このブログを検索

2011年11月30日水曜日

(雑) 沖縄防衛局長の更迭

・非公式懇談の上、発言の前後の流れが不明である
・「やる前にこれからやりますと言いますか」と本当に発言したのだろうか。情報源によって表現が異なるのが気になる。
・非公式懇談の内容を報道して良いのでしょうか

という疑問がすぐに湧きます。
今回の更迭の件は、「放射線つけちゃうぞ」で更迭された大臣の時に非常によく似た気持ち悪さを感じます。気持ち悪さは、発言内容に、ではなく、報道のされ方、にです。
上の言葉だけ報道されれば当然みなさんお怒りになるでしょう。ですから、その前後の内容、周りの人たちの様子、どれくらい酒が入っていたのかとか、全部、メディアによって加工しない状態の映像情報を出してもらえると、私としてももう少しまともな判断のしようがあるのですが。
火のないところに煙は…と言いますが、それにしても、米軍基地問題について政府の動きを快く思っていない人の悪意の結果の顛末なのではないだろうか、と疑ってしまいます。非公式懇談での失言(?)によって本人やその家族の人生が大きく悪化するだろうことを考えると、どのように受け止めて良いのやら。政治家や官僚はずいぶんと簡単に首を切られてしまうものなんですね。

2011年11月26日土曜日

(研) 中国語事始

英語もままならない私ですが、折角なので、中国語を教わることにしました。
余裕がある時に、気が向いた時に、同じ研究室のY先生の手が空いてそうな時に、ですが。
因みにY先生は私と喋るときは日本語、教授や他の国の留学生と喋るときは英語、携帯電話で家族や友人と喋るときは中国語。うーん、凄いことです。

ということで今日は初回。タイムリーな言葉でスタート。
困死了kùn sǐ le :死ぬほど眠い (日本語表記だと「クンスラ」に近いでしょうか)
累死了lei si le   :死ぬほど疲れた
~死了で「~で死にそう」という意味のようです。

 因みに…「腹減りすぎて死にそう!」は「饿死了e si le」なのですが、「e」の発音が難しくて何度Y先生の真似をしても出来ませんでした。早くも挫折しそうです。

2011年11月25日金曜日

(音) メタルの1つの到達点~Royal HuntのParadox (Denmark, 1997年)

バンド4作目の本作を最後に脱退していたD.C. Cooperがいつの間にかバンドに復帰していることに気づいたのは数ヶ月前(しかも来日までしてたなんて…)。もうすぐ11作目のスタジオアルバム「Show Me How to Live」が発売されるということで、復習しています。

新譜の方も…↓を聴いてしまうと期待するしかありません。iTunes storeで購入できる先行シングル「Hard Rain's Coming」も昔からのファン(私)には涙モノです。まさかRoyal HuntにD.C.Cooperが戻ってくる日が来るなんて!!


そしてParadox。
一般的には、うるさくて下品な存在のヘヴィメタルですが、そんな一般論自体はどうでも良く、そしてメタルが好きか嫌いかは別として、本作が普遍性を持った優れた作品であることは間違いないと思います。根拠?うーん、聴いて判断してもらうしかないのですが。
本作はアルバム全体で、宗教と神をコンセプトとした1つの物語になっています。物語だけなら小説や詩を書けばいいのですが、あくまで音楽ですからメロディが最重要です。本作は、メロディそのものがシンフォニックに神懸かっています。全編、ちょっと陰鬱かつ秀逸なメロディに支配されています。宗教や神、といえば小難しく深刻なテーマですが、そんな難しいことを考える必要は全然なく、ただただ聴いて音に身を委ねればいいのです。伸びやかなD.C.Cooperのヴォーカル、荘厳で美しいAndreのキーボード、女性コーラス、叙情的なJacob Kjaerのギター。ただもう聴くしかない。

1. "The Awakening" – 1:39
2. "River of Pain" – 7:14
3. "Tearing Down the World" – 5:32
4. "Message to God" – 6:41
5. "Long Way Home" – 5:54
6. "Time Will Tell" – 9:31
7. "Silent Scream" – 6:13
8. "It's Over" – 6:20

キャッチーな神曲「Tearing Down the World」。映像は流石に古臭くて安っぽいですが。長いことこの曲がフェイバリットでしたが、アルバム全編凄いことになってるじゃないか…と気づくまで大して時間は必要ありませんでした。


#3に負けず劣らず気に入っているのが、アルバム1番の大作#6「Time will Tell」です。序盤はヘヴィですが、めまぐるしくメロディが変化し続け、いつの間にかその世界に引きこまれます。中盤から後半に登場する荘厳な女性コーラスのハーモニーがこの曲の唯一無二性を引き出しています。この曲が本作1番のハイライト。(曲間なしで続く#7「Silent Scream」もドラマティックこの上ない名曲です。)


