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2019年3月28日木曜日

下肢の末梢神経ブロックについてのレビューなど

RAPMの2月号なので、もう読んでおられる方もいるかと思いますが、今現在無料でアクセスできます。


下肢の皮膚、筋肉、骨の神経支配についてのきれいな図、ブロック施行時に局麻に添加するadjuvantのEBM、LASTへの対応など盛りだくさんの全38ページのレビューです。無料で読めるとはすごい太っ腹。来月行われるJ-RACEの対策にも使えるかもしれません。

***
第3回タイカダバーハンズオンセミナーに参加してきました。X線透視下/超音波ガイド下神経ブロックなどの手技の修行を、カダバーを利用させていただいて行える稀有なセミナーです。

https://www.jpcit.jp/event_20190307-10_3rd-cadaver.html

私はbasic courseで参加させていただきましたが、椎間板造影、神経根ブロック(腰部、胸部、頸部)、椎間関節ブロック(腰部、胸部、頸部)、大腰筋筋溝ブロック、腹腔神経叢ブロック、ガッセル神経節ブロック、脊髄刺激療法(SCS)、RACZカテーテル手技、DISC-FX手技などについて教えていただきました。

来年も開催予定で、2020年3月5-8日予定のようです。可能であれば来年も参加したいと思います。

***
あとは、第43回東北ペインクリニック学会で一般演題の発表と、北関東甲信越ペインクリニック学会第8回に参加してきました。

一般演題・教育講演その他演題すべてがなるほどなるほど、と勉強になり楽しかったのですが、なかでも東京大学の笠原諭先生のご講演「慢性疼痛に対する俯瞰的評価とペインクリニシャンによる治療介入」が大変興味深い内容でした。
講演の中では、慢性疼痛患者さんにはパーソナリティ障害がある方もおられるため、医療面接のやり方にコツがある(勿論それで全てうまくいくわけではありません、ということも記載させていただきます)、ということをおっしゃられておりました。

推薦図書の1つに以下の書籍を挙げておられましたので、読み始めました。3024円です。

医療スタッフのための 動機づけ面接法 逆引きMI学習帳. 北田 雅子 (著), 磯村 毅 (著)

***
本といえば、

わたしの信仰: キリスト者として行動する フォルカー レージング (編集), Angela Merkel (原著), Volker Resing (原著), アンゲラ メルケル (著), 松永 美穂 (翻訳)

に興味を惹かれて読み始めました。

健康な人は、自分の人生を自由に形作れるのはーわたしたちの足が導かれた広いところを踏破するのはー当たり前のことではないのだと、日々新たに自分に言い聞かせるべきです。別の状態もありえるのだということを、決して忘れるべきではありませんー人生は美しく、完璧な面だけを持っているのではないのです。そのことを常に意識に中に呼び起こすことがとても重要だと思います。なぜならそれによって人生の展望を狭めずにすむからです。 p48

長きにわたって首相をつとめている方が、どのような言葉を発してきたか。その精神が強靭でなければ(強靭という言葉では到底足りないと思いますが)到底つとまらない仕事をしながら、何を考えてきたのか。

最後まで読むのが楽しみな一冊です。

2012年8月7日火曜日

(麻) 久しぶりに経食道心エコーの本の紹介


最近、TEEはご無沙汰なので、ちょっと復習しようと思って買いました。8月号のBritish Journal of Anaesthesiaで紹介されていました。Amazonで5000円ちょっと。200ページちょっとで小さめサイズ。それほど重くないです。

Perioperative Two-Dimensional Transesophageal Echocardiography: A Practical Handbook

Amazonで中身見られますので、興味が有る方は見ていただきたいのですが、カラフルな図が沢山掲載されており、診断やJB-POTで覚えるべき公式やら数値もふんだんにつめ込まれております。これが日本語だったらさぞかし売れるだろうな…という本です。あるいは既にどなたか翻訳中でしょうか?
おすすめです。














