ランニング:10km-49分52秒(男子39歳以下 63位/185人) 計302.5km
(2月 48km, 3月 56km, 4月 63.1km, 5月 61.6km, 6月 63.8km, 7月 10.0km)
9月20km:田沢湖マラソン(あと76日)
(2月 30km:青梅マラソン あと231日)
郡山から東北本線で下ること30分、小綺麗な二本松駅に着く。同じ目的で下車する人が大勢いる。走るためだけの目的で人が集まる。不思議な光景である。駅前からの送迎バスで更に20分。iPhoneをいじっていたら早くもバス酔いしそうに。
8時半頃大会会場入りし受付を済ませた頃には小雨がぱらついてきた。初めての雨天下マラソンになることを覚悟し始めたが、10時頃には雨は上がった。会場では梅干しや麦茶が振る舞われており、参加者はそれぞれ顔見知りの人達も多いようで、あちこちから「あれ〜ひさすぶりだこと〜はしるの?」と言った声が聞こえてくる。とてもアットホームな大会に、アウェー戦の私も心が和む。
地元の小中高校生らも参加している。走らない子供たちは父兄らとともにコース沿道にたち、冷たいスポンジや水を配ってくれる。ほぼ全線に渡り、声援が聞こえる。スタート直後には威勢よく太鼓の演奏も聞こえる。
スタートは10時半。曇っていて涼しい位。1番よい天候の下走り始める。
これは心機能の悪い患者(私)のOPCABの麻酔だ。開始早々「地獄坂」が待っている。いきなり回旋枝領域吻合のために脱転される心臓のようだ。復路では極楽坂になるんだろうが、それにしてもきつい。普段走っているトレッドミル換算にすると傾斜10.0以上はあるんじゃないか?坂を上っていると早くもくじけそうになる。往路5キロは上りだけかと思っていたが、同じ数だけ下りもある。これは行きも帰りも大変だ…マイペースマイペース完走完走と呪文を唱え続ける。追い抜かれてもマイペース。しんどい息遣いが隣から聞こえてきてもマイペース。下り坂でも自制しつつ歩を進める。上り坂のたびに脱転されて苦しいOPCAB中の心臓の光景を思い描く私。それと格闘する私。
コースに距離表示はない。危うく折り返し地点を無視して突き進むとこだった。予想に反して大分余力を残した状態で折り返せた。
5Km以降は一時的にイヤホンを取り出して耳に装着してみる。大会で音楽を聴きながら走ったことはなかったので、どのようなものなのか試してみたかったため。しかし普段の練習では全く気にならなかったイヤホンコードが邪魔で邪魔で、かつ、Cryptopsyの「Slit your guts」が全く走るテンポに合わなかった。結局数分でイヤホンを外す。
苦しかったのは5~7.5km間。「あと2.5キロだよ~」と応援されても嫌がらせのように感じてしまう私。それでも歩きたくない一心で走り続ける。足は疲れない。
論語物語の一節が頭の中でぐるぐる回る。
本当に力があるかないかは、努力してみた上でなければわかるものではない。力のない者は中途で斃(たお)れる。斃れてはじめて力の足りなかったことが証明されるのじゃ。斃れもしないうちから、自分の力の足りないことを予定するのは、天に対する冒涜じゃ。なにが悪だといっても、まだ試してもみない自分の力を否定するほどの悪はない。それは生命そのものの否定を意味するからじゃ
マイペースを維持し続けゴールが遠くに見えてきたところで、余力を全て振り絞り全力疾走。何人か抜かせてもらった。走り終えると目標だった50分をきることができた。
参加賞のTシャツ裏には「地獄坂」の文字。坂を何度も上ったり下ったり。完走できたことで自信がついた気がする。走り終えると、あんなに苦しかったのにもっと練習してハーフのコースに出てみたいと思う自分がいた。
今夏初のイチゴのかき氷は氷片が大きくてジャリジャリしてたが至福の美味さだった。
大会主催者、全ての大会関係者の方々に感謝したい。コースは辛いがまた出てみたいと思える温かい大会だった。