◎弁手術後の合併症
・LVOTO/LVOTS(stenosis)
・MV位の生体弁置換後
・生体弁のストラットが長すぎるか向きが悪い。患者の前尖が不適切に残された場合など。
・エコーではAVが収縮時に震えるような動き。
・AV位
・多くは前負荷/後負荷不足、過度のカテコラミン、左室肥大 → HOCM時と同様の対応を。
・人工弁の急性閉塞…残された自己の組織によって障害されることがある
・冠動脈障害
・大動脈弁置換後はもちろんのこと、MVR後も左回旋枝の障害に注意
・左室破裂、右室穿破
・MVRでは弁輪部、特に後尖。
AVRでは右冠尖(IVSとつながっているので右室穿破する)付近に注意
・血栓、疣贅
・血栓は狭窄病変に、疣贅は逆流病変に見られること多い。
・機械弁に糸のような構造物(strand)がつくことも。
◎PPM(patient-prosthesis mismatch) 患者の体格に対して人工弁のサイズが小さすぎること
・AV位人工弁のEOAI(effective orifice index:EOAを患者のBSAで割ったもの)が
0.85cm2/m2 以下なら 中等度、
0.65cm2/m2 以下なら 重度 のPPMと定義。
*自己弁のEOAIが0.90以下ならmoderate ASであることに由来
・EOAIは圧較差と指数関数的に相関。0.85以下だと急激に圧較差が大きくなる
・ステント付き生体弁では50%以上にPPMがおこるとする報告も。
・対策としてはAVの外科的弁輪径が19mm以下なら弁上部型人工弁(機械弁やステント付き生体弁)の選択ないし弁輪拡張術(こちらは極めて稀)。
・大動脈弁輪は弁尖付着部は中央部が最も低い(左室側)、交連部が最も高い(大動脈側)
・ちなみにMV位では中等度1.1-1.5、重度は1.0以下とする分類がある
◎pressure recovery
・血流が狭いところを通過するとき速くて圧は小さいが、通り抜けると血流が遅くなり圧が大きくなる。
・(狭窄部弁口面積)/(上行大動脈断面積) が大きい方が強い。