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2011年6月28日火曜日

(本) Books in the first half of 2011

文字を体と心のフィルターに淡々と通す日々。コンパクトな本が多いのは、読書をするのが主に電車の中で、持ち運びに便利だから。移動中に本や論文が読めるのは、自動車で移動しなくてもよいという、東京暮らしの利点の1つだと思う。

1. 最終講義 / 内田樹 / 2011年, 技術評論社

・頭がよく生まれついた人は、外国語の習得がとんと苦にならないという人は、その稀有な才能を使って、それがどんなふうに「みんなの役に立つか」を優先的に考えるべきだと僕は思います。僕が若い研究者たちの発表を聴いて、心の底の方が冷え冷えとする感じがしたのは、彼らが学術的な活動を通じて、公共的な利益をどう積み増しするかという関心がそこにほとんど感じられなかったからです(p45-6)
・医療と教育というのは、21世紀の「右肩下がりの日本」が、新たに産業を興すというかたちではなく、もともと日本人が具えているノウハウを最大限に発揮できるセクターなんです。でも、まさにこの医療と教育は、80-90年代において「医療崩壊」「教育崩壊」というかたちでメディアと政治家と産業界から集中砲火を浴びて、回復不能な傷を負った。・・・・(中略)日本のエスタブリッシュメントに哲学がなかった、ということがその理由であると言うにとどめておきます。(146)  

何のために勉強するのか?研究するのか?もやもやとして言葉にならなかった思いを、内田先生が言葉にしてくれている。第2章「日本の人文科学に明日はあるか」は人文科学だけでなく、全ての研究者・学ぶ人が一度は立ち止まって聴くに値する講演内容だと思う。文章に感銘を受けたのは、「回復不能な傷を負った」とされる医療と教育に、今の自分がたまたま居合わせているためだからかもしれない。一方は提供者として、一方は受ける者として。そんなことを感じた大学院3ヶ月目の終わり。

2. 決定版 ケンタロウ絶品!おかず / ケンタロウ / 主婦の友社
我が家の肉じゃがはこの本以降、これになった。簡単すぎで、美味すぎ。

3. 向上心 / サミュエル・スマイルズ著、竹内均訳 / 知的いきかた文庫
 結局は自分の人生は自分でしっかり決めないといけないんだよ、ということ。自分の不遇を誰かのせいにしてもいいけど、自分の心と体で生きていかなければいけないことを自覚するならば、それ相応の生き方を考えていかなきゃいけない。

4. 科学者という仕事―独創性はどのように生まれるか / 酒井邦嘉 / 中公新書

5. 看護研究で迷わないための超入門講座 / 西條剛央 / 医学書院

6. 哲学思考トレーニング / 伊勢田哲治 / ちくま新書
 批判的にものを考えるとはどういうことか、を分かりやすく教えてくれる本。メディアの情報を鵜呑みにしてしまったり(そんな人はいないか…)、Nの多い論文を鵜呑みにしてしまったり(そんな人もいないか・・・)、その他、人の話をたやすく信じてしまわないように。

7. 理性の限界 / 高橋昌一郎 / 講談社現代新書
 こんなに知らない言葉が乱舞する世界があるということで、自分のもつ知識が極めて限定的なことを再確認した1冊。難しいことが語られている筈なのであるが、読み物としても一気に読めるところが凄い。

8. つまらない人生入門<鬱屈大全> / 春日武彦、吉野朔実 / アスペクト
 なんでこれほどまでにいろんなことの描写が細やかなんだろう。

9. 心は孤独な数学者 / 藤原正彦 / 新潮文庫
 驚嘆するしかない。

10. 続・麻酔科臨床の書 / 内藤嘉之、吉田和則、井出雅洋 / MEDSi
 LiSAでの連載時から本当にお世話になったシリーズが書籍化。心臓外科麻酔始めた頃、こんな本があったらよかったなぁ、という一冊。勿論、今の私でも知らないことが多くて本当に勉強になる。感謝。

11. もっとよくわかる!免疫学 / 河本宏 / 羊土社

12. 絵ときシグナル伝達入門 第2版 / 服部成介 / 羊土社
「全く」訳の分からなかった世界が、訳の分からない世界くらいにはなった。恐らく今後もお世話になるんだろうなぁという一冊。

13. 麻酔科専門医認定筆記試験問題解説集 2005-2010年度(6冊) / 克誠堂出版
期間限定モノではありますが、怠惰な私は、こんな機会でもないと呼吸生理の勉強をしないと思う。

14. Pocket Anesthesia / Richard D. Urman / LWW
 当直にはこの本と「麻酔と救急のために」をお守り代わりに。second halfも手術室が平和でありますよう。

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