禅の言葉に「冷暖自知」という言葉があるという。
いくら人から水の冷たさや温かさを教えてもらっても、結局自分で体験しなければ、
その冷たさや温かさを知ることはできない、という意味だ。
気管挿管の上達が思うようにいかなくてちょっとばかり落ち込んでいる研修医を見ていてその言葉と重ね合わせた。
気管挿管が1月弱で習得できるわけはない。
麻酔科医を10年以上やっていても苦戦する気道はあるのだから。
だから1つ1つを「自分が挿管できなければこの人は亡くなってしまうんだ」という
意気込みでやってもらいたい。
結果は後から付いてくる。ただ目の前のことに神経を集中するのみ。