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2011年7月31日日曜日

(雑) "オヤジの一番長い日" ~私的「24」ならぬ「44」

5時起床で翌々日午前1時まで起きて活動し続けるのは相当にきつい、ということを後で思い出せるように記しておこうと思う。

8時から21時半まで予定の麻酔や自分が担当する予定じゃなかった麻酔や他の先生が難渋していたのでお節介にも「手を変えてみますか」と自分がやっても難渋したが何とかなった脊髄くも膜下麻酔や緊急手術で久しぶりに輸血したりドパミン使ったりした麻酔等々をほぼノンストップで終了。

そして、漸く、この日一番しなければいけなかったことを開始。

おそらくこの6年4カ月の抄読会人生(医師人生)の中で、最も下拵えが必要だった筈の抄読会の準備である。
読む論文は「任意」だったので、自分で狩猟。まずこれに一か月近くかかった。自分が理解できそうで、かつ、抄読会で取り上げるに耐えうる程度の雑誌から選ぶ、というのは意外に難しいということを学ぶ。
だが、やっと自分で選んだにも関わらず、何回読んでも論文の意義が体に染み込んで来ず、もがき苦しみ続け(主に逃避)、漸く「あぁなるほど、こんなことが言いたかったのか」と肌感覚に近い感覚で染み込んで来たのが木曜日。
それが抄読会の2日前。
しかも、私にとって人生初の、英語による発表。
英語に堪能でこの分野の知識が豊富な方であれば、もしかしたら読み原稿なしにパワポを見ながらプレゼン出来るかも知れないが(それは即ち私の師匠なのだけど)、どちらの能力もありんこほどしかもたない私には不可能である。
あーあ、討ち死にか。とその日は一日中、胸部のもやもや感が続いていたため、もしかしたら冠動脈の#15の末梢あたりにちょっとした攣縮があるんじゃなかろうか、とオペ室に置いてある十二誘導ECGに手が伸びそうになる。

全て自分で撒いた種である。

22:00- powerpoint作成、同時に読み原稿作成開始
24:00 絶え間ない眠気に耐えきれず買っておいた「眠眠打破」を飲む
25:38(01:38 AM) 一段落して背伸び
26:44 (02:44 AM) 読み原稿第1版完成
27:11 (03:11 AM) 空腹に耐えかね、ポテトを食べる
30:40 (06:40 AM)腹痛のためトイレにこもる
以後8時半まで断続的に、読み原稿を反復。5-6回程度は通して音読できただろうか。凡そ20分弱でプレゼンテーションできることを確認。読み方の分からない単語を電子辞書で確認(発音してくれるなんて本当にありがたい)し、すらすら喋れない段落を重点的にやっつける。

それでまぁ…10時からの発表…。(と実験と飲み)
なんとかなったのだが、もう二度とこんなことをするのは止めよう、と深く反省した一日だった。

2011年7月27日水曜日

(雑) BD30到達 (6/6 to 7/27)

なんのことはない、ただの「私的新習慣」である昼弁の記録。
ちなみに毎週月-木のみ施行。金曜は日当直のため、日程から除外した。

☆目標
・あくまで習慣化することが目標なので頑張りすぎない。時にはご飯をつめていくだけでもよい。というか面倒だったら持っていかなくてもよい。

☆経過
BD(Bento Day)1-14 
・主なおかず
 ひじき煮:週末大量に作る。3日程度もつ
 かぼちゃ煮:週末or平日夜に仕込む。5日程度もつ。

BD 15
・牛肉のしぐれ煮を作ってみた
いつも近所のスーパーは国産の牛肉しか取り扱っていない上に値段が高いので、特売日を抑えて購入。しぐれ煮を作るために必要な食材は生姜(+酒や醤油など常備調味料)だけあればよく(あと23時から調理を始めるちょっとの勇気と根気…といっても材料を鍋に入れて加熱するだけだが)、夜帰宅後に仕込んでおけるので大変重宝する。
・いい加減、弁当箱を買おう(ずっとジップロックだった)と弁当箱(¥1380)を購入。通学鞄の邪魔にならない薄~い2段構造のもの。下段には茶碗1.5杯分の御飯が入る。

BD 16
・初めて烏賊のトマト煮を作る。鳥胸肉の挽肉でそぼろを作る(2回目)。

BD 17
・薄~い弁当箱は意外と食べにくい…。

BD 19
・弁当箱から汁漏れが判明。しょんぼり

BD 25
・月9ドラマの「全開ガール」で新垣結衣が作ったようなキャラ弁に到達するまでには、相当な労力を要するなぁ、と思ったが、あんな弁当幼稚園児は本当にもっていくのか?弁当がキャラ弁じゃないと子供(+その親)がいじめにあったりするんだろうか?というか、バリバリ働く女性と草食系男子が主演のストーリーってすでに時代錯誤なんじゃないか…狙ってそういう脚本にしているんだろうか。

BD27と28の間
はじめて休んだ (BD countから除外)

☆結果
・開始時と比較してスキルは殆ど上がらなかった
・「なんとなく昼弁を持っていかないと気持悪くなるレベル」には到達した。
・開始時期が湿度・気温ともに高い時期に重なったが、食中毒にはならなかった。医局にある冷蔵庫のおかげである。おそらく通年大丈夫だろう。

☆考察
ランニングや読書、程度には習慣化されたので、今後は内容に幾許かでも向上が見られればいいなぁ。まぁゆっくりやっていこう。

2011年7月25日月曜日

(麻) 術直後のシバリング

びっくりしたことに専門医試験の日程が4日間になっている。K先生、情報ありがとう。

***
「今更?」的な内容ではあるかもしれないが、たまーに遭遇するので、記しておこうと思う。

自験例では今年遭遇した4症例中3症例でペチジンが著効(つまり投与後数分でシバリングが目の前で改善した)だったので、やはりペチジンの効果はあるのだろう。因みに35mg/1Aを全例で投与したが、過鎮静は経験しなかった。「シバリング発生時の対応」への理解が、外回り看護師さんや執刀医にあると、シバリングが起きちゃったときに、とても対応しやすいということを改めて感じた7月22日の手術室でした。合併症のない患者さんでよかった…。

術直後のシバリングを経験するたびに、ASA-PS 3で中~高度の心肺合併症をもっている患者さんのときには、硬膜外麻酔にレミフェンタニルを併用するのを控えた方がよいのかな…と思ってしまう…がそのような高リスクの患者さんこそ効果消失の早いレミフェンタニルの出番のような気もするし。結局case by caseで対応するしかないのだろうか。術後シバリングの予測スコアリングシステムなど、どなたか開発してくださらないだろうか。

☆麻酔覚醒時のシバリングの原因として,
・疼痛刺激をはじめとするストレスによってシバリング閾値上昇
・麻酔薬が体温調節中枢を抑制し,術中に体温が低下すると体温を正常化させようと覚醒時にシバリングが起きる。
・体温調節中枢のセットポイントが手術侵襲によるサイトカインの影響などで上昇するため,術後は低体温になっていなくともシバリングが生じる。
・レミフェンタニルを使用した麻酔では,投与終了後にμ受容体作用部位での急激な濃度低下が起こり,シバリング閾値が低下する。

☆有用性がありそうな対策と起こった場合の対応
・術中に体温を下げない、アミノ酸製剤輸液、マグネシウム投与
・温風式加温装置
・高用量レミフェンタニルを控える(?)
・酸素投与量を増やし、冠虚血や末梢酸素供給低下を避ける
・transitional opioidをしっかり投与しておく
・NSAIDs
・ペチジン(0.5-1.0mg/kg程度):他のオピオイド受容体(R)に作用する薬物に比較して抗シバリング効果が強く,抗シバリング効果に対するκ受容体の関与が推測。
・デクスメデトミジン(α2アドレナリンR作動薬)。疼痛にかかわるノルアドレナリン核(青斑核)が,α2アドレナリンRにより活性が調節されるため,抗シバリング作用を有する。
・落ち着くまで降圧薬とβR遮断薬を持続投与
・トラマドール
・ケタミン(?)

