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2014年11月20日木曜日

(雑) シッダールタに学ぶ

高橋健二氏訳のシッダールタ(1922年ヘッセ著、1959年訳、新潮文庫)の、物語の最後に近い部分にこのような記載があります。

***

「・・・そうすれば、いっさいは私にとってよくなり、私をそこなうことは決してありえない。抵抗を放棄することを学ぶためには、世界を愛することを学ぶためには、自分の希望し空想した何らかの世界や自分の考え出したような性質の完全さと、この世界を比較することはもはややめ、世界をあるがままにまかせ、世界を愛し、喜んで世界に帰属するためには、自分は罪を大いに必要とし、歓楽を必要とし、財貨への努力や虚栄や、極度に恥ずかしい絶望を必要とすることを、自分の心身に体験した。―おおゴーヴィンダよ、これが私の心に浮かんだ思想の二、三なのだ」
・・・
中略
・・・
だが、これ以上それについてことばを費やすのはやめよう。ことばは内にひそんでいる意味をそこなうものだ。ひとたび口に出すと、すべては常にすぐいくらか違ってくる、いくらかすりかえられて、いくらか愚かしくなる。―そうだ、それも大いによく、大いに私の意にかなう。ある人の宝であり知恵であるものが、ほかの人にとっては常に痴愚のように聞こえるということにも、私は大いに同感だ」(151-2頁)

***
Dream Theaterのバラード”The Spirit Carries On”。


I may never find all the answers
I may never understand why
I may never prove
What I know to be true


But I know that I still have to try

***
自分の思うスピードで出来たことが何1つなかったような気がする33歳でしたが、亀のような速度でも、少しずつ少しずつ人生が良い方に進んでいることを期待。

2014年10月14日火曜日

(麻) 臓器循環を決める血圧とは

というお題で書かせていただいた文章が、LiSA10月号のp.958-9に掲載されました。ご批判いただければ幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。

2014年9月1日月曜日

(音) Mr. Childrenの3曲

自分の人生なのに、全く制御不能だと感じたことがありますか?私のこの8月は…というかこの1年3ヶ月ほどは、ずっとそんな状態でした。その間にも、Mr. Childrenの曲を何度も聴いたりしました。Mr. Childrenに限らず、沢山の音楽を聴いてました。ただただ音楽を聴くために。今日は、Mr.Childrenの中でも特に好きな3曲を貼っておきます。


「僕らの音」です。


まだ まだ まだ イントロも終わってない

あとは「es」です。


"答え"なんてどこにも見当たらないけど
それでいいさ 流れるまま進もう

あとは「タガタメ」です。


左の人 右の人
ふとした場所できっと繋がってるから
片一方を裁けないよな
僕らは連鎖する生き物だよ
この世界に潜む 怒りや悲しみに
あと何度出会うだろう それを許せるかな?





2014年7月17日木曜日

(音) 2014年上半期に聴いたものから

取り敢えず、今年の元旦から7月16日までに聴いた、113作品の中から9作品を選んでみました。聴いた順です。

1. House of Gold & Bones Part One / Stone Sour (2012年、アメリカ)
以前の投稿で本アルバム収録の哀愁バラッド「Taciturn」を紹介したので、今日はミドルテンポの渋いロック「Tired」を貼っておきます。



2. Hydra / Within Temptation (2014年、オランダ)
いつの間にか3曲目収録の「And We Run」のプロモーションらしきものが作られていました。1:08-からの展開が何度聴いても美しい曲です。サビのバックで刻まれているドラムの音が好み。



3. 夢供養 / さだまさし (1979年、日本)
このアルバムには私の大好きな「まほろば」が収録されているのですが、「春告鳥」にやられてしまいました。いい動画が見当たらなかったので動画は貼りません。

春の夢 朧気に咲き
春の夢 密やかに逝く
古都の庭先野辺の送り
ふりむけばただ閑かさ

曲の雰囲気も…ですが、歌詞の世界がとにかく凄いです。このアルバムには他にも「風の篝火」や「療養所」、「空蝉」が収録されていて、その空気の密度に窒息しそうになります。このアルバムはこれから長くお世話になりそうです。

