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2013年8月27日火曜日

(麻) 麻酔科医が患者さんに行う術前の説明で何が一番大切なのか

最近、ふと、それを再考するきっかけが思いがけず私に訪れたので書いてみたいと思います。

以前、以下の記載をMT Proのサイトで読みました。

手術前に麻酔科医が患者に対して行う説明には多くの情報が含まれている。米バンダービルト大学の精神科医Elisabeth H. Sandberg氏らは,手術情報の提供の仕方で患者の記憶にどのような差が生じるのか,健康な大学生を対象とした研究を実施。その結果をAnesthesiology(2012; 117: 772-779)に報告した。参加者にビデオによる医師の一方的な説明を視聴してもらい,重要と思われた点を自由回答形式で答えてもらったところ,健康な大学生であっても,医師が提供した情報の20%程度しか再生できないとの結果も示されている。(同サイトより引用)

この記載を盲信するつもりはまるでありませんが、麻酔科医としての僕が患者さんに説明してる時に、

あまり僕の意図伝わってないかもなぁ、大変な手術なのに「大丈夫です、全てお任せします」と満面の笑みで言われてもなぁ

と思うことは時々あります。

其の度に、「いや、全てお任せします、じゃなくて本当に大変なんですよ」と追加のお話をさせていただきたくなるのですが、大変な病気を体の内側に抱えていながら、(私に気を使ってくださっているのか否かは不明ではあるけれど)笑顔でいることができるような方に、僕がこれ以上何を言うことがあるんだろう…とも思います。

手術と麻酔が、その施行者たちが想定するうちで最上の出来のものだった場合でも、手術が終わった後、または患者さんの目が覚めた後に、

「無事に終わりましたよ、よかったですね」

と言えない場合があります。勿論これは、手術が終わった直後なのでこれからどうなるかまだなんとも言えない、という話ではなく、術後回診で患者さんにお会いした時には尚更それを口にできない、という場合のことを指しています。
手術は必要だった、そしてそれは完遂された。だからといって、患者さんの不安が消えるわけではない手術のことです。

自分の身内の緊急手術の際に、ドクターから手術や麻酔の危険性を聞く機会が以前ありましたが、そのときのことをふと思い出して考えるのは、

「患者さんに安心感を与えること、否、それは烏滸(おこ)がましいので、少なくとも患者さんの心を前向きにサポートすること(言葉が無力だと感じられる場合には態度で)」

が、大切なんだと思います。
当たり前のことのような気もしますが、そういう当たり前のことを、後輩に対して、きちんと言葉にして教えている人、どれくらいいるんでしょう。沢山いればいいのですが。

後でトラブらないように、歯牙損傷も脳梗塞も心筋梗塞も悪性高熱症もアナフィラキシーショックも術後急性腎不全も失明も嗄声も末梢神経障害も言わなきゃ…と、麻酔について説明する麻酔科医側の立場としては思わないこともありませんが、そういう防戦一方的な態度って、患者さんによってはしっかりと伝わってしまいますよね。

何が大切なことなのか、それを考えることを忘れないようにしていきたいものです。

2013年8月19日月曜日

(音) (映) ブラームスとブラッド・ピットとZとMuseな夏の日

8月も半分過ぎました。空は相変わらず青いのですが、外を歩くとそこら中に蝉の死骸を見つけてしまいます。1週間前にはそんなことはなかった気がしますので、時間は同じ早さで前に進み続けているようです。


1週間が終わり、そして始まりました。今日までのこの1週間は、私個人にとって8月最大の山場でしたが、何とか乗り越えることができたような気がします。時間に換算すると、ルーチン化した技術や知識による活動が90%、新しいチャレンジによるものが10%程度の1週間でしたが、後者の10%を経験させていただけたお陰で、自分にとってどんな課題があるのか、少し見ることができました。機会を与えてくださった皆さんに感謝したいと思います。

***
映画館に行きました。数年ごとに映画に対する愛が戻ってくるようですので、その流れに任せて足を運んでみました。

映画が始まると、どこかで聴いたようなBGMが流れてきました。

イギリスの超有名なロックバンド「Muse」(ミューズ)の現時点での最新アルバムに収録されている「The 2nd Law: Isolated System」でした。

