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2010年6月30日水曜日

気分に纏わりつく諸問題

抑鬱気分が必ずしも「何もしないこと」で回復してくるわけではない。だからといって休む暇がない程ぶっ続けで働けば、それは一時的に抑鬱気分を遠ざけるが、根本的な解決にはつながらない。抑鬱とは非常に厄介な問題で、人生を前に進めることを拒むかのようにある錆付いた何かのように日常の陰に潜み、絡み付いてくる。
取り敢えず前に進むことを、鈍足でもいいから続ける。これが最も良い解決法である気がする。抑鬱を何とかしようと躍起になるのではなく、目の前にある行う必要のあることを気分を荒げることなく、やるかやらないかと逡巡することなく淡々とこなす。そうすることで抑鬱が遠ざかるのをひたすら待つ。気分に囚われずに進み続けることができれば、それも1つの才能であろう。
10年ほど抑鬱と親しんできた現時点での解答。

2010年6月28日月曜日

マイナス思考法講座 ― ココロ社

多くの自己啓発書に感化され、自分の本来の性質ではないプラス思考に惑わされていたのが、そもそもの過ちかもしれないと最近少しばかり思うことがある。そんな時に出会ったのが本書。

本書の各章のタイトルをみるだけで、「ねあか」で前向きな人はげんなりして読む気すら起こらないかもしれない。
<例>
・あなたはくだらない存在です
・誰もあなたの話をきいていません
・人はわかりあうことができません
・あなたは何をやっても失敗します

逆にこれらを見て、興味が湧いた人は本書で何かしら得るものがあると思う。

<以下今後の自分のために、本書で学んだ事項の抜粋>
・「聞いていない」という前提で行動すれば、聞いてもらえる方法を十分に工夫し、多少は聞いてもらえる話をすることができる。そのために・・・
 ・あえて、有意義な話をすることをあきらめる
 ・たくさん詰め込まず、繰り返し話す
 ・新しい情報は極力減らし、相手に頭の中にある情報をもとに話す(65)
・コミュニケーションを円滑に進めるためには、単に誠実なだけではなく、メッセージを届ける相手の全てを想定しきることが必要(96)
・より絶望すれば、弱音すら言えないことに気づけます(146)
・「サエない自分が、どうすれば人から愛されるようになるか」を本気で考えているのなら、自分の悪口を自分でいうはずがないのです。(146)
・自己嫌悪を丸出しにする人、それ自体が嫌悪すべき対象です。控えめに生きていきたいのであれば、自分を嫌いになることは重要ですが、誰にも知られず、こっそり嫌いになるべき。
 ・欠点はアピールするのではなく、無言で直す
 ・欠点を言うときは必ず笑い話にする
 ・自分を悪く言うことは控え、相手を立てる (149)
・話しすぎると嫌われたりする危険性があるので、言葉は厳選する(179)
・不幸に耐える努力をする粘り強さがあるのなら、幸せになる努力をした方がよいと考えるのがまっとう。「ありがたい」と声帯を震わせておきながら、「ありがたい」と本当の意味で思えるようになるために何をすればいいかを考えるべき。「くよくよするのはいいことだ」(184)
・失敗するのが許されていますが、その場合にさらなる成功をおさめることが求められます。運が悪くて失敗してしまった人のみが救われるだけで、失敗するべくして失敗した人は、さらに転落の人生をたどらないとも限りません。なぜなら、運が悪くて失敗したのではなく、努力していなかったり、判断力がまずかったりして失敗したのなら、その失敗は、ある意味その人の個性であり、その後も個性が発揮されるだろうからです。(188)
・「起きてしまったことはすべて悪いことである」と思えば事態は悪化しません(192)
・失敗事例をリアルに感じれば同じ過ちを繰り返さなくてすみます(192)
・成功・失敗は相対的なものなので、羨んでしまうような友人は選ばない(195)
・悪い印象を与えてしまうと、自己紹介をする権利も奪われてしまうことになる(200)
・自分の内面なんて、他の人から見れば本当にどうでもよいことなのです(208)
・ありのままのあなたの素晴らしさを表現するために「見た目=内面」にすうのではなくて、人はほぼ見た目でしか人の内面を計ることがないという意味において、見た目を内面と一致させることが重要になってくるのです(208)
・することがないから夢を捏造していきていくしかありません(215)
・今日はがんばった! → 仕事のやり方がまずいのかも・・・
 がんばった自分を褒めることは大事かもしれませんが、実は無駄な頑張りにすぎなかったかもしれませんし、それが無駄であったことを認めると正気でいられないのかもしれませんので、自分をねぎらってしまいがちですが、がんばらざるを得なかった背景を分析し、本当にがんばる必要があったのかを考えておくべきです。そうしないと死ぬまでがんばる羽目になります(224)
<抜粋終わり>
一貫した本書のメッセージは「常に最低、最悪の事態を想定してことに当たれば、それ以上の地獄は見ない」ということだろうか。周到な準備と他人に気を遣える想像力が重要なことが行間から読みとれる。自己の努力や調整可能な範囲以上において変な期待を他に求めてはいけないということも重要な点だ。それは「人を信頼しない」という孤独な思考法とはまた異なるものだ。