4. 人生x僕= / ONE OK ROCK (2013年、日本)
いいロックバンドですよね。今年はじめて聴きました。2曲目収録の「Ending Story??」はキャッチーで取っ付き易い疾走ロックなので好きです。静止画ですが曲は聴けますので貼っておきます。


5. ENTERTAINMENT / SEKAI NO OWARI (2012年、日本)
私は「スターライトパレード」より「Love the wartz」とか「Never Ending World」とか「生物学的幻想曲」とか「眠り姫」が好きです。
収録バージョンと違いますが「Love the wartz」を貼っておきます。



6. 主人公~さだまさしクラシックス / 花井悠希 (2010年、日本)
私の大好きな「まほろば」もカバーしてくださっているこのアルバム。秋桜(こすもす)の動画はあったので貼っておきます。


花井悠希氏が参加している「1966カルテット」がThe Beatlesの曲もカヴァーしています。そちらもよい。The Beatlesの「Girl」が好きなのですが、「Help!」があったので貼っておきます。


7. Quantum Enigma / Epica (2014年、オランダ)
前々作収録のバラード「Tides of Time」を聴いて以来のこのバンドのファンですが、今作はsymphonic female vocal metal bandとしての成長が心地よく感じられた会心作でした。何度もリピートさせてもらいました。本作の中でもお気に入りの4曲目「Victims Of Contingency」を貼っておきます。ヴォーカルはデス声で始まりますが、サビのコーラス、いいですね。


見つけたので名バラード「Tides of Time」も貼っておきます。


8. Titan / Septic Flesh (2014年、ギリシャ)
アルバムのハイライトである4曲目収録の"Prototype"を貼っておきます。煩いので心臓が弱い人は音量に注意してください。
この曲の1:18-のダイナミズムは白眉。すごいなぁSepticflesh。シンフォニックブラックメタルバンドというニッチなジャンルで語るには勿体無い風体になりました。今作でまた一皮向けましたね。うーん、返す返す、今年の初来日公演を見逃したのが悔しいです。



9. Chopin: Piano Concertos 1 & 2 / Lang Lang (2008年、中国)
ショパンのピアノ協奏曲を知ったのは漫画「ピアノの森」のお陰ですが、取り敢えずレンタルで聴けたラン・ランのピアノ演奏の動画を貼っておきます。イントロのオケも早速虜になってしまいましたが、オケ演奏4分過ぎに入ってくるピアノの導入。確かに凄いですね。クリスティアン・ツィマーマンの演奏も並行して聴いている最中ですが、今のところ先に触れたラン・ランの演奏のほうが好みです。私がCDで聴いたのはズービン・メータ指揮、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団による演奏です。


2014年6月24日火曜日

(音) エゴラッピン至高の1曲 - 色彩のブルース

中森明菜もカバーしていますし、とても有名な曲(なのかどうか不明)ですが、いいものはいいです。


吐き出す言葉に 熱いメロディー
切なくよみがえる デジャブュの香り
心を溶かす 色彩のブルース

2002年の冬、日本海側の北國でアルバイトをしていた行き帰りに、よくこの曲を聴いていた気がします。雪が降って降って降り積もって、車が渋滞して全然進まないことが…あの頃の雪國でもありました。

それからもう12年も経つのかと、そしてこの曲が、ますます自分の中で輝きを放っているのかと思うと、人生の不思議さに感謝するとともに眩暈がしそうになります。


***
Ego Wrappin'なら「くちばしにチェリー」も好きですが、「BRAND NEW DAY」(2010年発表)の方がより好みです。今まであまり考えたことありませんでしたが、この曲調は夏っぽいですかね。


何でもこいや いけないのかい あんたはどうだい 茶番じゃないかい
BRAND NEW DAY 笑って
日に日に何度も試そうでっかい夢がいっぱい茶の湯いっぱい
BRAND NEW DAY 笑って