「アルバム制作中に、僕は『ワールド・ウォー Z』の本を読んでいたんだ。だから、ある意味理想的だよ。当時は映画について何も知らなかった。ただ、人から素晴らしい本だと言われて読んでいたんだ」と彼(注:マシュー・ベラミー)はMTV Newsに伝えた。(MTVJAPAN.COMより引用)

ということのようですし、それを知らずにブラッド・ピットが彼らの曲をサウンドトラックに起用したいと思ってのことのようでした。


今日見た映画のタイトルは「ワールド・ウォーZ」(World War Z, アメリカ, 2013年)です。この映画の監督はマーク・フォースターという方で、ダニエル・クレイグの「007 慰めの報酬」(2008年)やジョニー・デップの「ネバーランド」(2004年)といった作品の監督でもあります。

僕は「Z」が何を意味するのかよく分からず劇場に足を運んだのですが、Zombie、すなわちundeadのZだったのでした。究極の世界大戦、という意味で「Z」なのかと思いましたが、そうではなくて、ヒト対ゾンビ、即ち「living V.S. living dead」だったという訳です。
なるほど、ブラッド・ピットほどの男が主演する映画で、「World War Zombie」とわざわざタイトル付け直す訳にいかないですものね。そもそもこの映画の原作自体(World War Z: An Oral History of the Zombie War)というタイトルのようですし。

しかし、この映画。ゾンビ映画か、と思うと途端に見る気をなくす方も多いと思いますが、最初から最後の数分手前まで、全く息をつかせないテンションですよ。前回ご紹介した「アイアン・フィスト」とはまるで次元が違う映画です。映画自体を「単なる暇つぶしでしょ?」と言われる方にとっては全く同じ次元の映画なんですが、好きな映画嫌いな映画などをお持ちの方にとっては、違う次元の映画になると思います。

頭部を撃ったり破壊すると活動を停止する設定自体は、この何十年かのゾンビ映画の伝統に則っていますが、ゾンビに噛まれたヒトがゾンビ化するまで10数秒と極めて早いこと、そしてゾンビになった後の運動能力が極めて高い(つまり異常な速さで走る)こと、などは、これまでのゾンビ映画とやや趣を異にしていると思います。走るゾンビといえば、2005年のゾンビ映画「ドーン・オブ・ザ・デッド」や昔の「バタリアン」などが思い出されますが、それらの映画のようなコミカルさが、この映画にはまるで感じられませんでした。

それにしてもブラッド・ピットがゾンビ映画の主演、プロデュースをする日が来るなんて、想像していませんでした。確かに彼は1994年の映画「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」で吸血鬼になったこともありますし、翌年1995年の「12モンキーズ」ではウイルス学者の息子である精神疾患的なジェフリー・ゴインズ役を演じたこともありましたから、ゾンビと戦う日が来ても不思議ではなかったのかもしれません。

この映画はあとでもう一度見直したいと思いますが、手垢にまみれたゾンビ映画の新たな地平線の一部を作った作品かもしれない―そんな嬉しい驚きを与えてもらった一作になりました。まともなスプラッタシーンが殆ど無いにもかかわらず怖い映画でした。

***
ブラームスの音楽を聴きに行きました。


曲目は「ピアノ協奏曲第1番」です。1857年。ヨハネス・ブラームスが24−5歳の時に完成させ初演が行われた作品です。まだこの作品に触れたことがない方には、是非とも触れていただきたいのですが(と言っても私自身、この1、2ヶ月前から聴き始めたばかりです)、楽曲自体に孤高の輝きが宿っていることは勿論ですが、下の本を読むと、この曲の作られた背景に言葉を失いそうになります。


