【緒言】我々は普段文明の利器に頼った生活をしている。通勤に使用する電車もその1つであり、自転車もまた例外ではない。今回私はそれらが利用できなくなった場合においても自力で通勤できるのかを確認するために本実験を行った。
【目的】1ヵ月後に20km走れる走力が現時点でついているかを調査するための前向き単一症例試験。
【方法】通勤路は13.8km(Mapion キョリ測βによる測定)あるため、それをコースとして使用。それだけでは6.2km不足するため金曜夜の1番疲労が蓄積しているであろう時間帯を選択。因みにこの日の負荷としては朝5時に起床。日中に外勤先で3件の手術麻酔を行い、大学に戻りM先生による痛みに関するレクチャー(数10分)を受けた後、レジデントの先生たちの学会予演会に愛の鞭という名の好き放題のコメントを行った。その後に走ることで合計20km程度の負荷になると考えた。
【結果】大きな問題なく完走した。時間は78分30秒であった(21:18-22:54, 28℃, 湿度60%)。開始7.2km地点での中央環状線を跨ぐ新宿中落合の数100mの上り坂を越えて以降は安定したペースで走行可能であった。なお今回、同じように走っている人間を12人(男8女4)目撃した。
【考察】御茶ノ水から江戸川橋、高土橋交差点付近までは信号、歩行者、交通量過多、様々な飲食店から発せられる臭気、コンビニからの冷気等の障害因子が多く注意が必要であった。信号待ちした時間も含んだ今回の記録からは20kmを120分弱で走ることが期待される。飲み会や緊急手術麻酔で終電がなくなった場合でも、自力で帰宅できる可能性が示唆された。ただ、そのような深夜に走る場合には、血中アルコール濃度上昇や手術麻酔後のカテコラミン枯渇状態による集中力低下に注意すべきである。転倒による多発骨折や急性硬膜下血腫等を発症することでの救急搬送によりスタート地点に戻される危険性があること、道に迷う、不審者と思われ職務質問される、痴漢と間違われる、財布等の貴重品を落とす可能性などについて十分検討してから行うべきであろう。
【結語】やはり電車が1番ラクである。
ランニング:13.8km 78分(傾斜 平坦な道路が多い 平均10.8km/hr) 計415.0km
(6月 63.8km, 7月 80.2km, 8月 42.3km)
9月20km:田沢湖マラソン(あと30日)
12月21.095km:いたばしリバーサイドハーフマラソン(あと107日)
(2011年2月 30km:青梅マラソン あと184日)