その「Paradox」の続編とされた11年後発表の「Collision Course: Paradox II」(2008年)収録の「Tears of the Sun」です。こちらのアルバム自体の出来は……でしたが、この曲はロイヤルハント以外には作り得ないだろう名曲です。バンドの音楽性には紆余曲折色々あったのでしょうが、ドラマティックなヘヴィメタルを演奏し続けているという点においては一点の曇りもありません。


あぁ、末永く頑張って欲しいなぁ。死ぬまで聴き続けます。

(研) プレゼンテーションが拙いと全て台無しである

今取り組んでいる研究に関連する内容の話…ということで、先日、大学院の講義に出席しました。

ですが。

??声が小さい…マイク使ってるのに…声のトーンも張りが無い…抑揚もない…スライドがつまらない…文字も小さい…。

これらが私の理解力不足に起因するものならば、ここに敢えて書く理由もないのですが、講義、という点では今回の講義は準備不足としか思えません。しかも、演者の先生は、自分の興味のない分野の話を嫌々しているわけでもない筈です。大学生に講義をするのと違って、自分の現在の研究内容、ライフワークを嬉々として語って良い場である筈なのに、この”伝える気のなさ”は何なのでしょう。
演者の先生の表情を見るかぎりでは、やる気がないわけでは決してなさそうでした。ですが…どこかで1回でも練習してきたのでしょうか。講義にしても学会発表にしても、演者は聴衆の何千倍、何万倍も努力して本番に望む…ということは理解していたつもりですが、これほどまでに聴く気が起こらない講義、というものは久しぶりです。学びのための貴重な時間が、「眠気に負けそうでごめんなさい」と、罪悪感に駆られるだけの1時間余になってしまいました。こんなことを学ぶために大学院に来たわけではないのですが。

どんなに素晴らしい研究をしていても、発表がまずいとすべて帳消しです。どんなプレゼンテーションも聴衆の貴重な時間を頂いているのだ、ということを再確認しました。あぁ、気をつけよう。

2011年11月23日水曜日

(音) StratovariusのPolaris live (Finland, 2010年)

スタジオ盤並のクオリティ、リズム隊の安定感。ライブ盤らしい躍動感(#3はやっぱ名曲)。コティペルトも高音が時折ちょいと苦しそうですが、ほぼ声は出させていますので、ファンとしては特に文句のつけるところが見当たらない好盤です。ただアルバム「Polaris」の曲は、過去の作品群より歌メロそのものが弱く感じられるため、それがちょっとばかり残念です。

 1.Destiny
2.Hunting High And Low
3.Speed Of Light

4.Kiss Of Judas
5.Deep Unknown
6.A Million Light Years Away
7.Bach:Air Suite [Keyboard Solo]
8.Winter Skies
9.Phoenix
10.SOS

11.Forever Is Today
12.King Of Nothing
13.Father Time
14.Higher We Go

下は#1です。スタジオ盤ですが。現時点では、この頃までのStratovariusが一番好みだなぁ。

2011年11月21日月曜日

(本) 衝動買い

日本人研究者のための絶対できる英語プレゼンテーション(Philip Hawke, Robert F.Whittier) 

・読みたくなる装丁
・読みたくなるレイアウト、色つかい
・英語だけでなく日本語も書いてある
・コストパフォーマンスがよさそう(よい、か否かは読んだ後でないとわからない)
・「いつか読むかもしれない」ではなく「今必要」

という諸点をクリアしている本は数十秒の立ち読みで購入決定です。
この本は、私にとってまさに全てを満たしていたので久しぶりに嬉しい買い物でした。取り上げられている例が基礎研究領域のものなので、臨床のドクタには、引っかかるものがあるかもしれませんが、それを差し引いても有用な本である予感がします。
研究室の抄読会の次回の自分の担当まで少し間があるので、この本を片手に準備してみたいと思います。それを終えたときには、この本のどこが有用か、もう少し語れることを期待しつつ(そして自分の英語力が少しでも上昇していることも期待しつつ)。

2011年11月16日水曜日

(麻) 妊産婦の心停止時蘇生用メモ

11月に入ってから一度も麻酔関連の記載をしていなかったことに気が付きました。そろそろこのブログの看板から「麻酔科医」を外そうかと思っていたのですが。下記のPDFから、蘇生の部分だけ、ここにメモとして置いてみます。

・子宮左方転位は30°。無理なら用手による子宮左方転位
・気管挿管をなるべく早く行うべき
・妊婦は横隔膜が挙上しているため、1 回換気量を少なめに
・胸骨圧迫の部位は一般成人よりもやや頭側
・AEDは一般人と同様に使用。子宮に放電しないようにパッドを貼付。
・薬剤も一般人と同様に使用
・心停止の鑑別診断は5H5Tの他に高Mg血症、羊水塞栓、妊娠高血圧腎症/子癇、麻酔関連合併症
・子宮の大きな妊婦が心停止に陥った場合、ただちに、PCS(perimortem cesarean section; 母体救命を目的とした帝王切開) を施行する準備を始める。準備の間に心肺蘇生処置や心停止の原因の鑑別診断を進める。帝王切開術が母体の心肺蘇生処置の一つになりうることを忘れない。

