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2010年5月5日水曜日

Rhapsody of FireのThe Frozen Tears of Angels(2010)

今年はメタルの新譜の当たり年のようだ。

バンド8作目のアルバム。
このバンドの作品を聴くのは「Symphony of Enchanted Lands II: The Dark Secret」(2004)以来。恵比寿の駅近にある普段ならば足を踏み入れないようなちょっとお洒落な雰囲気のCDショップを覗いてみたら偶然発見したので、即購入。

CDの歌詞カード内にアルバムの世界地図が描かれるという徹底ぶりに衝撃を受けたデビュー作の「Legendary Tales」が1997年。現在まで既に13年経過。にも関わらず、本作で描かれる世界はデビュー当初から何ら変化していない。大仰であるが故に飽きられてもおかしくないこの種の音楽を表現し続けている。継続は力なりとは使い古された言葉だが、まさに彼らのためにあるようなもの。驚きを通り越して尊敬に値することである。映画のサウンドトラックになるかのような世界観からハリウッド・メタル、とかシネマ・スコア・メタルなどと称されるようになっているが、本作も「The Lord of the Rings」の世界であり、ドラゴンが空を舞い、勇者が剣で敵を薙ぎ倒していくロールプレイングゲームの世界を連想させるものでもあり、それは本作でも全く変わりない。俳優クリストファー・リーがナレーションをつとめる#1「Dark Frozen World」に導かれる#2「Sea of Fate」は普通の出来。#3「Crystal MoonLight」はコーラスが印象的な佳曲。単調ながらコーラスの畳みかけが圧倒的な破壊力をもち是非とも大音量で聴きたい#4「Reign of Terror」は本作の1つのハイライト。#6「Raging Starfire」や#8「On the way to Ainor」と疾走曲が多いのは非常に嬉しいところ。
 大大大傑作だった5作目「Power of the Dragonflame」には及ばないものの歌メロはよいしクオリティは高く丁寧な作りの作品。