☆以下麻酔科専門医認定筆記試験より
・シバリングは酸素消費量を500%も増加する場合あり 48B22他
・全ての麻酔薬は用量依存性に…
 ・発汗閾値を僅かに上昇
 ・血管収縮閾値やシバリング閾値を著明に低下:両者の低下には平行関係あり。
  (発汗閾値との差は用量依存性に開大していく Miller 7th p1536 Fig48-3)
・シバリングは新生児では起こらない(おそらく幼児以降)
・体温低下で吸入麻酔薬の組織への溶解度↑
・体温低下でMACは約5%/℃の割合で↓

参考した論文やweb
・レミフェンタニル投与終了後に重篤なシバリングを認めた気管形成術の1症例. 麻酔 2010; 59:504-6.
・レミフェンタニル麻酔の効用と副作用対策. 日本臨床麻酔学会誌 Vol. 29 (2009) , No. 4 455-466.
・Effects of magnesium sulphate on intraoperative anaesthetic requirements and postoperative analgesia in gynaecology patients receiving total intravenous anaesthesia. Br J Anaesth. 2008 Mar;100(3):397-403.
・Optimum dose of ketamine for prevention of postanesthetic shivering; a randomized double-blind placebo-controlled clinical trial. Acta Anaesthesiol Belg. 2011;62(1):33-6. (abstractのみ)
→ Prophylactic 0.25 and 0.5 mg/kg ketamine was found to be effective in preventing postanesthetic shivering with a better response observed with 0.25 mg/kg dosage.
・Intraoperative high-dose remifentanil increases post-anaesthetic shivering. Br. J. Anaesth. (2010) 105 (2): 162-167.

2011年7月21日木曜日

(本) 現代版 魔女の鉄槌 - 苫米地英人

私は「これがお勧めですよ」と大っぴらに胸をはって本をお薦めできるほど、本の選別眼が高くないと思っている(何より「良書は人によって異なる」ということを自分の少ない経験から嫌というほど感じているし、良書を良書だと盲目的に語るには、本の絶対量が足りないと感じている)し、メディアから得る情報を正しく選別できるほど、情報リテラシー(情報を、自己の目的に適合するように使用できる能力)が高いわけでもないし、想像力や推察力が豊かでもない。だから他人から発信された情報を受け止めるとき、自分の生活に関係しそうなものについては「本当かそれは?」と結構うんうんうなって疑うけれども、自分にとってどうでもよいと「その時点において」思えるようなものは、「ふぅん、そうなんだ」と一応素直に胸にしまっておく。
つまり、この著者が言うように「自分の聴きたい物語」や「自分が聴いて心地よい物語」しか取り入れていないのである。培養している癌細胞が、観察者が発現させたい外来DNAをtransfectionさせられてしまうように、取り込みやすいものを優先的に取り込む一方、「何言ってんだこいつ」というような情報は、当然ながらなかなか浸み込んでこないのである。
その選別の基準は「すべて自分が今までどのように洗脳されて生きてきたか」により、「他人に刷り込まれたようにしか情報に反応できない不自由な人生を送っている」、と著者はまず前書きで書いている。

私のこのブログを連続してご覧になっている方がいるとしたら、そこにプラスかマイナスかは不明だけど、何らかの役に立つ情報が含まれているのかもしれない。それは「へぇ、そんな面白いことがあるんだ」と溜飲を下げる対象として、かもしれないし、または「こいつはまたこんなこと書いてるぜ、書けば書くほど底の浅さが露呈されますな」と嘲笑の対象としての役立ち方をしているのかもしれない。
わざわざこのように書くのは、「自分が無意識に是として取り込んでいる情報」をどうして「是」としているか、をちょっと自分の脳みそから離れたところに意識を置くつもりで立ち止まって考えたほうがいいですよ、ということを、書いてみたかったからである。
本書で書かれている内容は、多くの日本国民にはそれなりに大きな衝撃をもって受け止められるだろうとは思うけれど、そもそも単行本で1785円もするのか…という時点で、多くの人は買ってまで読むことを躊躇するに違いない。ただ、メディアが時々発する「お隣の大国が情報操作をしてるよ」という情報を半ば盲信的に受け止めて嘲笑の対象とする一方で、「日本のメディアはもう少し健全だろう」と、彼の国の発する情報の1/10程度の疑いも持たないような人は、読むと有意義な可能性がある。もっとも、メディア情報よりも本書の方が何万倍も正しいことを言っている、と盲信することも危険だろうけど、「多く接してしまう情報や意見に、無意識的に刷り込まれている可能性」について考えるきっかけにはなると思う。
多くの情報をネット環境さえあれば無料で手に入れられるのは、本当に便利。だが、今回「麻酔科専門医認定試験の試験対策をどのくらいネットでできるか」をこの数週間試みてみたけれど、わかったことは
「情報の取捨選択において効率が悪すぎて話にならない」
ということだった。それはGoogle  ScholarやPubMedや医中誌を使ったうえででも、である(まぁ当たり前なんだけど)。
私はおそらく非麻酔科医の方々よりは「麻酔」に関する情報リテラシーが幾許か高いとは思うけれど、そのような状態でも「この麻酔に関する情報がどれくらい信用に足るものか」を逐一吟味するのは非常に骨が折れるのである。それは即ち私の現時点での脳力の限界を示すことにしかすぎないのであるけれど、より素人的な知識しかない
・原発是か非か
・首相の辞任を迫る理論的な根拠は何なのか
・セシウム牛肉は何が問題なのか
・どうして節電しなければならないのか
などなどについてメディアから発せられる情報に対する解釈を誤っている可能性は相当高いであろう。
メディアが提示する「これは本当に問題です。一刻も早い解決を望みます」が、本当に問題なのかってことから始めるのが筋なのだろうけど、なぁ。ということをつらつらと考え、気分が落ち込んだ一冊だった。

2011年7月20日水曜日

(音) Versailles - Holy Grail (2011年, 日本)

