今からPAWPの波形書けるようにしておかなきゃ。もう遅い?
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@PAWPと肺動脈拡張期圧(PADP)の相関が悪くなる病態 (過去問頻出)
1. PAWP > LVEDP
MS、MR、LA myxoma、VSD ( LAP > LVEDP)
肺静脈閉塞性疾患( PAWP > LAP)
高いPEEP( PAWP > LAP)
2. PAWP < LVEDP
LVコンプライアンス低下、HCMなど(LAP < LVEDP)
AR(LAPのa 波 < LVEDP:拡張末期の早期僧帽弁閉鎖)
PR、右脚ブロック、肺血管症減少
3. PAWP < PADP
PH、肺性心、PE、頻脈(頻脈はLVEDP<LAP<PADP)
@PAWPの波と谷
(こちらも過去問頻出。因みにCVP問題もほぼ同様の考え方で解けます。僧帽弁→三尖弁、v波増高→三尖弁閉鎖不全、y谷の僧帽弁開放→三尖弁開放、というふうに。但しCVPのa波はECG上のP波の比較的すぐ後(PとQRSの間)に出現する=PAWPの波より時相が早いことに注意)
a波:心室拡張末期の心房収縮によって作られる陽性の波。洞調律ではこの波が最大。。
c波:収縮期開始時の僧帽弁閉鎖により作られる小さい陽性波
*ECGのR波に続いて見られる
v波:心室収縮期にPVから心房への血液の流入によってできる陽性ノッチ
x谷:a波、c波につづく下行脚。心房の弛緩に一致
y谷:v波につづく圧の低下。僧帽弁の開放にともなって心室への急速流入によってできる
*a波はatrial kickのa、c波はclosureのc、v波はvetrivcle、veinのv、と下記「Intensivist」のp205にあります。
@a波消失
・AF、房室結節リズム、心室ペーシング、心室調律
@巨大a波
・MS、拡張期LVコンプライアンス低下(47A36)、III度AVB、房室解離(タイミングがずれて僧帽弁が閉鎖された状態で心房収縮が起こるため生じる)
@巨大v波
・MR → 収縮後期逆流性雑音
・急性心筋虚血
その他過去問から
・肺動脈カテーテルによる心拍出量測定:古典的にはStewart-Hamilton式に基づく熱希釈法で行う。熱希釈曲線はCOが大きいほど変化が小さくなる(46B)
・希釈法では注入量が少ないと、COは実際値より高くなる。
@PAWP(平均圧6-12mmHg)の測定
・呼吸:胸腔内圧の変化の影響を最も受けにくい呼気終末に測定。
・循環:左室拡張末期圧(LVEDP)を見たいため、その圧を反映する心集気の点(心房収縮後で僧帽弁閉鎖直前(z点:a波とc波の間。ECG上Q波の50msec後、R波あたり))で測定。
・通常はPAWP≒肺動脈拡張期圧なので、PAWPは平均肺動脈圧より低い。
・PEEP付加時:一般的にはPEEPをかけたまま呼吸回路をはずさずにそのまま測定し、呼気終末の時点のa波の平均を採用
・PAWPを測定する理想的なポイントは過去問通りWest zone 3(肺動脈圧 > 肺毛細血管圧 >肺胞圧)
以下の文献やウェブに大変お世話になりました。
・非侵襲的モニターは侵襲的モニターを超えられるか 日臨麻会誌. Vol 31, 58-66, 2011
http://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsca/31/1/058/_pdf/-char/ja/
・Dr.讃井の集中治療のススメ
http://blog.goo.ne.jp/jseptic
・Intensivist 2011 vol.3 No.2 モニター、MEDSi、2011
・ICUブック第3版、MEDSi、2011