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2013年6月30日日曜日

(本) (音) 2013年上半期の本と音のまとめ

今日で6月も終わりです。
この半年間、色々あって、読書に集中できた時間はこの2、3年の中では限られていたように感じます。それでも読んでよかったと思える本に幾つか出会えたのはラッキーでした。この半年間は、本よりも実際の体験からたくさんのことを学んだ気がします。

この上半期、特に読んでよかったと感じた1冊はヘッセのシッダールタでした。これは薄い小説ですが、読むたびに新しい気づきが得られそうです。
シュリーマンとシュヴァイツェルの著作からはしつこいくらいの情熱とひたむきさを学びました。さりながら、はこの時期でなければ出会っていなかった1冊です。読む人によって、大きく印象が異なる1冊ではないかと想像します。
仕事や実験で特に行き詰っていたわけではないのですが、働き方についての本を読む機会が多かった気もします。上半期に購入していながら消化できていない本については、下半期に登場するかもしれません。

<もう1回以上読みたい9冊>
シッダールタ / ヘッセ、高橋健二訳 / 1959
古代への情熱―シュリーマン自伝 / シュリーマン、関楠生訳 / 1977
水と原生林のはざまで / シュヴァイツェル、野村実訳 / 岩波書店 / 1957
読書について / アルトゥール・ショーペンハウアー、鈴木芳子訳 / 光文社 / 2013
プラトン―哲学者とは何か / 納富信留 / 日本放送出版協会 /2002
僕はミドリムシで世界を救うことに決めました / 出雲充 / ダイヤモンド社 / 2012
ミッション 元スターバックスCEOが教える働く理由 / 岩田松雄 / アスコム / 2012
自分をいかして生きる/ 西村佳哲 / 筑摩書房 /2011
さりながら / フィリップ・フォレスト、澤田直訳 / 白水社 / 2008

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音楽についてはより深刻な状況で、新しいものを積極的に摂取する意欲がこの半年間は減退していました。それでも下の8作品はよく聞いた気がします。Therionのシャンソンソングのカヴァー・アルバムは出色の出来でした。「La Maritza」は以前紹介したので、「Polichinelle」を貼り付けておきます。


Thomas Zwijsenのアコースティックギターによるアイアン・メイデンのカヴァー・アルバムも、並大抵なものではないでしょう。
イスラエルのバンド、Orphaned Landの待ちに待った新作はいい意味でマンネリしていて安心しました。アルバム収録曲からOfficial videoとして公開されている「Brothers」を貼り付けておきます。


<よく聞いた8作品>
Colors / Between The Buried And Me / 2007
Covers / BENI / 2012
Babel / Mumfold & Sons / 2012
Nylon Maiden / Thomas Zwijsen / 2013
Neverworld's End / Xandria / 2012
5th dimension / ももいろクローバーZ / 2013
Les Fleurs Du Mal / Therion / 2012
All is one / Orphaned Land / 2013

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先日、久しぶりに「モリー先生との火曜日」を読みました。

"the culture doesn't encourage you to think about such things until you're about to die. We're so wrapped up with egotistical things, career, family, having enough money, meeting the mortgage, getting a new car, fixing the radiator when it breaks - we're involved in trillions of little acts just to keep going. So we don't get into the habit of standing back and looking at our lives and saying, Is this all? Is this all I want? Is something missing? "
 He paused.
 "You need someone to probe you in that direction. It won't just happen automatically."

 I knew what he was saying. We all need teachers in our lives.

「その方向にすすめてくれる人が誰か必要だろう。ひとりでにはそうはならない。」

と書いてありました。

誰かは他人かも知れませんし、今の自分はまだ出会っていない未来の自分かもしれません。想像し得ない誰かや何かに導かれているような感覚を感じながら日々の生活に集中していられることは、もしかすると、とても幸せなことではないか、そう思います。宗教とかスピリチュアルとかの話ではないですよ。何かが自分に接近したときに、それがその時の自分に必要だという確信をもってぐいと引き寄せるために、本を読むということが役に立っているのかもしれない−そんなことを思います。本なんか読んでなんの役に立つんですか、という人がもしいらっしゃったら、私はそういう返答をしたいと思います。多分質問をした方には、その場では理解していただけないと思いますが、後で気づいてくれるはずです。自分から出る全ての言葉が、聞き手にその場で理解していただけると思い込むから、いろんなどうでもよい衝突が起こるのです。もう少しゆっくり待ったらいいのです。時間がなんのためにあるのかについて、少しでも思いを馳せて、それに乗っかったらいいのです。いつでもそうではありませんが、そうすることでとてもうまくいくことは、私たちの人生の中で、結構な割合で存在すると思います。


2013年6月23日日曜日

(雑) 學会に行ってきました

6月に入ってからというもの、毎日のように実験をしているために今日が何曜日という感覚が薄れて来ました。

麻酔の勉強目的で当ブログにきていただいている先生には申し訳ありませんが、ナンセンスなネタでもご容赦ください。まぁそんな人はいませんかね。勉強は自分でするものですもんね。


油そばって結構ヘルシーだと思うんですよね。


食べ終えると器の底に彼が登場します。

ということで今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

2013年6月21日金曜日

(雑) デビュー目前!

