本書を購入するに当たり、「Molecular Biology of the Cell」の日本語版が大学の生物学における指定教科書だったことを思い出した。20000円もする教科書自体にびっくりした気がするが、それにもましてびっくりしたのが、あまりの詳細な記述と、日本語版にも関わらず、その意味がちっとも分からなかったこと。
今思うと、本書のような初心者向けの教科書を"The Cell"とは別に求めるべきであった。そうすれば大学に入って、はじめての生物の試験で赤点を取らずにすんでいたかもしれない。
ということで、本書は知識の棚作りに非常に役立つ1冊。数日で十分通読できるだろうから、その後に"The Cell"を読めばよいのだろうと思う。私にはもっと回り道が必要だけれど。
と、同時に購入した「好きになる分子生物学」(萩原 清文、講談社)も分子生物学の知識の棚作りとしては非常によくできた本。これほど分かりやすく書くためには、よっぽど深く物事を理解していなくてはならない、ということが深く心に染み入る作品。