少し長いですが引用させていただきますと、


 1856年7月29日、ドイツ・ロマン派の巨匠ロバート・シューマンは、七人の幼児を最愛の妻クララに残して47歳の生涯を終わった。クララは36歳、長女マリエは14歳、末子フェリックスはわずかに2歳であった。
 31日の葬式はブラームス、ヨアヒム、ヒラーら各地から馳せ集った故人を畏敬する人々の手でしめやかに行われた。クララは「埋葬の音楽が聞こえた。彼の遺骸は埋葬される。しかし私は、はっきりとそれは彼の肉体のみで、霊魂は私とともにあるという確信があった。この時ほど、ひとりで生きうる力を与え給えと、神に熱心に祈ったことはない。私の幸福は彼とともに去った。新しい人生がすでに始まっているのだ」と当日の日記に記しているごとく、涙を拭いて、健気にも悲しみの中から雄々しく立ちあがる決心をしていた。
 ヨハネスはクララの疲労を案じて、心の沈みがちなクララを誘って、姉のエリゼとともに子どもら二人を連れて、スイスに保養の旅にのぼった。美しいスイスの自然も、クララを慰めることはなかったが、ヨハネスのさしのべる献身的な純真な愛情は、クララをいかに力づけたことであろう。10月、ヨハネスが両親のもとに発った日には、「今日ヨハネスが発った。停車場から帰宅した時は、葬式から帰ったような思いがした」とクララは記している。この10月の上旬にブラームスは有名な「ピアノ協奏曲第1番 ニ短調」(第1楽章)を完成している。

恩師の死を間近に経験し、その恩師の子どもたちの面倒や勉強の世話を献身的に行うのと同時期に、この作品―完成から150年以上たった今でも世界各地で演奏されているであろうピアノ協奏曲―が生み出されたのです。


人間の努力には限界がないんでしょうか。

2013年8月13日火曜日

(音) Fleshgod ApocalypseのLabyrinth (2013年、Italy) - 順当な出来ですね

今日の記載は、麻酔、それどころか医療にも全く関係ありません。このブログは趣味なので、どなたかに、自分が勉強したことをお伝えしようなどと思って記載したことは一度もございませんのであしからず。誤解されないように重ねてここに記載させていただきました。

***
フル・アルバムとしては3作目になりました。頑張ってますね。2年おきのリリースです。
このバンドの音楽のジャンルはテクニカル・デスメタル、シンフォニックメタルになるようです。本作は「the labyrinth of Knossos (クノッソスの迷路)」をコンセプトとしたアルバムだということです。クノッソス宮殿はクレタ島の昔のお話です。本作の歌詞は、ヴォーカルがデス声なので、余程英語が堪能な方でも耳だけでは殆ど聞き取れないでしょうしクノッソス宮殿の話を全く知らなくても関係ありません。ですが物語を知っていて、歌詞の英語を理解するとより深く楽しめるのかもしれませんね。

ということで前前作「Oracle」(2009年)、前作「The Agony」(2011年)が気に入った方であれば聴いて全く損のない作品に仕上がってます。

参考までに前作収録の「The Violation」を貼り付けておきます。メタルに耐性がない方はボリュームにご注意くださいね。この曲がただの雑音に感じられるようであれば、本作を聞く必要は全くありませんよ。時間の無駄です。

といいつつ、本作において、「The Violation」程キャッチーな曲は見当たりませんし、Carcassのカバーも収録されてません(私が聴いた輸入盤には、ですが)。At the Gatesのカバーでも収録されてると思ったんですが…。
因みに、いつの間にか次の曲のトラックに入っている構成は前作同様です。

このバンドが生み出すギターソロの中で、これまで私が感動できたものが1つもありません。本作にもありませんでした。尤も、ギターソロは期待していませんでしたので、全くがっかりしなかったのですが…

・シンフォニックな男性、女性クワイア(曲によってはサビより女性クワイアがメインなんじゃないだろうか…と疑いたくなるものもあります)
・行軍マーチの如きSE
・禍々しいオーケストレーション
・やたらどでかく録音されている存在感たっぷりのドラムス

そういったものがお好きなメタルファンであれば気に入ると思います。
前作でFleshgod Apocalypseに入った私としては、熱狂的に迎えたけどわりとすぐ飽きてしまった「The Agony」より、本作は噛みごたえがあることを期待しています。それほど即効性のある曲がすぐに見当たらないところからもそんな予感が感じられます。1枚ぶっ通しで聴くと草臥れるのは前作同様です。#11は1曲まるまるピアノですが、それがありがたく感じられます。