今までScanSnapには手を出してませんでしたが、これは…。


こちらから引用させていただきました。

紙の本をスキャンする予定はありませんが、色々と面白い使い方ができそうだし、変な形が愛らしいので買うことにしました。早くこないかなぁ。

2013年6月19日水曜日

(麻) 麻酔科医自己学習アプリがIARSから出ています

Facebookで知りました。
アプリの名前は「OpenAnesthesia」です。無料です。iPadでもiPhoneでもダウンロードできます。今日現在201問収録されています。


 

 
4択の問題です。
 

回答すると解説が表示されます。何問かやってみましたが、私は結構間違えます。これはたまたま合っていたMSの問題です。

専門医試験受験前の先生は、電車などの移動中にちょっと解いてみるのもいいのかもしれませんね。


2013年6月9日日曜日

(雑) 想像力の大海を泳ぐ日々

最近、色々な出費があるので、今必要かな…と、購入にあたって幾許か逡巡したのですが、結局購入しました。ものを買う時に、自分以外の誰かの役に立つかも…と少しでも思えて、しかも自分の懐に少しでも余裕があるならば、それは購入してよいものな筈です。


といっても購入したのは、ただの聴診器です。大学生協のお店の方に尋ねたら「5月のうちに注文してくれれば安く購入できます」と言われたので購入することにしました。
働き始めてから大学病院で常勤で働いていた2年と少し前までの間、学生の時に買った聴診器をずっと使っていたのですが、いつの間にか紛失していることに最近気づきました。
ということで、麻酔の仕事に行く時には、聴診器を鞄に入れて持ち歩くことにしました。
荷物が1つ増えましたが、これは必要なものです。

今更聴診器?という批判をする方も当然いらっしゃるでしょう。呼吸機能検査、血液ガス、経胸壁心エコー検査、既往で心肺機能に異常なし、の患者さんに聴診器を当てる意味があるのかという意見もおありでしょう。
ですが、今私にとってこの聴診器は、患者さんと、より、きちんと向きあうためのツールです。いつか、もしかしたら、手術前に検査を何1つ受けてない状態の患者さんの麻酔を担当する機会もあるかもしれません。
その時に頼りになるのは、誰かが決めたどのくらい信用に足るのかわからないガイドラインでも著名な先生たちが執筆した教科書でも電カル上に浮かんでくる基準範囲内の数値でも、そのどれでもありません。
自分の体に染み込んだ「患者さんを評価するための感覚」、それだけです。自分の判断で行った麻酔で、予想した結果が得られなかった時に「教科書通りにしたんだけどなぁ」とか「上の先生に言われたとおりにしたんだけどなぁ」とか「外科の先生が…」とか言ってる時点でプロとしては失格だと思います。イチローがヒット打てなくて言い訳しないし、ももクロがうまく歌えなくて言い訳しないし、村上春樹が書いた小説が批判だらけだとしても。それらに対して言い訳しているのを見たことがありません。彼らほどのレベルに到達できないとしても、麻酔という行為でお金をもらっている以上、何か足りなかった時に言い訳はできません。
そう自分に言い聞かせ、能力や努力はまだまだ足りないながら、だからこそ少ない麻酔の機会を最大限の学びの場にする。そう思って聴診器を購入しました。幸い術前診察で聴診器を胸に当てられるのを嫌がる患者さんにはまだお会いしていません。ありがたいことです。

以下は、2012年3月25日のログで引用させて頂きましたが、再掲。

***
待つことには、偶然の(想定外の)働きに期待することが含まれている。それを先に囲い込んではならない。つまり、ひとはその外部にいかにみずから開きっぱなしにしておけるか、それが<待つ>には賭けられている。ただし、みずからを開いたままにしておくには、閉じることへの警戒以上に、努めが要る。<待つ>は、放棄や放置とは別のものに貫かれていなくてはならないからだ。 <待つ>は偶然を当てにすることではない。何かが訪れるのをただ受け身で待つということでもない。予感とか予兆をたよりに、何かを先に取りにゆくというのではさらさらない。ただし、そこには偶然に期待するものはある。あるからこそ、なんの予兆も予感もないところで、それでもみずからを開いたままにしておこうとするのだ。その意味で、<待つ>は、いまここでの解決を断念したひとに残された乏しい行為であるが、そこにこの世への信頼の最後のひとかけらがなければ、きっと、待つことすらできない。いや、待つなかでひとは、おそらくはそれよりさらに追いつめられた場所に立つことになるだろう。何も希望しないことがひととしての最後の希望となる、そういう地点まで。だから、何も希望しないという最後のこの希望がなければ待つことはあたわぬ、とこそ言うべきだろう。( 「待つ」ということ ― 鷲田清一、角川選書、2006年 p18-19)