2011年10月25日火曜日

(麻) 久しぶりにJB-POTネタ

もうすぐJB-POTですね。

一昨年、英語のJB-POTを受ける際には原著の方にお世話になった、「Perioperative Transesophageal Echocardiography Self-Assessment and Review」の邦訳が出たんですね。


「周術期経食道心エコー図―効率的に学ぶために」(真興交易医書出版部 (2011/10))
Amazonでは今日現在品切れのようですが。

邦訳の価格を見てぎょっとしましたが、原著も1万円くらいすることを考えるとお得かもしれません。私自身はこの問題集で間違えまくって暗澹たる気持ちで受験したのですが、何故か合格できました。
邦訳なら勉強が捗るでしょうね。
私がもう一度JB-POTを受けるならばこの本は「買い」です(勿論日本語訳が正確であれば、ですが。注:訳された先生方にケチを付ける意図ではなく、試験問題において「~は上昇する」とか「~は減少する」とかそういうところが誤訳だったりするとクリティカルになるので、すべての翻訳の本においてそれを懸念しての発言です)。が、本番の問題傾向が、問題集と異なっても泣き寝入りするしかないのですが。

2011年6月17日金曜日

(麻) TEE操作に役立つロードマップ

もう既に有名なのかもしれないが、「TEEロードマップ」で検索すると見ることができる、このマップは素晴らしいと思う。今、非常勤でお世話になっている病院の麻酔科の先生に先日、「すごいでしょ」と見せていただいたのだが、確かに凄い。これ1枚で経食道心エコーで迷子になったときに、どこに行ったらよいのかすぐ思い出せる。

多分、術中に心臓外科医に「早くT弁見せてよ」と初心者が言われたらビビッてこれを見ている暇はないだろうが、麻酔導入後の心臓スクリーニング時に(初心者レベルの私が言うのもなんだけど)麻酔科研修医を教育するのに効果を発揮しそうである。循環器内科の先生にも有用かも。
初めて経食に触れる頃って「知識の棚」が全くないから、棚を作成するためにはこのようなマップがあるといいんだろうなぁ。

そういえば心臓外科の麻酔はもう3ヶ月もしてないなぁ。「しばらく車の運転してないなぁ」と暫くぶりにする車の運転、と同じレベルで経食が使えるかどうかはよくわからない(とか言ってるとまた緊急で来たりしかねないのでお口にチャックだな)。

2011年5月3日火曜日

(麻) 知らないことがクライシス

3連休初日。
大学に向かう朝の電車が空いていて、とても快適である。
結構社会は暦どおりに動いているものなのだ、ということを実感する。


***
Anesthesia & Analgesia 2009; 108:1463-4
のEcho Roundsより。
実験の合間にちょうどエコーの勉強会を医局でしていたので、レジデントの先生の発表を聴く(月曜日の話)。

取り上げられている症例は心内カルチノイド腫瘍の切除と三尖弁置換術なのだが、PFOを合併し右左シャントがある。カルチノイド腫瘍→右心系病変 の思考回路は国試レベルで散々刷り込まれているが。以下メモ。

・カルチノイド腫瘍にPFOが合併しやすいと言うことはないようだ。少なくともpubmedでは引っかからない。
・有病率は1-2/10万人
・麻酔上の問題点として気管痙攣や、稀に心筋内腫瘍(本症の中でも4%程度。症状があるのはその内の20%)、carcinoid crisisがあるらしい。

さらっと書いたが、carcinoid crisisとは

However, tumor manipulation may, by massive release of mediators, trigger an acute, potentially lethal carcinoid crisis. (下の<1>より) 