強いて言えば、#6の「Pathfinder」あたりが割とキャッチーかなぁ…。まぁ聴いてみてくださいね。

1. "Kingborn" 6:06
2. "Minotaur (Wrath of Poseidon)" 4:47
3. "Elegy" 4:18
4. "Towards the Sun" 5:42
5. "Warpledge" 4:32
6. "Pathfinder" 5:12
7. "The Fall of Asterion" 4:39
8. "Prologue" 1:07
9. "Epilogue" 5:44
10. "Under Black Sails" 7:26
11. "Labyrinth" 4:25
Total length: 53:58

Ne Obliviscarisも今月には初来日するし、このバンドもそろそろ来日してもいいと思うんですが、いつなんでしょう???本当はデスメタルやシンフォニックメタルのファン以外にも気に入られるような音楽性の片鱗でも見られはしないかと、本作にちょっぴり期待したのですが、まぁ次作以降に期待させていただきます。この調子で進化し続ければ6枚目くらいのフル・アルバムで一皮向ける気がします。頑張れ、Fleshgod Apocalypse。

2013年8月11日日曜日

(雑) 灼熱の熱き日は寝るに限る、高村光太郎展他


異常な暑さでしたが、外出できるくらいには体力が回復してきたので、お隣の千葉県は千葉市に行って参りました。

実験を終えた後、行きは東京駅から総武線で千葉駅まで乗り、そこからモノレールに乗り換えて葭川(よしかわ)公園駅で下車。葭川公園駅から千葉市美術館まで徒歩5分…らしいですが、35℃を恐らく超えていたためか病み上がりのせいか、途中セブン・イレブンに避難しつつ歩いて行きました。空腹のまま歩いたせいか、展示を集中して見る前にひと休みふた休み必要でした。


千葉市美術館に何をしに行ったかと申しますと、「彫刻家 高村光太郎展」をみるためでした。親切な友人に教えていただいたので、このような機会を得ることができました。本当に感謝です。千葉の後は岡山と愛知の美術館で開催されるようです。


高村光太郎については詩人というイメージしかなかったので、彼の彫刻については、つい数週間前まで何も知りませんでした。後の知識といえば奥様の高村智恵子が精神分裂病だったということ。精神分裂病は2002年(平成14年)に統合失調症へ名称が変わりましたが、智恵子氏が本当に今でいうところの統合失調症だったのか、私には分かりません。

美術品の展覧会は、まだ数えられるほどしか行ったことがありません。ですが、背景を知っているのと知っていないとで鑑賞するのは、そのどちらにも別々の楽しみがあると思います。今回は前者をトライしてみようと思って、本をいくつか読んでから展覧会に行ってみました。

ということで展覧会に行く前に読んだのは以下の3冊。

1. 高村光太郎 書の深淵、北川太一著 高村規写真、二玄社
2. 高村光太郎 美に生きる、高村光太郎作品詩文、北川太一編/高村規撮影、二玄社
3. 高村光太郎詩集、高村光太郎作、岩波文庫

高村光太郎は偉大な父、光雲の子に生まれています。光太郎氏73歳の文章にこう書き記されています。

自分にとって何よりも確かなことは、私が内面から彫刻家的素質に貫かれているということである。・・・・・・人の顔を見ても、木の枝一本を見ても、思索上の観念構成の組立を見てもそうである。 自伝(昭和30年) 上記1のp190より引用

その氏が作った「光雲の首」(明治44年、29歳)の堂々たること。木で彫った「蝉」3作品(大正13年、42歳他)の生きているか如くに精緻で繊細なこと、「柘榴」(ざくろ、大正13年、42歳)の香り立たんがごとく瑞々しいこと。