メジャーアルバム第2作、らしい。
らしいというのは、このバンドの音楽を聴くのは初めてのため。

もう、こういう作品は、アルバムジャケットだけでどんな内容だか聴きたくなってしまう。このアルバムジャケットで「コブクロ」や「Exile」のような音楽であるはずはないから(コブクロやExileが悪いって言っているわけでは努努ありませんので、あしからず。私は両方とも恐らく人並みには好きである)。
1曲目からして「Rhapsodyかよ」っていうくらい大仰な、スペクタクル映画のサントラのようなイントロ。私は勝手に宝塚メタルと命名させていただいた(宝塚、みたことないけど)。
youtube等でPVを見ると一目瞭然なのだが、これがまた、清々しいまでにビジュアル系な出で立ち。人によってはこのコスチュームだけで、音楽を聴く気が失せるに違いない。
私は、その出で立ちにもまた、人知れず感涙するわけだが、このアルバムの凄さはビジュアルではなく、楽器も歌唱も歌メロもなんとも聴かせる作りになっているところである。多くの日本人の遺伝子に組み込まれているであろう歌謡曲ラブマインドをびしばし刺激する音作りになっている。
メタル耳な私は#4や#9や#11で悶絶してしまうのだが、おそらく歌詞がほぼ日本語で唄われていることも影響しているんだろうなぁ。あ~なんてドラマティックで大仰な曲作りなんだろ。「歌詞が日本語じゃ聴けね~よ」と言わないくらい心の広いメロディックスピードメタルファンにも是非聴いてほしい。
個人的には200万枚くらい売れてほしいと思うくらいの衝撃だったが、アルバム1枚聴いた後に、VocalがあのLAREINEのKAMIJOだった、って知ったから余計にそう感じたんだろうなぁ。歌、上手くなったなぁ。しみじみ。
あ~「冬東京」聴こっと。「Solitude」も懐かしいな~。

1. MASQUERADE
2. Philia
3. Thanatos
4. Flowery
5. Remember Forever
6. Destiny -The Lovers-
7. DRY ICE SCREAM!![Remove Silence]
8. Threshold
9. Judicial Noir
10. Love will be born again
11. Vampire
12. Faith & Decision (16分28秒!)
13. The Theme of Holy Grail

2011年7月19日火曜日

(雑) 普遍化される失敗

「心配」は「失敗」を償うか(臨麻会誌 Vol.31 No. 4, 641-9, 2011)を読む。

失敗は毎日、世界中の病院(の手術室)で繰り返されている。
殆どの失敗は個人とその属する部署と施設のみで共有される。だが、失敗という個人的体験を、「できれば人に知られたくない」という感情と折り合いをつけて論文化することには、かなりの葛藤があったのではないかと想像する。40年の麻酔経験に裏打ちされた謙虚な筆致に私は感動しました。

・手抜きをしないで、麻酔からの覚醒を、自分自身で最終確認する
・心配したことは起こる
・記憶は減衰する。記録は普遍化される
・3回即アウト

これらは全て、麻酔に限らないことだよなぁ。

2011年7月18日月曜日

(雑) 遠き海の日(Marine Day)

さかのぼること2日前。日当直明けの土曜日。
引き継ぎの先生から「ちょっと渋滞してましたよ、三連休の初日だからですかね」

三連休だったのか。


確かに、以前その事実はカレンダーで確認していたが、すっかり失念していた。というのもこの4月以降3連休と言うものは、私の生活からはなくなっている。
カレンダーの月曜日が朱色になっていようがいまいが関係ないのであった。

そういえば、抄録のチェックをさせてもらったレジデントのT先生から「臨麻にいけることになりました」と報告をもらった。よかったよかった。
これまたレジデントのK先生の「麻酔」投稿用の原稿のチェックも漸く一段落ついて一安心である(1か月も待たせて本当にごめんなさい)。私なんかのチェックでいいんだろうか。それは査読のお偉い先生方が判断してくださるだろう。

んで土曜日。
何故か昼食を5分で食べた。
早食いだからではない。まぁ早食いかもしれないけど…。
実験をやっていると、「これを混ぜて30分室温放置」とか「これを混ぜて15分間on iceで待つ」という行程が割と多くある。その間に次のステップで使う試薬をいろんな薬の濃度を計算して混ぜ合わせて作成したり、使った後の必要なくなった薬剤を片づけたり、教わったことを自分で次にやるときに忘れないようもらったプロトコールにメモ書きを追加したりする。結構忙しいのである。
土曜日には指導してくださる先生方と合計3つの大きなタスクがあったため、珍しくパソコンを立ち上げる暇もない位だった。

しかし。

丁寧に説明してくださる方々には大変感謝するけれども、なにぶん、自分の理解力が乏しすぎるのか、前提となる知識が少ないのか、途中から何を言っているのか、どういう理由でやっているのか、が分からなくなることが多い。
まるで、単位「モル」が出てきた辺りから化学の授業に付いていけなくなる高校生のようである(昔の私)。教える方に非はない。だって一生懸命やっている。だが、受ける側のレベルをもう少し、認識していただけないだろうか…。


***
毎日新聞 7月18日(月)11時39分配信

◇ネットの人気サイト活用/コンテ公募しテレビCM
知事選(31日投開票)で若年層の投票率を向上させようと、県選管がインターネットを活用した対策などに乗り出している。前回選の投票率は過去最低の27・67%で、中でも20~24歳が14・58%、25~29歳も14・81%と低迷した。県選管は「若者の感覚を取り入れることで、選挙に参加しようと思ってもらいたい」と期待する。
***

この記事から、短絡的に妄想すると
投票率が上がる→ネットや新聞、テレビのメディアが推す候補者の得票率が伸びる→ますます大衆迎合な政治になる→誰が何かちょっとでもチョンボするとすぐ「辞任しろ」の大合唱となる

若年層は、おそらく他の選挙権あり世代よりメディアの影響を受けやすいのではないだろうか。
でもそのメディアとは、もはやテレビや新聞では無いだろう。となるとネット上の選挙戦略が上手い候補者ほど得票率が上がるだろう。
選挙に行けば~~がもらえる、とか、消費税が安くなる、とか「目に見えるアメ」を与えないと、若者は動かないんじゃないだろうか。しかし、若年者は人口自体が減少傾向だから、選挙に勝とうと思ったら「選挙に行く元気のある中高年者」を対象とした戦略を繰り広げたほうが当然得票数は伸びるだろう。「若者の感覚」とは、おそらく「選挙?は?いくわけねーじゃん」だと思う。

ということは、若者の投票率を上げようと言う動きは「まぁ、選挙結果には大きな影響が出ないけど、少しは興味持った方がいいんじゃない?」という優しい優しいボランティア精神に溢れた善意の行動なのだろう。

(雑) ブクログを張ってみた

「hiromiartsのつぶやきブログ」さんにお世話になりました。
この場を借りてお礼を言いたいと思います。

読んだ本について全てコメントを書くのは不可能(初読で時間返せ、金返せと思ってブックオフに直行したとしても、もしかしたら後で気になる可能性もあるし)なので、せめて何を読んだかを整理しておこうと思う。

中身はまだこれから整理していく予定。

2011年7月17日日曜日

(音) CRUSH!-90’s V-Rock best hit cover songs-

タイトル通りに90年代ビジュアルロックのカヴァーを、現在活躍中のバンドたちが行ったもの。
すでにこれら「カバー曲」を「カバーしているバンド」よりも、カバーされている方(原曲の方)がよく知っているくらいに生きてきたのか、というごくごく平凡な考えがまず一に頭を擡(もた)げた。カバーバンドの中では、NoGoDとMERRYしか知りませんでした。

しかし、best hit cover songsと銘打っているが、このアルバムの収録曲自体、日本人1億2000万人ちょっとに対してアンケートを実施すると
category 1:「お、すっげ~なっつかし~あれもこれも入ってるじゃん!」と目頭を熱く熱くする5%以下の人
category 2:「は???、全然しらねーよ」という40%くらいの人
category 3:「Melty Loveと紅と、Winter, Againとロマンスくらいは知ってるけど、、、」という収録曲の1‐4曲くらい聴いたことがある、普通のJ-POP好きな55%くらいの人(妻はここに属する)
category 4:「『紅』は1989年だろ、90'に入んねーだろ」という1%以下の神経質な人
という風に大きく分かれるのではないかと妄想する。

