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2022年7月11日月曜日

真似ることの大切さ

日本ペインクリニック学会第56回学術集会に、現地参加してきました。
拙いながら演題を出せたのは職場の皆さんのおかげ。
参加させてくださった職場の皆さんに心から感謝。

幸い大会2日目の学会会長講演を拝聴できました。素晴らしい講演。
その中で、私が以前読んだ村上春樹氏の著書「走ることについて語るときに僕の語ること」を引用しておられ、もう一度、氏の著書を読みたいと思いました。感謝。


それ以外に、講演の中で私が素晴らしいと思ったことは
・繋ぐ痛み治療
・型にはめることの大切さ
・難治性疼痛患者:患者背景を知ることが最も大切
・WHOから発表された小児慢性疼痛のガイドライン2021


上記の中で「型にはめることの大切さ」といえば、最近読んだ佐渡島庸平氏の著書「観察力の鍛え方 − 一流のクリエイターは世界をどう見ているか」の中でp75にこう記されていました。

以下引用

4 徹底的に真似る 型に気づく

 繰り返しになるが、優れた仕事に必要なことは、ホームランではない。当たり前を積み重ねることだ。だから、突飛なアイディアを思いつくことよりも、基本を身につけることが、一番重要だ。

 どんなフェーズにいる人も、まずは「真似る」。

引用終わり


学会に参加して、私はまだ、オリジナリティを出す段階ではなく、真似ることで成長する段階であることを再確認しました。挑戦することを恐れずに。

2019年3月28日木曜日

下肢の末梢神経ブロックについてのレビューなど

RAPMの2月号なので、もう読んでおられる方もいるかと思いますが、今現在無料でアクセスできます。


下肢の皮膚、筋肉、骨の神経支配についてのきれいな図、ブロック施行時に局麻に添加するadjuvantのEBM、LASTへの対応など盛りだくさんの全38ページのレビューです。無料で読めるとはすごい太っ腹。来月行われるJ-RACEの対策にも使えるかもしれません。

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第3回タイカダバーハンズオンセミナーに参加してきました。X線透視下/超音波ガイド下神経ブロックなどの手技の修行を、カダバーを利用させていただいて行える稀有なセミナーです。

https://www.jpcit.jp/event_20190307-10_3rd-cadaver.html

私はbasic courseで参加させていただきましたが、椎間板造影、神経根ブロック(腰部、胸部、頸部)、椎間関節ブロック(腰部、胸部、頸部)、大腰筋筋溝ブロック、腹腔神経叢ブロック、ガッセル神経節ブロック、脊髄刺激療法(SCS)、RACZカテーテル手技、DISC-FX手技などについて教えていただきました。

来年も開催予定で、2020年3月5-8日予定のようです。可能であれば来年も参加したいと思います。

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あとは、第43回東北ペインクリニック学会で一般演題の発表と、北関東甲信越ペインクリニック学会第8回に参加してきました。

一般演題・教育講演その他演題すべてがなるほどなるほど、と勉強になり楽しかったのですが、なかでも東京大学の笠原諭先生のご講演「慢性疼痛に対する俯瞰的評価とペインクリニシャンによる治療介入」が大変興味深い内容でした。
講演の中では、慢性疼痛患者さんにはパーソナリティ障害がある方もおられるため、医療面接のやり方にコツがある(勿論それで全てうまくいくわけではありません、ということも記載させていただきます)、ということをおっしゃられておりました。

推薦図書の1つに以下の書籍を挙げておられましたので、読み始めました。3024円です。

医療スタッフのための 動機づけ面接法 逆引きMI学習帳. 北田 雅子 (著), 磯村 毅 (著)

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本といえば、

わたしの信仰: キリスト者として行動する フォルカー レージング (編集), Angela Merkel (原著), Volker Resing (原著), アンゲラ メルケル (著), 松永 美穂 (翻訳)

に興味を惹かれて読み始めました。

健康な人は、自分の人生を自由に形作れるのはーわたしたちの足が導かれた広いところを踏破するのはー当たり前のことではないのだと、日々新たに自分に言い聞かせるべきです。別の状態もありえるのだということを、決して忘れるべきではありませんー人生は美しく、完璧な面だけを持っているのではないのです。そのことを常に意識に中に呼び起こすことがとても重要だと思います。なぜならそれによって人生の展望を狭めずにすむからです。 p48

長きにわたって首相をつとめている方が、どのような言葉を発してきたか。その精神が強靭でなければ(強靭という言葉では到底足りないと思いますが)到底つとまらない仕事をしながら、何を考えてきたのか。

最後まで読むのが楽しみな一冊です。

2019年2月17日日曜日

「福岡市を経営する」を読む、慢性疼痛学会に参加する、ケタミンは開胸術後慢性痛を減らさない

久しぶりに一冊全部読みました。

36歳で福岡市長になって現在三期目を務めていらっしゃる高島宗一郎氏による著作です。
36歳で市長になるってこと自体、驚愕ですが、自分で道を切り開いて目に見える成果を出しているところがまた驚愕です。

以下メモ。

なげやりと思われるかもしれませんが、これは決して「なるようになるさ」という行き当たりばったりのような意味ではありません。どうぞ私の命をこの世の中のために使ってください、という感覚なのです。私の居場所はどこでもいい。私に役割があるのであれば、運命がその役割に私を配置するでしょう。その置かれた場所で、全力を尽くすのみです。p74

だから、明日死ぬかのように今日を生きる。p75

ただ技をかければいい、ただギブアップが取れればいい、ということだけでなく、痛みや喜び、苦しみ、葛藤といった感情が伝わるレスラーこそが一流なのです。さらに「人生」まで伝えることができるレスラーは超一流です。p81

街を変えるには「よそ者、若者、バカ者」という3要素が必要と言われます。私は見事にすべてに当てはまります。p169

上の世代は、自分たちで道を切り開き、今の日本の繁栄をつくりました。心からリスペクトしています。私たちの時代も、繁栄を誰かが運んできてくれるわけではありません。自らの時代は自らで闘って勝ち取るもので、相続を期待するものではないのです。p201

チャンスはいつやってくるのかわかりません。それでも、いつそのときが来てもいいように緊張感をもって準備をしておくことが大切です。p248

***
第48回慢性疼痛学会(岐阜市)に行ってきました。久しぶりに一般演題で発表の機会をいただきました。会場の岐阜市まで、実に7時間かかりました。

行かせていただいた成果としては、2日間缶詰で以下の項目について、シンポジウムや教育講演、セミナーを受講できました。発表者の真摯な思いが伝わってくるものばかりでした。