日本産婦人科医会
母体安全への提言2010

2011年11月13日日曜日

(雑) TPPのつづき

11日夕方、久しぶりに国会の様子(議論とよべないようなものでしたが)をテレビでみた。舛添氏と福島氏の質問の場面だったけど。
腹の中は賛成推進で固まっていても、それを意気揚々主張すると、党を離脱する人が出て、他の法案審議の際に影響を及ぼす。とか何とか色々色々と複雑な、官僚や既得権益層への配慮やなんかがあるために、ああいう、なんとも覇気のない答弁にならざるを得ないのだろうか。

これだけ是か非か二分されている状況では、恐らくどちらが絶対に正解ということはないのだろう。賛成することによって得をする人が何千万人、損をする人が何千万人、というように。単にそのバランスの問題であり、国が壊れるか壊れないか、という単純な二元論ではないだろう。尤も、二元論によって意見を主張する人も、「こういう悪いところは予想されます。ですが総合すると~~の理由で交渉に参加すべきです。いや、でも……もあるんですけどね」と、ごにょごにょいうわけにいかないからキャッチフレーズ的に「乗り遅れれば国が沈没するぞ」みたいなことを言うことになってしまう。
トータルでは今後10年で2-3兆円程度のプラス収入が見込まれる程度、というから(その目算も、情報の出どころによって様々だけど)、得をする人は、きっと多く得をして、損をする人がすごく損をするだろう。もしくは多くの人がうっすらほんのりと得をして、それよりは少ない数の人達が損をするのか。そのバランスはよくわからないけれど、これまでも多くの政策決定において、涙を飲んだ人はいた筈だし、損をする人たちの補償をどうするのか、は今に始まった問題ではない。昔どこかで見たような光景が、今回も繰り返されているようだ。

新しい関税の体系、人の流れにおいて、「適切な努力」をした人間のみがその場に踏みとどまることを許され、「不適切な努力」や「努力をしない」人間、「現状維持が精一杯で努力できない」人間が凋落の一途を辿る。
TPP反対派の意見は、国内の農業(米、小麦、牛乳、砂糖など)がダメになる、というもの。賛成派はグローバルに展開する自動車産業やその他の製造業の競争力のハンデとなる関税を撤廃しないと、海外の企業と戦うことすらできない、というもの。
しかしすでにお金を持てる人、と持たざる人の差は十分広がっている。持たざる人たちの幸福も考えるならば、スーパーで安い商品を選択できることは生きていくために必要ではなかろうか。現在ですら、お金を持てる人たちは、高くても安全性の高い(だろう)野菜や果物を手にしている。お金を持たざる人たちは、安い食品添加物まみれのファストフードを手にしている。これはまぁホンの一面でかつ偏見的な視野だけど。

国民健康保険の財源は加入者(国民)の保険税と市・県・国の補助金や負担金等で賄われている。産業が衰退し、少子高齢化が進行し、国が出せるお金や国民が払う保険税が減れば、国民健康保険制度は早晩崩壊する。TPP参加によって、万が一、医療の世界に自由競争が導入され、国民皆保険制度が崩壊する、という反対派の根拠があるけれど、40年後には65歳以上が国民の4割を占める国になる。そのため、TPPに参加しようがしまいが国民皆保険制度は、私の老後にはなくなっているだろう。今回TPPに加わるか加わらないか、は、そのタイミングが早いか遅いか、の違いではないだろうか。
農業に関しても国の庇護のもと、金銭的・制度的補助下に置かれている状態だろう。
総じて考えると産業でのプラスが農業や医療の赤字分を多少なりとも補填している(国としては借金まみれで全く補填してないけど)ような、現在のこの国の状態をみるならば、TPPに参加しないことで産業界もへたってしまい、更にこの国は「金銭的にも」衰退していくことになる。

賛成派:もうとうの昔にきつ~い国際競争にさらされている業界
反対派:農業・医療など国に守られている業界

という大変大雑把な図式をみて、10~数十年のスパンで物事を考えれば、今TPPに反対している人たちも、貧乏くじを引くハメになる気がする。自由貿易が経済発展に必要、というのはこれまでの経済理論から事実のようだ。だから、TPP参加以外の選択肢はない。あるだろうけど、それはやはり、不参加の場合よりも不幸になる人が、将来的に多くなる気がする(我々の子どもや孫の世代には)。

ということで現時点では、私は今回の首相の決断(決断させられているだけだろうけど)に一応同意せざるを得ないという結論に到達したけれども、自分がいる業界が「国の制度に守られている医療」なので、TPP参加によって短期的には割を食うだろう覚悟をもって生きていかなければならないのかなぁ、という危機感であることには変わりない。取り敢えず日本で医師として働けなくなる日が来たとしても困らないように英語だけは勉強し続けよう、怪我や病気をして病院の世話にならないように体調管理を気をつけよう。外国の農薬まみれの野菜が入ってきても困らないように、自分で食べられるくらいの野菜を育てることを計画しよう。そうして自分や家族を、取り敢えず国や社会のせいにしなくてもよいような状態にしてから、自分が社会に対してできることをしよう。そんなところだろうか。