カヴァー曲の真骨頂は「お、この曲かっこいー!原曲も聴いてみたい」と思わせて原曲に食指を向かせ、「あ、あれ?なんだこんな曲だったのか、カヴァーの方がかっこいーじゃん」と思わせることだと思う。

私的にはカヴァーするならこれくらいやってもらいたいな…というレベルはこれ。
・Sonata Arctica の Still Loving You(原曲はScorpions)
・Cradle of Filth の Hallowed Be Thy Name (原曲はIron Maiden)

カヴァーアルバムは、音楽でご飯を食べている自分たちのルーツの一部を、我儘なファンに対して「畏れ多いかもしれませぬが…」と提示して評価を仰いだり、カヴァー曲を入り口として「お、このバンド、今まで知らなかったけどいいじゃん!」と新しいファン層を開拓したり、バンド自身のちょっとした息抜きと遊びだったりと、結構いろんな役割を果たしていて忙しい。

そして聴いたみた。
意外に、というか、割と原曲に忠実なものが多い。企画としてはいいんだけどな…。
#13はうまく自分たちの曲にしていて流石の出来(このアルバムの中では選曲も1番マニアックだし)。#5はロックテイストが濃くなっているが、どうせならもっとゴリゴリのギターにして合間に意味なくアルペジオな早引きギターソロを入れてみたり、ヴォーカルにグロウルを入れてみたりして遊んでもらいたかったと思う。

()内はオリジナルアーティスト。 / カバー担当アーティスト
1. ピンクスパイダー(hide) / heidi.
2. 街(SOPHIA) / ドレミ團 
3. Melty Love(SHAZNA) / BugLug 
4. 1/3の純情な感情(SIAM SHADE) / NoGoD 
5. 月下の夜想曲(MALICE MIZER) / D
6. STORM(LUNA SEA) / 少女-ロリヰタ-23区
7. 紅(X JAPAN) / 摩天楼オペラ
8. With-you(La'cryma Christi) / DaizyStripper
9. Winter,again(GLAY) / 12012
10. ロマンス(PENICILLIN) / アンド
11. S.O.Sロマンティック(CASCADE) / Mix Speaker's,Inc.
12. ENDLESS LOVE(D-SHADE) / LOST ASH
13. Schweinの椅子(DIR EN GREY) / MERRY
14. JUPITER(BUCK-TICK) / DuelJewel
15. 夢より素敵な(Raphael) / DOG inTheパラレルワールドオーケストラ

アルバムのタイトルが「Best Hit」と銘打っている以上、仕方ないのかもしれないが、GLAYを入れる必要はあまりないと思う。彼らがビジュアル系とカテゴライズされていたのは結構初期の方だったような。
そして制作会社の意向が強いのかもしれないけれど、個性的なビジュアルで活動しているバンドたちの割には選曲が普通すぎるような。
どうせなら、割と知名度が高い上記の選曲より、もうちょっとマニアックな選曲の方が、このアルバムを手に取る人たちにとっては高評価だったように思うのは、私だけか。やや音楽的な毛色が異なるCASCADEをROUAGEに、BUCK-TICKをPIERROTにして、おんなじバンドの曲を歌ってもらうとしたら。

1. BACTERIA / hide
2. littele cloud / SOPHIA
3. すみれSeptember Love / SHAZNA
4. Don't tell lies / SIAM SHADE 
5. バロック / MALICE MIZER
6. LAMENTABLE / LUNA SEA 
7. SCARS / X JAPAN
8. Lhasa(unplugged) / La'cryma Christi 
9. 月に祈る / GLAY
10. 言葉にならない愛 / PENICILLIN
11. 食物連鎖 / ROUAGE
12. ALONE / D-SHADE
13. raison detre / DIR EN GREY
14. 脳内モルヒネ / PIERROT
15. 花咲く命ある限り / Raphael 

こんなカバーアルバムなら、iTunes Storeで見つけた途端に「アルバムを購入」ボタンをクリックしてしまうけど。あぁ、でも全然Best Hitじゃないな、これじゃ・・・。
次作があるのならば、是非Janne Da Arcの「Judgement -死神のkiss-」やLaputaの「freesia」やFANATIC CRISISの「火の鳥」やMASCHERAの「ekou」や雫…の「Manual of Sucide~夢を忘れた遺伝子達~」とかLareineの「冬東京」も取り上げてもらいたい。
まぁ、それはともかく、これらカヴァー曲を聴いて、原曲にあたって「こんないい曲があったんだ~」と感動する10‐20代前半の人が、1人でも多いといいなぁと思ってしまう三十路男なのであった。

2011年7月15日金曜日

(麻) 麻酔科専門医認定試験~口頭試問2010-症例3-1 前置胎盤+妊娠高血圧症候群(PIH)の帝王切開術

1)術前評価
1. 問題点
・153cm/66kg。1度の肥満
・前置胎盤なので大量出血の可能性がある。(初産婦なので可能性は低いが癒着胎盤の可能性もある)
・肝機能異常(ごく軽度だが)
・軽症の妊娠高血圧症候群(PIH: pregnancy induced hypertension.)
  (ちなみに下腿浮腫の有無はPIHの定義に関係ない)
・尿糖は±なので病的意義は低かろう
・妊婦なのでfull stomach

2.麻酔担当医として得ておきたい情報
・予定手術の日程はいつなのか。(麻酔科にも手術部看護師にも産婦人科にも余裕の人員がないような時間帯・日に、本症例のような高リスク手術をセッティングしないよう、あらかじめ手術部の先生や手術部看護師と相談しておく。)
・胎児の発育や合併症の有無(PIHでは子宮内胎児発育遅延:IUGRが多い)
・臨床的出血傾向の有無。病的出血の既往や血縁者の出血傾向を来たす疾患者の有無を確認。PT-INRとAPTT。
・主治医チームが準備している輸血の量
・「38wの妊婦である」という以外に挿管困難を疑う所見
・これまでの血圧の推移と、それに対する治療の有無。

2)術中管理
1.麻酔法および導入法、麻酔薬剤の選択
*静脈路は麻酔導入前に2本確保する。
*硬膜外カテーテルを留置した後、脊髄くも膜下麻酔で行う。
・薬剤は高比重ブピバカイン1.6-1.8ml+フェンタニル10ug(+モルヒネ0.01mg)
・麻酔高の上昇が思わしくなければ硬膜外カテーテルから1.5%メピバカインを数mlずつ追加してT4以下の無痛域を確保する。

2.通常の帝切準備以外に必要な処置は
*輸血加温装置(あらかじめセッティングしておく)
*全身麻酔の準備
・チオペンタール4mg/kgとサクシニルコリン1.0-1.5mg/kgをすぐ投与できるようにシリンジに吸っておく
・プロポフォール(全麻になった場合の麻酔維持用)とフェンタニル、レミフェンタニル、ロクロニウムを手元に置いておく
*BISモニター(全麻になった場合の術中覚醒予防。吸入麻酔で維持してもよいだろうけれど、妊婦はMACが低いからと言って、セボフルランを低濃度にしますなんて口を滑らせると減点されるかもしれません。→ Pregnancy does not enhance volatile anesthetic sensitivity on the brain: an electroencephalographic analysis study. Anesthesiology, 2010, 113(3):577-84. )
*動脈圧ライン(子宮切開創のない場合の前置胎盤でも癒着胎盤は5%程度ある。「必要になったときに挿入するだけ」の状態までセットアップしておく)
*手の空いている麻酔科医を出来る限り確保しておく。
*エアウェイスコープなどの挿管困難グッズを手元に置いておく