2014年6月4日水曜日

(音) シンフォニーエックスのバラッド

今日はこの曲。バンドの3作目のアルバム「The Divine Wings Of Tragedy」(1996年)の最後のトラックです。動画は動きませんが。


Kissing the tears from my face,
As they fall
To the ground in silence

こんな曲、他じゃなかなか出会えないんだよなぁ。もう、何度聴いたことか。そしてこれから何度聴き続けられることか。

2014年6月1日日曜日

(音) リッチー・ブラックモアの軌跡を辿る3曲

しばらくは、マイ殿堂入り楽曲シリーズでもやっていこうかな…ということで。
動画は動きませんが、スパニッシュテイストなアコースティックギターとアイリッシュでケルティックでフラメンコな香りとジャパニーズ歌謡曲にも通じる哀愁が渾然一体となったBlackmore's Nightの曲「The Storm」を貼っておきます。普段洋楽を聴かない方でも楽しめる…筈。


Follow the storm, I've got to get out of here...
Follow the storm as you take to the sky...
Follow the storm now it's all so crystal clear,
Follow the storm as the storm begins to rise...

キャンディス・ナイトの可憐な歌声が、今聴いても素晴らしい。
ちなみにこの曲はアルバム「Fires at Midnight」に収録されています。

***

リッチー・ブラックモア繋がりでもう1曲紹介しておきます。こっちは様式美ロック。


騙されたと思ってイントロから聴いていただき、2分52秒で突然切り込んでくるアコースティックギターに酔っていただければ幸いです。
この曲はBlackmore's Rainbowのアルバム「Stranger in Us All」に収録されていますので、興味があれば聴いてみてください。多分、このアルバムでしたら日本各地、お近くのブックオフで500円位で売っているはずです。

The game that we play is the black masquerade
Release all the madness within, let it all begin

***

うーん、でもRainbowだったら、やっぱり私にとってはこの曲かなぁ…。ジョー・リン・ターナーがボーカルを務めていた頃の超名曲「I Surrender」。ラス・バラードの楽曲のカヴァーですが、こっちの方が有名になってしまった…という曲です。何故かYou tubeで466万回も再生されているようです。


取り敢えず今日はここまで。早く風邪治らないかなぁ。

2014年5月29日木曜日

(本) たましいの場所 (早川義夫氏、筑摩書房)を読む

56日ぶりの更新です。

p149-150にこう書いてあります。

***
 どうしたらいい文章が書けるのだろうか。何かいいヒントはないだろうか。

 小林秀雄「文を飾ったって文は生きないんです。チェホフが言ったように、文は率直に書くべきなんです。雨が降ったら雨が降ったとお書きなさい。それが出来ないんですね。雨が降ったら雨が降ったではすまないんですね。なんかつけ加えたいんです。しゃれたことを。雨が降ったら雨が降ったと書けばたくさんだと思って、立派な文章を書ける人が名人というんです。そういう人は、文を飾るんじゃないんだけれども、文章に間があるんです。リズムが。それで読む人はその間に乗せられるんです。知らないうちに」

 外山滋比古「新しいつもりで書いたところから文章は古くなる。腐り出す。古いものはもう古くならないが、新しいものはどんどん年をとる。大工は生木で家を建てない。正確な文書を書こうとしたら、多少、保守的にする覚悟がいる」

***

齋藤孝氏の昔の著作の中に、丹田についての記載があったことを思い出しました。臍の下に重心を置いて動くと確かに他者から見て安心感、安定感はあるかも…でもちょっとにこにこしながら浮足立ってるかのような軽やかな足取りで手術室をあちこちふらふらしているくらいの方が、手術麻酔をする麻酔科医としては、いいような気がします。多分そのほうが周りの方々が話しかけやすいだろうし、愚痴も言いやすいだろうし。そういう麻酔科医になりたいなぁ。

***


ネモフィラと太平洋と空。青の三重奏。国営ひたち海浜公園です。


なんじゃもんじゃの木。深大寺の境内で。


シャガの花。神代植物公園にて。


あべのハルカスと天王寺動物園。通天閣から。

2014年4月3日木曜日

しばらく更新しません

これまで訪れてくださっていた皆様。誠にありがとうございました!