そして、智恵子氏の紙絵の1つ1つが愛にあふれていたこと。

「人の首」の中で、高村光太郎はこのように書いています。

人間の首には先天の美と、後天の美がある。この二つが分ち難くまじり合って大きな調和を成している。先天の美は言う迄もないが後天の美に私は強い牽引を感ずる。閲歴が造る人間の美である。私が老人を特別に好むのはこの故もある。写真は人間の先天の美のみを写して後天の美を能く捉えない。だから写真では赤坊だけがよく写る。後天の美を本当に認め得るのは活きた眼だけである。

氏が意図するところかどうか分かりませんが、展覧会で見た人間の彫刻の眼ひとつひとつ。
そのどれにも確かに生命が宿っていることを感じることが出来ました。彫刻を、こんなに時間をかけてありとあらゆる方向から眺めたのは、私の人生では今回が初めてでした。

一心同体と言っても過言ではない妻に先立たれ、戦争の空襲によって自分が魂を込めて作った作品の殆どが焼け、アトリエが焼け、その後疎開した岩手にいた7年間何一つ彫ることが出来ず。
それらの出来事が、新しいものを創造するアーティストにとってどれ程の苦痛なのか、私には想像すら出来ませんが、魂を込めて作った作品に触れることが出来たので、その幸せに感謝したいと思います。

帰りは千葉みなと駅から京葉線に乗って東京駅に帰って来ました。千葉みなと駅からは遠くに海が見えました。風も幾分涼しく感じられました。潮の香りはちょっと分かりませんでしたが。


昼間の熱気が全く冷めていない中、外に出ました。
東京駅の丸の内口を見上げるとこの景色に出会えました。これまでこの景色は何度か眼にしていた筈ですが、今回の景色で、また新しい発見がありました。何が新しいのかを文字にするのは今の私には難しいのですが。

***
このブログは趣味以上でも以下でもないものなので、そろそろ潮どきかな…と思っていたのですが、ありがたいことに続けてもよいという許可? を得ることができました。ですので、もう少し続けてみます。

ということでもうしばらくお付き合いください。

***
有名な曲ですが、久しぶりに聴くと矢張り名曲バラードでした。ということで今日はBon Joviの「These Days」です。昔、友人がカラオケでこの曲を歌ってくれたことを、昨日のことのように思い出します。



2013年8月9日金曜日

(雑) 越える山は幾つでもあるものです、越える気概がその胸の内にありさえす れば。

少し前の話ですが、暫(しばら)くぶりに―最後に目にしてからもう10年以上経ったと思いますが―東武線の浅草駅を見ました。記憶の中の私の浅草駅はこんな様相ではなかったので、嬉しい驚きでした。この日、珍しく15000歩/日、歩きました。



ここ数年で、胃腸の調子が、最も具合の悪い1週間でした。社会人になってからは、発熱しても風邪を引いても食欲だけは維持されていましたが、今回に限っては、食べたいと思うものや飲みたいと思うものが摂取出来ませんでした。このようなことは、カンピロバクターに罹患した10年ちょっと前以来のことです。
幸いにも、皆さんのお陰で、もう少しの時間で復調できそうです。ご迷惑をお掛けしました。

***
先日、アイアン・フィスト (The Man With The Iron Fists 、2012年、米・香港合作)を見ました。ブログに映画の記録をするのは久しぶりな気がします。この映画でいいのかわかりませんが、見てしまったのですからどうしようもありません。映画館で映画を見たのは「レ・ミゼラブル」以来。7ヶ月ぶりに映画館で映画を見ました。なんでも8月3日が公開初日だったらしいです。



タランティーノ、ラッセル・クロウ、ルーシー・リュー、が並んでいれば、予備知識ゼロ…というか上映されることすら知らなかったとしても映画館を素通りすることはできません。
監督&脚本&主演&音楽を務めているRZA(レザ)はアメリカの「ウータン・クラン」(1992年から活動)というヒップホップグループのリーダーの方らしいです。今日はじめて知りました。どうりで本作ではヒップホップがBGMとして多用されているわけです。
このRZAという方。wikiを見るとタランティーノの「Kill Bill」の音楽も手がけた方なんですね。ということは私もこれまで無意識のうちにRZAの音楽を聴いていたということになります。今度ウータン・クランの1993年発表のアルバム「燃えよウータン」を聴いてみたいと思います。