参考文献:Japan Mail Media 他

2011年11月12日土曜日

(音) Marty FriedmanのTOKYO JUKEBOX (Japan?, 2009年)

全編ギターによるカヴァーとアレンジです。ヴォーカルは一切なし。私はギターの音は大好きですが、ギターオンリーの曲はあまり好きではないのです。でも、知ってる曲のギターカヴァーだったら楽しめるかも…と思って手に取ってみました。

セットリスト(と原曲を歌っているアーティスト)。
1. 爪爪爪 / マキシマム ザ ホルモン
2. GIFT / Mr.Children
3. 天城越え / 石川さゆり
4. Story / AI
5. ポリリズム / Perfume
6. 帰りたくなったよ / いきものがかり
7. TSUNAMI / サザンオールスターズ
8. 雪の華 / 中島美嘉
9. 駅 / 竹内まりや
10. 世界に一つだけの花 / SMAP
11. ロマンスの神様 / 広瀬香美
12. 明日への讃歌 / alan

メジャーな曲ばっかり・・・の中、知らなかった#1, #12をYouTubeで聴いたら…両方とも素晴らしい曲ではありませんか!ありがとうマーティ、教えてくれて!

内容ですが、どの曲も「かっこいいって言えば、まぁ、かっこいいよね」なのですが、原曲の歌メロに忠実過ぎてあまり楽しめない・・・のが正直なところ。
そんな中では、アコースティックに生まれ変わった#11と壮大な#12がグッド。何回も聴きたくなるレベルなのは・・・#9くらいでしょうか。1番期待していた#3は、本家が既に神なので如何なるカヴァーも受け付けないのかも。そして原曲を全く受け付けない#10は、本バージョンでも全く受け付けずしょんぼり。自分の音楽許容能力の狭さを再度実感するだけでした。

あぁ、でもこんなに上手いギターなら、Mr. Chldrenなら「タガタメ」とか「虜」が、いきものがかりなら「月とあたしと冷蔵庫」とか「ブルーバード」が、Perfumeなら「セラミックガール」が、サザンオールスターズなら「恋のジャック・ナイフ」のアレンジが聴きたかったなぁ。
まぁ、それを言い出したらキリがない。私にとってこのアルバムは「マキシマム ザ ホルモン」の凄さを知っただけでも十分な収穫でした。

下は#12のダイジェスト版(#1も素晴らしい曲なのですが、歌詞が素敵過ぎて、小心者の私にはここに貼れません)。

2011年11月11日金曜日

(本) 夜間飛行 - サン・テグジュペリ (二木麻里訳、光文社古典新訳文庫、2010年)

原題:Vol de nuit, 1931年

大分寒くなってきました。麻酔の仕事をしに通勤するときは、朝日が出る前から電車を乗り継ぎ乗り継ぎ、Opethの「Damnation」を聴きながら90分ほど移動します。

***
まだ夜間飛行が命懸けだった頃の話。操縦士たちの飛行状態を地上で監視する社長のリヴィエール。サン・テグジュペリは、本書において多くの哲学的な言葉をリヴィエールに語らせています。堀口大學訳の新潮文庫版を遥か昔に読んだときには、リヴィエールの言動にそれほど共感できませんでしたが、今回の読書では、作中のどの人物よりも彼に惹かれました。

「ものごとというものは」と思った。「ひとが命じ、ひとが従い、それによって創り出される。人間は哀れなものだ。そしてひと自身、ひとによって創られる。悪がひとを通じて現れる以上、ひとを取り除くことになるのだ」(p61)
・勝利。敗北。そうした言葉はおよそ意味をなさない。生きることはそうした観念の足元で、すでに新しい観念をかたちづくりつつある。勝ったためにかえって民の力が弱まることもあれば、負けたために民が目覚めることもある。リヴィエールを襲った敗北は、おそらく来るべき真の勝利に結びついていくための約束なのだ。ものごとが進みつづけることこそが重要なのだった。(132)

今回の読書で、私が感動したのは訳文です。非常に読みやすく、美しく、澱みのない日本語。訳者自身が巻末の解説において
「作品の文体は静謐で、優れた素描のような簡素さと品がある。同時に、どこかしら口ごもってもいる。」(147-8)
と書いていますが、訳者が産み出したこの日本語の文章からも、私は同じ印象を受けました。作品自体の芳香と、訳者が創りだした日本語の香り。ダブルで楽しむことができ、朝からとても幸せな気分になりました。

2011年11月10日木曜日

(雑) リフリフレイン

クリーンベンチで実験している最中にずぅぅぅぅぅっとBlack Sabbathの「N.I.B.」のギターリフが頭の中で繰り返し繰り返し流れてきた。この曲をそれほど好きでもない私の脳にも染み込んでいるなんて。悪魔のリフだ。

