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2010年10月10日日曜日

(麻) CPBハンズオンなど ~ 心臓血管麻酔学会

麻酔科医の善良かつ頼れる隣人である体外循環技術認定士の先生方から体外循環の基本的な手ほどきを受けた。

@CPBメモ
人工心肺を購入するときには、安全装置が標準装備されていないらしい。つまり安全装置を装着するか否かは購入者に任せられており、設置しなくても人工心肺を使用することができるということだ(真偽は確かめていない情報)。私は今日、ちょっと触らせてもらっただけだが、これほど使用が難しい装置に対してそれはちょっと・・・と個人的には思う。

日本体外循環技術医学会で下のような勧告を行っている。
人工心肺における安全装置設置基準
その勧告に対するQ&A

こちらは厚生労働省。114ページもあるけど、後で読むかもしれないからはっておく。
人工心肺装置の標準的接続方法およびそれに応じた安全教育等に関するガイドライン

・CPB開始時には送血回路の遮断鉗子を外して、患者の動脈圧の拍動を確認する。(直接送血回路を指で触って行っている、という基本的なことすら知らなかった自分の無知を思い知った)
・貯血槽(リザーバー)が空になると空気が送られる。突然脱血不良(脱血管の先あたりや極端な循環血液量減少時)になったときに注意。(そのために貯血槽レベルセンサーという安全機構が取り付けられている)

・大量に体に空気が送り込まれたら・・・・
1.CPBを停止し、送血カニューレを抜去
2.Trendelenburg体位を取り、患者の大動脈が最も高くなるようにする
3.CPBを補液して満たし、再循環回路を利用して手早く送血回路の空気抜きをする
4.CPBの再循環回路を開け、冷却しながら脱血回路から順行送血の1/5程度で逆行性送血を開始する。このときCVPが25mmHgを超えないようにする
・脱血管挿入時にはIVCと肝静脈が見えるviewをTEEで描出しておくと安全(脱血管が肝静脈に入り込むのを予防できる)

@PCPS関連メモ
・フローが上がらないといって回転数を上げるだけだと強い陰圧でキャビテーションによって気泡が発生し、空気が送り込まれる。陰圧は-60~-80mmHgくらい。
・FAから送血するので左室の後負荷は増大する。
・PCPSの閉鎖回路では循環血液量の維持が重要。輸液・輸血は回路からできない。
・大動脈の近位よりでる血管(冠動脈、弓部三分枝)には心臓から拍出された血液が送られる。自分の心機能や呼吸機能には十分注意(酸素化の悪い血液が脳に送られてしまうかも)。
・PCPS中はSvO2、rSO2、lactate等のチェックを考慮。

@TEE関連メモ
・心腔内遺残空気の貯留しやすいところと追い出し方
1.右上肺静脈(ME bicaval viewから130°程度にふると見える):ベッドを右下にして肺を加圧する
2.右側左房:1と同じ
3.左心耳(ME AV SAX viewからプローべを左に向けると見える):術者に手伝ってもらう
4.心尖部:ベッドを左下にする、術者に手伝ってもらう

・冠静脈洞(CS)の正常サイズは1.0cm以下。大きいときはPLSVC。逆行性心筋保護は不可能?
・CSの観察:CSは4CVからちょっとプローべを背屈させるか食道と胃の間辺りにプローべをすすめると見える。ME 2CVではCSの横断面も観察可能

***
PLSVCがあるAR患者さんに対してAVRを行うときの心筋保護は?
直接の解答は私の検索能力では得られなかったが、まぁいいか。
このような症例報告は勉強の糧になりそう。
非交通性上大静脈遺残を伴った急性A型大動脈解離破裂の1例

Cardiac Surgery in the ADULT
 によると
PERSISTENT LEFT SUPERIOR VENA CAVA
A persistent left superior vena cava (PLSVC) is present in 0.3% to 0.5% of the general population and usually drains into the coronary sinus; however, in about 10% of cases it drains into the left atrium. The presence of a PLSVC should be suspected when the (left) innominate vein is small or absent and when a large coronary sinus or the PLSVC itself is seen on baseline TEE.
A PLSVC may complicate retrograde cardioplegia or entry into the right heart. If an adequate-sized innominate vein is present (30% of patients), the PLSVC can simply be occluded during CPB, if the ostium of the coronary sinus is present. If the right SVC is not present (approximately 20% of patients with PLSVC), the left cava cannot be occluded. If the innominate vein is absent (40% of patients) or small (about 33%), occlusion of the PLSVC may cause venous hypertension and possible cerebral injury. In these patients a cannula is passed retrograde into the PLSVC through the coronary sinus ostium and secured. Alternatively, a cuffed endotracheal tube may be used as a cannula.

PLSVCってJB-POTのような試験に出しやすい箇所の1つですよね。
心臓麻酔と体外循環は学ぶことが多く、ちょっと眩暈がした2.5日でした。

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