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2012年11月26日月曜日

(雑) 麻酔科なくなりますか

11月1日に仮登録して放置していたら、いつの間にか今週金曜日には締め切りではないですか。何とか間に合うかな…。

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先日、会議で、とある先生が「麻酔科が20年先もあるか気になります」と発言しておられました。私も同感です。


COURRiER Japon (クーリエ ジャポン) 2013年 01月号

世界から「仕事」が消えてゆくとあります。最近こういうお触れをあちこちで見ます。ちょっと前に読んだ「ワークシフト」もそんな内容です。

クーリエ・ジャポン1月号のp31には「医者ですら、ロボットに仕事を奪われる日が来る!?」というコラムが掲載されてます。実際にはそうはなかなかならないとは思いますが、どうなんでしょうね。楽観的すぎますか?
ちょっと前まで(今でもおそらく)、医者の過酷な労働状況が現場からの声やマスコミの報道で取り上げられてましたが、今後はそういう国内だけの次元の話ではなくなるでしょう。そして過酷な業務の人はますます過酷に、成功する人はますます成功する。他の業界ではとっくにそうなっていますし。

ちなみにp38-41に10年後も食える仕事9つが挙げられていますので、興味がある方は読んでみると面白いと思います。勿論医者は入ってません。

医者ロボットは現場に導入されてもきっとお値段は高いだろう
→ロボットを買えない(田舎や収入の少ない自治体または民間病院など)場所では人が医療を行うだろう(ただし今より大分安い賃金で)

なので

・今のうちに田舎に適応して、「あんのせんせでねばだみだ(あの先生じゃなきゃだめだ)」と言われるようになっておく
・今のうちに稼いでおいて、医者を辞める準備をする
・今のうちに稼いで勉強して、いつでも国外に逃亡するスキルを身につけておく
・医者ロボットでは、臨終間際の医療はまだまだ苦手だろうから、そういう医療サービス(終末期医療)を高いレベルで提供できるように今のうちから研鑽しておこう

ということで、色々と周術期麻酔科医以外の未来を妄想するわけですが、妄想の手助けになるか不明ですが、この本を買いました。

麻酔科診療にみる医学留学へのパスポート (シリーズ日米医学交流)

タイトル通り、どちらかと言うと真面目な妄想をしたい人向けでしょうか。

今すぐ読みたいのはやまやまですが、抄読会の準備と原稿を書きます…。


2012年11月24日土曜日

(雑) 周誕生日期

LiSAの編集会議に参加させていただきました。2回目です。医局の歓送迎会に参加できず申し訳ありませんでした。
FacebookのLiSAのページにいいね!しておくと、いつ編集会議があるか分かりますし、「参加したいです!」と連絡すると(簡単に?かどうかはよくわかりませんが)させてもらえるようです。
 
私は実験の予定がずれ込む可能性が否定出来ないので、参加表明したことがなかったのですが、その日は朝7時前からノンストップで実験を続けていたため、何とか目処が付いて行くことができました。といっても主目的は編集会議の参加ではなかったのですが、成り行きでそうなりました。ぺいぺいのイチ麻酔科医ですし、ましてや編集委員でもありません。
 
結果的には、参加させてもらうことで色々と得るものがありました。臨床麻酔よりベンチで実験している時間のほうが長い自分ですが、「その場で取り上げられている麻酔に関する話題から取り残される感」というものはありませんでした。むしろ、あれ、それって有名な話題なんじゃないだろうか、とかあぁやっぱり自分の周りで語られているようなことと同じ様なことでディスカッションになるんだな。という親近感を強く感じました。編集委員の先生方が、どんな話題でもどんどん話を膨らませていくところを目のあたりにするのはいい刺激でした。こういうのをブレインストーミングっていうんでしょうか。
症例検討・徹底分析特集のネタについての意見を求められたので、参加した記念に2つほど提案してみました。編集委員の先生方に興味を持ってもらえたので、そのうち紙面にしてもらえるかもしれません。
 
LiSAは最近になって漸く自分で買うことにしました。
大学病院で働いてたときは麻酔科控え室に置いてありましたし、外勤先にも置いてあるのでタダで読むことはいくらでも出来るのですが、自分で買わないと読まないということが分かり、買うことにしました。買い始めて3ヶ月になりますが、読みたい記事いくつか読んで、全部読みきる前に次の月が来ます。結局自分で買っても読みきれません。読み切れないといえばIntensivistも読みきれません。本を端から端まで読むっていうのは、今の自分にはとても贅沢なことのように思えます。
 
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だいぶ色づいてました。
 
 

Live as if you were to die tommorrow .
Learn as if you were to live forever .
 