ひねくれてはいるが、本書が発するメッセージは過去の幾多の素晴らしい自己啓発書と変わらぬ前向きなものだと感じられた。

Training in Rena(其の四十参)

レース前のランニングは今日でおしまいかも。この3日間はいい調子で走ることができた。終わってみると、6月は過去4ヶ月で一番の走行距離を達成することができた。

ランニング:51分 8.0km(最初5kmは傾斜3.0-6.0で8.0-10.0k/h, 残り3kmは傾斜0で10-13km/h) 計292.5km
筋トレ:なし
(2月 48km, 3月 56km, 4月 63.1km, 5月 61.6km, 6月 63.8km)

7月10km:東和ロードレース(あと6日)
9月20km:田沢湖マラソン(あと83日)
(2月 30km:青梅マラソン あと237日)

外勤先に行く朝9時半。パチスロ店の前に数十人が並んでいて新鮮な驚きを覚えた。

取り敢えず、大学院の学生募集要項を取り寄せてみた。さて、どうなることか。

2010年6月27日日曜日

Training in Rena(其の四十弐)

ランニング:34分 5.0km(傾斜6.0で8.0-10.0k/h) 計284.5km
筋トレ:腹直筋他
(2月 48km, 3月 56km, 4月 63.1km, 5月 61.6km, 6月 55.8km)

7月10km:東和ロードレース(あと7日)
9月20km:田沢湖マラソン(あと84日)
(2月 30km:青梅マラソン あと238日)

来週のレースに向けて、日除け用のキャップと小物を収納できる腰に装着するポーチを購入した。ランニング用品の専門店に初めて行ってみたのだが、「サロマ湖100kmマラソン」のポスターが店内あちこちに貼ってあった。そして売られているランニング用のウェアやシューズも特集が組まれていた。うーん。凄い世界だ。100kmなんて本当に走れるのだろうか。

***
本当かな。
Anesth Analg July 2010 111:83-85
婦人科の日帰り腹腔鏡手術を受ける80人を前向き無作為化してプロポフォールとセボフルラン麻酔で比較。プロポフォールの方が術後痛が小さかったということだ。

2010年6月26日土曜日

エキスパートの気管挿管

このブログで医学書について書いたことがなかったような。
久しぶりによい買い物をしたので、紹介したい。

「エキスパートの気管挿管 ― 中外医学社」と言う教科書が最近発売されたが、タイトルどおり、1冊丸々気管挿管のための教科書である。マニアックといえばそれまでだが、「ただ挿管するだけ」以上の技術・知識を求められる麻酔科医ならば必読の内容といえる。

少し前に「挿管困難対策手技マニュアル」という教科書が洋土社から発売されたが、そちらでは主にトラキライトやAWS(エアウェイスコープ)、それらを用いた意識下挿管が取り上げられていた。そちらも非常にためになる教科書だった。

私が今回「エキスパートの~」を購入したのは、苦手な分離肺換気に30頁も割かれているためである(しかも著者はH先生)。分離肺換気の章だけでも素晴らしい内容だが、そのほかにトラキライト、AWS(エアウェイスコープ)、FOB(気管支ファイバー)、LMA(ラリンジアルマスク)、小児での挿管についての各論があり、どれも濃厚な内容。勿論、総論で困難気道対策についても書かれている。

最近まねしてやっているのがAWSの「パイルダーオン法」(AWSの長いハンドルが胸郭等に当たってしまいイントロックがを口腔内に入れにくいときに、先にイントロックだけを入れ、その後本体と接続する方法。詳しくは本文の84-85頁参照)。先日、この方法で動揺歯牙患者の歯牙損傷を避ける事ができた。

著者それぞれの哲学と、その根拠となる引用文献、極めて実践的な内容。明日から真似したくなる小技も多い。DVDもついており、非常にお買い得である。

日々まなび。

区からがん検診のお知らせが届いた。
こんなところでも、ヒトは自分の年齢を実感する。

参議院選挙は蹴球によって、すっかりマスコミの注目の首座を奪われた感がある。この勢い(マスコミと国民の関心の低下??)で民主党が単独過半数をとってしまうのだろうか。

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25日。
4時半にテレビをつけたころには既に2-0で日本がリードしていた。
通勤途中の池袋駅周囲には何故か、ブルーの日本代表チームユニフォームを着たサポーターらしき若者を数十人見かけた。
私はサッカーファンではない。普段からテレビの試合中継は見ないので、こんなときにだけ試合を見るのもちょっと邪道な気がしてしまう。本物のサポーターに悪い気がする。というわけで日本代表チームの応援は控え目にしかしていない。遠く異国の地でも最高の結果を求められる彼ら代表選手の努力には、誠に畏れ入るばかりだ。どこでも最高の結果を残すことがプロの仕事。グループリーグ敗退国でも、800万ドルの賞金を受け取るらしいから仕事のスケールが違う。私など、初めて行く外勤先の病院での麻酔はいつもガチガチなのに。

