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2012年2月8日水曜日

(雑) 人間だもの。

麻酔科医になった。
その1番の理由は手術室で内科医になりたかったから。
どんなに侵襲の強い、手術自体が患者さんを死に至らしめる可能性があったとしても、そのpainを少しでも和らげることができれば。
自分にどんな力があるかも、何も出来ないかもしれないけど。そう思って、麻酔科医であることを生涯のライフワークにしようと思った。

それがおよそ6年前の、初期レジデントだった時の、私の思い。

今はどうだろう。
Perioperative intensive physicianとしての私。
それは殆ど理想とするレベルから見れば、奈落の底のような状態かもしれない。

恐らく今のように大学院で基礎研究をするよりも、産科麻酔、小児麻酔、心臓外科麻酔、集中治療室、末梢神経ブロック、ペインクリニック、et al。
そういった環境で徹底的に集中して、何らかの「目に見えて即、病める人たちのお役に立てるような」研修を積んだ方がよかったのかもしれない。いや、間違いなくそうだろう。
という葛藤がありつつも、大学院で研究しようと思ったのは、この人生における巡り合わせ、周りにいらっしゃる様々な方々とのご縁、そしてもう、この機会を逃したら、この人生において研究というものに全く触れられなくなってしまうという、第三者的には理解しづらいかもしれない得体のしれない焦燥感。
そういったものが、今日の私を作っている。

それでいいんじゃないかと思う。
何でもかんでもはできない。これは諦観ではなく、本当に。少なくとも私の能力では。いろんなものの本質めいたものに気づくのに、いつも遅すぎる私にとっては。

だとしたらそういう、自分の人生で諦めたことは、もっと得意でそれが好きな方々にお任せしたいと思う。そして、そういう先達に、自分が幾つになっても教えを請えたらいいと思う。
まだ31年しか生きてないけど、そして生涯現役で働かないと野たれ死ぬかもしれないこの時代に生きている私の今現在の思うこと。

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やっぱり何百回聴いても名曲ですね。伊藤君子さんの「follow me」