3)術後管理
1.早期離床のために計画する術後鎮痛は。具体的に。
*硬膜外鎮痛:0.1%アナペイン4mL/hr+フェンタニル20μg/hr程度
・大量出血して局麻入れたくなければ、硬膜外モルヒネ3mg/日程度
*硬膜外カテーテルなければiv-PCA。モルヒネを必要量。

4)周術期危機管理
Spinalで麻酔。児娩出後に母が呼吸困難に。SpO2 95%。
1.考えられる病態
・高位脊髄くも膜下麻酔
・喘息や気胸などの一般的な呼吸困難を起こす病気
・輸液の過負荷 and/or 分娩後の子宮収縮に伴う循環血液量増加による肺水腫
・研修医が誤ってマレイン酸エルゴメトリンを静注した。それによる副作用の肺水腫。
など

2.対処法は?
・胸部聴診する。
・パルスオキシメータが指にきちんと付いているか確認。また、血圧低下がないか確認。
・その後麻酔高を確認。高位脊麻を否定する。
・血液ガス測定してPaO2を確認する。酸素化を維持できずみるみるSpO2が下がるようなら、患者さんに今の状況を説明したのちに、全麻導入薬を用いて気管内挿管。人工呼吸管理。
・術野の出血が落ち着いているなど、状況が許せば胸部X線撮影。肺水腫の有無を診断。
・肺水腫があれば人工呼吸管理。フロセミド投与したりして利尿。

5)接遇問題
翌日の脊麻後頭痛。NSAID無効。患者さんに頭痛の原因と対処を説明。
↓のような説明を参考にされるのがよいのではないでしょうか。患者さんの確認と、自己紹介を忘れずに。説明後には「何か質問はありませんか」を加えましょう。
http://www.neuroanesth.com/masui/faq.htm

*主な参考web
・麻酔をうける人と麻酔科医のためのページ
・帝王切開の麻酔のお手本となる一例
http://p.booklog.jp/book/5593/chapter/7747
・妊娠高血圧症候群は
http://www.jsog.or.jp/PDF/58/5805-061.pdf
・その他無料で読める「日本臨床麻酔学会誌」のバックナンバー

*参考図書
・最新産科麻酔ハンドブック 改訂第2版 p.253-278あたり
・LiSAのバックナンバー2009年4月号、2011年5月号p470など

うーん。これくらい答えれば、何とか合格点はもらえるだろうか??

これを書いていたら、前置胎盤の帝王切開で5000mlくらい出血したけど全麻にならずに乗り切った、という患者さんのことを思い出した。タイから来た留学生に拙い英語でレクチャーをしながら麻酔をするという、まさに初日だった気がする。専門医試験の勉強って、もしかすると自分がこれまで担当してきた数少ないハイリスク麻酔症例から得られなかった知識(その時は慌てていて、患者さんを生きたまま手術室から返すために対処することに必死で、何とか乗り切った後も、「何とかなったね、あぁよかったよかった」で終わって勉強が疎かになってしまった麻酔から、その都度得てしかるべき知識)の習得も兼ねてるんだろうか。だとしたら愛にあふれた試験だなぁ。試験対策に勉強した内容が仕事に役立つんだから、こんな幸せなことってない。

*お世話になったアルバム
VersaillesのHoly Grail (2011年, 日本)
ポップでドラマティックなMALICE MIZER系歌謡メタル。

(本) 「前に進む力 - ダグラス・パーヴァイアンス、跡部徹」

まえがき、が好きだ。
さらっといい言葉が書いてある。

「人生の最中に与えられる”チャレンジ”のうち、
どれが『自分の力でなんとかできる』もので、
どれが『自分の力ではどうしようもない』ものなのか、
大切なのは、その”違いを見抜ける”ようになることだ」(p4-5)

著者はニューヨークの一流ミュージシャンらしい。

・新しいことにチャレンジするときに、最初からスマートにできるわけなどない。もし最初から簡単にできるようなことだったら、あなたはまだコンフォートゾーン内にいるのかもしれない。(31-32)
・「自分に仕事を依頼してくるということは、その人が、私ならできると考えていてくれているということだ」(34)
・どんな人にだって、何歳になったって、成長する余地はつねに残っている。(35)
・周囲からのアドバイスの多くは憶測だ(59)
・Let us love you, until you can love yourself.(85)
・Principles before personality.(自分のエゴよりも信条を優先させなさい)(122)

どこかで聴いたような言葉が空虚に感じられないのは、言葉に血と汗と涙が通っているからだろう。

2011年7月14日木曜日

(本) 16分34秒で読む「夢をかなえる勉強法 - 伊藤真」

著者は司法試験塾の先生。
勉強の心構えを記した本でした。

・体で覚えた基礎、つまり”急行列車の回路”をたくさん持っていたほうが、目的地には早く着くことができる。知識を血肉化する、つまり常識にしてしまえば、次に進むのが楽である。(p65)
・本質を一言で言えないのは、わかっていない証拠である。物事の本質はとてもシンプルなのだ。(180)
・自分の人生の目標は何か?それはなぜか?そのために何をしているのか?その答えをさがすために、私たちは勉強をしているのである。(188)
・「10年後の自分」を想像するのはやめる(中略)10年後にこうありたいと思う自分は、未熟でたかが知れている現在の自分が考えた姿である。そんなちっぽけな自分が、未来の自分の姿を決めてしまっていいのだろうか。(208)
・自分の人生や運命は、過去に自分がまいてきた種を刈り取っているにすぎない。(217-8)

このような文言はこれまで様々な本や人から見聞きした内容であるけれど、私は時々それらを注入していただく。そうでないと前に進むのが時々(いや、結構な頻度で)滞るからである。息抜きに読む本が「勉強法」の本だなんて、どうかしてる。

(麻) 麻酔科専門医認定試験~口頭試問2010-症例1-2 脳動脈瘤破裂、くも膜下出血

問題文はDaturaから見られます。
口答試験当日に何も喋れなかったら恐ろしいので、時々見直して身体化させようと思う。

1)術前評価
1.術前問題点
・意識レベル低下E4V4M4
・高血圧とOMIの既往
・OMIにPCIの既往
・抗血小板薬を内服中
・48年の喫煙歴、禁煙していない
・full stomach

2.得ておきたい情報
・体格
・アレルギーの有無
・最終経口摂取から発症までの時間
・髭、動揺歯、頸椎症等の挿管困難を予想させる所見の有無
・日常生活の運動耐用能、心エコー(タコつぼになっていないか、なっていれば左室流出路狭窄の有無、心拍出率、有意な弁膜症、AFあれば左房内血栓、EF低く壁運動異常強ければ左室内血栓も、心内シャントの有無)
・普段の血圧
・血液ガス、レントゲンと合わせて神経原性肺水腫の否定
・挿入されている静脈路等
・病院に搬送されてから投与された全薬剤

3.冠動脈ステントの種類と待機手術時の待機期間
・BMS留置症例では、非心臓手術実施まで少なくとも6週間の待機期間(理想的には90日)
・薬剤溶出性ステントDESでは1年間

2)術中
1.緊急の脳圧低下処置
・高浸透圧利尿薬の投与(マンニトール0.5-2.0g/kg)
・脳室ドレナージ
・過換気PaCO2 30mmHg程度
・静脈麻酔薬投与
・軽いhead up体位
(ニカルジピン、ジルチアゼム、ニトログリセリンやニトロプルシドの微量点滴静注は降圧目的で使用されるが、頭蓋内圧を上昇させる危険性を考慮)


