このブログを検索

2009年10月31日土曜日

第29回臨床麻酔学会 in 浜松 (day 3)

9:00-10:00 臨床研究のデザイン より
tips
・リサーチクエスチョン(RQ)に対する答えを出すために
 しっかりした「設計図」を書く必要あり
・RQのリテラシー
・7つの御法度を「RQの作り方」の本を読んで復習
・臨床研究はFINER
Feasible, Interesting, Novel, Ethical, Relevant
・バイアスがある場合にはdiscussionで明確に記載する

10:00-12:00 
ICUでのanalgesia based sedation(ABS)のシンポジウム
・まず何よりも鎮痛から評価せよ
・hypnoticsは長期予後に影響する。なるべく最小限に。
・ABSは抜管までの時間を短縮する
・daily sedation interruption 1日1回
 午前中にhypnoticsを中断する。
 病態が落ち着いてなければ、ちょっと覚まして
 神経学的所見をみるだけでも。
・筋弛緩はVAPやCIM(critical illness myopathy)と関連。
 なるべく使わない(class 1B)
・もっともよく使われるのはRASS
 (Richmond agitation sedation scale)
 落ち着いていて呼べば簡単に目をあけるくらいの鎮静度にする。
 RASS -4
・SBT(spontaneous breathing trial ):いきなりT-ピースや
 CPAPにして2時間程度自発呼吸させる。OKなら抜管。
◎良好な覚醒のためには鎮痛は前提条件
・腸管抑制には①プリンペラン②大建中湯③エリスロマイシン
・DEXのみではABSは難しい。
  NPPVではよい適応かも。
  MDZから抜管前にスイッチ。
  アルコール離脱せん妄 など

13:30- 術中のカテコラミン投与を見直す
・血行動態改善 ≠ 予後改善  ではない
・カテコラミンの有用性は収縮不全でのみ認められる。
・βブロッカー(特にカルベジロール)はDOBの有効な
 反応を抑制する。PDE3阻害薬がbetterかも。
・DOAはNaの再吸収を抑制して尿量を増やすだけ。
 尿細管に良い影響を与えない。
・大手術時は必要なポイントで必要なだけカテコラミンを
 利用する。漫然と投与しない。