・慢性痛はゼロを目指すべきか
・頭痛(一般演題)
・脊椎脊髄疾患術後遺残症状(痛み・しびれ)のメカニズムと対策
・パーキンソン病の姿勢・腰痛・手術
・周術期疼痛管理におけるtransitional pain serviceの役割
・痛みの構造で考えるオピオイドの選択
・臨床研究法を視野に入れたビッグデータ解析
・タペンタドール
・薬物依存
・がん患者の非癌性疼痛や慢性疼痛のオピオイド
・FBSS(failed back surgery syndrome)に対するインターベンショナル治療
・ガバペンチノイド(ミロガバリン)の可能性と課題
・腎機能障害時の薬物選択と運動器疼痛の治療効果判定
を聴講しました。

また、学会の後に行われた第4回日本ペインクリニック・インターベンショナル治療研究会にも参加し、他施設の治療経験や経皮的椎間板治療について知ることができました。

***
上記学会に行くちょっと前に読んだ論文。

Ketamine infusion for 96 hr after thoracotomy: Effects on acute and persistent pain (Eur J Pain. 2019 Feb 4. doi: 10.1002/ejp.1366. [Epub ahead of print] PMID: 30719817)
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30719817

開胸術は術後慢性痛の頻度が高いものの一つとされています。この論文では、NMDA受容体拮抗薬であるケタミンが、そのような痛みの頻度を減らすか、について検証しています。プロトコルとしてはケタミン0.1mg/kgボーラスした後に、0.1mg/kg/hを術開始10分前から96時間投与し生食持続投与群と比較した前向き二重盲検試験です。結果、ケタミン投与群は、術直後のオピオイド使用量を有意に減らしましたが、手術後6週間〜12ヶ月の痛みを低下させることはなかった。ということです。

***
この2−3日は、自分の中にパッションがたくさんあることを再認識することができる貴重な期間となりました。支えてくれた皆さんに心より感謝いたします。


2018年9月1日土曜日

2018年度北海道・東北支部周術期管理チームセミナー

「麻酔・手術後の気道と呼吸 (副題:挿管よりも危険な「抜管」)」という演題をいただき、お話をさせていただきました。聞いてくださった方々、また座長の先生に感謝申し上げます。
周術期管理チーム認定の試験、以下のホームページ内で公開されていますが、結構難しいです。

http://public.perioperative-management.jp

良い勉強の機会になりました。

2015年10月19日月曜日

(研) 仕事が形になりました

明日の臨床麻酔とは余り関係がないといえばないのですが、私が大学院生だったときにした実験が、2篇の論文になりました。どちらもOpen Journalですので、全文読めます。

1. Ito H, Uchida T, Makita K. Interactions between rat alveolar epithelial cells and bone marrow-derived mesenchymal stem cells: an in vitro co-culture model. Intensive Care Medicine Experimental 2015, 3:15 doi:10.1186/s40635-015-0053-2
http://www.icm-experimental.com/content/3/1/15
2. Ito H, Uchida T, Makita K. Ketamine causes mitochondrial dysfunction in human induced pluripotent stem cell-derived neurons. PLoS One. 2015 May 28;10(5):e0128445. doi: 10.1371/journal.pone.0128445. eCollection 2015.
http://journals.plos.org/plosone/article…

私にこのような機会を与えてくださった皆様に深く感謝いたします。どうもありがとうございます。

これはスタート地点で、これから先の道は、自分で切り開いていかなくてはなりません。どんな道を切り開こうか。

2013年5月2日木曜日

(麻) イソフルランがヒト神経前駆細胞に与える保護作用と傷害作用2つのはたらき - 麻酔科医31回目の抄読会が終了しました。

今回担当した論文はこれです。

Dual Effects of Isoflurane on Proliferation, Differentiation, and Survival in Human Neuroprogenitor Cells. Anesthesiology 2013; 118:537-49
不死化したヒト神経前駆細胞を使って、イソフルランの濃度および投与時間によって細胞保護作用と細胞傷害作用に変化が見られるか…を、(恐らく)中国人の研究者たちがアメリカのフィラデルフィアにあるペンシルバニア大学のラボに留学して得た成果として報告しています。
詳細は読んでいただきたいのですが、彼らは、低濃度(0.5MAC)・短時間のイソフルラン曝露ならば神経細胞増殖にプラスにはたらき(ただしこの条件のイソフルランが、正常な神経細胞の分化にプラスになっているかについてのデータは示されていないので、恐らくプラスになっていないと私は推測します)、高濃度・長時間(2MAC, 24時間)は細胞傷害を起こす、と報告しています。そしてその機序としては神経細胞にある小胞体のイノシトール3リン酸受容体やリアノジン受容体から、細胞質への過剰なカルシウム放出によるものであろう、と言っています。

イソフルランが論文に出てくるとはいえ、in vitroの実験をしてなかったらもっともっと理解するのに骨が折れただろう論文でした。まして抄読会で、in vitroの実験をしていない方々に、可能な限り正確な情報を伝えるなんて大変です。いや、大変でした。だって私は大学院に入るまで、培地のことを"地"っていうからには固体のものだと思ってましたし、「フラスコ」は中学校の実験で使うような丸いものだと思ってましたし、96well plateって言われてもどんな形をしてどんな大きさのものか全く想像つきませんでしたから。LDHアッセイもMTTアッセイにしても同じです。たった20分弱でそれら全てに簡潔に言及して聴衆にイメージをふくらませていただき、しかも実験結果のFigure7枚も伝えるなんて、大変な仕事です。なんとか発表できるような形にスライドを完成させたのは発表の前日です。

ということで、今回、喋りの練習をロクにしないで本番に突入してしまいました。仕方ありません、準備不足です。


結果として、発表の時間を幸いにも16分位いただけたので、何とか収集ついたのではないかと思います。質問がいくつか出たので、ある程度は伝わった、と思います。寝ている研修医さんはどうしようもありません。彼らを起きたままにするのは至難の業ですし、寝ている研修医さんは、話し手が誰であっても大抵寝ています。というかパワーポイント始めるために部屋の明かりを消した数秒後から寝てますし。スティーブ・ジョブズが喋ってれば寝ないのかもしれませんが、in vitroの研究の話をして、聴衆みんなが目をキラキラさせて聴いたりしたら、それはすごいことですね。
抄読会(ジャーナルクラブ)を臨床のおまけだと思ってはいけません。発表の場はいつでも戦場です。準備不足だと討ち死にを覚悟しなければなりません。

…幸か不幸か、準備不足の割には自己満足のいくプレゼンが出来たので、大学の近所に新しくできた「御茶ノ水ソラシティ」に新しい店舗を出店したカレー屋「エチオピア」の野菜カリーを食べました。