マハトマ・ガンジーの言葉のようですが、全くその通りです。
誕生日のお祝いの言葉をたくさんいただきました。新しい1年もどうぞよろしくお願いします。

2012年11月13日火曜日

(本) 情報をさばく技術 - 木山泰嗣 (2012年、日本実業出版社)

著者は弁護士の方で、色々と著書があるようです。少し前に読んだ本ですが、本がどこかに行ってしまう前に、メモとして残しておこうと思います。

・「プロセス」を分析できるようになるには、コツがあります。「関連書籍」や「論文」などを読む中で、「ふっと思いついた疑問」「わきあがってきた疑問」を大事にするのです。p67
・「わからないこと」や「疑問点」を、まずはノートに書きます。p68
・自分のなかで「ひっかかること」を謙虚に受け止めましょう。p68
・全部を読むのではなく、あくまであなたがすべき仕事の「目的」との関係で、答えがでればよく、その答えをだすためにだけ読めばよいと考えましょう。
いっけんあたりまえのようですが、じっさいには「目的」を意識しないまま、情報の海に飛び込んでしまう人がほとんどです。あまりに大量の情報があるため、最初から気持ちが情報の海に飲まれてしまうからでしょう。p135
・こんなにたくさんの資料があったとしても、目的を達成できたのであれば、それ以上に読む必要はありません。全体の5%しか読んでないとしても、あなたがやるべきリサーチの目的が達成できたのであれば、それで終わりです。それ以上に読んではいけません。ムダな時間になるからです。p186

と書き出してみると、まぁおっしゃるとおりですよね、となりますが、資料や論文をどのくらい「読まないといけないか」を体でわかるようになるためには、ある程度の数をこなさないと難しいんじゃないかと思いました。情報の収集効率に関しては、私はまだまだ道の途中。

2012年11月6日火曜日

(麻) Nexfinでは、ショック患者の心拍出量測定は信頼出来ない、とする論文

Nexfinは、指先に装着したデバイスによって、無侵襲に血圧やstroke volume、cardiac output、systemic vascular resistanceなどを計測することができるモニターということです(BMEYEのホームページ参照)。ちょっと前のAnesthesiologyにも精度検証の論文が掲載されており、Q君が抄読会で担当しておりました。これはfree記事。

Noninvasive continuous arterial blood pressure monitoring with Nexfin®. Anesthesiology. 2012 May;116(5):1092-103. PMID: 22415387

そのNexfinについての論文。またしてもDr. Monnetが報告しています。

The estimation of cardiac output by the Nexfin device is of poor reliability for tracking the effects of a fluid challenge.
Critical Care 2012, 16:R212 PMID: 23107227

重症患者でNexfinが
・cardiac outputを予測できるかどうか
・輸液チャレンジ(生食500ml30分)に対してCOの変化を反映することができるか
の2点を、PiCCOで得られたデータと比較して検証しています。タイトル通り、どちらにおいてもNexfinはネガティブだったと結論しております。

・対象患者45人中、7人はNexfinで測定不能だった。
・残り38人中ノルエピネフリン投与患者は17人(45%)、量は0.4γ [四分位範囲:0.21-0.60]。
・ショックの分類:septic shock 33人、hypovolemic shock 5人

これまで、侵襲的モニターと同様にNexfinは信頼できるだろうと報告されていた論文では、手術室、人工呼吸やカテコールアミン投与終了後の心臓外科患者、CRT患者、エコー検査室、健康な人、が対象とされていました。ですが、今回対象となったショック患者においては、同様な結果を示すことができませんでした。それは恐らく敗血症による末梢組織の低灌流(ノルエピネフリン投与の有無にかかわらず)が影響しているのでしょうと考察しています。
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最もデータを測りたい患者さんたちを対象とした本研究において、得られた値の信頼性が乏しかった、とはなんとも悲しいですが、そうした重症な患者さんたちでは侵襲的モニターや薬剤投与ラインが必要ですから、それほど悲観することはないんでしょうね。どちらかと言うと「もう侵襲的モニターいらないよ。でもちょっと心配」っていう状態の患者さんたちでの信頼性が高ければいいような気がします。

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日曜日から鼻汁、咽頭痛、咳嗽が始まりました。
前回風邪が治ってから371日目でした。成人して以降、恐らく最長期間更新です。回復したらまたゼロから記録に挑戦します。

日本麻酔科学会総会用の演題。先週、ひとまず登録しました。締め切りまで3週間と少しありますので、修正を繰り返して完成させてみようかと。