暑さに耐えきれずに大学院を辞めました、という話は聞いたことがない。
顕微鏡で酔うので大学院を辞めました、という話もまた聞いたことがない。
暑さはいずれ落ち着くだろうが、顕微鏡酔いはどうしたものか。
「改訂 細胞培養入門ノート (無敵のバイオテクニカルシリーズ)」をパラパラ捲っていたら
我慢して続けていれば、ほとんどの人はやがて慣れる。(p83)
と書いてあった。
流石である。この本はなんでも書いてあるなぁ。
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暑くてやる気が出ないのか、やる気が出ないのを暑さのせいにしているのか分からないが、兎に角、やる気が出ない。
5月の麻酔科学会から帰ってきて以来、3kg程体重が減少した。
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久しぶりに3年目Dr(つまり麻酔科医としてトレーニングを始めたばかりの後期レジデントの先生)と麻酔に入った。大学院生になってからというもの、1-2年目の初期研修医(いろんな科を回る所謂ローテーターの先生)と麻酔に入る、若しくは1人で麻酔をかけることが殆どなので新鮮だった。
流石に麻酔の準備は完璧である。ちゃんとインスリンや尿ケトンチェック用の道具も手元に置いてある。私は麻酔器のリークチェックとアルチバが本当に溶解されているかをチェックするのと、喉頭鏡の電球がチカチカしないかチェックするのと、気管チューブのカフが破けていないかをチェックするだけで済んだ。
そんな彼だったが、運悪く、硬膜外麻酔が入らなかった。手を変えてみよう、と私が代わりにやったのだが、こちらは非常に運がよいことに、スムーズに入れることができた。
western blotも未だにきちんとできない私だが、患者さんやレジデントの先生のお役に立つ事ができたってのはほんの細やかな事ではあるが、嬉しいことだ。
今の私には、「麻酔で硬麻が入った!」程度の「ほんのちょっとの成功体験」が研究室でも必要なのかもしれない。
just do it ! ですな。