***
22日。
とある麻酔の商業雑誌(と書けば大方予想はつくだろうが)の編集会議を見学させてもらった。編集委員の先生方の人脈、知識、ユーモアにと感慨深い1日だった。

***
23日。
いろんな意味でターニングポイントとなった1日だった。
やはり自分の麻酔科医としての仕事を別の視点から見直すことは重要だ。

***
24日。
インチャージ。プレイングマネージャとして手術室全体を監督する1日。簡単にいえば、麻酔科医をこき使っているだけの日なのだが、専門医試験の口頭試問に出てきそうな症例が数件あって本当に忙しい1日だった。みな無事に退室していったのは奇跡?スタッフみんなの努力の賜物だろう。

Training in Rena(其の四十壱)

来週のレースを意識した負荷でトレーニング。

ランニング:64分 10.0km(始め5kmは傾斜6.0で8.5k/h, 後5kmは傾斜0で10-13k/h) 計279.5km

筋トレ:広背筋他
(2月 48km, 3月 56km, 4月 63.1km, 5月 61.6km, 6月 50.8km)

4月5km:なまずの里マラソン  23分07秒(13km/h)
6月8km:多摩川堤健康マラソン39分44秒(12km/h)
7月10km:東和ロードレース(あと8日)
9月20km:田沢湖マラソン(あと85日)
(2月 30km:青梅マラソン あと239日)

2010年6月21日月曜日

Training outside(其の四十)、早朝ラン開始(1回きり?)

ランニング:17分 3.3km(平坦な道) 計269.5km
筋トレ:なし
(2月 48km, 3月 56km, 4月 63.1km, 5月 61.6km, 6月 40.8km)

4月5km:なまずの里マラソン  23分07秒(13km/h)
6月8km:多摩川堤健康マラソン39分44秒(12km/h)
7月10km:東和ロードレース(あと13日)
9月20km:田沢湖マラソン(あと90日)
(2月 30km:青梅マラソン あと244日)

6月に入ってから明らかに走行距離が減少しているにも関わらず、次のレースまでの時間が余りにも少ないことに危機感を覚える。今日は覚醒時に昨日のランによる後遺症を自覚していなかったので、早朝ランに挑戦してみることにした。5時。夜は明けている。流石に昼間よりは涼しいが、それでも大気はねっとりとしていて、10分も走らないうちから汗をじっとりとかくようになった。
朝走るのは初めてだったが、朝のランがよいと思ったところは
・まだ眠いので、「走りたくないな」と考えずに走ることができる
・車が少なく空気がよい(気がする)
・通勤電車で眠くならない(シャワーを浴びてから出勤するからか?)
・朝ご飯がおいしく食べられる(これは恐らくちょっぴりしか走らなかったからだろう)
これが習慣になれば朝のランがよいということになるのだろう。。
ランのために出勤時間を遅くしたくはないので、もっと距離を走りたいと思えばもっと早く起きる必要がある。だが、そんなことを言うのは取り敢えず早朝ランが習慣になってからでも遅くない。

2010年6月20日日曜日

Training outside(其の三十九), LOUD PARK 2010

気温約30℃、湿度約70%。
レースを意識して、雨が降っていないときは外で走るようにしよう。
8kmランから1週間空いてしまった。平日は帰宅が遅いので、早朝ランを検討してもよいのかもしれない。麻酔中に寝なければよいのだが。

ランニング:60分 1.2+(2.3*4)+1.2=11.6km(平坦な道)  計266.2km

筋トレ:なし
(2月 48km, 3月 56km, 4月 63.1km, 5月 61.6km, 6月 37.5km)

4月5km:なまずの里マラソン  23分07秒(13km/h)
6月8km:多摩川堤健康マラソン39分44秒(12km/h)
7月10km:東和ロードレース(あと14日)
9月20km:田沢湖マラソン(あと91日)
(2月 30km:青梅マラソン あと245日)

***
昨年はASA annual meetingと重なって参加できなかったヘヴィメタルの祭典LOUD PARK。今年は行けそうなので出演者をチェックしている。
http://www.loudpark.com/10/
だがOZZY OSBOURNEがヘッドライナー、他はMOTORHEAD、KORN、Avenged Sevenfold等々、あまり興味の持てないバンドばかり・・・。DIR EN GREYのライブは未体験なので京のグロウルを体感するために行ってみたいところ。
個人的にはDream TheaterがLOUD PARKではなくSummer Sonicに出演しているのがとっても謎である。Summer Sonicに出演するバンドの音楽はほとんど聴いたことがないので分らないが、ロックが好きな人たちが1曲10-20分のDream Theaterの音楽を聴きにくるのだろうか。LOUD PARKとSummer Sonicの資本力の差によるものか。