2014年3月7日金曜日

(音) When Japan rules all over the world !!!!! - ヘビメタ?ベビメタ?それがどうしたー凄いBABYMETALのBABYMETAL (2014年、日本)


ゴシックテイストなジャケット。ついに出ました。今我が国で1番勢いのあるメタルアイドルダンスユニットのベビメタちゃんことBABYMETALのファーストアルバム。なんと2000円です。

と思って収録曲を見たのですが、13曲中、#1,2,4,5,6,7,12,13は私でも既に知っている曲。うーん、ちょっとがっかり…ベストアルバム的な扱いなのか…もう少し冒険して欲しかったなぁ、でも沢山売りたいんだろうし、既発曲の評判がどれもきっといいんだろうし、まぁしょうがないのかなぁ…。

ということで未聴の残り5曲を聴くためにアルバムを購入する必要があるのかよく分からない…とちょっとだけ思いつつも購入。どんな曲順でアルバムが作られているのかなぁーと、2/26の発売から4日間で30回以上全トラックをリピートして聴いて見た時点で感じたことを以下に。

#1で始まり#13で終わる…其の流れ、あぁいいなぁ。#5は1番オーセンティックなX JAPANがXだった頃のスピードメタル的なサウンドだけど、こういう神曲を#5のような場所におけるのはとっても贅沢。そういえばこのアルバムにはバラッドがない。いらない。でもバラッドっぽい#11が1番の良曲。ゴシックテイストがたまらなくツボ。ランニングタイムが3分台と短いのが残念。今後は10分位のプログレッシブな曲にも是非挑戦してもらいたいところ。
勿論 #8が、#10が、#9のような曲がライブで超盛り上がるだろうことは容易に想像できるけど。#9の、ところどころが、ももクロのセカンド・アルバム収録の「Birth O Birth」っぽくて面白い。#11「ヘドバンギャー!!」のギターがブラックメタルっぽかったり#10のイントロがデスメタルっぽかったりしてて、懐の深さをアルバムのあちこちで感じてしまいます。
うーん、世界制覇してほしいなぁ。

01.BABYMETAL DEATH
02.メギツネ
03.ギミチョコ!!
04.いいね!
05.紅月-アカツキ-
06.ド・キ・ド・キ☆モーニング
07.おねだり大作戦
08.4の歌
09.ウ・キ・ウ・キ★ミッドナイト
10.Catch me if you can
11.悪夢の輪舞曲
12.ヘドバンギャー!!
13.イジメ、ダメ、ゼッタイ

***
という前ふりをさせていただいて、参加してまいりました。小雨降る中ひらかれたBABYMETAL初の単独公演 in 日本武道館のday1(赤い夜 天下一メタル武道会)。



確かに天下一武道会っぽいセット…。
ライブはMCなし、アンコール無し、ファーストアルバム収録の13曲+ギター&ベース&ドラムソロのみの1時間ちょっと。
メタルのライブってこうあるべきだと思います。くだらないMCとか全く必要ありません。


なんとこのファーストアルバム。アメリカ、イギリス、カナダのメタルチャートでNo.1を獲得しています。それは我が国が誇る国産メタルバンドのX JapanもLUNA SEAもSEX MACHINEGUNSも陰陽座もDIR EN GREYもGALNERYUSも成し遂げなかった偉業です。

なぜかといえば、BABYMETALはポップ&メタル&その他の音楽ジャンルのごった煮というカオスなジャンルを作ってしまったからでしょう。きゃりーぱみゅぱみゅもPerfumeも海外で頑張っているけれど、BABYMETALに勝てるかどうか…是非皆さんに頑張っていただきたいと思います。 