なんと朝7時から開店しているらしいので、今度は朝カレーを試しに行きたいと思います。

2012年9月30日日曜日

(麻) 麻酔科専門医試験、自分の講演の際に利用した書籍

麻酔科専門医認定筆記試験を今日受験された先生方、本当にお疲れ様でした。大変難しい試験だったとお聞きしました。

今さらですし、受験生なら皆さんご存知のページでしょうが、後で自分がお世話になるかもしれないので貼っておきます。
研修医チャンネルの麻酔科専門医試験対策ページです。先日はじめて知りました。

***
学会発表から1週間以上経ってしまったので、これ以上記憶が風化する前に、今回学術的な面(こちらは発表に際して100篇弱の原著論文、レヴュー論文にお世話になりました)以外で、発表に際してお世話になった本を羅列しておきます。すみませんが著者の敬称は省略させて頂きます。実務経験数年と浅いながらも、自分よりもその道に詳しい先生方が大勢いらっしゃるであろう場所において、何かしらの講演をする必要がある先生のお役に立てれば…と思い記載する次第です。

1.すごい説得力/太田龍樹/知的生き方文庫
2.発表の技法/諏訪邦夫/講談社ブルーバックス
3.論理的にプレゼンする技/平林純/サイエンス・アイ新書
4.理系のための口頭発表術/ロバート・R・H・アンホルト/講談社ブルーバックス
5.「ひとり会議」の教科書/山崎拓巳/サンクチュアリ出版
6.プロ講師になる方法/安宅仁、石田一廣/PHP研究所
7.人は誰でも講師になれる/中谷彰宏/日本経済新聞出版社
8.学生・研究者のための使える!PowerPointスライドデザイン/宮野公樹/化学同人

これらのうち、最も役に立ったのは4です。その次が8です。後は人それぞれ好みが分かれそうですが、2は一読の価値はあると確信します。私が麻酔科医だからかもしれませんが…。

***
夏休みを終えるにあたり、学んだことを羅列しておきたいと思います。

・自分よりも素晴らしい才能をもっている人がたくさんいる。そしてその上絶対真似できないような努力を継続している人がたくさんいる(当たり前ですね)
・どんな人も想像力や気遣いは有限である
・素晴らしいものは確かに素晴らしいが、凡そ金額相応であり、私にはそれが心地よくないようだ
・水の中で体を動かすことは楽しいかもしれない
・もしかしたら自分の膝が快方に向かうかもしれない
・「モモ」は素晴らしい本だった
・「君は、こんなワクワクする世界を見ずに死ねるか!?」は興味深い本だった。多分大学生くらいが読むのが一番効能を期待できるだろうけれど、30過ぎの私でも発奮させられる内容だった
・ルソーの著作をもっと読んでみよう
・自分の居場所を客観的に認識して、自分が楽しめて、そして社会の役に立てる仕事を死ぬまでできることはきっとしあわせなことだろう

2012年9月22日土曜日

(麻) 最初(で最後?)の共催セミナー演者までの隘路~240daysを振り返って

あっという間の8ヶ月間でした。一応経過を記録しておきます。

1/26 講演の依頼を受ける。青天の霹靂。
1/27 上司のI先生とTさんに協力を要請、まず考える
2/6 過去の共催セミナーの資料をいただき研究。喋る分野の最近の論文チェックを開始する
2/10 困ったぞ、何だかろくなひらめきがないや・・・
2/11 医局長選挙の後、ランチをしながら再度、上司と相談。モニターや波形の原理、そう、原理的なこととかどうだろう。とI先生と相談する。T先生にも助言をいただきつつ(ご馳走様でした)
2/20 オペ室で上司と相談。いろいろディスカスしているうちにもっと論文読まなきゃダメってことを痛感。
3-4月末:色々な状況から身動きが取れなくなる。長い膠着状態に入る。
5月末~6月上旬:何とか論文数十編読んで、1000文字抄録を作成。
6月11日:抄録提出。4回ほどI先生とメールでやり取りして校正してもらう。大感謝。
7-8月:パート先で予定手術が終わったら発表の準備しよう・・・と毎回大量の文献とMacBook Proを持ち込むも、緊急手術多くて殆ど進まず。
8/30 Tさんたちとおおまかな方向性で打ち合わせ
9/1 I先生にPowerpoint送付して意見いただく。このあたりからオーラルの練習開始。
9/12 学内で予演。
9/19 最終的なスライドチェックをTさんと行う。え、もう3日後なんですけどもうひと直し必要ですか?
9/21 発表前日 会場入りしてホテルで只管最後の喋り練習。
9/22 発表終了。

発表自体が成功だったのかはよく分かりませんが、一仕事終えることが出来ました。それだけで奇跡です。

今日、改めて色々思いました。本当に多くの方々にお世話になっていることを。皆さん自分のやるべきことで大変な筈なのに気を遣って下さる。素晴らしいことです。
皆さん、ありがとうございました。

2012年9月16日日曜日

(雑) 学会準備〜パソコン編

6月末におかしなことになったLet's Noteがどう足掻(あが)いても直らないことが判明。それどころかもう、ブーンと立ち上がりそうになって色々頑張ってくれるのですが、デスクトップ画面に1時間待っても到達できません。いい加減見切りをつけて、学会用に新しいノートパソコンを購入することにしました。そういえば家のプリンタや掃除機も寿命のようで悲しい限りです。

学会会場へはUSBなどのメディア持ち込みでも良いようなのですが、パワポの文字の位置がずれたり、アニメーションが動かなくなったり、いろんな危険性があるとの先達の教えを素直に聞いての判断です。慣れている発表者であればパソコンでトラブってもそれなりに平静でいられるんでしょうけれど、私はまずムリ。

国産のは高いわりにスペックがイマイチな上に必要ないアプリケーションがいっぱいついてくるので外国産のパソコンにしようかと考え中。ノートパソコンが安く買える時代で本当に良かったなぁ。

学会直前に色々やることが多すぎて、明日のJSCVA日帰り計画は完全に諦めました。

2012年6月13日水曜日

(本) 理系のための口頭発表術(講談社ブルーバックス、2008年)~これ1冊でプレゼンテーション能力が格段に上がるでしょ


いつ買ったのか忘れてしまいましたが、先日100冊超の本を売りに出そうと本棚を整理してた時に、偶然本棚の奥から発掘されました。ブルーバックスかぁ、つまんなかったのかなぁ、内容なんか全然記憶にないぞ…とパラパラめくってみると…著者のアンホルト氏でしょうか。ちょっと怪しげな愛嬌のあるおじ様の写真が載っていたりします。
んで少しばかり読み始めると…ふんふんなるほど!いやぁ~そうだよなぁ~本当に仰るとおり!その通り!!と感嘆符の嵐で大興奮。これはいただき!あれもいただき!!と思って本の角を折りながら、赤ペン入れながら読み進め、気がついたら右の写真のように折り目だらけになりました。
OHPの話なんか歴史を感じさせる記載もありますが、日々の抄読会、学会のポスター発表、口演、その他、人に何かのレクチャーをする機会のある方々(そして苦手意識のある方)皆さんにおすすめです。プレゼンテーション能力って大事な能力なんですが、まとまって教えてもらえる機会ってそんなにないです。教えてもらえる人は幸せな人です。偉大なる先輩ドクターたちに教えを請う前にこれを読んで咀嚼しておくと大分上達のスピードが違う気がします。
いやぁ、いい本を発掘しました。取り敢えず、来週の抄読会がんばろ。