2. カプノグラム、経食道心エコー、心電図変化、血圧低下

3)術後管理
『脳卒中治療ガイドライン2009』(http://www.jsts.gr.jp/jss08.html)では,
1. 早期手術の際、脳槽ドレナージを留置して脳槽内血腫の早期除去を考慮する(グレードB)。
2. 全身的薬物療法として、ファスジルやオザグレルナトリウムの投与を考慮する(グレードB)。
3. 合併する脳循環障害に対してはtriple H療法を考慮する(グレードC1)。代わりに循環血液量を正常に保ち、心機能を増強させるhyperdynamic療法も考慮しても良い(グレードC1)。
4. 血管内治療として、パパベリンの選択的動注療法や経皮的血管形成術(PTA)などを考慮する(グレードC1)。

4)周術期危機管理-術中の低酸素症の理由は?
・パルスオキシメータがきちんと装着されているか確認、末梢の冷感が強くないか確認、血圧が保たれているか確認
・呼吸器の回路が外れていないか、閉塞していないか確認
・聴診して片肺挿管の有無を確認、痰の貯留による無気肺がないか確認、喘息発作がないか確認、気胸の可能性や肺水腫の可能性を考慮
・静脈空気塞栓の可能性がないか確認

前にも出したけど、静脈空気塞栓のreviewは↓
http://journals.lww.com/anesthesiology/Abstract/2007/01000/Diagnosis_and_Treatment_of_Vascular_Air_Embolism.26.aspx

気が向いたら、よりよい回答となるよう、これを叩き台にして改定もしたいけどおそらく無理でしょう。triple H療法って学生の時に「大事だよ~」と強調されて教わった気がするけど、単なる記憶違いだったのかな。これを書いていたら、DES挿入後2‐3週間で脳出血を起こした患者さんの血腫除去術の麻酔を担当したことを思い出した。術中・術後に何もなくてよかったんだけど。

2011年7月13日水曜日

(音) X JAPANの2曲


今年になって発売されたバラードな「Scarlet Love Song」とロック/メタルな「JADE」を聴く。
まるでSymphony Xのようなイントロの「JADE」にゾクゾクするけれど、歌が始まると高揚感が徐々にフェードアウトし、サビに至る頃には意気消沈。

上手いのである。Toshiの歌声は、とてもきれいに録音されているし、演奏だって申し分ない(あくまで私のような素人耳には、であるけど)。
普通、作品によって何の感動も得られない場合には、わざわざここに記載しないことにしている。まして楽曲に対する不平不満を書こうとは思わない。

何が足りないのだろう。なぜのめりこめないのだろう。iTunes storeで数百人の人たちが☆☆☆☆☆(星五つ)を付けているのにも拘らず、私にはまるで響かなかった。

曲から渇望が感じられないのである。または、自分の精神が、これら楽曲から渇望が感じられない程度に澱んでいるか、どちらかである。

「Alive」や「Rose of Pain」や「Unfinished」や「I’ll kill you」や「Vanishing Love」を好む程度にはX JAPANのファンなのであるが。恐らく「Forever Love」だって、かの元総理よりは好きな筈である。

ざらざらとした衝動に満ちた10分超の大曲「Rose of Pain」 の後に聴くと、2曲とも、尚更、気の抜けたコーラのように感じてしまう。
しかし、100回以上は聴いている「Rose of Pain」と、まだ10数回しかこの耳を通過していない新曲を比べるのは公平でない。

どだい、同じバンドの楽曲間でも、新旧の楽曲を公平に比較するなんて不可能である。時間が経つに従って私自身の音楽的嗜好もちょびっとずつ変わっていく。また、過去に好きになった曲には、それぞれ、「その最もよく聴いていたとき」に体験した生活の色々や、大変だったあれやこれやの汗や涙があり、それらが「この曲はいいよね~」という感情を増幅させているのである。だから、新しく聴く曲というのは、その様な自分の汗や涙にまだそれほど塗(まみ)れていない分、評価はどうしたって低くなってしまう。新しい曲は、過去の名曲に対して、分が悪いのである。
だからもし、これらの「JADE」なり「Scarlet Love Song」なりを5年、10年後のふとした折に聴いて、「あぁ~麻酔科専門医試験の勉強のときによく聴いてたな~」とか「大学院1年目の訳がよく分からないときに聴いてたな~」としみじみ思い出せるトリガーになるようなら、恐らくその時にこそ、この2曲を語り評価するべき時なのかもしれない。ここにこうやって記録することすら、今は低いこれら2曲の私の評価を将来的に押し上げるかもしれない、ということを期待しつつ、しばらくはiPodの片隅に眠らせておこうと思う。

2011年7月11日月曜日

(走) Training in Rena (其の百十四-百十六)

梅雨明け前から猛暑日になることしばしばだったが、7/9に梅雨明けして、更に過酷な暑さになった。今日はついに首からぶら下げる電池式小型扇風機(妻から借用)を投入。

ここ3週間の記録。10km走ったのは、実に3/27振り。

6/26 5.0km, 30min (10-12km/h, 傾斜 0)
7/3   9.0km, 60min (8.5-12.0km/h, 傾斜 0)
7/10 10.0km, 59min (9-12km/h, 傾斜 0)
total distance: 815.2km (May 19.0km, June 8.0km, July 19.0km)
total time: 5133min = 85h33m

因みに昨年の同時期は・・・
5月 61.6km, 6月 63.8km, 7月 80.2km, 8月 65.8km
見る影もありませんな。
ランニングが続いてるだけでもよしとしよう。

***
全く信じられない事に、ASAに演題が採択されてしまったので、向こう3ヶ月間でやるべきことが増えた。この暑さで自分がどれだけ(肉体的に)やれるのかは興味深いところだが、まぁマイペースに1つずつ潰していこうと思う。

継続できるかどうかは、あなたがスランプに陥ったり、気分が乗らないときに、やり続けられるかどうかに掛かっているのです。・・・中略・・・。継続できている人は毎回、「する」ことを選んでいるだけです。(30歳からの人生戦略 ― 古市幸雄 p148)

って言葉を思い出した。凡夫の私にはせいぜい「やり続ける」ことしかできないのであった。あ~暑い暑い。

2011年7月9日土曜日

(雑) ワダスの熱い日

フライデー。
終日麻酔をする。
夜中に備えて、ちょっと寝ようと思い、夕方、当直室を訪れた。

が。
あまりの暑さにそれどころではない。ベッドに横になってみたものの、3分ほどでじっとりと汗が噴き出てくる。そのまま30分粘ってみたが、到底寝付けそうもないので早々に撤退する。

当直用の部屋が、普段使われていない(もともと)入院患者さん用の個室だったため、冷房システムをオフにしているのだろうか。冷房の電源をonにしてもoffボタン点灯がついたままであった。どうなってんだろ。

病棟の廊下の方が格段に涼しい。
廊下に置いてあるストレッチャーで寝たい…。
もしくはオペ台か…。

仕方なく麻酔科控室で、抄読会の準備をすることにした。
600ページの大著「周術期管理チームテキスト第2版 (日本麻酔科学会)」を持ってきた際にはall night longだったので、今日は別のテキストを持参。