というようにセロトニン、ヒスタミン、ブラジキニンのようなメディエーターが手術侵襲・腫瘍操作により大量に放出される恐ろしい病態のことらしい。
鎮痛はがっちり、ヒスタミン遊離するような薬は使わないほうがよさそう、ソマトスタチンアナログは歴史的には推奨されてきたがエビデンスには乏しいようだ、カルチノイド腫瘍患者にはPACを無闇に入れてはいけない(無症状だが心内腫瘍が隠れているかもしれないから)、などが収穫か。
ざっと見しかしていないが、英語で得られる麻酔領域の最近の論文はないようである。


<1>Somatostatin Does Not Prevent Serotonin Release and Flushing during Chemoembolization of Carcinoid Liver Metastases. Anesthesiology 2003; 98:1007–11
<2>Carotid Crisis during Anesthesia: Successful Treatment with a Somatostatin Analogue. Anesthesiology 1987; 66:89-91
<3>Remifentanil and anaesthesia for carcinoid syndrome. Br J Anaesth 2004; 92:893-5.
<4)カルチノイド症候群の麻酔経験. 麻酔 1993; 42:1047-52.

このような腹腔内腫瘍で、開腹術が必要な患者さんがきたら、
・心不全の有無チェック。エコーの依頼はcase by case。術中TEEもcase by case
・麻酔導入~術中はremifentanilのみで鎮痛。挿管時もがっちり鎮痛して気管痙攣に備える。腫瘍への操作が終了する術終盤から術後にかけて硬膜外を使用(ただし血圧が下がらない程度に)。モルヒネやペチジンは使用しない
・ソマトスタチンアナログの使用は・・・相談。

かなぁ。

追記(20110614)
レヴューが掲載されている。
Carcinoid syndrome and perioperative anesthetic considerations. Journal of Clinical Anesthesia (2011) 23, 329–341

要約
Carcinoid tumors are uncommon, slow-growing neoplasms. These tumors are capable of secreting numerous bioactive substances, which results in significant potential challenges in the management of patients afflicted with carcinoid syndrome. Over the past two decades, both surgical and medical therapeutic options have broadened, resulting in improved outcomes. The pathophysiology, clinical signs and symptoms, diagnosis, treatment options, and perioperative management, including anesthetic considerations, of carcinoid syndrome are presented.

2011年4月26日火曜日

(麻) TEEの安全性

Progress in Perioperative Echocardiography: Focus on Safety, Clinical Outcomes, 3-Dimensional Imaging, and Education(Journal of Cardiothoracic and Vascular Anesthesia)
をぱらぱらと読む。Google Scholarの「アラート機能」は本当に便利である。キーワードを登録しておくだけで、受動的態度でも論文がメールとして送られてくるのだから。


・n=80の単一施設研究では以下のように、TEEプローベ挿入時に、喉頭鏡を使用することで合併症が減少。
odynophagia (嚥下痛。2.5% v 32.5%, p<0.05)
oropharyngeal mucosal laceration (5% v 55%, p<0.05).
・10000例以上を解析したオーストラリアの研究では胃食道穿孔は1/1000の頻度。穿孔した際の死亡率は21.4%。


他にも色々興味深いことが書いてあるが、上記のような記述を見るたびに、盲目的なTEEプローベ挿入はあり得ない、という思いを新たにする私。だが、培養dishの腫瘍細胞と睨めっこする毎日のため、TEEをやる機会も激減している。JBポッターの資格を、もしかすると返却しなければならないのではないかと、びくびくしている今日この頃である。

しかし、培養dishの癌細胞はなぜ細菌や真菌に負けてしまうのだろうか。sepsisになった患者さんの癌が消えた、なんて話はついぞ聞いた事がないが。

2011年1月5日水曜日

(雑) 英語とJB-POTと

仕事初め、がいつの間にか終わっていました。

今日嬉しい知らせを聴きました。
何と当医局でJB-POTTERが2人新しく誕生したのです!素晴らしい!流石!!あの忙しい臨床麻酔の日々でよくぞ合格しました。本当に凄いことです。
一説によると麻酔専門医試験よりJB-POTの方が難しいらしい。今回JB-POTTERになった2人は専門医にも楽々合格ですね。

ということで、今回の当医局のJB-POTの合格率は100%でした。JB-POTに受かりたいという奇特な方は是非当科での研修をお勧めします。(ってことにはならないか?)

