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2011年10月31日月曜日

(本) 武器としての決断思考 - 瀧本哲史 (星海社新書, 2011年)

大学生が読むと、確かに糧になりそうです。理屈っぽいことを喋る理屈屋さんになるためにはツッコミを適切に入れる力が必要ですね。

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・問題が大きすぎる場合には小分けにする
・~すべきか否か、で問いを立てる

@メリットへの反論の6項目 
<内因性への反論>そんな問題はそもそもないのでは?
・論題の行動を取らなくても問題は解決する
・そもそも現状に問題はない
<重要性への反論>問題だとしても、たいした問題ではないのでは?
・質的に重要ではない
・量的に重要でない
<解決性への反論>重要な問題だとしても、その方法では解決しないのでは?
・プランを取っても別の要因が生じるため、問題は解決しない
・プランは問題の原因を正しく解決しない

@デメリットへの反論の6項目
<発生過程への反論>新たな問題は生じないのでは?
・プランだけではデメリット発生にはいたらない(他の条件が必要)
・プランの影響はデメリット発生にいたるには弱すぎる
<深刻性への反論>問題が生じたとしても、たいした問題ではないのでは?
・質的に問題ではない
・量的に問題ではない
<固有性への反論>重要な問題だとしても、すでにその問題は生じているのでは?
・プランを取っていない現状でも問題は起こっている
・プランを取らなくても、将来、同様の問題が起きる   (p138-140)

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取り敢えず、議論できるレベルにまで問題を細かく刻み、上の篩にかけて、より良いだろう回答を出す、ということでしょうか。これは、患者の状態や外科医の腕、施設の医療レベル、等々を秤にかけて、普段手術室で麻酔科医が無意識のうちに決めていること~A-line入れるのか、硬膜外麻酔やるのか、輸血するのか、手術室で抜管しないのか~そのものですね。この思考法は手術室だけでなく、様々な問題に対して使えるようですよ。困ったときには、頭の中で考えるだけじゃなくて、実際に書きだしてみて並べてみることも重要かもしれません。早速試してみよっと。