2011年11月9日水曜日

(研) 日記的な

やる必要のある実験が増えてきました。
まだまだ教わりながらですが、徐々にいろんなモノの進捗状況を自分なりに考えて、可能な限り有意義に使おうとしてきています。
「あー、これを始めておけば60分くらい間があくから、その間に細胞凍結させたり、ウェスタンブロット用のゲル作っておこう」とか。まぁその程度ではありますが。
これまでは全ての実験を直列にやってもそれ程時間のやりくりに困らなかったのですが、先週あたりから並列もしないと回らない(そして恐らくきちんと卒業できない)ことに気づき、そのような体のリズムになるべく調整しています。

しかし一度失敗してやり直しても、またうまくいかない実験もあり。軽くげんなり。
何ヶ月前かに教わった実験内容を再度レクチャーしてもらう時も「これ前に教わったなー」という記憶だけしかなくて、これまた軽くげんなり。あと何回げんなりしたら学位が貰えるんだろう。

自分自身がまだこれから学ばなければならないのに、他人の先生になりすましている人がたくさんいる。 (文読む月日―下巻、トルストイ、ちくま文庫p231-2)

が耳に痛かった昨年の今頃~それは毎日毎日手術室で研修医の先生たちと一緒に麻酔をしていた頃ですが~その頃の自分よりは幾許かマシかな。どうかな。

2011年11月8日火曜日

(本) 自分のアタマで考えよう -ちきりん (ダイヤモンド社, 2011年)

いろんなデータ、統計、情報の羅列を元にして、どのようにしてアタマを使って考え、結論を導き出すか――ということを噛み砕いて説明してくれる、題名そのままの内容の本です。就活の学生さん、婚活の女性、などを挙げたわかりやすい例え話で、すぅっとアタマに本の内容が入ってきます。
私は(大人気らしい)著者のブログを読んだことがなかったのですが、とても楽しめました。アタマを使って考えよう、という趣旨の本は、本書以外にこれまで何冊も読んだ気がしますが(医学統計の本や英語の本のように)、未だにこの手の本に惹かれてつらつらと読んでしまうあたり、自分の思考停止っぷりを最確認するだけで愕然とします。いずれにせよ、暇さえあればインプットに勤しんでしまう「情報収集病」とでもいうべき状態を、少しずつでも考える時間にあてようと思いました。まぁでも自分のアタマで考えて素晴らしいアウトプットを出せるのは、著者のような素晴らしいアタマの持ち主に限られるような気もするので、インプットも相変わらず継続していこうとは思いますが。

2011年11月6日日曜日

(音) Mozart memo


本日聴いたもの

・フルート四重奏曲第3番ハ長調 K.Anh.171(285b)
・弦楽四重奏曲第19番ハ長調 K.465『不協和音』
・フルート四重奏曲第4番イ長調 K.298
・フルート四重奏曲第1番ニ長調 K.285

第1番の第2楽章が自分好み。

2011年11月5日土曜日

(本) 有事対応コミュニケーション力 - 鷲田 清一, 内田 樹, 上杉 隆, 岩田 健太郎, 藏本 一也 (技術評論社, 2011年)

3月の震災の3ヶ月後に行われたチャリティシンポジウムの内容を文字に起こした本です。本は大抵電車の中で読むのですが、帰宅途中の電車の中では読み終えられず、寝る時間を多少削って読了しました。そして一回読了した後に、時間をおいて、再度読了してしまいました。

本書で得られる情報に基づけば、テレビや新聞の情報を特に吟味しないで「あぁそういうもんなんだな」という態度で居続けるのは最早不可能でしょう。原発の問題で、いかに多くの情報がねじ曲げられて伝えられていたか。伝えられず隠匿されていたか。また、それらによって自分の行動や思考が規定されていたか。腹立たしい事この上ない。まぁ、そういう反応もまた、この本を読んで何も考えずに内容を盲信した結果にほかならないので、テレビや新聞で得られた反省を何も生かしてないに等しいのですが。

・震災後、まともな発言した多くの人たちが退場させられたこと
・既得権益、ポジショントーク、スポンサーとの利害関係、思考停止で事実は曲げられる
・情報格差社会は今後間違いなく社会の問題となっていくであろうこと(私的には既にそうなってるように思うけど)

結局本書に書かれた内容も疑ってかかって吟味した上で、自分の行動のエビデンスの一部とすべきかどうかを判断するのが正しいことだと思うのですが(そして本書の著者らもそれを望んでいる筈です)、情報の出どころに深くコミットできない私のような人間には、どの情報を信頼して良いのか分からない。本書の著者らのように、一見、信頼できる情報発信者の方々が発する情報が、いつも正しいか、それも分からない。でも、恐らく「常には」正しくない。そういうスタンスでいることは大事な気がします。