2014年3月5日水曜日

(本) このままいけば今年1位の本です- 嫌われる勇気―岸見一郎、古賀史健 (2013年、ダイヤモンド社)


ベストセラーらしいですよ。この本。と言ってもどこのどなたが買って読んでいるのか私は存じませんし、少なくとも私の周りでこの本読みました!という人にまだ出会っていません。恐らくこの本を読んで溜飲を下げた方がいたとしても、その方が、私に面白かったですよ!と、そう簡単には言ってはくださらないでしょう。そういう種類の本だと思います。

***
昨年、まさか、というタイミングで、自分の人生にとっての一山(?)を超えた時とその後数ヶ月。私はずっと考えていました。

これを乗り越えたのだから、もう、大抵のことは大丈夫だろう、これに比べて大変なことはそうそうないだろう、と。

でもそれが甘い見通しだったことは、今の自分にはよく分かります。何故なら、「大変なことがそうそうない」状態のままに今日まで来ていたら、この本を、今、手に取ることは恐らくなかったでしょうから。生きている限り、色んな「困難に感じることがある、それが本当に困難かどうかは別として」ということでしょう。今、それを身を持って体験していますが。

ここまで読まれた方がいたとして、私が何を書いているか意味不明に感じる方はおそらくそれなりの数でいらっしゃると思います。特に医者、特に麻酔科を仕事としている若い先生方の中には、もしかしたら多いかもしれません。

***
という前ふりをさせていただいて、いろいろと自分の心に引っかかった箇所を引用させていただきます。


賞に応募して、落選するならすればいいのです。そうすればもっと成長できるかもしれないし、あるいは別の道に進むべきだと理解するかもしれない。いずれにせよ、前に進むことができます。いまのライフスタイルを変えるとは、そういうことです。応募しないままでは、どこにも進めません。 p55-56

そうすることによって、わたしは他人より優位に、そして「特別」になれるわけです。病気になったとき、怪我をしたとき、失恋で心に傷を負ったときなど、少なからぬ人がこのような態度によって「特別な存在」であろうとします。
―自らの劣等感をさらけ出し、あたかも武器のように使うわけですね?
―ええ。自らの不幸を武器に、相手を支配しようとする。 p89

大切なのはここからです。「人々はわたしの仲間なのだ」と実感できていれば、世界の見え方はまったく違ったものになります。世界を危険な場所だと思うこともなく、不要な猜疑心に駆られることもなく、世界は安全で快適な場所に映ります。対人関係の悩みだって激減するでしょう。 p99

人は、対人関係のなかで「わたしは正しいのだ」と確信した瞬間、すでに権力争いに足を踏み入れているのです。 p107

そもそも主張の正しさは、勝ち負けとは関係ありません。あなたが正しいと思うなら、他の人がどんな意見であれ、そこで完結すべき話です。ところが多くの人は権力争いに突入し、他者を屈服させようとする。 p107

われわれは「これは誰の課題なのか?」という視点から、自分の課題と他者の課題を分離していく必要があるのです。 p140

「人は、自分には価値があると思えたときにだけ、勇気を持てる」。 p205

そういえば以前、カート・ヴォネガットという作家が、同じような言葉を引用していましたよ。曰く、「神よ、願わくばわたしに、変えることのできない物事を受け入れる落ち着きと、変えることのできる物事を変える勇気と、その違いを常に見分ける知恵とをさずけたまえ」 p229

そう、われわれはなにかの能力が足りないのではありません。ただ”勇気”が足りていない。すべては”勇気”の問題なのです。 p229

ほんとうは自己受容や他者信頼、または他者貢献ができていないことが問題なのに、どうでもいいはずのごく一部にだけ焦点を当てて、そこから世界全体を評価しようとしている。それは人生の調和を欠いた、誤ったライフスタイルなのです。 p247

過去にどんなことがあったかなど、あなたの「いま、ここ」にはなんの関係もないし、未来がどうであるかなど「いま、ここ」で考える問題ではない。「いま、ここ」を真剣に生きていたら、そんな言葉など出てこない。 p271

