4時半起床。
羽田から関西国際空港まで1時間10分。10時前には関空に到着する。ここにくるのはケアンズ旅行からの帰国時以来。成田に向かうはずだった飛行機の現地出発が10時間遅れたため、成田ではなく26時の関空に到着したことが昨日のように思い出される。
これまた当時2度と来ないと思われた空港近くのローソンで傘を購入し、その隣りで愛想があまりない店員さんから車を借りて出発。外は小雨が降ってきていた。
奥の院は弘法大師空海の御廟所が最深部に構える巨大な霊場である。織田信長、明智光秀、加賀前田家などの墓やその他様々な企業の墓があり、樹齢数百年の杉木立の参道がおよそ2キロに渡って続く。周りから香が漂ってくる。小雨だがそれ程湿度は高くない。それどころか涼しい風が吹いてくる。小川のせせらぎが聞こえる。ここにきて「~~できますように」というような私自身の欲望を神仏に頼む気など失せてしまった。
庭が見事で、石庭として我が国最大面積を誇る蟠龍庭(ばんりゅうてい)、狩野探幽らによる襖絵、秀吉に追放された秀次が自刃した柳の間など見所たくさんであった。1984年に新設された新別殿という大広間にいくと参拝客には茶が振る舞われる。畳の大部屋でのびのびと休憩ができる。偶然にも僧侶の法話を聴くことが出来た。「辛」いに一本棒が入ると「幸」せという漢字になる。独りよがりな辛い状態から手を出して回りの人と繋がることで幸せな状態になるんですよ、云々。
高野山に宿泊する人は宿坊に泊まることになる。宿坊といっても部屋にトイレと水道がない以外は殆ど和風の旅館と同じ。エアコンやテレビは置いてある。出される精進料理は普通に食べられるものであった。食後に写経を別室で行う。薄い灰色で書かれた般若心経の文字を上から筆ペンでなぞるというものであったが、渾身の集中力で心を込めて行う。これほど集中して文字を書いたのは久しぶり。普段使わない力と、普段触れないものに触れた満足感に包まれ寝る。
本日の走行距離メーター:84466-84559km(93km)