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2011年5月17日火曜日

(音) Arch Enemy ― KHAOS LEGIONS (2011年, Sweden)

8作目のオリジナルスタジオアルバム。
私の中では過去最高傑作だった「Rise of the Tyrant」から4年経った。
日本のファンに育てられた(とギタリストのMichael Amottが言っていた)初期3作から、Angela Gossowにヴォーカルチェンジして、よりモダンな作風と変化していった4,5,6作目。5,6作目で方向性に若干の迷いを感じたが、戻るべきところへ戻ってきてくれた(と勝手に思っている)7作目。
「The Last Enemy」「Rise of the Tyrant」「The Day You Died」「Vultures」らの名曲を擁すあのアルバムは、正に神がかりな程に、ギターがメランコリックな旋律をひたすら奏で続けていた。

あの作品を作ってくれたのだから、もう自分たちのやりたいようにやってください、そう思っていた。
リアルタイムで追いかけはじめた3作目「Burning Bridges」から数えて12年来のファンの1人としては、前作「Rise of the Tyrant」でもうおなかいっぱいに満足してしまっていたのである。

そうして迎えたこの新譜。
前作や4作目「Wages of Sin」が好きな人なら買って問題ないだろう。「金返せ!!」とはならない程度のクオリティはしっかりと保たれている(日本版ボーナストラックに「Snow Bound(Acoustic)」も収録されているし)。基本的にこれでもかというギターリフの嵐に叙情的なソロをちりばめ、Angelaが咆哮しまくっているという、前作までのスタイルと変化はない。その意味では何ら心配することなく本作に向き合える。
しかし。
どんなに流麗で官能的なツインギターがあっても、のめり込めない。Angelaのヴォーカルが気になって仕方ない。彼女のヴォーカルがとても単調で、野暮ったく感じてしまう。これまでもあちこちでそういう批判はあった。ただ私はこれまでの4-7作目ではあまり気にならなかった。本作のツインギター、ベース、ドラムスの演奏があまりにも安定しているからそのように感じるのだろうか。彼女の存在なしにバンドがここまで売れることはなかっただろうし、彼女のライブでのパフォーマンスが素晴らしいのは承知だが、ことスタジオアルバムでは、それらは全く加味することが出来ない。この表現力の乏しさがネックになって、更なる高みにバンドが到達できないのではないだろうか(とバンドメンバーが思って、Angelaを解雇しなきゃいいけど)。まぁいいか。本作も、凡百のバンドが到底追随できない程の完成度の高さではあるのだから。どこかで聞いたことのあるギターリフがあちこちで聞かれるが、恐らく確信犯だろう。神が降臨した7作目から、神はいなくなったが人の力でもこれだけのものが作れるんだ、というような気合を感じた渾身の8作目。

赤字は即効性があるだろう疾走曲、もしくは疾走する部分がある曲。

1. KHAOS OVERTURE (INSTRUMENTAL)
2. YESTERDAY IS DEAD AND GONE
3. BLOODSTAINED CROSS → killer tune 
4. UNDER BLACK FLAGS WE MARCH
5. NO GODS, NO MASTERS
6. CITY OF THE DEAD
7. THROUGH THE EYES OF A RAVEN
8. CRUELTY WITHOUT BEAUTY
9. WE ARE A GODLESS ENTITY (INSTRUMENTAL)
10. CULT OF CHAOS
11. THORNS IN MY FLESH
12. TURN TO DUST (INSTRUMENTAL)
13. VENGEANCE IS MINE
14. SECRETS → killer tune
15. THE ZOO 日本盤ボーナス
16. SNOW BOUND (ACOUSTIC) 日本盤ボーナス

イントロ部分で映画「ブラックホーク・ダウン」をなぜか思い出してしまった#6「CITY OF THE GOD」から#9「WE ARE A GODLESS ENTITY」までの流れが、今のところはお気に入り。Scorpionsのカバー#15「THE ZOO」は並。

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