれる。麻酔の情熱は万国共通に違いない。

その後休むために一旦自室に戻り、午後は申し込んでおいた湿地帯ツアーにN先生、I先生と共に出かける。会場からバスに乗ること30分弱で大層な田舎に到着。田舎暮らしの私のは愛着が非常に持てる場所ではあったが、流石に住む気にはならない。長い長い沼地を30人ほどが乗れる船に乗って進む。この日は暑かったが、田舎に来たためか風のせいか船の上はとても過ごしやすかった。
船に乗り込み、しばらく進むとワニが。微動だにしないものもいて人形なのかロボットなのかはたまた生きているのか?といった感じだったが、スイスイと水の中を泳ぐものもいた。愛想良く見えなくもないが、万が一、水中に誰か転落でもしたらきっと噛みちぎりにくるに違いない。
16時頃には会場に戻り、明日早いことを考えて17時半には夕食。1日目に食べて美味しかった炭火焼きの牡蠣をいただく。デザートでいただいたバニラアイスはすごいボリュームで美味だったが、オーダーするときに「vanilla」がなかなか伝わらなくて悲しかった。
荷造りして23時に就寝。