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2010年7月10日土曜日

スペル(Drag Me to Hell) ☆☆☆☆

原題「わたしを地獄に引き摺り降ろして」を地でいくホラー映画。
2009年公開99分
製作:$3000万  興行収入:$8284万

サム・ライミ監督が久しぶりに作ったホラー映画ということで以前から気になっていたが漸く視聴。
世間的にはサム・ライミ監督といえば「スパイダーマン」シリーズだろが、私の中ではスプラッター映画の名作「死霊のはらわた」(1981年)をつくったその人という特別な存在である。

ニコラスケイジの「マッチスティック・マン」でニコラスの娘役を演じていたアリソン・ローマンが主演の銀行員役を演じている。家の差し押さえ延長を嘆願しに来た老婆の依頼を断ってしまったがために、その老婆に不運にも呪いをかけられてしまう。その後3日間ポルターガイスト現象やら悪夢やらグロテスクな幻視やらと、あの手この手で悪霊の呪いを受け続けるために、除霊師とともに戦うことになるが・・・というストーリー。
21世紀にもなってまだこんな映画が存在するのか、というようなグロテスクシーンが要所要所を締めている。ここが本作がただのオカルト映画に終わらない点で、しっかりとホラー映画ファンを満足させる出来になっている。大量の蛆(うじ)や組成不明の液体等を使ったグロテスクシーンの見せ方がとてもえげつない(褒めている)。主演のアリソン・ローマンが清楚から狂気までしっかりと演技してくれているのもよい。予想通りのバッドエンディングが、またよい。
内容自体はナンセンスでくだらない(褒めている)。くだらないが筋が通ったストーリー。くだらないものを真面目に作るところに製作者の愛を感じる。悪霊が大暴れすることからして「21世紀版の死霊のはらわた」とでも言えようか。映画を見終えると総入れ歯の老婆の麻酔を担当するのが暫く怖くなる。が、幸いにして来週は夏休み。いい映画を観た。