電車に乗ること延べ2時間30分ほど。西武線の西端までやってきた。途中の芦ヶ久保駅からは妙な存在感を放つ銅の仏像が拝める。芦ヶ久保大観音(埼玉県横瀬町、2000年建立、18.5m、倭座り)だそうだ。正座した観音は珍しいらしい。
終点まで乗る人が多いのかと思いきや、直前の横瀬駅で8割方の乗客が降車した。皆「芝桜」を鑑賞しに来たようであった。芝桜は美しいが、毎年見たいとは思わない。数年前に見た栃木県芳賀郡市貝町の芝ざくら公園での美しさが未だ鮮明なので、取り敢えず無視することにした。
終点まで乗る人が多いのかと思いきや、直前の横瀬駅で8割方の乗客が降車した。皆「芝桜」を鑑賞しに来たようであった。芝桜は美しいが、毎年見たいとは思わない。数年前に見た栃木県芳賀郡市貝町の芝ざくら公園での美しさが未だ鮮明なので、取り敢えず無視することにした。
この日の最高気温は25.5℃。
てくてくと宝登(ほど)山を登り、ロープウェイで山頂に着いた頃には汗ばむ陽気。ロープウェイはちょこっと人が並んでいたので待っている間に「2009年第5回埼玉B級ご当地グルメ王1位」というキャッチコピーで売っていた「みそポテト」を食べる。ふかしたジャガイモを天ぷらにし、甘みそをからめるというシンプルさがまさにB級だが、味は見た目から想像される通りであった。
ロープウェイは乗ったかと思うとあっという間に終点についてしまう。ロープウェー内でのナレーションでは宝登山と神社の由来を説明してくれた。「山麓の宝登山神社は西暦110年、今から1900年前、第12代景行天皇の時代に創立されたと伝えられている。皇子日本武尊が勅命によって東国平定の時、遥拝しようと山頂に向っている折、巨犬が出てきて道案内をしてくれた。その途中、東北方より猛火の燃えて来るのに出遇い、尊の進退はどうすることもできない状態になってしまった。その折巨犬は猛然と火中に跳入り火を消し止め、尊は無事頂上へ登り遥拝することができた。尊は巨犬に大いに感謝したところ、忽然と姿を消した。このことから「火止山」の名が起きたという。また巨犬は大山祇神の神犬であった事を知り、また防火守護のため火産霊神を拝し、その後山麓に社殿を建て三神を鎮祭し、これが宝登山神社の起源であると伝えられる。」
ロープウェイで山頂に上ると緑が美しい。しかし暑い。
くてくと歩くと小さな動物園があり、サルや鹿、豚、ウサギ、アライグマ、孔雀などがいる。豚は放し飼いにされておりあちこちで糞をしまくっている。動物園内も坂道が多く、陽に焼かれて徐々にぐったりしてくる。日頃のランニングが全く役に立っていない程の体たらくである。
ロープウェイを降りると荒川ライン下りに行く。全長10m、20名乗れる和船に船頭さん2人が4mほどの竿を操り丁寧に川を下っていく。陽は照っていたが、風と水飛沫、緑の匂いが非常に心地よい。川の両岸にある岩肌が美しい。瀞(とろ)の意味通りに川の流れは緩やかで、とてもゆったりとした落ち着いた心になれる。30分弱の乗船だったが、心身ともに涼むことができた。紅葉の頃に乗っても気持ちよさそうである。