2010年6月19日土曜日

Diary of the Deadは☆☆

久しぶりに映画DVD販売コーナーに行ったところ、DVDがびっくりするほど安くなっている。結構面白い作品まで「3枚で3000円」で売られているのだ。
そして3枚購入したDVDのうち、3枚目にと手に取った「ダークナイト」を押しのけて勝ってしまったのが、本作「ダイアリー・オブ・ザ・デッド」である。ゾンビ映画ファンの私には、バットマンシリーズ随一の大傑作映画より本作の方が優先順位が高いのであった。

ジョージ・A・ロメロは小学2年生のときに見た「ゾンビ」(1978)の衝撃以降、私の中でも別格の存在感を放つホラー映画監督である。ちなみにロメロ監督で一番のお気に入りは「死霊のえじき」(1985)である。

本作は2008年発表。デニス・ホッパーが出演していた「ランド・オブ・ザ・デッド」の次にロメロ監督が世に送り出したゾンビ映画である。
ゾンビが出てくるホラー映画としては、人体が単なる肉塊に貶められるようなスプラッタシーンは非常に少ない。それより、人間の醜さや戦争、報道の倫理等の社会的メッセージ色が強く感じられ、あまり楽しめなかった。登場人物やナレーションに多くを語らせずに起こっている事象を淡々と描写し、そこから個々人がメッセージを読み取る、というスタイルの方が私は好きだ。強制力が無いため、映画の映像から想像の海を自由に泳げる。一本のシナリオからはみ出すことのできないロールプレイングゲームに似た不自由な感覚を、この映画を見ながらおぼえた。ゾンビを通して現代社会の矛盾を考えよう、という95分。ゾンビには荷が重い気がする。

本作にはスティーブン・キングやクエンティン・タランティーノも出演していたらしいが、当直に入る前の時間帯にぼぅっと見ていた私には全く分からなかった。かといってそれを探すために2回目以降は見ないだろう。
にも関わらず一応足跡代わりにブログに投稿したのは、「過去に見た映画でエンディングを覚えている映画があまりにも少ないことに愕然としたため」である。
問:私は何のために映画を見るのか。
解:見た内容を忘れるためである。
なのだろうか??

走ることについて語るときに僕の語ること - 村上春樹

オレンジ色の人たちはやはり強かった。

***
誰もが人生の何らかの時点で、内なる炎が消えることがある。しかし、別の人間との出会いによって、その炎は再び燃え上がる。我々は、内なる精神を再燃させてくれる人に感謝しなければならない。(アルベルト・シュバイツァー 「スピード・オブ・トラスト、スティーブン・M・R・コヴィー p487からの引用)

それが生身の人間である必要は必ずしも無い。日常は同じような世界と同じような人間同士の社会生活の繰り返しのため、新しい刺激はどうしても限られる。それが勿論悪いことだとは露とも思わない。刺激だらけの生活は「集中すべき仕事の集中力」を大いに削がれる。ルーチンな環境でのルーチンワーク、それにちょっと辛い刺激のある山葵が少しあるくらいが丁度よい。

「別の人間」との出会いが安価に、しかも相手の都合を気にすることなくできる本というものは素晴らしいものである。その「別の人間」が村上春樹氏でも勿論よいわけである。氏が2005年-2006年に書いた「走ることについて語るときに僕の語ること」は、先日のマラソンで草臥(くたび)れちまった私に、マラソン魂の内なる炎を燃え上がらせるきっかけになった本である。これまでの著作の文体からは、氏がそれ程のランナーであるとは全く想像できなかった。そのため、1日平均10km走っていると書いてあるだけで私には驚きの1冊だった。また「走ることは仲間や相手や特別な道具や装備、特別な場所がいらないという利点がある」と書いており、全く気取っていないところも親近感が沸き、読んでいて非常に楽しかった。(これはまさに私がランニングを始めたのと同じ理由だ)

小説家として生活しており、好きな時間に自宅で一人で仕事ができるから、満員電車に揺られて朝夕の通勤をする必要もないし、退屈な会議に出る必要もない。(略)それに比べたら、近所を1時間走るくらい、なんでもないことじゃないか。(p73)

と、イエスキリストが死んだ33歳から、氏は走り始めたそうだ。
よし。また、ちょっとやる気が出てきた。フルマラソンへの道は長いが、一歩一歩すすんでいこう。

2010年6月16日水曜日

Yasukuni

とある世論調査では50%以上の国民がワールドカップに関心を持っていなかったらしい。日本がカメルーンに大勝利した陰での日本のリーダーの言葉。

「A級戦犯が合祀されている問題などから、首相や閣僚の公式参拝には問題がある。首相在任中に参拝するつもりはない」

私は「いわゆるA級戦犯」を賛美する気は毛頭ない。首相に参拝しろというつもりもない。首相であるからには以下のような事実を知っているはずだ。
・重光葵:A級戦犯として有罪判決を受け禁固七年とされた。釈放後、鳩山内閣の副総理・外務大臣となり勲一等を授与された。1954年に外務大臣に就任し日ソ国交回復と国連加盟も成し遂げている。
・賀屋興宣:終身刑とされた。池田内閣の法務大臣を務めた。
・岸信介:A級戦犯元被指定者。内閣総理大臣になった。