本作は19世紀の中国のとある村を舞台としたカンフー映画ですが、タランティーノが監督した新作です…と言われたら全く疑わずに受け入れてしまう自分がいます。

これは凄いですよ。「Kill Bill vol.1」や「Death Proof」(デス・プルーフ in グラインドハウス)に、ジャッキー・チェンの「酔拳2」を混ぜたようなテンションです。これらの映画が好きな人は本作も多分好きだと思いますが、生理的に受け付けない人も多いのではないかと思います。まぁR-15指定ですし、劇中、腕や頸は刃物で切断されますし、血はピューピュー飛びますし、遊女は沢山出てきますし…その辺が許容出来る、懐の深い方であれば見るといいような気がします。いずれにせよ批評する対象として見る作品ではなく、ビール飲みながら見るくらいがちょうどいいレベルでしょう。

***
教科書読んでます…と真面目なドクターに言ったら怒られるかもしれない本を、最近たくさん買いました。仕事の本です。友人にすすめられたもの、自分で面白そうだなと思ったもの、まぜまぜですが。
社会人になって9年目になりますが、新しい発見が沢山ありました。レジデント向けだと思ってなめてはいけません。いや、やっぱりなめてるのかな…今の私にはよく分かりません。
これらの本をもう少し咀嚼したら、英語で出版されている同程度の書籍に触れてみたいと思います。



***
偶然出会った幸田文(こうだあや)の本の中に、面白い言葉を見つけました。



それぞれの心ごころなのだ、自由なのだ。人の注意は聴くのもいいが、人の指図などに従わなくてもいいのだ。当人がいいと云えば話は別になる。どんな中にだって行きたいとなれば行ってしまうものなのだ。人を押しのけ、人も踏み越えてでもということは、いくらでも例がある。そこだよ、自由というのは。―ただ、私のとしよりの好みから云えば、押しのけたり踏み倒したりは好きじゃない。押しのけたあとの始末を、あっぱれと云えるほど上手にやってのけたものは少いからねえ。  p231-2

***
以前読んだ本の中にあった言葉ですが、最近になって再度出会った言葉もここに引用させていただきたいと思います。正岡子規の言葉です。

余は今まで禅宗のいはゆる悟りといふ事を誤解して居た。悟りといふ事は如何なる場合にも平気で死ぬる事かと思つて居たのは間違ひで、悟りといふ事は如何なる場合にも平気で生きて居る事であった。(細川護煕―ことばを旅する、文春文庫p168 より)

停滞したり後退しているように思える日々だとしても、何かしらの点においては前に進んでいる筈です。その予感を頼りにして生きることも大事なことなのかもしれません。

***
イタリアの黒塗りシンフォニックブラックメタルバンド「Fleshgod Apocalypse」の新譜「LABYRINTH」を聴いています。Gustav Mahlerの交響曲第9番も聴き始めました。Bruno WalterのものとRafael Kubelikのものです。これらの作品の中に何か面白い部分を見つけ、それらが私の身体に影響をあたえるものであれば、そのうち紹介させていただきたいかと。

2013年8月4日日曜日

(音) 雑感 〜 ももいろクローバーZ ももクロ夏のバカ騒ぎ WORLD SUMMER DIVE 2013 8.4 日産スタジアム大会

行って参りました。日産スタジアムに来たのは初めてです。
サッカーファンではないのでもしかするとこれが最初で最後かもしれません。

何ヶ月か前にチケットが取れたので、行かないわけにはいきません。チケット取れなかった人が沢山いるでしょうし、何より4ヶ月前の「ももクロ春の一大事」(day2)の時には聴けなかった曲を聴かないわけにはいきませんでした。


ここに写っている皆さん、全部でおよそ6万人くらいいるらしいですが、これ全部ももクロのファン(モノノフと呼ばれています)らしいですよ。全国の映画館などで同時中継されてそれらに参加している人を足すと全部で8万5千人くらいらしいです。
すごい事ですね。
この日産スタジアムでは今週末8月10日土曜と11日日曜にはサザン・オール・スターズがライブをするようです。流石にサザンは2daysですね。会場内の写真はこの1枚だけ。