2012年3月29日木曜日

(雑) 全部が全部、戯言って言えば戯言ですよね

自分のことを完全に棚にあげたうえの妄言です。

医師生活丸7年になりますが、これまでいろんな先生たちの発表を聞いてきました。日々の症例のプレゼンテーション、麻酔科研修医としての総括、論文の抄読、ほか。医師としてはまだひよっ子の私ですが、それでも色んな発表を聞くと、演者がその発表にどれ位専心したのかが怖いくらいに分かってしまいます。どのくらいそれに対して興味が有るのか、興味がなくてもどのくらい調べてきたのか、どのくらい「いい日本語がなかったんですけど」と発表の中で告白するまでに葛藤があったのか、こんな内容自分的にはどうでもいいけどあんな質問飛んできそうだよな、と頭の中で沸き上がってきた時に「調べとこ」を選択したか「もう眠いからねよ、わかりませんって言えばいいや」を選択したか、いや、そもそもそんなことすら頭に浮かばなかったか。妄想かもしれませんが、手に取るように分かってしまいます。

発表はその多くが無難な出来なのですが、研修医の発表でも思わず聞き惚れて「弟子入りさせて下さい」と思わず平身低頭しまうような達者なものもあるし、逆もまた然り。そして中には、思わずその場から立ち去りたくなるような内容のものもあります。

それらの発表を思い出して、具体的に”自分にとって”何が酷かったのかを考えて、自分がその轍を踏まないようにしたいと思います。

・スライドに書かれている内容そのもの
―文字が小さい。これは何よりも害悪だと思う。それだけでもうついていけない。すいません、勘弁してください、まだ朝で眠いんだよ。
―これは笑いを取ろうと思って書いているんだろうか?、というような文章。―十数分のプレゼンテーションで笑わせるのは凄く難しいうえにリスクが高いでしょう。もっともそんな文字をスライドに載せたのはちょっとした冗談のつもりで、聴衆を笑わせる意図はこれっぽっちもないかもしれませんが。だとしたら尚更「こいつこんなこと書いてなめてんじゃないのか」と思う聴衆がいるかもしれないことについての想像力を少しはふくらませたほうが良かったんじゃないだろうか、と私は心配になって胸がざわざわしてしまいます。演者が非常に真面目で賢く、発表内容の「真面目な部分」への信頼性がきちんと担保されているとき、もしくは普段からいろんな人に愛されていて、ちょっと不謹慎な内容でも「まったく、しょーがねーなぁ」と、聴衆に笑いながら許容される先天的とも言える人柄の良さの持ち主か俳優のような演技力の持ち主、のどれかであれば笑ってもらえると思いますが。。私は其のどちらでもないわ、と自覚する私のような人間であれば、まずプレゼンテーションの内容が「その時間帯、空間、聴衆全てにおいてアクセプトされうるのか」についてこそ真剣に考えるべきなんじゃないだろうか。過度にプライベートなこととか、こんな大変な症例にあたったんですよ、と聴衆に甘えるような内容を晒すのはご法度ではないけれど、聴衆にいい印象を与えることは少ないと自覚したほうが良い。
以前参加した何かの学会。80分程度の教育講演の合間に、演者やその友人以外にはどうでもいいと受け取られるようなプライベート写真を混ぜてくる演者がいたのを思い出す。会場は静まり返っており、私自身も居心地の悪さを感じてその場から逃げ出したくなった。これは新手の嫌がらせだろうか?とその後今に至るまで真剣に思い悩まされている。

・質疑応答での対応
―相手が質問して言葉を発している最中に、それにかぶせて答え始めるような場に居合わせてしまった時。これも逃げ出したくなる。具合が悪くなってくる。恐らく質問者も不快になるだろう。ちゃっと質問をきいてんのかよ、と。そして演者が自己防衛をしているような印象を、私は受けてしまう。

・語尾がふにゃふにゃな、しっかりしない話し方
―スライドに書いてある言葉を、機械的に順を追って話す方が千倍マシ、というプレゼン。スライドの内容を網羅してない上に、どこもかしかも中途半端なつまみ食い。にも関わらずスライドにない内容のごにょごにょとした言葉を随所に挟んでくる。「えぇ~」とか「あの~」とかならまだしも、何故か言い訳がましいセリフを随所に挟まれるともう絶望的に具合が悪くなり、貧乏揺すりが止まらなくなる。結果的に喋り手の頭の中が混沌とした状態だってことしか伝わらない。私のアタマにケイアスを送らないで下さい。相手にわかってもらおうとする努力を著しく欠いた自慰的プレゼンテーション。

・以前のスライドの焼きなおし
1年も前のスライドを再掲するのには勇気がいる。少なくとも、そのスライドに1年前に関わった聴衆が今この場に何人かいることが予め十分予想されるときには、相応の覚悟が必要である。1年前と比較して、自分がどう成長したのか。この1年間にいろんな患者さんの麻酔を担当したはずである。いろんな論文を読んだはずである。いろんな同期や先輩、後輩の麻酔経験を見聞きしたはずである。学会会場でいろんな発表に触れたはずである。いろんな医療過誤ニュースに触れたはずである。いろんな映画や音楽、本に触れたはずである。いろんなところに旅行したはずである。そういったものに触れてなくても全然構わないけど、何がどう成長したのか、それを少しはスライドに反映させるのが、研修を受けた側のマナーなんじゃないかと思う。

麻酔科医が遭遇する最悪のイベントの1つは、予定手術を受けた患者さんの術後死亡である。その死に麻酔科医として関わったんじゃなかったのか。あれは一体何だったんだ。この麻酔科医は、患者さんの死から何を学んだのだろう。何も学んでいないんじゃないだろうか、と思わず天を仰ぎたくなる感情に、私の心が朝から支配されてしまうことが何よりも耐え難い。
私はまだ、不幸な転機を辿った患者さんに対して、敬意が全く払われていないような発表に対しては、0.00001%も共感できないし、全く甘い評価ができないです。それすら、自分の想像力の限界を示しているのでしょうが。