東アジア情勢に配慮した言葉なのだろうか。哨戒船沈没事件で「日本は韓国を支持する」という意思表明をしているため、韓国世論は親日的な感情をもっているようだ。その気持ちを逆撫でしまいとの思いからか。
A級戦犯を別に祀るとか、無宗教の墓地を作るとか何とかまた言いはじめなければよいが。
墓を作るという行為そのものが宗教的行為だと思うのは私だけだろうか。

***
7月4日に走る「第41回東和ロードレース大会」の参加通知書が送られてきた。だが、先日のレース以降妙な咳が続いている。コンディションは甚だ不安だ。

***
5月下旬から続いた酸素療法に関する仕事がようやく終了した。講義1回(45分)、実習講師3回(80分×3)。手術室の新人看護師さんの勉強会講師の仕事も終了。少しでも看護師さんたちの臨床力アップに役立てばよいが。ゆっくりと自分の仕事を再開しよう。

2010年6月14日月曜日

ゆーみん

で1番好きな曲は「ベルベットイースター」である。
ちなみに「あの日にかえりたい」もよい。
私には「帰りたいあの日」は取り敢えずはないが。

それはさておき、UMINである。
大学病院に勤務しているため、臨床研修医の評価をする必要があるらしい。そこで「ゆーみんのID」を訊ねられた。
はて?なんのことかさっぱりだったが、古の記憶を呼び起こしつつ、検索をかけたり、UMINにメールで問い合わせてみると、確かにあった。自分のIDが。しかしIDだけでは中途半端。パスワードも再発行してもらおうと思ったが、手続きを見てみるとプライバシー保護の名の下に面倒な手続きの数々(実際に必要な処置ではあろうが)。単純な事務作業ほどめげ易いものはないということを再確認した1日だった。

***
「ちょっと高級なブティックに行く」というミッションは、私にとっては「フルストマックのBMI40の喘息を合併した消化管穿孔患者の麻酔」よりも緊張するものだということを知った。池袋東武にいくといつも道に迷う。今日も4時過ぎに目が覚めてしまったのはそのせいかもしれない。

***
今日の正午から第7回JB-POTの受験受付が開始されている。
http://www.jb-pot.com/exam/guide.html
7月30日までで締め切るようだが、例年それより早く応募者がいっぱいになって締め切られている。「受験料30000円、キャンセルしても返金なし」はいつもとおんなじ。今年は渋谷のようだ。

第50回多摩川堤健康マラソン(其の三十八)

こんなにも8kmがきついとは思わなかった。

ランニング:8km (29歳以下149人中31位, 平均12km/h) +準備ラン1km  計254.6km
筋トレ:なし
(2月 48km, 3月 56km, 4月 63.1km, 5月 61.6km, 6月 25.9km)

4月5km:なまずの里マラソン  23分07秒
6月8km:多摩川堤健康マラソン39分44秒
7月10km:東和ロードレース(あと20日)
9月20km:田沢湖マラソン(あと97日)
(2月 30km:青梅マラソン あと252日)
今日はおよそ24-5℃、曇り時々晴れ。太陽は顔を出したり引っ込めたり。風は少々。走りやすい天候といえるだろう。
電車を3回乗り換えて1時間ちょっとで目的の東京都大田区「下丸子駅」に到着した。駅から会場までの案内表示は全くなく、iPhoneのGPS機能を頼りに集合場所の「下丸子中学校」に向かう。15分かかる。
中学校の目の前にコンビニはあるが、他には店らしきものはない。必要なものはここで買えるが、心配な場合は、下丸子駅前のコンビニで買っても良いかもしれない。
 会場の更衣室。男性は中学校内の廊下である(流石に女性は教室内だったらしい)。男だらけでいろいろな臭気が充満している。一応中学校なのでトイレはある。そこにもいろいろな臭気が充満している。走る前から具合が悪くなってくる。記録集は500円で別売り、貴重品の預かりは100円。私はやや大きいリュックで行った。渡されたビニール袋に入るサイズならば預かります、ということだったので、大きい荷物で行く人は注意かもしれない。私はぎりぎりで預かってもらうことができた。
 大会参加者はおよそ1200人(女性は300人弱)との記録。コース地図を見ていると横から中年男性が「去年とおんなじだよ」と声をかけてくる。私は初めてだから当然分らないのだが。
 コースは砂利道(途中アスファルトもあり)で、多摩川の河川敷を2往復するだけの単調な道である。坂はない。途中2箇所に給水所を設けてくれている。
 ランに関しては道幅が結構狭い、コース周囲ではボランティアの方々がゴミ拾いをしている、変拍子のリズムで太鼓を叩く子供がいる、となりのグランドで小学生の野球大会が行われている、と気が散る要素ばかり。声援はほぼ皆無である。聞こえるのはどこからか子供の泣き声。これならば音楽を聴きながら走ったほうがよかったかもしれない。走り終わるとサイダーとポカリスエットがもらえる。完走症も大会本部のテントで申請すればすぐにカラープリンタで刷ってもらえる。
 50回続く歴史ある大会のようだが、娯楽性は少ない。走るための大会。スタッフの方々のあたたかさが感じられ気持ちよく走ることができた。しかし、わざわざ遠方から来るメリットはあまりないだろう。少なくとも私はもう参加しなくてもよいかなと感じた。

