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2013年9月16日月曜日

(音) 私立恵比寿中学の「中人」(2013年) ~ 無念、ももクロのセカンド・アルバム敗れたり…

ももいろクローバーZのセカンド・アルバムについての記事を以前書きましたが、今日ご紹介するJ-POPアルバムの方が完成度が高く感じられました。アルバムタイトルは「ちゅうにん」と発音するようです。



私は「私立恵比寿中学」(エビ中、と略すらしいです)のライブに行ったことがありませんし、これまで発表された曲も知りませんでした。TSUTAYA DISCASでたまたまレンタルしたこのアルバムで、初めて彼女たちの音楽に触れることとなりました。

ももクロのセカンドとエビ中のファーストアルバムと。どっちが優れているか、という話をしてもまるで意味が無いのでしませんし、そもそもどっちも「所詮アイドルが下手くそな歌うたってるだけだろ」と唾吐く、ステレオタイプ的態度の、食わず嫌いの人が沢山いることも容易に想像できますので、まぁ私的にもどうでもよいのですが、最近いいJ-POPないかなぁ、と何かを探している人には、私は取り敢えず本作を推薦してみたいと思います。

本作の特長
・17曲も入っている
―うち3曲はinterlude、つまり曲と曲との間奏のようなお遊びです。ですのでちゃんとした曲としては14曲でしょうか。interlude3曲の中では#6は白眉の出来で、毎回聞き惚れてしまいます。

・しかもキャッチーな曲が沢山入っている
―下に赤く示しましたが、私的にはこの9曲は大して噛まなくてもいい曲だと思える分かり易い良曲でした。14曲中9曲ですので64%が良曲クラス。というアルバムには近年そうそう出会えるものではないです。

・しかもしかもメタルあり!!
―1曲聴くならどれか、と問われれば#3か#7か#8か#10あたりでしょうか…。其の中でも#7「放課後ゲタ箱ロッケンロールMX」は異色の出来。私はそれほどアイドルの歌に詳しくはないのですが、私がこれまでの人生で接してきたアイドルの曲の中ではキング・オブ・メタルな曲でした。
ピアノのイントロ、其の後に続くドラムス、ギターソロ、シンセ…コーラスの異常なまでのテンションの高さとキャッチーさ、これは本当にメロディック・スピード・メタルの世界ですよ。この曲を聴くだけでもこのアルバムを聴く価値がありそうです。
まぁ、でも歌謡曲的哀愁に溢れた#3と#10の方がアイドルっぽくて分かりやすいですが。昭和の家族への憧憬を強く思わせる名バラッド#13「いい湯かな?」やポップチューン#11、努力している人たちへの応援ソング#16はじりじりはまってきました。

彼女たちはこれからきっと、もっと人気が出るんでしょうね。歌はまだまだ上手くありませんが、それをカバーして余りあるエナジーに満ち溢れた1枚でした。お暇な方はどうぞ。私はもう30過ぎてますが#8「大人はわかってくれない」の歌詞と青春ロックのさじ加減ときたら感涙するしかありませんでした。

歌謡曲的哀愁ポップあり、テクノあり(#9はYMOのカバーです)、ロックあり、メタルありの1作です。今年一番のJ-POPかなぁ…、もしもっといい作品に出会っている方がいらっしゃったら是非教えて下さい。お願いします。


1. Chuning!! (Interlude) 00:48
2. 仮契約のシンデレラ (long ver.) 05:17
3. 梅 04:14
4. あたしきっと無限ルーパー 04:04
5. R-O-B-O-C-K 02:57
6. 高校廃止法案 (Interlude) 02:18
7. 放課後ゲタ箱ロッケンロールMX 04:31
8. 大人はわかってくれない 03:55
9. 体操 04:19
10. 禁断のカルマ 05:30
11. 誘惑したいや 05:37
12. チューニング真っ最中 (Interlude) 00:48
13. いい湯かな? 07:59
14. 手をつなごう 05:33
15. 中人DANCE MUSIC 04:56
16. 頑張ってる途中 04:52
17. あるあるフラダンス 03:06