最近刊行された「がん生物学イラストレイテッド(羊土社)」。

こちらは400ページちょっと。
129ページにこう書いてあった。

この教科書が、10年後に大きく書きかえられていることをたいへん期待している。

まさに教科書かくあるべし、である。
こういう言葉に遭遇すると本当に嬉しくなる。

・・・しかし。
今読むテキストとして「がん生物学イラストレイテッド」は絶対に不適切だと思う。だって麻酔科専門医試験まであと2ヵ月と3週間である。

麻酔の神様。「Miller's Anesthesia」を読めない私をお赦しください。

(音) DIR EN GREY - UROBOROS (2008年, 日本)

もうすぐ8作目が発売されるので、改めて全編通して聴いてみた。

まだ彼らが「ビジュアル系バンド」とカテゴライズされていた頃。
1997年発表のインディース時代のミニアルバム「MISSA」の「GARDEN」は大好きな曲だった(今聴くと結構恥ずかしい)。

その後メジャーデビューし、アルバムを発表するごとに、気になる存在ではあったが、熱心にアルバムを聴きこむこともなくなってきていた。
どちらかといえば「ファンというのもおこがましいような状態」が7-8年続いていただろうか。

そんな私の胡散霧消しかかっていた彼らへの興味を一気に引き戻してあまりあるパワーに満ち溢れていたのが、7作目となる「UROBOROS」だった。

1-2. SA BIR ~ VINUSHKA
3. RED SOIL
4. 慟哭と去りぬ
5. 蜷局
6. GLASS SKIN
7. STUCK MAN
8. 冷血なりせば
9. 我、闇とて…
10. BUGABOO
11. 凱歌、沈黙が眠る頃
12. DOZING GREEN
13. INCONVENIENT IDEAL

balladな#6, #9, #13が押し並べて凄まじい扇情力をもっているというだけでも全く奇跡なのだが、本作はメタル耳のリスナーを喜ばせるようなheavy sideの曲においても、叙情性を全く失っていないことが誠に奇跡なのである。

私ごとき凡夫の陳腐な言葉では到底語りつくせない音の数々。適当に曲をパッケージして、「はいアルバム1枚できました、10曲くらいあれば3000円くらい取ってもいいでしょ、買ってね!」というようなアルバム(があるのかないのかは知らないし、どんなアルバムだって製作者はすご~く苦労して生み出しているのだろうけれど)の対極に位置するのが、この作品である。曲順も完璧に練られており(少なくとも私程度のファンにでもそう思わせるくらいに)、どの曲もこの場所にしか嵌らないだろう、ってな具合。例えばiTunesのプレイリストに自分のお気に入りのアーティストたちにお気に入りの曲だけをパッケージングしようと試みたときに、「VINUSHKA大好きだから入れよ」としたら、その後には「RED SOIL」も「慟哭と去りぬ」も付いてきて・・・あらあら「INCOVENIENT IDEAL」まで並べて入れちゃったよ…と「UROBOLOS」収録曲以外のどんな曲も割り込んではいけないような気分にさせられる。

インスト曲「SA BIR」に導かれて始まる9分37秒の一大絵巻「VINUSHKA」を作品の頭に置くあたりに、「ついて来れるんならついてきな」と自分たちが構築した世界観への絶対的な自信を感じる。というのもとっても好印象である。

ということで竹林ジャケットな8作目「DUM SPIRO SPERO」への期待が否が応にも高まって仕方ないけれど、それが例え「UROBOLOS」を超える感動を私に齎(もたら)してくれなかったとしても、私はほんの壱厘も落胆しないだろう。なぜならもう地球のロック/メタル史上に燦然と輝く名盤を彼らが作ってしまったからである。

(音) AKB48 - ここにいたこと (2011年, 日本)

普段、音楽の評価をする際には、歌詞は全く加味しない私(だってメタルの歌詞はそもそも聴きとれないし)。だからこそ、どんなに酷い歌詞でも優れた歌メロや流麗なギターソロがあれば、いくらでも楽しめるという利点があるのだけれど。

いつのまにかレンタル開始になっていたので借りてみた。そしてブックレットを見てみた。


・昨日までの記憶だけでチャレンジしてはみても 今そこにある問いは初めての難問だ できなくても当たり前 明日はもっと難しい(イイカゲンのススメ)
・言い訳はすべて捨て去るんだ (Overtake)
・明日 生まれて来る子どもへ 僕にできること (僕にできること)
・夢の方からは そっぽ向かないよ 勝手にこっちから背を向けてしまうもの (チャンスの順番)
・何もできない ちゃんとできない それがどうした? (Beginner)

おぉ、下手な自己啓発本より、恥ずかしいくらいに真っ直ぐな金言が詰まっているではないか。流石、当代一の知名度を誇るアーティスト集団は違いますな。未だに名前は全然覚えられないけれど。

2011年7月7日木曜日

(雑) 一歩ずつ

暑さに耐えきれずに大学院を辞めました、という話は聞いたことがない。
顕微鏡で酔うので大学院を辞めました、という話もまた聞いたことがない。

暑さはいずれ落ち着くだろうが、顕微鏡酔いはどうしたものか。
「改訂 細胞培養入門ノート (無敵のバイオテクニカルシリーズ)」をパラパラ捲っていたら

        我慢して続けていれば、ほとんどの人はやがて慣れる。(p83)

と書いてあった。
流石である。この本はなんでも書いてあるなぁ。

***
暑くてやる気が出ないのか、やる気が出ないのを暑さのせいにしているのか分からないが、兎に角、やる気が出ない。
5月の麻酔科学会から帰ってきて以来、3kg程体重が減少した。

***
久しぶりに3年目Dr(つまり麻酔科医としてトレーニングを始めたばかりの後期レジデントの先生)と麻酔に入った。大学院生になってからというもの、1-2年目の初期研修医(いろんな科を回る所謂ローテーターの先生)と麻酔に入る、若しくは1人で麻酔をかけることが殆どなので新鮮だった。
流石に麻酔の準備は完璧である。ちゃんとインスリンや尿ケトンチェック用の道具も手元に置いてある。私は麻酔器のリークチェックとアルチバが本当に溶解されているかをチェックするのと、喉頭鏡の電球がチカチカしないかチェックするのと、気管チューブのカフが破けていないかをチェックするだけで済んだ。
そんな彼だったが、運悪く、硬膜外麻酔が入らなかった。手を変えてみよう、と私が代わりにやったのだが、こちらは非常に運がよいことに、スムーズに入れることができた。

western blotも未だにきちんとできない私だが、患者さんやレジデントの先生のお役に立つ事ができたってのはほんの細やかな事ではあるが、嬉しいことだ。

今の私には、「麻酔で硬麻が入った!」程度の「ほんのちょっとの成功体験」が研究室でも必要なのかもしれない。
just do it ! ですな。

2011年7月5日火曜日

(雑) 素直になれなくて

生まれて初めて教わりながらじぶんで拵(こしら)えたH-E染色の肺標本。喜々として隅々まで観察してたら、あっという間に顕微鏡酔いを発症した。

***
松本復興担当大臣が辞任した。
どうしてだろう。全く批判する気になれないのは。
避難所生活をしていたら、怒っていたかもしれないし、仮設住宅暮らしだったら怒り狂っていたかもしれないが。

当座、彼が何を言おうと、自分の生活には関係ないと思ってしまっているからに違いないし、彼の発言を受けて「あなた、治療する気ないんなら麻酔しませんよ」などと普段から患者さんに対して上から目線でコミュニケーションを行っている自分が後ろめたいからでも、ない(勿論そんな態度で仕事をしていれば、私は失職して生活が立ち行かなくなる。例え暑くて頭がぼぉっとしていようが、不眠不休で日当直をした後であろうが、そんな暴言は間違ってもこの口からは吐き出されないだろう)。