***
ゴールデンウィーク明けからずっと取り組んでいた仕事が、仕事かどうかわかりませんが、ようやく一区切りつきそうな気配がしてきました。
この仕事は、私にとっては全く初めての仕事なので、どのようにやれば上手くいくのか、全然見当がつきませんでした。かといって、周りにその仕事を経験した友人や知人もあまりおらず、日々手探りで進めてきた感じです。勿論、私の行為を応援してくれる何人かの優しい友人のお陰でここまで来られました。本当に感謝しています。

そういう感じで1ヶ月ほど生きてきて、今日、ふぅ、と一息ついたときに、ふと、鷲田清一先生の、上の言葉が私の中に戻ってきて、あぁ、やっぱりそういうことなんだなぁ、と得心しました。この1ヶ月ほど、みずからを開いたままにしておくことができただけでも、私は私の成長に感動しています。

鷲田清一先生の仰る意味でかどうかわからないけれど、待つことができるくらいには大人になったんだなぁ。

2013年6月5日水曜日

(雑) 大幅なダイエットに成功する

学会が終わって実験をrestartさせ、土日も関係なくやっていて、気がついたら7つくらいのプロトコールを平行してやっていることになっていて、ちょっと混沌とした状況が続いています。雑にやっても全く意味が無いので、1つ1つ完遂していくしかないんですが。

***
今まで出先にはMacBook Pro(MBP)とiPad3(iP3)を持ち歩いていましたが、今更ながら重い!ということに気づきました。出先ではディスクドライブ必要ないしね…。

ということで思い切ってMacBook Air(MBA)の13インチとiPad mini(iPm)を購入しました。MBAは11インチにしようかとも思いましたが、目や肩が疲れそうなので13インチにしました。MBA買ったら電気屋さんがポイントをたくさんつけてくれたので、買おうか迷っていたiPmを非常な廉価で購入することができました。

ということでMBP+iP3→MBA+iPmで合計約710g+350g=1060gのダウンです。MBPの時には電車内でパソコン開くのが結構億劫でしたが、MBAは快適です。電源入れるとすぐ立ち上がるし。こりゃぁ売れますね。
そして電子書籍はiPmで読むってことに落ち着きそうです。Kindle paperwhiteはお家用ですね。

***
この腹臥位のARDSの論文。

ちょっと信じられませんけれど、本当なんでしょうか?うーん。でもNEJMにこういうのが掲載されると、それを盲信してしまうレジデントや集中治療医がいるんでしょうね…。それがよいことなのか悪いことなのか、私にはわかりませんが。

2013年6月4日火曜日

(雑) 半径ゼロcmから15mくらいまでのこと


2013年の5月は、私の人生にとって忘れられない月になると思います。その理由が麻酔科学会でないのは残念な気もしますが、前に向って歩き続けるためです。

***
たまには写真で5月を振り返ってみようと思います。


今日、立派な賞状が届きました。賞状をいただくのは高校生の時以来です。アーチェリーの何かの大会で入賞したことがあって、それ以来です。本当に皆さん、どうもありがとうございました。親が喜ぶかもしれませんので、そのうち持って行って見せてみようと思います。普段、私が何しているのかわからないと思うので。
そういえば、親に、麻酔の仕事の話をしたことがありません。

生まれてはじめて世田谷駅に行きました。駅から見える範囲に喫茶店がありません。これは徒歩5分ほどのところにある喫茶店で注文した「ふわふわアイスカフェ・オ・レ」です。

生まれてはじめて、新潟でへぎ蕎麦を食べました。へぎ、って入れ物のことだったのですね。

モンティパイソンズホーリーグレイル、というビアを初めて飲みました。イギリスのビアらしいです。優しい飲みくちでした。渋谷駅近くです。

Kamelotのライブに初めて行きました。ヴォーカルのTommy Karevik、生歌もうますぎました。ライブ当日はギタリストのThomas Youngbloodのバースデイだったので、皆でハッピバースデ歌いました。



隣の大学病院にあるスターバックスに初めて行きました。もうここに来て6年も経つのに。



初めてJB-POTの合格更新申請を出しました。これは2度めはないですね。今度は受験しなおさねばなりません。維持したければ。


天下一品のラーメン、はじめて食べました。液体と固体の中間のようなスープですね。美味。店内にベッキーのポスターが沢山ありました。

3段重ねの駅弁です。秋田新幹線で秋田から東京に戻ってくる際に初めて食べました。


蕎麦焼酎のお湯割り。初めて飲みました。アルコールの濃さを自由に調節できるので、いくらでも飲めそうな気分になってきます。2日酔いにもならない不思議な飲み物でした。またトライしたいと思います。
***

振り返っても、飲んで食べて遊んでるだけでしたね。最近、身体感覚で実感するのは、「今日はオンの日、明日はオフの日」ではなく「今この時間はこれでオン、19時からはこれでオン、明日のその時間は〜〜でオン」という生活のほうが疲れにくいということです。
麻酔と実験以外(論文読んだり、教科書読んで勉強したり)は何時・何処でもできる仕事ばかりなので周りの常識にとらわれずにオン・オフはっきりつけた方がいいということです。だから平日の17時からでも飲みますし、日曜日の朝6時から実験したりします。
そんな生き方してると早死するよ、と言われないこともありませんが、将来のことは分かりません。目の前のことに集中します。