精神力を鍛えて次のレースに臨みたい。

2010年6月12日土曜日

Training in Rena(其の三十七)、当直など徒然に思うこと

何故か土曜日に朝4時過ぎから目が覚めてしまったので、その後寝ようと何度か試みたが上手くいかず、結局5時過ぎに起きることにした。
そういえば6月も中盤。臨床麻酔学会に出す演題の抄録を仕上げねば。

***
ランニング:19分 3.0km(傾斜3.0)  計245.6km
筋トレ:なし
(2月 48km, 3月 56km, 4月 63.1km, 5月 61.6km, 6月 16.9km)

4月5km:なまずの里マラソン  23分07秒
6月8km:多摩川堤健康マラソン(あと1日)
7月10km:東和ロードレース(あと22日)
9月20km:田沢湖マラソン(あと99日)

田沢湖マラソンのエントリーが6月9日から開始されていたので、ランネットから早速登録してみた。
改めてコースを見てみると湖をほぼ1周することで20kmのようだ。
10kmを1時間で走っているトレーニングの現状から推測するに、2時間30分以内の完走を目標にすればよかろうか。何せ競技開始から3時間で制限時間になってしまう(今日知った)。完走したいな。
 
田沢湖マラソンは兎も角として明日の8kmのレースを完走したい。水曜日にフローリングに直寝してからというもの、ちょっと喉が痛いのだがまぁ大丈夫だろう。

***
いったい当直力とはなんだろうか。

1.第一声は緊急手術の適応について「今すぐやらないといけない理由はなんですか?」
 勿論Stanford Aや下部消化管穿孔症例に対してこんな質問をしてはいけない。 
2.真夜中の脊麻依頼の虫垂炎でも、にこやかに対応する。
 自分たちでもできるでしょ、と思わずに、「なぜ私のPHSに連絡をしてきたのか」を考える。
 そう。鼠径ヘルニアの緊急手術中に患者が誤嚥して肺炎になって帰らぬ人になってしまうと、間違いなく訴訟沙汰になるのが現在の日本の医療である。簡単に鎮静すべきではない状態は、何割かの割合で確実に存在する。鎮静するとしても自分の吐物を咽頭反射で口腔外に吐き出せるくらいのレベルにすべき(できるのか?)だろう。痛みを鎮静でごまかすとバチがあたるであろう。
3.昼間の予定手術麻酔時以上の集中力で、急患にあたる。
 ただでさえ夜間は集中力が激減している。その麻酔管理にはミスが(あまり)許されない。夜中に手術をしなくてはならないような患者さんは、緊急手術をせずに何もしなければ0点に限りなく近づくのだから、危ない麻酔を避け、せいぜい60点になるような管理を目指す。自分が責任をとれる以上のことをしてはいけない。麻酔科医に落ち度があっても、緊急手術を申し込んできた外科医が庇ってくれると思ってはいけない。

そういう意味では、人が比較的いる「昼間の緊急手術」に「手伝いますよ」と手伝うふりをして、第3者の目から緊急手術の麻酔と手術経過を間近で見学するのは非常に重要である。当直していれば、やったことのない手術の麻酔を必然的にやらざるをえない。無理だと判断すればオンコールでも誰でも使える人的資源は全て使うべきだ。長い夜を越えて、明日も自分の力で患者に貢献したいならば、明日もご飯がおいしいと思いたいならば。

急患の知らせがないからと言って、他の書き物仕事なんかに現(うつつ)を抜かしている自分はダメな当直麻酔科医かもしれない。

***
リーダーが変わっても、小政党の党首辞任でどうのこうのなっていてはたかが知れている。郵政改正法案は悪法である。子供手当ても悪法である。高校授業料無償化も悪法である。全員を無償化してどうするのだろう。優秀な学生、やる気のある学生の教育費用を無償化して援助するのなら分るが、そうでない者にまで無償化の範囲を拡大することが必要だろうか。無償化によって「教育が受けられることのありがたさ」が薄れることを私は懸念する。
そもそも政治理念が異なるのに何故連立する必要があったのか、政治の世界をよく知らない私は思う。

***
やはり愛する誰かのためにやる仕事は深みが違うのだろう。この道30年になったときにも素直な可塑性のある心でいたい。仕事の動機、意気込み、情熱、全てにおいて私はまだまだであることを痛感した土曜日だった。

2010年6月11日金曜日

模様替え

ブログの背景を変えてみた。
本に囲まれて幸せ。

早速注文してみた。
「周術期管理テキスト2010」
http://www.anesth.or.jp/news/i100608.html

「全国の麻酔科医師により作成された、700ページあまりに及ぶ術前・術中・術後を詳細に明記しております、大変見応えのある教科書(テキスト)となりました。」
700ページで3000円である。いったいどんな内容なのか。
それにしても注文から本が手元に届くまで1ヶ月程度もかかりそうだ。
気長に待つとしよう。

