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2010年10月8日金曜日

(麻) necrotizing dermatitis (壊死性筋膜炎) は悪夢のような病気


その悪夢に最近2度ほど手術室で出会った。患者さんは典型的なseptic shock(敗血症性ショック)の状態で入室してくる。基本的にはSSCG2008を基本として、患者の術前合併症を考慮に入れた麻酔管理をするのだが、「手術室に来る前にやっておいてほしいこと」が全くといっていいほど為されていない場合、私は愕然とするしかないのである。

@知識
・内科的治療ではほぼ100%死亡するので、壊死組織の迅速かつ完全なデブリドマンが必要。
・1日デブリが遅れるにつき死亡率が27%上昇。(Am Surg 1998;64:397-400;discussion 400-1.)
・1回のデブリで不十分なこともしばしばで、デブリを繰り返すことが重要(6時間-2日の間隔で)。
・生存者は入院後平均25時間で外科手術、死亡患者は平均90時間で手術施行。(Ann Surg 1995;221:558-63;discussion 563-5.)
皮膚所見や触診から診断を下すのは困難な場合もある
・原因:溶連菌、Clostridium spp. など

@治療
・グラム陽性レンサ球菌+/-桿菌の場合
 ・PCG 2-4MU q4h + クリンダマイシン600mg q8h
・グラム陽性ブドウ球菌単独の場合:バンコマイシン1g q12h
・嫌気性菌が関与、または複数菌種の場合:
1.ピペラシリン・タゾバクタム 4.5g q6-8h + クリンダマイシン 600-900mg q8h + シプロフロキサシン300mg q12h
2.イミペネム 1g q8h or メロペネム 1g q8h
(参考:INTENSIVIST vol.1 No.2 Sepsis p.328, 340)