でも、テレビのニュースって小説のようだ。
何か事件が起こる。それを取材する。記者が思考停止のまま(もしくは不十分な知識のまま)咀嚼して文字に起こす。そして「こういう話に違いない」とニュースの原稿を作る人が考える。その時点で事実と大きく解離した物語が出来上がる。
タチが悪いのは、それらが一見本当であるかのような根拠を提示しつつ紡がれる物語だということ、児戯的な勧善懲悪思想が根底にあること。そしてテレビを通して悪性のウイルスのように市井にばら撒かれる。見ている方は”自分の頭で考えないと”そうだよなーと、コメンテータやニュースの内容が正しいものだというままに脳に刷り込まれてしまう。そして自分の行動もそれに規定されたものになってしまう。事実を巧妙に料理した物語を、人はいとも簡単に信じてしまう。小説家が書く小説を読んで、それに基づいた行動をすることはないのに。
「あれがおかしい、これがおかしい」とツッコミを入れながらみるテレビはある程度有益かもしれないが、いつもいつも「こういうふうに報道されているということは、事実はこういうことに違いない」と推理して、その推理が正しいかを毎回毎回自分で探索するのは骨が折れるったらありゃしない。
だから私自身は、現時点では、
・「テレビや新聞よりも信頼できるだろう」人たちが書いているであろうメールマガジン
・海外のニュースサイト(日本国内で発生した事故や事件と直接の利害関係がないだろう)
・「テレビや新聞よりも信頼できるだろう」人たちが書いているであろうブログの意見
などを適当に参考にして、咀嚼して生きている。
何が正しいのか分からないし、正しいものもないかもしれないし、そもそも人によって正しいと考えるものが違う。

テレビも間違った情報を流した場合には、謝罪会見をしたらどうだろうか。間違った報道で多くの人が傷ついたり社会復帰できなくなっているだろう。また、死に追い込まれる人も少なくないだろう。病院は、医療事故で一人の患者さんを不幸に陥らせるだけで徹底的に謝罪させられ断罪される。勿論、被害者の数の問題ではないし、医療事故を容認しろなどというつもりはない。私自身も容認などしたくない。病院が死に至らしめている患者さんの数よりも、メディアが無意識的に死に至らしめている一般市民の数の方が多いんじゃないだろうか…と思うのは私の妄想だろうか。
いずれにせよ自浄作用の働かない組織は腐敗していくだろうから、いろいろなことを時間が教えてくれるだろう。腐敗するのは勝手だが、国民を徹底的に知的に破壊するのは止めてもらいたい。でもしょうがないのかな、既に情報発信者たる大きなメディアが知的に破壊されているのだろうから。もし、知的に破壊されていないと主張する大きなメディアの方がいるのならば、本書の内容に1つ1つ反論するべきだろう。反論できないのであれば、矢張り、知的に破壊されているということでよろしいでしょうか。

そんなことをつらつらと考える一冊でした。

2011年11月3日木曜日

(研) 7ヶ月たちて

昨日失敗したウェスタンブロットのやり直し。そして一昨日、6ウェルプレートにまいた細胞の状態が悪い。別のディッシュで継代しているおんなじ種類の細胞は元気そうなのですが。うーん。
言葉は不適切かもしれませんが、臨床麻酔より難しい。臨床では、ある程度不適切(かもしれない)輸液量や不適切(かもしれない)薬剤投与をしても患者さんの予備力などで一見何事もなかったように術後経過することも多いですが、実験は「適当な経過だと適当な結果しか得られない」。当たり前ですか?当たり前ですね。

実験室に来てからもう7ヶ月も経ってしまいました。まだまだまだまだまだまだまだ分からないことだらけ。というか何が分かっていないかもまだ分かっていません。しかし立ち尽くしていてもしょうがないので、少しずつ少しずつ地道に進めていこう。自分がスロースターターであることを忘れないように。

@以下、過去のものと重複するかもしれないけど、実験態度メモ
・暇をみては自分が行なっている実験のエンドポイントを考える
・実験していてもエンドポイントを意識すること。エンドポイントが見極められたら,そこから逆算して自分に足りないデータが何なのかを考える
・周りの人たちと議論すること
・実験量が足りなければ、実験の結果はついてこなかろう。逆に言えば実験結果はそのうちついてくるだろう(という楽天的な欲望)。
・外部からの批判の耐えうるものかどうかを判別するために,あえて批判的な観点から自分の実験を考察する。他人の論文を読むときも同様
・研究から得られることは兎に角全て受け入れてみよう
・すべての結果には原因がある。