Endnoteをついに買うことにした。
大学の生協で聞いたところ、大学生やポスドクなら31290円、それ以外は52290円だと言われた。放送大学に入学しても大学生料金で買えるといっていたが、その入学料は安くても12000円する。どうせ日本語版はないので、安値を求めてAmazon.comへ。と$160で売っているではないか。

2010年6月8日火曜日

技術の意識化無意識化

自分の経験から、技術の向上段階には「意識化」とその後の「無意識化」がある。

1.無知期:何が問題か、何に注意を向けたらよいのかわからないので、指導者の方法を見学し、やり方を真似ようとする。本や文献にあたり、一般的な方法を学ぶ。イメージトレーニングを行う
2a.初学者期:本で得た知識と指導者に教えられた方法で実践する。余計な力があちこちに入り、ぎこちない。このやり方でうまくいくはずなのに、と失敗と成功を繰り返し、経験を重ねていく。まだまだ指導者の助けが必要。
2b.中学者期:簡単な手技に関しては無意識に成功できる率が90%以上になる。簡単な手技に関しては1,2a期に対して指導できるが、「手をかわってください」と助けを求められてもあまり自信がない。時折遭遇する困難例で大苦戦する。そういうときには3,4期の手が必要。困難例に当たると普段の実践が間違っているのではないかと自省する。
3. 高学者期:多くの技術を無意識にできる。自信を持って2a,b者の介助ができる。1期だったころの気持ちを忘れ、求められているであろう指導的助言が必ずしもできなくなってくる。
4.達人期:何でもできる。少なくともそんな気になる。組織の中で「困ったらあの人に」と頼られる存在。実際何でもできる。しかしうますぎて多くの2-3期の人は学ぶことが少ない。自分の方法にこだわりを持ち、実際それが優れているために、自分のやりかた以外に対して素直に評価できないことがある。

私はまだせいぜい2b程度であろう。ルーチンワークを真剣にこなす態度・向上心・素直な心が少なくとも3のレベルまで押し上げてくれるに違いない。

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2回の査読返却を経た投稿論文がようやく受理された。初回投稿から数えると実に半年経過していた。「論文が受理される1番のコツは、受理されるまで出し続けることである」はけだし名言である。凡人の私にできることは、賢明と思われる努力をマイペースに続けることか。ここまで付き合ってくださった関係者の方々には感謝。書くというのは本当に大変だ。次のネタではもう少し早く受理されるように精進してみよう。

2010年6月6日日曜日

Training outside(其の三十六)

1週間あくと走れるか不安になる。
走り終えてみると1回に走った距離ではこれまでで1番長かった。
今日は1週間後のレースを意識して外を走ってみた。
夕方のトレーニングのため西日が強かったが、風が時折吹いてきて心地よかった。
躑躅のほかに紫陽花が咲いていた。
東京の来週の日曜日の天気予報では曇り時々雨。雨が降らなければよいが。

ランニング:77分 1.2+(2.3*5)+1.2=13.9km(ほぼ平坦な道)  計242.6km
筋トレ:なし
(2月 48km, 3月 56km, 4月 63.1km, 5月 61.6km, 6月 13.9km)

4月5km:なまずの里マラソン  23分07秒
6月8km:多摩川堤健康マラソン(あと7日)
7月10km:東和ロードレース(あと28日)
9月20km:田沢湖マラソン(あと105日)

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今日感じた違和感。
きちんとした料理を出す店、それも個人で営業しているようなこじんまりとしたお店で、来店するなりおもむろにパソコンを取り出し、それをいじりながら食事をする30代(推定)のカップルが隣に座ったのだ。いい大人のカップルで、わざわざ予約までして来店し、お互いにろくに会話も交わさずに、黙々とパソコンでネットやコミックを読みながらである。私たち夫婦が店を出るまでの40分ほど、全くその態度は変わらなかった。
食べ方は人それぞれ。周りの迷惑考えず大声で世間話をしながら食べる中年女性はよいのか、本や雑誌を読みながら食べるのはよいのか、等いろいろと反論はあるだろう。iPadがもっと普及したらそれもよく見慣れた光景になるのかもしれない。しかし、今日遭遇した、隣の2人の食事のとり方は「1人暮らしの人が家で漫画雑誌を読みながらコンビニの弁当を食べる」それに限りなく近い雰囲気をかもし出していたので、異常な違和感があった。パソコンがメインで料理はついで、のような食べ方には、作り手に対する感謝の気持ちが全く感じられなかった。人の食べ方をあれこれ言えるほどのマナーは私自身も持ち合わせていないが、守った方がいい常識というのはある筈。人のふりを見て我がふりを直すきっかけにしようと考えた1日だった。世の中いろいろな人がいるものだ

2010年6月5日土曜日

ラクをしないと成果は出ない ― 日垣隆

スペインの哲学者オルテガは「大衆の反逆」で言っている
「常に自分に課題を課していく人が、思想的貴族だ。優れた人間とは、自分自身に多くを課す者のことである」 (43)

