話が右往左往してますが、その写真のセンターにいたのがAngela Gossowであり、この4th album「Wages of Sin」から現時点での最新作の「Khaos Legions」(不評ですけど)までずっと歌い続けています。
ライブバンドとしての強さやバンドの知名度は彼女が入ってからパワーアップしたようですが、ヴォーカリストとしての彼女の評価は一向に上がっていないような気がします。私は以前は気になりませんでしたが、「Khaos Legions」のパフォーマンスにちょっと残念な気分になってしまったのです。曲自体にも過去の名曲群に比べてそれほどフックのあるものもなく。そんなわけでArch Enemyのアルバム、最近聴いてませんでした。
そして話は「Wages of Sin」が何故こんなに好きじゃないのか。それは多分キレイすぎるからです。1st-3rdまでのちょっと荒い感じの地下臭が一掃されてしまっているからです。#5の「Savage Messiagh」なんかはいい雰囲気ですが、#2の「Buring Angel」でMegadethオマージュなイントロを聴いた時点でもう心底がっかりしてしまいました。キレイすぎるんです、ギターソロが、ドラムスの音が。ヴォーカルこそデス声ですが、デスメタルらしい破壊力は殆ど無くなってます。ギターやベースやドラムスの楽器隊と、Angelaのデスヴォーカルが分離しているような印象しか受けることができない。何度聴いても。もうこのアルバムは何十回、恐らく百回以上聴いているはずなんですが。
今回ライブ会場までやってきた理由は、「本当にこのアルバムの楽曲を好きになれないかどうかを確かめるため」です。そうすることで私の「Wages of Sin」への11年来のもやもやもやもやした気分は晴れるだろう、と。そのためにやって参りました。4日間の日本公演の内、この日しか見にこれなかった、っていう世知辛い事情でもあるのですが。それとともに、スタジオアルバムを家で、電車内で、当直先で聴いている自分と、ライブ会場でなま音に触れる自分との融合を試みたかったのです。これまでも何度か、スタジオアルバムではぱっとしなかったけど、ライブでは異様に映える曲、というものに触れてきたという経験からも思うのですが、「Wages of Sin」でもそれが起こるだろうか。そういう行動原理です。
公式ホームページを今さらながら見てみると、
Nick Cordle was raised in a musical family in Virginia by parents who teach classical piano and was immersed in 19th century piano music as a child. Rachmaninoff, Brahms, and Liszt are his early memories. There were piano and violin lessons from a very early age but a rebellious streak led to the guitar at the age of 10, and within a few years he discovered the classic thrash metal albums by Megadeth, Metallica, and Slayer. This was his first real musical passion and gateway into extreme music.
Nick studied jazz and music theory at the University of Virginia from 2003 to 2007 but remains self taught in the ways of ”shred” and metal. Shortly thereafter, he joined American death metal band ARSIS playing bass and guitar over a three year period performing with them on various European tours and countless gigs across the US, Canada, and Mexico as well as performing and writing on their most recent album ”Starve For The Devil” (2010).
1. Enemy Within
2. Burning Angel
3. Heart Of Darkness
4. Ravenous
5. Savage Messiah
6. Dead Bury Their Dead
7. Web Of Lies
8. The First Deadly Sin
9. Behind The Smile
10. Snow Bound
11. Shadows And Dust ~ Bridges of destinyのギターソロ
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12. Khaos overture
13. Yesterday Is Dead And Gone ~ Drum solo
14. My Apocalypse
15. We Will Rise
16.Silverwing
17.Intermezzo Liberté
18.Nemesis ~ Fields of Desolationのギターアウトロ
いやぁ、もう汗だくでした。自分の汗より周りの人の汗でダクダクになってしまいました。皆さん野獣化してました。僕は前から8列目くらい?相当前の方で参加してたんですが、もうホントにすごかったですよ。RavenousとかNemesisとかThe First Deadly Sinとか。鉄板曲が無数にあるバンドってこうも凄いエネルギーを発散するのか。本当に感動的な体験でした。
そして歌えるギターソロ・ギターリフのなんと多いことか。Buring Angelは言わずもがな、Silverwing(個人的にはそんなに好きじゃないですけど)とかYesterday is dead and Gone(サビはアンジェラに任せて、オーディエンスは皆サビのギターリフを歌ってました)とかBridges of DestinyとかFields of Desolationとか。結果的にこれまでのスタジオアルバム8枚の曲、全てどこかしらで演奏してたんじゃないでしょうか。「Snow Bound」のイントロでMichaelがギター間違えちゃってましたけど会場み~んな笑ってました。Michaelでも間違えることがあるんだ。間違っても絵になっちゃうギタリストって本当に偉大。
参加する前はこのライブに本当に行こうか、少し迷ってましたが、結果として人生の思い出の大きな1つになるであろう場に遭遇させてもらいました。当直明けで実験した後でくたくたでしたけど。
個人的には新盤から「Through The Eyes Of A Raven」、前作から「The Last Enemy」とか「Vultures」とか「The Day You Died」、昔のアルバムから「Dead Inside」「The Immortal」とか「Dark Insanity」とか色々色々聴きたい曲は山ほどありましたけど。まぁそんなことはどうでもいいです。本当にありがとうArch Enemy!!「Wages of Sin」はやっぱ名盤でした。降参です。