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2008年9月29日月曜日

(麻) 第5回JB-POT受験記録

「第5回 日本周術期経食道心エコー認定試験」
JB-POTである。

8時20分過ぎには丸ノ内線淡路町駅に到着。
会場に行くと集中できないと思い近くのcafeで時間を過ごす。
店内には数人のJB-POT受験者と思われる人々が本を広げている。
私は店の外向きの窓側のカウンター席へ。
自分で作成した「TEE ノートブック」と昨日までにまとめた「ポッターメモ」「☆☆☆JB-POT過去問覚え書き」などを最初から見直していく。
・・・・。

飽きてきたので9時20分ごろ会場へI先生とともに向かう。
クロークでバッグを預け、試験場内へ。280人弱が受験するということでずいぶん広いところ。
会議室机(2人分の椅子がそれぞれに設置されている)が並べられており、各々の机には液晶画面(SHARPのAQUOS15インチ)が置かれている。
自分の席に着き、鉛筆が3本、消しゴム、電卓(これもSHARP)が置かれている。
ちょっと寒い。
かばんを預けてしまい、場内には何も持ち込めないので勉強内容を見直すものもなく、 ぼーっとすごす。
いよいよ時間が迫ってくる。

9時50分。
場内前方にN先生が現れる。
「新幹線のトラブルがあってまだ到着されていない方がいるので少し遅らせます」

10時15分、試験スタート。
当初聞いていたとおり午前中はビデオ問題。
1症例ごとに問が1~3題出題される。
液晶画面上に合図が出る
⇒ 問題文を30秒読む
⇒合図ののち液晶画面上にビデオによる症例提示(大体10-20秒くらいか) 
⇒合図とともに60秒の解答時間  
⇒そこで再度同じ症例のビデオが流される 
⇒30秒のポーズ 
⇒次の症例へ
の繰り返し。それが30症例繰り返される。問題は全部で45題出題。
6割というと27/45問正解しなければならない。

来年の自分のために思い出してみると(順不同)
1.大腿静脈からRAまで脱血用のカニューラを挿入している動画。
 カニューラは何本?位置は10cm抜いたほうが良い?
2.大動脈解離(A,B2種類の動画)
  Aは偽腔内に空気だらけ?人工心肺中?
  Bは大動脈クロスクランプ後によく見られる?体位は頭高位である?
3.大腿動脈と腋窩動脈からの偽腔送血の動画
  対応はどうすればよいか?すぐ低体温にすべきか。両側腋窩動脈送血にすべきか。送血量を減らすべきか
4.RAに進展する巨大腫瘤
  腫瘤内に血流がみられる。下大静脈は閉塞している。腎細胞癌か?
5.再弁置換MVR
  Antianatomicalかanatomicalか?スタックしてるのはどちらの弁か?
6.MVP 術後
  起こりうる合併症として最も考えにくいものは?
7.PCPSとIABPが入った患者のTEE
8.A,B2枚のドップラー画像。Bは何の条件をかえたか?
  ベースラインシフト?
9.AMIでCABGとなった81歳女性のTEE
  基部、中部、心尖部どこがhypokinesisかいろんな組み合わせの5択。
10.経胃中部短軸。冠動脈のどこが閉塞している?
  右冠動脈近位、遠位。左前下行枝近位、遠位。左回旋枝
11.僧帽弁逸脱
  交連像でどの弁尖が逸脱(P1だった)してる?
12.LAベントが入っているCPB離脱後の画像。矢印で示しているものはなにか。血栓か貯留型空気かベントか?
13.大動脈解離の画像。2,3の方向から見ている。ドップラーをいれたりしている。
 A,B2つの矢印が表示されて…Aはアーチファクトか、Bはフラップか?のような選択枝
14.人工物がある画像。この画像で…サイドローブはある、多重反射はある、などの選択肢で画像上にどのアーチファクトがあるかないかを問う
15.肺塞栓でショックの画像
 右肺に血栓がある。主肺動脈に血栓がある、はたまた左肺動脈?
 右室は容量負荷である、圧負荷である(画像で鑑別できないと正解できないと思われる)
16.4パターンの動画から…
 循環血液量減少の動画は? アナフィラキシーは動画は? の2連問。 
17.バルサルバ動脈瘤破裂の画像?
 左―右シャントが解答?
18.右房付近の正常構造物。bicaval viewなどでA,B,Cの矢印が画面上に現れて
 キアリネットワーク、ユースタキ弁、右房前壁、分界稜などから正しい組み合わせを選択する。
19.画像上にA,B,Cの矢印が現れて…
 右房、三尖弁、右室、左房、左室、僧帽弁などの組み合わせから正しいものを選択する(ちょっとLAが張ったLA,MV,LVの組み合わせだったような)
 → TGAの画像??そうだよなぁ、普通の組み合わせじゃボーナス問題だもんな
20.PFOの問題
 描出している断面は?(中部食道上下大静脈像) 診断は? の2連問
21.MSで術後の画像
 圧較差は改善している、とかの選択肢で間違っているものを選ぶ
22.大動脈解離でAR
 画像上見られない所見は
 術式は など3連問。
23.術後SAMの画像
 弁尖接合部が前より、後ろより?
 術前のリスクは・・・?
 治療は?(たしか選択肢にβブロッカーがあった)
24.左房近くの大きなエコーフリースペース
 このフリースペースは何か?
 (選択肢の中だと心膜横洞だとおもうんだけど、問題に出てたスペースの場所が
 左房に後ろだったから違うのかな?)
 エコーフリースペース近くの左房内構造物は何か(矢印で示している) 
 (アーチファクトはなかったから空気ではないと思うが…左心耳?クマジン綾?)