***
「英文の読み方」(著:行方昭夫)を読んでいます。本の序盤で紹介されている数行の文学作品の抜粋ですら、???となり、自分のあまりの読解力の無さに愕然とします。単語力が圧倒的に足りないのも、理解を妨げる原因なのでしょう。ですが私の場合、一単語一単語の訳が大雑把なために、文章としては「ピンぼけ訳」(同p.69)になってしまっているようです。面倒でも一語一語の訳を吟味しながら精読をするように心がけていくのが上達の近道であるようです。

2010年6月14日月曜日

ゆーみん

で1番好きな曲は「ベルベットイースター」である。
ちなみに「あの日にかえりたい」もよい。
私には「帰りたいあの日」は取り敢えずはないが。

それはさておき、UMINである。
大学病院に勤務しているため、臨床研修医の評価をする必要があるらしい。そこで「ゆーみんのID」を訊ねられた。
はて?なんのことかさっぱりだったが、古の記憶を呼び起こしつつ、検索をかけたり、UMINにメールで問い合わせてみると、確かにあった。自分のIDが。しかしIDだけでは中途半端。パスワードも再発行してもらおうと思ったが、手続きを見てみるとプライバシー保護の名の下に面倒な手続きの数々(実際に必要な処置ではあろうが)。単純な事務作業ほどめげ易いものはないということを再確認した1日だった。

***
「ちょっと高級なブティックに行く」というミッションは、私にとっては「フルストマックのBMI40の喘息を合併した消化管穿孔患者の麻酔」よりも緊張するものだということを知った。池袋東武にいくといつも道に迷う。今日も4時過ぎに目が覚めてしまったのはそのせいかもしれない。

***
今日の正午から第7回JB-POTの受験受付が開始されている。
http://www.jb-pot.com/exam/guide.html
7月30日までで締め切るようだが、例年それより早く応募者がいっぱいになって締め切られている。「受験料30000円、キャンセルしても返金なし」はいつもとおんなじ。今年は渋谷のようだ。

2010年5月22日土曜日

ASA/SCAによる周術期TEEガイドライン2010

1996年のガイドライン
http://journals.lww.com/anesthesiology/Fulltext/1996/04000/Practice_Guidelines_for_Perioperative.29.aspx
このたび改訂された2010年度版
http://journals.lww.com/anesthesiology/Citation/2010/05000/Practice_Guidelines_for_Perioperative.13.aspx

エビデンスレベル
カテゴリーB:中等度の強さの根拠がある              
レベル1:ランダム化を伴わないがコントロールを伴うコホート研究
レベル2:コントロールを伴わない比較試験
レベル3:ケースレポートも含む(後ろ向き研究)

前書きとして以下が記載されている。
・臨床家や患者の手助けのために作成されているが、個々の施設の方針を変更するためのものではない
・ガイドラインはスタンダードや絶対条件となることを意図しておらず、特定の予後を保証するものではない。

心臓血管手術でのTEE
推奨
・禁忌がなければTEEは成人の開心術(特に弁疾患),胸部大動脈手術全例に使用するべきで,CABGにも使用を考慮するべきである。
(1)術前診断の見直しや確定
(2)術前に見つかっていなかった病変の検索
(3)麻酔と手術計画の練り直し
(4)手術の結果の評価
・乳幼児に対するTEEの適応は患者特有の問題(気管閉鎖症など)があり,case by caseで判断すべきである。