口下手、口が達者。日々の発表ではあんまり関係ないと思います。要はどれくらい準備したか、それだけでしょう。下手だと思うなら要点を文字に起こしてそれを読めばいいんじゃないだろうか。聴いていて気持ちが良いプレゼンっていうのは、どれくらい愛をもって準備したか。内容に対しても聴衆に対しても。それが大きいと思います。

***
私は911について、全くといっていい程なにも分かっていませんが、Iced Earthの「When the Eagle Cries」に涙腺を刺激されます。音楽の良いところは、その製作者の思惑と全く違うところにおいても共感なり何なりができるところだと思います。音楽を通してならチュニジアの人でもネパールの人でも、世界中誰とでも共感できそうです。全くの勘違いかもしれませんが。そう思うとこの世界もまんざら捨てたものでもないのかも知れません。

***
最近の読めてない本。

・クラシック迷宮図書館 音楽書月評1998-2003
・シュリーマン旅行記 清国・日本
・空気の発見
・地獄の季節
・いやな気分よ、さようなら
・南方熊楠随筆集
・方丈記
・故郷/阿Q正伝
・非常識な読書のすすめ
・百姓たちの幕末維新
・禅マインド ビギナーズ・マインド
・ダンゴムシに心はあるのか
・須賀敦子全集第1巻

そのうち読める日が来るでしょう。

2011年11月25日金曜日

(研) プレゼンテーションが拙いと全て台無しである

今取り組んでいる研究に関連する内容の話…ということで、先日、大学院の講義に出席しました。

ですが。

??声が小さい…マイク使ってるのに…声のトーンも張りが無い…抑揚もない…スライドがつまらない…文字も小さい…。

これらが私の理解力不足に起因するものならば、ここに敢えて書く理由もないのですが、講義、という点では今回の講義は準備不足としか思えません。しかも、演者の先生は、自分の興味のない分野の話を嫌々しているわけでもない筈です。大学生に講義をするのと違って、自分の現在の研究内容、ライフワークを嬉々として語って良い場である筈なのに、この”伝える気のなさ”は何なのでしょう。
演者の先生の表情を見るかぎりでは、やる気がないわけでは決してなさそうでした。ですが…どこかで1回でも練習してきたのでしょうか。講義にしても学会発表にしても、演者は聴衆の何千倍、何万倍も努力して本番に望む…ということは理解していたつもりですが、これほどまでに聴く気が起こらない講義、というものは久しぶりです。学びのための貴重な時間が、「眠気に負けそうでごめんなさい」と、罪悪感に駆られるだけの1時間余になってしまいました。こんなことを学ぶために大学院に来たわけではないのですが。

どんなに素晴らしい研究をしていても、発表がまずいとすべて帳消しです。どんなプレゼンテーションも聴衆の貴重な時間を頂いているのだ、ということを再確認しました。あぁ、気をつけよう。

2011年10月16日日曜日

(旅) Anesthesiology 2011 ~ASA day 0~1 海外初ポスター発表

Chicago Tribune紙の創業者Robert McCormickから名前をとった”McCormick Place”は、迷子になるなという方が難しいような巨大な建物群で成り立っています。シカゴのガイドブックを真剣に読み始めたのが出発前日…という私でもそれだけは知っていました。気を抜くとすぐに迷子になる私は、発表の前日、学会参加登録証を貰いに来るついでに下見に。と言っても巨大すぎるので、自分のポスターを貼り付ける場所が会場全体のうち、どのあたりに位置するのか、を把握しただけ。Metraという電車を使って会場まで来たのですが、券売機の読み方に苦戦したり、ホームで待っていたら「次の電車何時にくんの?University Park行き?(in English)」と黒人のお姉さんに聞かれたり、ちょっとドキドキします。何処からどう見てもasianな私に聞いても分かる筈ないと思うのですが。乗車時間はほんの数分。電車の窓が埃で薄汚れていてあまりよい眺めではありませんでした。


という下準備の元、発表の朝を迎えます。まだ暗い中、6:30にホテル前の迎えに来るシャトルバスに乗って会場へ。朝もはよから、バスには数十人の麻酔科医らしき人たちがいました。
空を見上げるとまだお月様が。
会場内はまだガラガラです。遠くに「ANESTHESIOLOGY 2011」と掲げられております。一応ちゃんと行って来ましたよ、という証拠写真です。 昼間に同じ場所を通ったら…まぁ凄まじい混雑具合。東京から来たのに、また東京の通勤ラッシュの中に戻ってきたような気分になり具合が悪くなりました。
 ポスター会場は、企業ブースの隅っこの方にありました。巨大ラリマ。
同じく巨大モニタ。

発表についてです。
座長の先生(2人)がポスターを1枚ずつ回り、演者はその先生方(+聴きに来た聴衆)の前でプレゼンをするという、日本の学会と同じスタイルです。私の発表の順番は早めの時間だったため、聴衆は疎らでしたが、こちらとしてはそのお陰で、過度の緊張を強いられることなくプレゼンを終えることができました。いきなり座長の先生に握手を求められ、おぉアメリカン!と一人感動。私の英語が本当に聞き取って貰えていたのかについては、今となっては闇の中。ですが、プレゼンの最中に座長が適切なタイミングで、内容に即した適切な質問をしてくださっていたので、まずまず伝えたいメッセージは伝えられたのではないかと思います。あぁよかった。小さなメモ用紙にプレゼン内容を書いていったのですが、結局それは見ず、ポスターを指し示しながら喋り、そして、聴いている方々がちゃんと内容に着いてきて下さっているのかを確認しながら話すことができたので、目標は達成されたということにしたいと思います。5-6個質問もされましたが、何故か応答することができました。奇跡です。
そして、日本の学会と大きく異なるのはポスターセッションの時間が3時間もあることです。その3時間は自分のポスターの前(もしくはその付近)に立っていなくてはならず、それが結構大変です。夜中には全然眠れなかったのに、今頃になって眠くなってきます。そうこうしていると時間が経って無事終了。会場に来て下さったI先生、ありがとうございました。

*** 
学会はまだ続いていますが、発表までにどんなことをしてきたのかの記録を残しておこうと思います。
このブログを読んでくださる方の中に、もしかしたら今後、アメリカ麻酔学会に初めて抄録を提出し(させられ)、採択され、ポスターをつくり、発表原稿をつくり、念仏のように原稿を口に出して練習し、渡米し、発表する、ということにチャレンジされる方がいらっしゃらないとも限らないので、私がこの半年でやったことを記しておきたいと思います。まぁ、こんな人間もいるんだな、という程度にでもご参考になれば。

