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2010年5月2日日曜日

Alice in Wonderlandは☆☆

目下大ヒット中の本作。
AVATOR上映時に本作の予告編を見て以来ずっと気になっていたので見に行くことに。せっかくなので3Dで上映している映画館を探して見に行った。考えてみると今年初の映画館での映画鑑賞である。

興行収入を低下させるようなネガティブな意見を言うのは非常に憚られるが、私が何を書いても映画は大ヒットするだろうから書く。
極彩色のワンダーランドを映像化したのは見事だが、私の感性にはまさに映像美しか響いてこなかった。好奇心旺盛な子供なら楽しめるのか、はたまた原作を深く知る人たちならばもっと楽しめるのか…。最後の最後まで映画の世界に入り込めない自分に落胆。肝心の3Dが上手く機能しているかと言われると、それも微妙。アリスが穴に落ちるときとチェシャ猫が出たり消えたりする場面以外には3Dであるありがたみがあまり感じられなかった。
楽しめなかった要因の1つは恐らくストーリー。原作の世界の13年後ということだからこれまで誰も描いたことのない世界の筈。109分の上映時間に合わせてシンプルさを追求した反動なのか、妙にご都合主義的な進行で一貫性がないように感じられた。その一貫性のなさもワンダーランドの話だからわざと狙ってやったことなのか。謎かけのような台詞の1つ1つも恐らく原作を知っている人には楽しめるものなのだろう。
数えてみるとシザーハンズ、エドウッド、スリーピーホロウ、チャーリーとチョコレート工場、コープスブライド、スウィーニートッド、と今回でティム・バートン監督作7本目の出演となるジョニーデップ(こうして挙げてみると全部見てるものだ)。今作は帽子屋を演じた彼より、赤の女王を演ずるヘレナ・ボナム=カーター(監督の奥様。猿の惑星、ビッグ・フィッシュ、コープスブライド、チャーリーとチョコレート工場、スウィーニー・トッドと今作で6本目の出演)が強烈過ぎる印象を残している。特に"Off with her head!"といろんな登場人物の首を何度もはねさせようとするシーンはそれぞれ破壊力があって非常によい。
振り返ってみると楽しめなかった1番の要因は原作を読んだことがない自分にある気がするが、芋虫のアブソラムをアラン・リックマンが、ジャバウォックの声をクリストファー・リーが演じていたことなどは嬉しい驚き。