自爆しない(92)
  ・その1:嫌なことに2つ以上の理由をつける
  ・その2:自分にできないことを、できると言ってしまうこと
  ・その3:自分にできないことを他人のせいにしてしまうこと

やさしく丁寧な物言いで難癖をつけてくる相手と、エキセントリックに怒鳴るけれど的を射た指摘をしてくる相手を見極める(96)

イギリスの歴史学者C・N・パーキンソンの言葉
「仕事の量は、完成のために与えられた時間を全て満たすまで膨張する」
日々仕事を圧縮する工夫を。

45歳の人が25歳の人の2.5倍の給料をもらうためには、等しく与えられた時間の中で3倍の仕事をこなせなければ、受給するまっとうな資格がない時代 (101)

「今の仕事は30年たってもやっている仕事かどうか」を自問し、そうでなければ続かないと見切ったほうがいい。(113)

「何をしないか」を明確にしていく。人の一生は、「すべて」をやれるほど長くない(136)

失敗の原因を探すとき、自分を除外してはならない。たとえ、上手くいかないことがあっても誰かのせいにしない。(153)

 

2010年6月4日金曜日

スピード・オブ・トラスト ― スティーブン・M・R・コヴィー(其の二)

・「我々は最善を尽くしている」と言ったところで意味はない。必要なことを確実に実行することが必要なのだ。(ウィンストン・チャーチル 184)
・何が正しいか知りながらそれをしないのは、最大の臆病である。(孔子 240)
・うまくいったときは外にいる人たち全員と、その人たちが行った貢献全てを見て、彼らを褒め称え、評価すべきだ。だが、結果が悪かったときは外を見て他人のせいだと非難したりせず、自分に責任があると考えろ。(ジェームズ・コリンズ253)
・その場にいる人たちとの関係を保ちたければ、いない人に対して忠実であれ。(スティーブン・R・コヴィー 257)
・誰かに何かを改めてもらいたいと感じていたら、その人と直接話す勇気を持つ(260)
・二十一世紀における教養のない人間とは、読み書きのできない人ではない。学び、忘れ、再び学ぶことのできない人である(アルビン・トフラー 270)
・20歳であろうが80歳であろうが、学ぶのをやめる者は皆老人である。常に学習している者は、肉体的能力は衰えたとしても若さを失わず、かつ着実に価値を高めていく。(ハーヴェイ・ウルマン 274)
・私は一万回失敗したのではない。うまく行かない方法を一万通り見つけて排除したのだ(トーマス・エジソン 278)
・他者を過度に信頼すると、だまされたり失望させらたりする危険性がある。だが長い目で見れば、人を無能とか不誠実と決め込んで信頼しないよりは賢明である。(ウォーレン・ベニス 480)
・誰もが人生の何らかの時点で、内なる炎が消えることがある。しかし、別の人間との出会いによって、その炎は再び燃え上がる。我々は、内なる精神を再燃させてくれる人に感謝しなければならない。(アルベルト・シュバイツァー 487)

父の著作と優劣つけ難いほどの良い本だった。どのように生き、何を考えたらこのような作品をつくりだせるようになるのだろうか。全く凄いことだ。

2010年6月3日木曜日

遅きに失した

6月2日
8ヵ月半はこんなことを言うためにあったのだろうか。
「政権与党のしっかりとした仕事が、必ずしも国民の心に映っていない。国民が徐々に聞く耳を持たなくなってきてしまった」
最後の最後まで残念なリーダーであった。
こうなった結果は彼自身だけのせいではないだろうが。
見方を変えると「マスコミによってつくられた世論に同調した国民」が低支持率を作り出し、それを武器に退陣論を強めたマスコミにリーダーは退陣させられた、という図式に取れなくもない。後世がこの時代をどう評価するかは分らないが、私には何1ついいところが見えない8ヶ月半の治世であった。

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6月1日
血圧80-90程度、A-lineの波形もイマイチ・・・とこれだけで見て管理していたら、もしかすると輸血していたかもしれない肝切除術で輸血せずに済んだ。出血量自体は予想循環血液量の30%程度と少なくなかった。それでも輸血をしなかった根拠は、患者さんが若かったこと、SVVの値が術後半でせいぜい10%と低かったこと、CIも十分保たれていたこと、である。手術室退室後、翌日まで血圧低下はなかったようだから、「輸血をしなかった」判断は正しかったのだろう。FloTracを利用することで避けられる輸血はまだまだありそうだ。
 先日の講義に引き続き、酸素療法実習の講師を務めた。14人30分×2の1時間程の実習で、アンビューバッグの使い方、ジャクソン・リース回路の使い方を覚えてもらった。実習形式で不特定多数の看護師さんに教えるのは初めての経験だったので、わき汗をかきながら、えらく緊張した。いい経験になった。どこまで分っていないのか、どうやったら興味を持って手技を行ってもらえるのか、いろいろと勉強になることしきりだった。
ドーナツとブラックコーヒーをどうもありがとうございました。