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4月:抄録を作成する。指導医と何度かメールのやりとりをして完成にこぎつける。 
4月29日:抄録をオンラインで提出。締切日、締切時間の超直前は避けないと。
7月4日:演題登録時には6月中に採択の可否がメールで送られてくると通知があったのですが一向に来ない。しびれを切らしてメールで問い合わせると、すぐさま返事が来ました。流石ASA!と思ったらauto replyで「The ASA office will be closed on July 4th.」あぁそうか独立記念日だから。
7月5日:メールの返信が来て「2週間以内には通知します」
7月9日:当直中、眠気まなこにメールチェックしたら採択されていました。
7月11日:更に英語リスニングに力を入れようと思い、iPod nanoを英語リスニング強化仕様にした途端に故障。オンラインで修理を依頼したところ、手元に戻ってくるまで1週間かからず驚嘆。
7月12日:ポスター作成規定を読む。ふむふむ…と作成開始
毎日暑い
7月25日:麻酔科専門医試験が1日早く開始になる、という情報にちょっと動揺
本当に暑い
7月30日:研究室の英語抄読会を終え、ストレスが1つ減り安堵
8月1日:飛行機とホテルと、学会参加登録をする。1ドル77円で円高がちょっとありがたい。学会のホームページからホテルを選ぶ。あぁなんでこんなにホテルの値段が高いんだ。しかもどこも結構会場から遠いぞ。予約可能なホテルの中で1番会場に近そうなところを予約。
何でこんなに暑いんだ
8月27日:連日の暑さに、やる気の低値更新中だったが、漸く底値を脱した気持ちになってくる。モーツァルトのレクイエム「Rex Tremendae」を無限リピートしつつ、ちまちまとポスター作成。
9月5日:作ったポスターを指導医にみてもらう
(9月29日~10月1日:麻酔科専門医認定試験)
10月1日~:試験が終わった直後からポスターと発表原稿の手直しを再開。
10月3日:思いだしたかのようにASAのリフレッシャーコースの申し込みをオンラインでする。どれも$0で申し込めるようになっている。どうやら今年は無料で席も早い者勝ちのようだ。
10月5日: ポスター発注。原稿の喋り練習をスキマ時間に行う。ぶつぶつぶつぶつ
10月12日:大学で予演会。もっとブラッシュアップしなきゃダメか。ぶつぶつぶつぶつ練習
10月13日:ワシントンD.C.のダレス国際空港で乗り継ぎ便に間に合わずチケットの交渉。あぁ英語、全然聞き取れない。こりゃ駄目だ。もう帰ろうかな。
10月14日-15日:ホテルの部屋で最後の練習。

@役に立った本など。大変お世話になりました。
・地球の歩き方 シカゴ'10-'11. ダイヤモンド社
・タビトモ シカゴ. JTBパブリッシング (2010/12/28)
国際学会English挨拶・口演・発表・質問・座長進行. 医歯薬出版 (2007/04)
国際学会Englishスピーキング・エクササイズ口演・発表・応答. 医歯薬出版 (2010/03)
英語抄録・口頭発表・論文作成虎の巻―忙しい若手ドクターのために. 南江堂 (2006/4/17)
・ポッドキャスト: OpenAnesthesia.org ほか
・本:The Checklist Manifesto: How to Get Things Right. Atul Gawande :ASA学会での講演をぜひ聞きたかったのですが、自分の発表の時間と重なっていたので、著書を読んで我慢しました。
カラープリントショップアドテック :ポスターはこちらにお世話になりました。データを送ると翌日には届けてもらえました。筒でポスターを持っていくのはちょっと…という方は考えてもよいかもしれません。布ポスターは値が張るので若干躊躇しますが、利点としては、折りたたんでも破けたり印刷が滲んだりしないため飛行機内持ち込み用のカバンに収納できることです。海外に行くと、スーツケースが行方不明になる危険性もあるので、ポスターは肌身離さず持っていたいものです(特に私のような初心者は)。

今度発表できるのは、いつになるかな…。

2011年5月1日日曜日

(麻) 抄読会(ジャーナルクラブ)メモ、と新生活1ヶ月経ちて


しばらく自分で担当しないので、ポイントをまとめておくことにしよう。

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論文の全てを10-13分程度で発表するのは不可能である。

でも「まとめろ」といわれても、その具体的方策が示されないと時間と気力だけが削がれていく。日々忙しくやることもいっぱいある。抄読会だけに労力を使うことはできない。

「どれくらい抄読会に向けて頑張ったか」はあまり関係なく、「聴衆の特徴を理解し、どのレベルが求められているのかについて想像力を働かせること」が重要。聴衆はそれらについて厳しく演者を査定する。(そして演者の耳に評価が届くことはあまりない。大人だからね。面と向かって「ここはこうすればよかった」と言ってくれる人はそれほどいません)

@心構え
・発表内容が膨大だと、それだけで準備不足と思われる。
・「この部分はよくわからなかったんですけど・・・」と発表中に言わない。後でつっこまれないようにとの防御線としての発言かもしれないが、聴衆は「この場にいる人の中でこの論文について最も時間と労力を費やしてきた発表者ですらよくわからないものを、たった10分くらいしかない中で、なぜわざわざ、それに言及し我々を混乱させるのか」という不信感をいだく。もし論文を読むに当たって重要な統計学的手法があり、それの解説なしには聴衆が理解不能だろうと思うようなものに、運悪くあたってしまったとしても、一生懸命調べて発表すれば(そしてある程度コンパクトに説明できていれば)、わざわざ「よくわからなかった」ことを吐露する必要はない。むしろ聴衆に対して失礼である。「わからなかったことを発表する場ではない」ということを理解する。
・聴衆の中には発表者より膨大な知識をもつ先生方も当然ながら多い。だが、「今話している内容は自分が一番詳しい」という気概をもって、そして「なんとしてでも理解してもらうんだ」と考えるべき。

@実際の準備の流れtips
*何よりも大事なことは、「何も考えずに頭から読み始めない」ことである。
0.抄読会の予定が発表されたら可及的速やかに論文を手に入れ、どの位のボリュームなのか把握する。そしてぱらぱらと眺める。臨床的なものだったら準備にあまり時間かからないかな、とか基礎的内容だったり、統計を多用していて準備に時間がかかりそうだ、といった点から、どの位準備に必要なのかを予想する。
1.論文タイトルを読み、何についての論文かつかむ
2.abstractを読む。不明な単語や不明な用語の意味を調べる。そしてabstractの意味をまず掴む
3.本文の図表をみて、何について書かれたものかをおおよそ見当をつける。ぱっとみて、何についてかかれているのかわからなければ、まずはその論文を読むのに必要な知識を、日本語で集める。この場合、Google scholarや雑誌(特集や総説などを探す)、教科書(Miller、麻酔、臨床麻酔、LiSA、その他)、医中誌が役に立つ。英語を訳すときに自己流の変な日本語をつけることを回避するためにも、日本語で知識を得ておくことは重要
4.背景知識をそれなりにもったら、初めて本文を読む
5.introductionから順にスライドを作るのもよいが、「図や表をまず貼りつけて、その説明から取りかかる」ことも推奨。これは「わざわざ著者が図表を示してまで読者にわかってもらいたいこと」というメッセージ、すなわち論文の肝であることが多いため。図表が多いと聴衆が興味を維持しやすいというのもある。
6.①「はじめに」②「material and methods」③「result」④「discussion」でじっくり聞きたいのは②と③、知ってるとためになる④の一部。だからそこに発表時間の大部分が注がれるようにスライドも作成。ということは①はせいぜい1枚か2枚でまとめる(それも大きい文字で)。