@以下の出典は英辞郎とwikipedia(なのでどれくらい正確な記載なのかわかりません)。少しでも覚えられるように貼っておきます。
・vigorous / víg(ə)rəs : 精力的、元気
・disrupt : バラバラにする
・dissociation : 分離、解離
・aqueous phase : 水相
・vortex / vɔ́ː(r)teks : 渦
・chloroform / klɔ́(ː)rəfɔ̀ː(r)m : クロロホルム
・epidermoid :類上皮
・discard : 捨てる
・quantification : 定量化
・DEPC : diethylpyrocarbonate ジエチルピロカーボネート
 ・RNAを分解する酵素である RNase を失活させるために使う試薬。
 ・DEPC が RNase のヒスチジン残基に対して共有結合修飾を行うことによる。そのため、同様に修飾のターゲットとなるTrisやHEPESバッファには DEPC は使えない。PBS、MOPS には使用可能である。簡単な法則として、反応性のある -O:、-N:、-S: といった残基を持つ酵素や化学物質に対しては、DEPC で RNase フリー処理を行うことはできない。
・DDW : double distilled water 再蒸留水
・DTT : dithiothreitol ジチオトレイトール C4H10O2S2。
 ・空気酸化を受けやすいためDTTは比較的不安定な化合物
 ・強力な低分子酸化還元剤
 ・還元力はpHが7以上の場合に限られる
 ・チオール化したDNAを還元して「脱保護」する
 ・タンパク質のジスルフィド結合を還元し、タンパク質のシステイン残基の間で分子内または分子間のジスルフィド結合が形成されないようにするためによく使われる
・cDNA :complementary「相補的」の頭文字をとって、cDNA と省略される。
 ・mRNA から逆転写酵素を用いた逆転写反応によって合成された DNA。
 ・スプライシング済みの成熟mRNA から cDNA を合成すればイントロンを含まない状態の遺伝子(塩基配列)を知ることができることから、遺伝子のクローニングに広く利用されている。
・Primer : プライマー
 ・ DNAポリメラーゼが DNA を合成する際に 3'OH を供給する役割をもつ短い核酸の断片
 ・DNAポリメラーゼはプライマーなしに DNA を伸長することはできない。
 ・生体内でのDNA複製では主にDNAプライマーゼによって合成される RNA 断片が用いられる。また蛋白質がその機能を果たすこともある。
 ・試験管内でのPCRに使用されるものは、化学合成した短いオリゴヌクレオチド。その長さは通常は20塩基程度だが、目的によってより短いことも長いことも。増幅対象の2本鎖DNAの両鎖それぞれの3'側と相補的な配列をプライマーとして用意する。
・dNTP Mix : is a premixed ready-to-use solution consisting of the following compounds: dATP, dGTP, dCTP and dTTP. The deoxynucleosidetriphosphates are dissolved in water, pH 7.5.
dATP, dCTP, dGTPおよびdTTPのナトリウム塩が各10mM溶解されたプレミックスタイプの水溶液(pH 7.5)50µl反応にdNTP Mix 1µlを添加すると各dNTPの終濃度は200µMになる。
・5x RT Buffer : 反応バッファー、MgCl2、dNTPs などを含んだ5x 濃度の逆転写反応バッファー。溶解時に白濁することがある。ボルテックスミキサー等で激しく攪拌し、完全に溶解させてから使用する

森進一の「さらば友よ」ってすごい歌だ。

(音) じっくり聴かせる名盤~Dark Moor のAncestral Romance (España、2010年)

西班牙(スペイン)のシンフォニックメタルバンドのスタジオフルアルバム8作目。
なぜか嫋(たお)やかな山の峰々を背にした、深く碧い湖面を連想させる作品。

素晴らしいアルバムに出会えたとき、私がいつも感じるように、このアルバムも「作り手が作ろうと願ったレベルにまで、作ってみたら本当に到達しちゃったんだよね」という自己満足に溢れた作品に違いありません。音楽を聴くときに、この「作り手が自己満足できているだろう」と、私自身が感じられるか感じられないかは、とても大事なことです。たとえ自分の好みの曲調でなくても、そのアルバムにパッケージされた曲の端々から迸(ほとばし)る何かから、アーティストの心意気を感じてしまうという体験が確かに存在します。そういったアルバムは、初めは「うーん。どうも好きじゃないけど何か惹かれる…?のかよくわからないけど…何かあるんだよなぁ」と繰り返して聴いてうちに取り返しが付かない程溺愛してしまっていた…という経験に繋がることが多いのです。

そして、私がこのDark Moorに求めていた音像は、古くは2nd「The hall of the olden dreams」(2001年)の「Bells of Notre Dame」や3rd「The Gates of Oblivion」(2002年)に収録されている悶絶歌謡スパニッシュスピードメタルだったり、6th「Tarot」(2007年)の「Devil in The Tower」や「The Star」のような様式美的シンフォニックメタルだったりしていた筈なのですが、本作のミドルテンポ中心のアダルトな(言い換えればメタルの衝動的なエッジが取れた優等生的な)作風を自分でも吃驚する程気に入ってしまったのです。

このアルバムはクラシック+ロックのバランスがよく、非メタルリスナーの方々にも十分アピールしうる作品。「俺が俺が」と自分が其処にいるということだけを主張するような自己顕示ギターソロもないし、ポップスの延長で語ることすら許される、けれどもメタルスピリットを忘れていない。そういう文脈から語ることのできる、誠に稀有な存在となっています。10年後も50年後も私のCDラックにおいて、そのラックの中の取り出しやすい最前列で、そしてその片隅にあって折に触れて存在感を示していて欲しいと願う作品です。

