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2008年9月27日土曜日

これにて終了のポッターメモ12

*赤字は第5回JB-POTの出題に関連していた個所です。記憶の範囲で。

◎MVPに関連して
SAM/LVOTO
   ・MVP施行者の16%以上に出現。
 ・主因は過剰な僧帽弁尖組織。
 術前リスクとしてはAL/PL(前尖長/後尖長) <1やC-sept(接合点と中隔の距離) <>  
   ・MVP術後に弁尖の接合点がより前方に位置する例、術後の長い前尖もリスクに。
 ・小さいリングを使うのはリスクになる。
 ・部分リングを使用した場合にはSAMはあまりみられない。

   治療はカテコラミン中止、容量負荷。α刺激薬。LVOT圧較差あればβ遮断薬も考慮する。
   ・
利尿薬は使わない!

・晩期僧帽弁形成不全
 ・再手術は腱索短縮術のTrenching法が用いられたときに必要となることが多い。
  (人工腱索移植術は長期成績が良い)

◎ARに関連して
・ドップラービームを適正に配置する際は
 ・速度は速く(4-5m/s)しておく
 ・ARはジェットが入ると大きくまじりけのない音色になる
 ・ドップラー信号のスペクトラル波形の輝度(濃度)はリークの重症度に比例する
 ・有意なARのある患者のLVOTの流速は1.5m/sを超えることがしばしばある
 
・severe ARではPHTは200ms以下、逆流ジェット勾配は3m/s以上
☆(逆流ジェット幅 / LVOT径) は 25~64%がmoderate *ME AO長軸で!
☆(逆流ジェット面積 / 室流出路面積)は 25~59%がmoderate *MEAO短軸で!
vena contracta(長軸で6mm以上もしくは短軸で面積が7.5mm2以上ならsevere)
MRの重症度とは対照的に前負荷・後負荷に依存しない。

◎ASに関連して
・カテ室で使われていたGorlinの式は
  大動脈弁口面積 = (心拍出量) / {44.3×(収縮期駆出時間)×(心拍数)×(平均圧較差の平方根)}
 のように心拍出量に直接比例している、圧較差の平方根に反比例している
・プラニメトリ法は低心拍出量または正常心拍出量を呈する患者で有効。
 弁石灰化が強いときは不正確。
 *低心拍出状態では他に TVI(LVOT) / TVI(AV) の式も重症度判定に使える(0.25以下で重症)
・圧較差は心カテでは…最大圧間の圧較差
       エコーでは…左室と大動脈の間の最大瞬間血流速度から計測
  そのため圧較差は エコー > 心カテ
・左心機能が落ちてれば、最大圧較差が50mmHgを超えるくらいの心拍出量は出せない…

◎人工弁に関連して
・ステントレス大動脈弁植込みの相対的禁忌は大動脈基部の膿瘍である
 ・ステントレス弁の性能は大動脈基部の形態次第。
・弁輪の大きさ(自己弁輪≦20mmは有用)、弁輪の面での弁葉の不揃い、大動脈基部の拡張。
・上行大動脈が拡張していないこと、STJの径がステントレス弁の直径に等しいか10%以内の差で
 あることを確認

◎右心系の評価に関連して
・僧帽弁と三尖弁の弁輪面の長軸の間隔が8mm/m2以上の場合、エプスタイン奇形を疑う所見。
   ・エプスタイン奇形は前尖の病変は少ない。伝導障害やTRを合併することが多い。
・Ross手術 
 ・重症PR、PVとAVの弁輪径差が2mm以上では適応外。
 ・術後はARの評価と、新しい左室中隔の局所壁運動異常のチェック

◎胸部大動脈
・壁内血腫…交通のない大動脈解離
 ・大動脈壁内の7mm以上の全周性または三日月状肥厚
 ・内膜石灰化の内方偏位
 ・層状構造
 ・1-20cmの長軸方向への拡がり
 ・内膜亀裂や内膜フラップを持たない
・DeBakey分類
 ・Ⅰ型…解離が上行Aoから始まり、下行Aoの種々の部分を巻き込む
 ・Ⅱ型…解離が上行Aoに限局
 ・Ⅲ型…解離が左鎖骨下Aoより末梢から 胸部下行Aoまで(Ⅲa)と腹部Aoまで(Ⅲb)
・TEEによるblind zoneは「上行Ao~近位弓部に重なる気管と左主気管支」のために起こる
・大動脈解離による血栓はCTやMRIの方が感度高い
・大動脈の位置
 ・遠位弓部のレベルでは食道の前方
 ・横隔膜のレベルでは食道の後方真腔と偽腔の見分け方 ・真腔は収縮期に拡大し、拡張期に小さくなる
 ・真腔は薄くやや低輝度の内膜を有す。偽腔は大動脈内腔に接して明るい高輝度の層がある

◎成人先天性心疾患
・大動脈二尖弁
 ・交連の癒着の結果起こる。弁尖は同じだったり全然違う大きさだったり。
 ・全CHDの5%を占める。
 ・一部患者では上行Aoや弓部は中膜の脆弱化により瘤化しやすい。
 ・合併奇形はVSDやAo縮窄症。IEの危険も高い。
 ・Ao弁口面積を評価するためのプラニメトリ法は信頼性に欠ける

・D型大血管転位
 ・房室接合は一致、心室大血管接合は不一致
・L型(修正)大血管転位
 ・房室接合、心室大血管接合ともに不一致

◎アーチファクト
・距離分解能は方位分解能の2倍
・サイドローブアーチファクトは探触子からの距離は正しいが、横方向には間違っている。
 メインビームの経路の外側。


今回の試験前はこれで終わりにします。
もうあとは野となれ山となれ