人生における最大の嘘、それは「いま、ここ」を生きないことです。過去を見て、未来を見て、人生全体にうすらぼんやりとした光を当てて、なにか見えたつもりになることです。 p275

「他者に貢献するのだ」という導きの星さえ見失わなければ、迷うことはないし、なにをしてもいい。嫌われる人には嫌われ、自由に生きてかまわない。 p280

「誰かが始めなければならない。他の人が協力的でないとしても、それはあなたには関係ない。わたしの助言はこうだ。あなたが始めるべきだ。他の人が協力的であるかどうかなど考えることなく」。 p282

***
うーん、やっぱり、この人生はこれでいいんだ。明日もがんばろ。

ということで、今現在、悩みが1つでもある人にはおすすめしたい本です。1575円とこの本を読む数時間、決して無駄にはならないと、今の私には思える1冊でした。

***
そういえば、このブログものべ30万人の方に訪れていただいたようです。袖すり合うも他生の縁、ということで皆様に感謝です。意味があるのか無いのか分からないようなブログのままに続けていきたいと思います。

これからもどうぞよろしくお願いします。

2014年2月11日火曜日

(音) シンフォニックメタル、トップランナーの矜持〜 WithinTemptation のHydra (2014年、Netherlands)


Sharon Den Adel(シャロン・デン・アデル)による美麗な歌唱と交響曲の如き華美なバックミュージックを骨の髄まで堪能できる贅沢極まりないオランダのシンフォニックメタルバンド、Within Temptation(ウィズイン・テンプテーション、以下WT)の6作目のフルアルバムが発表されました。

下の曲は4作目「The Heart of Everything」収録の「The Howling」。私がWTで1番好きなのは「The Truth Beneath the Rose」なのですが、貼るのに適当な動画がなかったのでこちらを。


同アルバム収録の「Hand of Sorrow」も良作です。下の動画は映像作品「Black Symphony」でオーケストラと共演した時のものですね。


似て非なるものを創るのって大変だと思います。同じものを創り続けると創り手も聴き手も飽きるだろうし、アルバムだって売れなくなるだろうしライブの動員数だって減る。アルバムっていう形態自体、もう過去の遺物みたいになりつつある…というか既になっていうのかもしれないけれど。
メタリカやアイアンメイデンのように過去の遺産だけで食べていけるバンドやアーティストってほんの一握りだろうし、WTはこのニッチなジャンル(シンフォニック・メタル、っていうジャンルね)ではもう大成功したアーティストの1つだろうけれど、もっともっとファンを増やさなきゃいけない、もっともっと売れてほしい。

シンフォニックメタル、ゴシックメタルというと、もう色んなスタイルが提示されてしまっていて、音楽的な新しい可能性が非常に限られてしまっていると思っていたし、私の中ではWTというバンドが作り出す音楽自体、前前作の「The Heart of Everything」で1つの頂点に到達してしまったと思っていたし、それによる方向転換?の前作「The Unforgiving」でのシンフォニック色の減退そしてロックへの曖昧な接近をかいま見てうーん微妙かも…と本作には、大した期待をしていなかったのですが(IronとA Demon's fateの2曲は未だによく聴きますが)、これはいい作品です。

1. Let Us Burn
2. Dangerous (feat. Howard Jones)
3. And We Run (feat. Xzibit)
4. Paradise (What About Us?) (feat. Tarja)
5. Edge Of The World
6. Silver Moonlight
7. Covered By Roses
8. Dog Days
9. Tell Me Why
10. Whole World Is Watching (feat. Dave Pirner)

頭の4曲が、4曲の曲順が悶絶。音楽性全然違うけれどArch Enemyの3作目「Burning Bridges」のThe Immortal ~ Dead Inside ~ Pilgrim ~ Silverwingの、あの流れみたい。