1. Gadir
2. Love From The Stone
3. Alaric De Marnac 本作では1番今までの路線を踏襲した曲
4. Mio Cid まぁ速い
5. Just Rock これが好きな人は多そうです。タイトル通り、ロックへの愛に満ちた1曲
6. Tilt At Windmills
7. Canción Del Pirata スペイン語で歌われるヴォーカルが眩しい
8. Ritual Fire Dance 昔のRPGで使われていそうなインスト
9. Ah! Wretched Me まずまず速い。思わせぶりなイントロから想像するよりは地味だが良曲
10. A Music In My Soul いいバラード
11. E Lucevan Le Stelle ボーナストラックだけど、イタリア語で高らかに歌い上げられるこの曲が1番好きだったりする(邦題は『星は光りぬ』:ジャコモ・プッチーニの歌劇『トスカ』(1899年)の中でカヴァラドッシによって歌われるアリア)

聴き始めてから11ヶ月間で数十回通して聴きましたが、聴けば聴くほど胸に染み入るいいアルバムなので、記載することにしました。

2011年11月2日水曜日

(雑) 通学定期券ってこんなに安かったのか

これまで使っていた通勤定期券の期限が切れたので、通学定期券に変更してみました。
大学院生ですから。
そしたら、通勤定期券に比べて43%の価格(6ヶ月分の場合)で購入できました。半額以下ってどういうことでしょう。

学生になって給料が減ったにも関わらず、様々な税金や国民健康保険料(勤めているときは、自分と病院で折半して保険料を支払われている。何も知らないと、バイトになった後、勤務先の病院が払ってくれていた分も含めた高額の保険料を納めなくてはならない)は昨年の確定申告に徴収されるため、「また金の請求書かい!一体いくら、私から取ろうってんだい?!」と憤懣遣る方無き日々の中、この程度の得は許されるでしょう。…というか別に得でもないか。
この不景気極まりない世の中において、社会人になってから勉強できるのは、共働きの妻と、自分が麻酔科医という職についていたお蔭でして、そのことには心の底から感謝しつつも、通学定期券が思いのほか安かったこと程度で喜んでしまった自分が、ちょっと哀しい。
早く実験結果を出して喜びたいな。

2011年11月1日火曜日

(雑) 「超高齢」でも働き続ける秘訣?

日経ビジネス
「超高齢」でも働き続ける秘訣 (無料でできる会員登録をすると読める記事です)
によれば

・企業が抱える経営課題を解決した経験のある人
・社内外に幅広い人脈を持つ人
・日本語以外の言語を、少なくとも1カ国語話せる人
・独自の強み(セールスポイント)がある人
が老後も働ける秘訣らしいです(あくまでも1つの意見ということですが)。
まぁ、そりゃぁそうでしょうね。

逆を言うと
・経営課題を解決した経験がない人
・人脈がない人
・日本語しか話せない人(日本語もろくに話せない人?)
・セールスポイントのない人
はジリ貧の老後を送る可能性が高いのかもしれないってことでしょうか。こういう人は世の中たくさんいそうですが。

2055年に日本の高齢化率は4割に到達するらしいので、少なからざる人びとが厳しい生活を送らざるを得ない…とあちこちから聞こえてきますが、本当にそれほど悲観的な予測通りの未来がくるのでしょうか。来るのかなぁ。
日々の仕事や研究で時間の大半を消費している中、いかに数十年後のことを予測して行動すればいいのやら。目の前のことに一生懸命になって「今日もよく頑張った」と言っているだけの生活ではまずいということはよく分かるのですが。
頑張るだけでは、ダメなんだろうなぁ。

(音) 城南海(きずきみなみ) - 加那-イトシキヒトヨ- (日本, 2009年)

これっぽっちもメタルじゃないですが。

大学病院で麻酔科の当直をしていた頃。当直室で、彼女の歌声がブラウン管のテレビから流れてきて、思いがけず引きこまれました。それが、彼女の歌と出会った最初。
ファーストアルバム。
奄美大島、島唄、という単語から想像される通りの歌声なのですが、よいものはよい。
ただ曲によってはメロディのフックに乏しいため、右から左に流れて行ってしまう。#7や#13のような彼女の強みを生かした曲や、#11のような歌詞の曲(この曲はアンジェラ・アキが歌っても全く違和感なさそうだけど)がもっとあるといいなぁ。彼女の才能を最大限に引き出すような、神曲が生み出される日を待っています。

1. 太陽とかくれんぼ
2. アイツムギ
3. 四季ウタカタ
4. 蛍恋

5. 誰カノタメニ
6. 紅 7. 白い月
8. 月とペンギン
9. Sunrise
10. あさな ゆうな
11. つばさ (誰かの言葉が責めてるように響くのは 私が誰かを責めるから)
12. ココロのフィルム
13. 光 (album mix)