@スライドの作り方tips
・聴衆にストレスを与えないように気を配る
・パワーポイントならフォントは24-28程度。22以下は小さいので、表やグラフの説明には利用することも許容されるが、本文では使わない方がよい。小さいフォントで「はじめに」のスライドが出てきた瞬間に聴く気がなくなる人もいることを想像する。自分が聴衆だったら、朝の眠たい時間に目をこらさなきゃ読めないようなスライドを集中して読めるだろうか。小さい声の発表を聞き取ろうと努力するだろうか。
・1枚1分のルールがある。それに準ずると抄読会は10枚くらいになってしまうが、それだとあまりにも少ない。パッと見て理解できるスライドもあるだろうから、どんなに多くてもせいぜい20枚程度にまとめられるようにした方がよい。
・論文の内容全部を発表する必要は全くない。
・図表は発表の中でカットしない。原則すべて提示する。著者は、図や表にしなくてもいいものをわざわざ投稿しない。それくらい重要。
・図や表は読めるように貼る。PDFファイルでダウンロードした論文の図表をパワーポイントに張り付けることが多いが、文字がつぶれて読めないことは絶対に避ける。コピー元の表を「なるべく拡大してパソコンのディスプレイに表示した状態でSnipping Tool等を使ってコピーをする」等の方法を考慮。発表時に聴衆が読めないものを提示するのは意味がないどころか、ストレスを与える効果しかない。「小さくて見えにくいかもしれませんが・・・」と発表中に言うのは「最大限読める様に努力して提示してから」言うべきである。大きい表なら、読めるようなサイズにして分割して貼り付けてもよい。

@発表するときtips
・必ず1人で全体を通して「時間を測定して」予行練習の喋りを行う。声に出すことでスライド作成時や黙読時には気づかなかった誤字、脱字、論理の飛躍、等々に気づく
・自分が聴衆の1人だとして、「なにをいっているのか分からない」項目やスライドは大胆にカットした方がよい場合もある
・オペ室のマスクは必ず外して喋る
・全員に聞こえる音量で話す~内容がどんなにまとまっていても、耳をすまさないと聞こえないのでは、それだけで聞く気がなくなる人も出てくるし、作成に要した努力は水泡に帰す
・なるべくゆっくり話す
・喋り原稿はあってもよいが、可能な限り「スライドを見て話せるようにスライドを作る」ことが重要。
・聴衆はその時になって初めてスライドを見る。スライドを読むだけで精一杯。提示されていない余計なことを説明すると気が散るおそれがある。スライドにないことを喋ろうとして読み原稿のどこに書いてあったかを探して時間を浪費してしまったり…それによって本当に伝えたいことが伝わらなくなる
・発表内容にどれくらい興味や関心を持つ人がいそうか、を想像する。聴衆に、発表内容に関連する研究をしている人や造詣が深い人がいたら、「そういうテーマに当たってしまった」と、入念な準備の下に覚悟を決めてやる必要がある

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今日で大学院生生活が始まってマル1ヶ月経った。
はっきり言って殆ど進歩がない。マイクロピペットのメモリの読み方と使い方は取り敢えず覚えた。あとは、何をすると癌細胞たちがコンタミの洗礼に遭うかもおぼろげながら分かった。培養ディッシュの癌細胞を継代するときに、どの位PBSとトリプシン処理をすれば培地から細胞が剥がれるかも、今扱っている癌細胞については何となく感覚がつかめてきた。
しかし、週1回のミーティングの際に飛び交う単語や略語や実験手技、試薬などについては未だに殆ど理解できない。手元には自分で検索して読んでみたもの、ボスからのギフトなど、計25の英語の原著・総説論文がある。どの論文も「discussion」で何を言いたいのかはおぼろげにわかるのだが、「method」の部分を読んでも、「~~を調べるために~~の実験をした」というところがまだ、さっぱりつかめない。1つの論文あたり15分くらいでささっと読むもんだ、と入学して2週間くらいでボスから指導(?)を受けたが、未だに15分じゃabstractも読みきれない。
さっぱり分からない上に、大学院の4年間でどこまで行けるのか、というかどこが目的地なのかもまだ分からないが、自分がこれまで働いていた病院の隣の建物で、これほど私に理解できない世界が広がっていたのか、ということが感動に値する事実であった。今はわけが分からなくても、そのうちにきっとちょっとずつわけが分かってきて、自分で何が問題なのか、これを調べたら面白いんじゃないか、と思える日がくるような妄想に近い予感だけはするのが不思議。もがき方が適切ならば、事態は恐らく好転してくる筈である。

Stressed or bored (ストレスを選ぶか、退屈を選ぶか) (ようこそ私の研究室へ ― 黒田達明 p.125)
である。

しかし、夕飯が23時位になってしまうのは、何とかしないといけない。後は走る時間を何とか確保しなくては。学生生活が再開したからといって、体重まで大学生の頃と同じ(今の体重+9kg)になるのは、是が非でも避けたいところ。

2011年2月24日木曜日

(雑) in Pacifico Yokohama (集中治療医学会 day 1)


集中治療医学会に参加するために東横線に乗ってパシフィコ横浜に行く。平日だというのに大勢の医師・看護師・臨床工学技師がいる。それぞれ職場から「行ってきていいよ」と許可されて来ている人たちの集まりである。発表者でなければ、パチンコに行こうがスパに行こうが咎められないであろうにも拘らず、何百、何千という人たちが一堂に会し、何らか知恵や知識を吸収しようとする姿勢に一人感動する。
 
メリトクラシー(meritocracy)というのは、努力するものに報いる制度である。それは誰でもその気になれば努力することができるということを前提としている。しかし、「その気になれば」というところに落とし穴がある。というのは、世の中には、「その気になれる人間」と「その気になれない人間」がおり、この差異は個人の資質ではなくむしろ社会的条件(階層化)に深くリンクしているからである。(内田樹 知に働けば蔵が建つ p64)