#1「Let Us Burn」の湿った歌メロ、大好き。シャロンの歌声がこれでもかって活かされてる。3:35-の流れとかもいい。シンプルながらパワフルな#2はライブで盛り上がりそう。公式動画が公開されているのでここに貼っておきます。


YouTubeで前々から聴いていた#4には、Tarjaが参加しているけどうーん微妙、と思っていたのにここに置かれるとぴったりはまって輝いてるのが不思議。まぁ歌姫2人が共演するとこうなるのか…次回があるのならば、もっと冒険してほしいなぁ。商業性ゼロのレクイエムみたいな曲を2人で歌っているところを聴いてみたい。
これも公式動画が公開されているので貼っておきます。


このアルバムで1番の良曲は#3の「And We Run」ですね。ふわふわと舞って天高く飛翔するシャロンの歌唱にラップが絡むと至高のものができるんですね。この曲でプロモーションビデオ作ればよかったのに。流石に、ラップに拒絶反応を示す(かもしれない?)保守的なファンからの批判を怖れたのかも。

頭4曲が素敵出来すぎる上に後半はしっとりな曲が多く、アルバムとしては若干物足りないですが、それは私のWTへの期待が高過ぎるからですね。もう少し聴き続けてみよう。

来日してくれないかなぁ。

2014年1月14日火曜日

(音) Stone Sourのバラッドが思いがけず素晴らしくて

気がついたら1月も半分終わろうとしています。


今年は大晦日の夜から年始にかけてゆっくりとお休みをいただきました。自分の実家で年を越したのは恐らく9年ぶりです。初期研修医の時は2年とも病院で年を越しましたし、確か喀血の患者さんを救急外来で診察しました。麻酔科医になった初めの年は新年直前まで脳外科か何科かの麻酔をしていた気がしますし、その次の年も確かオンコールで病院から連絡を頂いて麻酔をしに病院に行った気がします。

今年はご温情に甘えて過去最高にのんびり過ごしました。近々行う予定の実験の予習とか、論文の執筆を進めたりもしましたが…まぁ殆ど朝から晩まで酔っぱらっていました。こんなこと、人生に1回くらいはあってもいいんじゃないかと思います。


元旦の夕日を撮影してみましたが…。iPhoneのカメラだと私の技術ではうまく撮影できません。


これは1月3日の夕方の西の空です。
冬は空気が澄んでいるためか、太陽が高く昇るような時間になっても遠くの山々まで見えます。冬至を過ぎて、日が少しずつのびてきていることに喜びを感じます。

***
サン=テグジュペリの「人間の土地」(堀口大學訳)、何度目かの読書を終えました。


 たとえ、どんなにそれが小さかろうと、ぼくらが、自分たちの役割を認識したとき、はじめてぼくらは、幸福になりうる、そのときはじめて、ぼくらは平和に生き、平和に死ぬことができる、なぜかというに、生命に意味を与えるものは、また死にも意味を与えるはずだから。- p224 より


この本、読む度に少しずつ身体化してきましたが、まだ消化不良です。あと数回読めばマイ殿堂入りするはずです。何故そこまでこだわっているのかよく分かりませんが。
2014年は「カラマーゾフの兄弟」を読了したいと思います。他には、年が明けてから購入した30冊ほどの本。2013年に購入していながら読めなかった数十冊の本。全て読みつくしたい。

***
そういえば新年になってStone Sourの「House of Gold & Bones Part 1」(2012年発表)を初めて聴きました。レンタルです。


ジャケットはデスメタルみたいですが、美歌メロ満載の聴きやすい純然としたハードロックアルバムです。


このバラード「Taciturn」がとてもよいです。シンプルな作りですが、何と言ってもコリー・テイラーの歌が上手いです。新年早々いい曲に出会えました。

ということで、新年になっても特に新しい試みをしないままにこのブログも続きます。学位がとれようがとれまいが、学生生活は来年の3月で終わりです。そして今年、また何か私の人生にとって新しい決断をするはずです。

今年もどうぞよろしくお願いします。