会場前には花が沢山ありました。いろんな人たちに彼女たちは愛されているようです。

んでライブ…。
16時過ぎに開始して21時に終了。5時間です。

1曲目は布袋寅泰のギター伴奏による「君が代」。会場一体となって国家を斉唱して、しかもライブ会場にどでかい日本国旗が掲げられているアイドルのライブなんて、私はももクロ以外に知りません。

そして今日演奏された曲は…(encore以外は曲順合っていません。いずれどこかに掲載されるはずですので曲順が知りたい方がもしいらっしゃったらそちらを御覧ください)

***
・PUSH
・仮想ディストピア
・サラバ、愛しき悲しみたちよ
・DNA狂詩曲
・猛烈宇宙交響曲・第七楽章「無限の愛」
・Z女戦争
・月と銀紙飛行船
・神奈川県立湘南台高校によるブラスバンド演奏(2012年12月16日、"第40回記念マーチングバンド・カラーガード全国大会"にて、編成別最優秀賞(高等学校の部・大編成)、グランプリ 文部科学大臣賞 受賞)
・ゲッダーン!
・5 The POWER
・宙飛ぶ!お座敷列車
・Neo STARGATE
・ムーンライト伝説(カバー)
・上球物語 -Carpe diem-
・BIONIC CHERRY
・ももいろ太鼓どどんが節
・ワニとシャンプー
・ピンキージョーンズ
・キミノアト
・バンビーナ(布袋寅泰による)
・ココ☆ナツ
・Chai Maxx
・走れ!
・行くぜっ!怪盗少女
・労働讃歌

-encore-
・灰とダイヤモンド
・コノウタ
・ニッポン笑顔百景
・黒い週末

***
ももクロがメインで歌った曲だけで27曲です。ここに書けていないものもあると思いますがたっぷり5時間弱のライブでした。会場みんな、殆ど立ちっぱなしでした。本当に凄いライブです。前回参加した時には知らない曲も結構ありましたが、今回は新曲以外すべて分かりました。

と思っているうちにFacebook上でセットリストがアップされていましたので引用。

***
<開会式>
1:PUSH
2:サラバ、愛しき悲しみたちよ
3:仮想ディストピア
4:DNA狂詩曲
<MC1>
5:Z女戦争
6:猛烈宇宙交響曲・第七楽章「無限の愛」
7:月と銀紙飛行機
<Performance>
8:上を向いて歩こう~ゲッダーン
9:ココ☆ナツ
<MC2>
10:ワニとシャンプー
<MC3>
11:5The POWER
<MC4>
12:ムーンライト伝説
<MC5>
 松崎しげるショー
 愛のメモリー~重大発表
13:Neo STARGATE
14: 宙飛ぶ!お座敷列車
15:ももいろ太鼓どどんが節(新曲)
<MC6>
16:上球物語
17:BIONIC CHERRY
<SOCCER ALLSTAR GAME>
18:ピンキージョーンズ
19:Chai Maxx
20:キミノアト
<MC7>
21:バンビーナ(布袋寅泰+ももクロ)
22:行くぜっ!怪盗少女
23:労働讃歌
24:走れ!
25:ももクロのニッポン万歳!
<MC8 エンドトーク>
ENCORE
26:灰とダイヤモンド
27:コノウタ
<MC9>
28:さくらさくら~ニッポン笑顔百景
29:黒い週末
<MC10 エンドトーク>***

その他にも猫ひろしがライブの途中から日産スタジアム外周を42.195km完走したり、はりせんぼんの「箕輪はるか」が一緒に「ワニとシャンプー」を歌ったり、武井壮と百田夏菜子が短距離走で勝負したり、元全日本サッカーオールスターズとももクロたちがサッカー対決したり、南国ピーナッツこと松崎しげるが2013年12月23日の、真冬の西武ドームライブを発表したり…。

今までヘヴィメタル、クラシック、その他いろんなライブに参加してきましたが、今日のライブは最高に愛が感じられるライブでした。

本当にありがとうございました。感謝。