この文脈で言うと、おそらく私が学会会場で見かけた人々は、社会的条件に多分に恵まれた人々である(本人が意識しようとしまいと)。1-3時間の教育講演やシンポジウムに言葉を発することもなく、物音も立てず、じぃぃっと演者の言葉やスライドに耳や目を集中させることが、少なくともこの瞬間においてはパチンコやスパに勝っているのである。たとえ演者の話が途中で迂遠なものになり、初心者向けの講演と言いつつ無闇に略語を断りなく使い出し、「発表スライドの推敲してないだろ、もしかしてやっつけ仕事なのか?」とスライドの誤字脱字が妙に気になりだし、白背景に黒字のシンプルなパワーポイントに妙にイライラして、なぜか文字のフォントも小さく、箇条書きであるべきところがだらだらと数行に渡る文章になっていてアカデミックな内容であるか否か以前に発表の仕方をもう少し工夫して欲しいと僭越ながら思ってしまったり、仕舞いには「この演者は自分の語る言葉にどれくらいの情熱を傾けているのか」について懐疑的になってきたとしても、その場に座り続けることを選んでいるのである(それは私だけかもしれないが)。
自分が何かもの申すときは「時間×その場に居合わせた人の数」分の時間を、ありがた~く頂戴して喋っているのだ、ということに改めて思いを馳せた1日だった。

2010年10月22日金曜日

(雑) 臨床麻酔学会のための予演会

予演会というのは、「学会発表の前に行う自施設内での予行演習」です。本番同様の時間で、本番を想定して喋ります。本番を想定して質問してくれるありがた~い先輩・同僚・後輩医師がいます。

そして何回やっても緊張します。

自分なりに数カ月かけていろいろな論文を読み、考え、それを1枚のポスターに集約させる作業を行ってきました。ですが、症例報告の場合、「その症例を経験し、過去の論文にあたり、その結果どういうメッセージを発信するのか」が非常に重要です。それが全てといってもいいでしょう。私が苦悩したその部分にずばりと切りこんで質問を投げかけて下さった先生には本当に感謝です。と同時にその「要約力」に感服しました。おかげさまでもうちょっとだけブラッシュアップできそうです。

2010年7月31日土曜日

FD(faculty development)研修

実は一週間前から非常に憂鬱だった。今は無事に終わってほっとしている。ずっと続いていた咽頭部の圧迫感が漸くとれた。

というのも大学の教員研修があったからである。
研修内容は学生の教育体制のこの10年ほどの変遷、今後のカリキュラム内容の変更点、研究倫理やスキルスラボの説明などなど、多岐に渡っての座学がメイン。はっきり言って寝てようが内職してようがお構いなしに話は進んでいく。参加されていた他のDrたちの様子をちらちらと伺っていたのだが、論文を読む人、居眠りする人、まぁ推して知るべしと言った所。学生はよくもまぁ1日座って講義を受けられるものだ。講義内容に魅力や関心がなければ寝るのは教員であるDrも一緒なのだから、学生にあんまり強くいろいろ求めてはいけないのである。私は折角の休日の土曜日を潰して参加して悔しかったので、面白い話がないかと思い「聞く」のではなく「聴い」てみた(飽くまで集中力の続く限り)。
そんな中で唯一、参加者が能動的に参加するのが「micro teaching」。5人の小グループに分かれて1人5分のミニ講義をする→録画した講義の様子を自己評価する→評価者4人からのフィードバックを受ける、といういかにも欧米人が考えそうでかつ日本人が、否、私が苦手な演習である。これまで何度か看護師さんや研修医にレクチャーする機会はあったし、学会発表もしている。人前で話すのは慣れているといわないまでも経験を積んできたのだが、直接「評価される」のを目的としたプレゼンは初めて。だからこの1週間憂鬱だったのだ。あ〜仮病使って休めばよかった〜と講義を受けている間何度も思ったがお腹も痛くならないし鼻水も出てこないのである。
終わってみると、1番ためになったのがmicro teachingだった。自分の声のトーン、話すスピード、身振り手振り、聴衆へのアイコンタクトなど自分のプレゼンに対して勉強になった。それ以上に上手にフィードバックをするトレーニングをすることの難しさやトレーニングの必要性を実感できた。


・講義の形態は1000年変わっていない
・生き残るのは「環境に適応した動物」である
・明日の医療を創りたい!
・臨床実習前のCBTは320問を6時間。12000問のプールから出題。
・学生の指導は回診時の余談でもよい、学生は無視されることを忌み嫌う
・答えられない場合は答えを誘導する。答えられるレベルまで問題のレベルを落とす
・学生は時間延長した部分の講義は聞いていない
・講義はフローがはっきりしていることが大事
・パワーポイント:白の背景、1枚8行まで、色は3色程度まで
・問題:想起レベル、問題解釈、問題解決能力
・管子「ある男に魚を与えれば、その男は魚を一回だけ食べることができる。その男に魚の取り方を教えれば、残りの一生の間、魚を食べることができる」
・臨床実習の原則:最初にルール決める。現場ですぐに言わないと大変なことになることから教える。原則、基本を教える
・指導の禁止事項:プライドを傷つける、比較する、範囲を広げない、メンタルヘルスへの過剰介入
・成人学習理論(Andragogy)
 ・目標と必要性の開示を求める
 ・目の前に解決すべき問題があると意欲が高まる
 ・自分のペースを守ろうとする
 ・自己の経験に基づいて理解しようとする

<自分のプレゼンから学ぶこと>
・時間に対して分量が多い、もっと絞れば話すスピードがゆっくりにできる。Less is More
・イントロで「この話を聴こう」という動機付けはできていた
・身振り手振りは効果的であった(これは自分としては体をゆらゆら揺らしているように見えて気になったところだったので、意外だった)

<micro teachingから>
・フィードバック内容は要点を絞って伝える。よいところ→改善点の順に
・相手に受け入れてもらえるような環境をつくりだす
・身近な例え話を話の頭に持ってくるのはテクニックとして有用
・声のトーンで強弱つけて、強調できたらよさそう
・大事な点はスライドで書いてあっても、スピーチでも繰り返す。特に何度も繰り返して話すとよい
・情報に序列をしっかりつけると理解が進む

2009年10月30日金曜日

第29回臨床麻酔学会 in 浜松(day 2)

今日は6時半に朝食をとり、10時から自分の口演発表。口演は初めてだったため緊張してやや早口になってしまったが、いい経験になった。次回に生かそうと思う。

齋藤孝先生の講演を聴くことができたのは何よりも収穫であった。
・上虚下実(上半身をやわらか~くして臍下に力を入れる)
・上機嫌 意味もなく。年を取ればとるほど。
・男は40歳過ぎたら普通にしても不機嫌に見える
氏の体から出るオーラはまさに上機嫌であり、聴衆を一体化する力には敬服した。同じことを違う人間が語ったとしてもああはならないだろう。日本語は言葉自体に魂が宿っていると説明していたが、語り部が重要な要素であることは間違いない。