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2009年10月27日火曜日

全身の酸素化の問題

手術が終わり、ICUに搬送する際、麻酔科も同行するが、ICUで血圧が途端に低下することを目の当たりにしたことが何度かある。
「けっこうなプラスバランスなんですけどね」と、研修医がいうことがあるが、問題なのはバランスではなく「全身の酸素化がどの程度保たれているのか」ということだ。
酸素運搬量は心拍出量、動脈血酸素分圧、ヘモグロビン値で決まるだから、血圧の維持、肺の酸素化を改善するための呼吸条件の設定、貧血の是正ということになる。麻酔科医はそれを手術中を通して気を抜かずに行わなければならない。そのための動脈圧ラインであり、FloTrac/VigileoでありTEEである。何のために麻酔をやっているかという目標を常に意識する必要がある。