***
数日前にこんな報道があった。

軽乗用車にはねられた富山市の女性(73)が、市内の3病院に受け入れを断られ、搬送先の高岡市内の病院で死亡した問題で、県は2日、富山市内の5総合病院の院長らを集めて緊急の連絡会議を開いた。「たらい回し」を防ぐため、県は今年4月から、新しい受け入れ基準の運用を開始したばかり。「基準が絵に描いた餅になっている」などと厳しい声も相次ぎ、医師不足や、基準の周知不足などの課題が浮き彫りとなった。
(2011年7月3日読売新聞)

***
亡くなられた女性は本当に気の毒である。言葉もない。
私が今回の大臣の件で、メディアの報道に同調して批判する気が起こらないのは、このように、いまだに「たらい回し」という言葉をこのような意味合いで使い続けているメディアに、人知れず腹立たしい気分にさせられていることが関係しているのかもしれない。

「たらい回し」に限らず、言葉は時代とともに変化していくものなので仕方ないことではある。だが、現場の医療スタッフたちは、本来の「たらい回し」の意味である

「1つの物事を、責任をもって処理せずに次々と送りまわすこと」

はしていない。少なくともわざわざ「そのような批判をメディアからお受けするように、故意には」していないと思う。

言葉を捻じ曲げて使う人たちの報道だから、どんな報道も「本当半分、嘘半分」だと思ってしまう。今回の一連の報道では、「上から目線でモノを語る大臣」の場面が繰り返しオンエアされていたけれど、あれすら「誰かが書いた脚本に則ってやっている芝居なんじゃないだろうか」と思ってしまう。

他には…
・自分から「復興担当相を辞めたい」とは言いにくいから、わざと憎まれ口を叩いて辞めさせるような世論を形成したかった
・就任9日で辞めることで、誰かが得をするような筋書きになっている(誰か分からないけど)
・本当に九州出身でB型だから

どうにも
被災者や被災地への配慮が、殊の外、この大臣に欠けている→大臣の資格なし→辞任すべき→首相の任命責任もあるぞ→首相も早く退陣すべし

というメディアの大合唱に「全くその通り、とんでもない大臣だ!」と安易に与(くみ)することができないのは、この内閣を形成する民主党が与党となった原因が、メディアが形成した世論にあるからだと、未だに恨みがましく私が思っているからである。そしてそのような「被災者への思いが足りない」政治家やその他の政治家を選んだのは国民である。政治家への一方的な批判は、口角泡飛ばして批判する一人一人に跳ね返ってくるんじゃないだろうか、という思いも、心のどこかにあるからである。

でもまぁ批判する気になれない1番の原因は、「実験がうまくいかなくて、それどころではない」、ということだろう。

2011年7月3日日曜日

(音) In Flames ‐ Sounds of A Playground Fading (2011年, Sweden)

10作目のスタジオアルバム。前作は聴きそびれたままだったから、2006年の8作目「Come Clarity」以来。
Symphony Xの「Iconoclast」と同日発売だったため、気にはなっていた。
だが新作は同時に2作買わない+より商業的に成功していないだろうアーティストに優先的にお金を払うという主義なので、こちらは後回しになっていたというわけです。

ということからも分かるように、恐らく私はIn Flamesの熱心なファンではない。伝統的な日本人メロディックデスメタルのファンの方々(そのようにカテゴライズされる人々がどれくらい存在するのかは知らないけれど)と恐らく一緒で、4作目「Colony」収録の「Embody the Invisible」に衝撃を受けたクチなので、それ以降何となく気になってずっと聴き続けている。もっとも、あの頃の彼らのスタイルに魅せられてファンになった人々が6作目「Reroute to Remain」あたりでそっぽを向いてしまったと言われているみたいだけれど、あの作品にも「Free Fall」みたいな哀愁いっぱいの曲があった。だから7作目「Soundtrack to Your Escape」に自分がお気に入りになるかもしれないような好きな曲を見つけられなくて「もう聴くのやめようかな~」と思ったとしても、8作目「Come Clarity」に「Dead End」なんかが入っているとそれだけで「あぁ、In Flamesってやっぱり凄いバンドだよなぁ。私みたいに、『あれ、いつの間にかイン・フレイムスの新譜が出てたんだ』というような不謹慎な人間をも虜にしてしまうような曲をちょこちょこつくってくれちゃうんだよな」って思ってしまうのである。

だから今作のように、3~5分台の曲がずらりと13曲もパッケージングされているのを見ると「また、1曲くらい自分が(割と努力しなくても)好きになるような曲があるかも」という淡い期待を抱いてしまうのである。ライブで大合唱になるような、コーラス部がぶっとい曲中心の近作を傍から見ていると、私にとってのスマッシュヒットとなるような曲を期待してはいけないのかもしれないのだが。

ということで聴く。
彼ららしいギターワークと歌メロが、曲の中盤から流麗な弦楽器と心地よく共演してしまうドラマティックメタル#12「A New Dawn」がお気に入りになってしまう。この曲は恐らくバンドの長い歴史の中でも3本の指に入るほどの叙情性を秘めた名曲だろう。夕飯のためのイカを解体するのに難渋している最中に思わずうるうるしてしまった。
まだ、こんな曲、作ってくれるんだ。凄いなぁやっぱり。また次作も聴いちゃうに違いない。

1. Sounds Of A Playground Fading
2. Deliver Us
3. All For Me
4. The Puzzle
5. Fear Is The Weakness
6. Where The Dead Ships Dwell
7. The Attic
8. Darker Times
9. Ropes
10. Enter Tragedy
11. Jesters Door
12. A New Dawn
13. Liberation

2011年7月2日土曜日

(雑) まだ本番前だってのに

なんだか疲れているようだ。
セブンイレブンじゃないコンビニの会計で「nanaco」でお願いします。と言ってしまったり、研修医と一緒に入った麻酔で、麻酔中に研修医が目の前でやにわに読書に没頭し始めても、注意するのが面倒で、まぁいいや、と放置してしまったり。

それもこれも暑いせいである。
研究室のこと。
1日の大半を過ごすこの部屋が、1日中真夏日(≧30℃)を記録し続けている。
朝到着するなり31℃。夜22時でも32℃である。

そんな環境が始まって早2週間が経った。

如何に自分の心身がだらしないか。それが何度も何度も身に染みたのがこの2週間だった。
暑さに耐えられず、研究室に長時間いられない。
汗でべとつく前腕。それにべとつく論文やノートや団扇。
6月28日からは首裏に冷却ゼリーを貼っている。
多少よい。
先週は涼しい図書館に4回/day逃げ込んでいたが、今週の木曜日には遂に1回/dayまで低下した。

オペ室ってなんて涼しかったのだろう…。
4年も手術室中心の生活を送っていたらすっかりダメになってしまった。

論文になるような研究デザインを組み立てられるか、や、教わった実験手技をsee one, do one, teach oneでできる様にノートにまとめたりとか、その他色々より何より……この夏生きていけるかが非常に心配である。
早くover30℃でもPubMedサーフィンしたり、論文読んだり、教わったプロトコールまとめたり、出来るようになりたいなぁ。

暑いのはしょうがないよなぁ、夏なんだから。