筆記編(順不同)
1.3枚の画像で粘液腫と線維腫と、乳頭状弾性線維腫の組み合わせを選択
2.ASD(静脈洞型)の画像で「静脈洞型」を選ばせる
3.AS,LVOTS,ARのドップラー3枚出されて正しい組み合わせを選ぶ
4.MRのPISA計算問題
5.周波数が与えられてて波長を計算する問題。
 5MHzだったら速度1540m/sとで1540÷5000000をしましょう
6.ASD(VSDだったか?)のパッチ閉鎖後のQp/Qsの計算問題。
 PA直径とLVOT直径、VTIが与えられている。CSA×VTIの比を出せばよい。
  (*専門医認定試験46C38にこの公式を使う問題が出題されている)
7.6の連問でPA圧とCVPが高いけど治療はどうすればいいの~。
 (NTGとかフェニレフリン、ドパミンとか選択肢にあった。)
8.左室の一回拍出量の計算問題。画像が4枚提示されていてLVOT径がちょっとちがう
 (1枚は2.1cm?2枚目はLVOT部分が拡大されている画像で2.2cm?だったかな)と、
 ドップラーの波形からVTIが出てるんだけど1枚は波形の内側をなぞっていて、
 もう1枚はドップラー波の一番外側をなぞってVTIを出している。それらから計算。
 ようするに正しい測定がそれぞれどちらかというのを聞いているのか?
9.拘束型心筋症と収縮性心膜炎の鑑別とかそれに付随する問題
10.三尖弁輪の心尖部下方移動は…mmでは正常(異常?)である
11.僧帽弁輪の収縮期下方移動は12mmは正常(異常?)である。
 拡張末期左室径は60mmは正常?
12.RCAとLMTはどちらがよりAVより?ほかの選択肢とで正誤判定問題。
13.近距離音場に関する設問。周波数が大きいと長くなる。とかそういう選択肢。
14.フェーズトアレイに関する問題
15.TOFに関する問題。術後のPSは経過でよくなりうる、とか
 大動脈騎乗を描出するのは四腔像が一番いいとか、
 心配離脱中に右室/左室圧比が0.6以上になることもあるとか
16.未治療IEに関する問題。弁接合部にできやすい。ジェット内にできやすい。
 弁尖の動きと関係なく高速に動く、10mm以上では塞栓のリスク高いとか・・・。
17.弁輪部膿瘍に関する問題。「抗生剤が効きにくい」という選択肢が正解だったかな。
18.ASDのAMPLATZERの適応としてよいものは?「25mmの二次孔欠損」が正解。
 Rimがなかったり、血栓あったり、1次孔欠損だったりは適応外。
19.深度を6cm⇒12cmにして、ほかの条件が変化しなかったと仮定した場合に
 フレームレートはどうなるか?1/2になるのかな?
20.リウマチ性MSのウィルキンススコアに含まれてない項目。「圧較差」が正解。
21.心臓のイラストで右室内が見えている。3つ矢印があってmoderator band, partial band(?),
 前尖、後尖などから正しい組み合わせを選ぶ。どっかでみたな・・。
22.ティシュドップラーについて。連続波ティシュドップラーとかいろいろあるとかないとか
23.いろんな病態のE/A比とか、DCTとか。16歳のE/A比>2ってどうなんですか?
24.中心周波数を上げるとMIは増加する(しません)、とか。
25.TEEのプローベは38度以下にしましょう(41度いかだよね)、とか
26.TEEを挿入するときはロックしましょう(するわけないですよね)、とか
27.TEE挿入時に血行動態で気をつけるべき病態
 巨大弓部大動脈瘤、PLSVC、巨大左房、総肺静脈還流異常症、右鎖骨下動脈狭窄(だったかな?)
28…あとは思い出せません。

私の感想。
・ビデオ問題は難しい。普段ほとんど座学だったから致し方ないか?  
・会場が寒くてトイレの心配で集中できなかった。ビデオ問題開始前には膀胱を空にしておくべきである。

(ビデオ対策)
・解けない問題は考えない。  
・選択肢を2択くらいまでに絞っておいて、次の問題で時間が余ったら思い出しつつやる。  
・すぐとける問題があったら、次の問題、その次の問題の選択肢を見ておく。  
・選択肢から予想して「映されるであろう断面」をあらかじめ問題用紙の余白に書いておくとか。
・記述問題はかなりハイペースで解くようにして80分かかり、見直しをハイペースでやってもちょっと足りないように感じた。もちろん途中退室される先生もいた。

・お弁当はおいしくなかった。