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2010年6月8日火曜日

技術の意識化無意識化

自分の経験から、技術の向上段階には「意識化」とその後の「無意識化」がある。

1.無知期:何が問題か、何に注意を向けたらよいのかわからないので、指導者の方法を見学し、やり方を真似ようとする。本や文献にあたり、一般的な方法を学ぶ。イメージトレーニングを行う
2a.初学者期:本で得た知識と指導者に教えられた方法で実践する。余計な力があちこちに入り、ぎこちない。このやり方でうまくいくはずなのに、と失敗と成功を繰り返し、経験を重ねていく。まだまだ指導者の助けが必要。
2b.中学者期:簡単な手技に関しては無意識に成功できる率が90%以上になる。簡単な手技に関しては1,2a期に対して指導できるが、「手をかわってください」と助けを求められてもあまり自信がない。時折遭遇する困難例で大苦戦する。そういうときには3,4期の手が必要。困難例に当たると普段の実践が間違っているのではないかと自省する。
3. 高学者期:多くの技術を無意識にできる。自信を持って2a,b者の介助ができる。1期だったころの気持ちを忘れ、求められているであろう指導的助言が必ずしもできなくなってくる。
4.達人期:何でもできる。少なくともそんな気になる。組織の中で「困ったらあの人に」と頼られる存在。実際何でもできる。しかしうますぎて多くの2-3期の人は学ぶことが少ない。自分の方法にこだわりを持ち、実際それが優れているために、自分のやりかた以外に対して素直に評価できないことがある。

私はまだせいぜい2b程度であろう。ルーチンワークを真剣にこなす態度・向上心・素直な心が少なくとも3のレベルまで押し上げてくれるに違いない。

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2回の査読返却を経た投稿論文がようやく受理された。初回投稿から数えると実に半年経過していた。「論文が受理される1番のコツは、受理されるまで出し続けることである」はけだし名言である。凡人の私にできることは、賢明と思われる努力をマイペースに続けることか。ここまで付き合ってくださった関係者の方々には感謝。書くというのは本当に大変だ。次のネタではもう少し早く受理されるように精進してみよう。