カテーテルによる心臓治療でのTEE
文献
・カテーテルを適切な位置に誘導するモニターとして、特に全身麻酔で手術を受ける患者では、TEEは有用であろう。また、心内シャント閉鎖術や、弁手術、電気的焼灼術等でも有用だろう(B2)
・術前に予測していなかった病変の検索にもTEEは有用だろう(大動脈基部膿瘍、心房内血栓、心房中隔瘤、心内シャント、弁の石灰化・逆流、壁運動異常、タンポナーデ) (B2)
・心嚢液貯留の検索にも有用だろう(B3)
意見
・ASAメンバーや専門家の意見では、不整脈治療に対するTEE使用の有無ははっきりしていない。

非心臓手術のTEE
文献
(1)脳外科手術での静脈内空気塞栓と卵円孔開存(B2)
(2)肝移植手術時の心嚢液貯留や心腔圧迫の検出(B3)
(3)整形外科手術での心内血栓やPFO(B2)。またMR、LVH、LVOTO(左室流出路閉塞)の評価(B3)
(4)血管外科手術での左室壁運動異常、大動脈病変、心房内腫瘤(B3)
(5)ASD、心虚血、脱水、心タンポナーデ、血栓・塞栓イベント(B2)。他の手術での、心嚢液や肺内塞栓子の検出(B3)

ASAメンバーや専門家の意見
・心臓・肺・神経合併症を引き起こす恐れのある心血管病変が分っている患者にはTEEを使用すべきである。
 ①説明のつかない高度低血圧―strongly agree
 ②生命を脅かす循環の破綻時―strongly agree
 ③説明のつかない低酸素血症―agree
・肺移植、胸腹部の外傷―agree
・腹部大動脈瘤や肝移植―専門家はagree、ASAメンバーequivocal
・大動脈の血管内治療、座位脳神経手術、経皮的心血管治療(大腿動脈ステント留置など)―ともにequivocal
・整形外科手術 ― ともにdisagree

推薦
・術式や術前の患者特有の合併症により「手術中に高度の心・肺・神経合併症を起こす可能性」がある場合に使用されるべきであろう。
・もしTEEとそれを扱う専門家としての知識があれば、生命を脅かすほどの治療抵抗性の循環破綻が起きた際にはTEEを使用すべきである。

集中治療領域
文献
・予想と異なる術後経過を辿るときTEEで見えるもの:弁逆流、大動脈・僧帽弁疣贅、大動脈解離、心臓内腫瘤、タンポナーデ、左右の心室不全、脱水(B2)
・術後の異常の発見:大動脈基部膿瘍、心膜血腫、胸部大動脈のdebris、LVH、左室壁運動異常(B3)
意見
・経胸壁心エコーや他のモニターで診断がつかないような患者の診断をするとき―strongly agree
・説明のつかない低血圧が持続するときーstrongly agree
・説明のつかない低酸素血症が持続するときーagree

TEEの禁忌
文献
・観察研究では、TEEの使用によって、稀だが以下のような合併症があるとされる。
  食道穿孔、食道損傷、血腫、喉頭麻痺、嚥下困難、歯牙損傷、死亡(B2)
・しかし禁忌かどうかを評価するのに足る研究が不足している(D)
意見
・食道切除後、食道胃切除後以外に絶対禁忌があるかについては意見が分かれている
・「他に絶対禁忌がある」とする人々が主張する絶対禁忌の病態
 (1)食道狭窄 (2)気管食道瘻 (3)食道手術後 (4)食道外傷後
・以下の病態は絶対禁忌ではない
 (1)バレット食道 (2)食道裂孔ヘルニア (3)巨大下行大動脈瘤 (4)片側声帯麻痺
・食道静脈瘤、放射線照射後、肥満症手術後が絶対禁忌かは意見が分かれている
・ツェンカー憩室、結腸による再建術後―専門家はagree、ASAメンバーはequivocal
・嚥下困難―専門家はequivocal、ASAメンバーはdisagree
推薦
・口腔、食道、胃に病変がある患者では利益がリスクを上回るときに「適切な予防措置を講じた上で」使用されるべきかもしれない。
・予防措置とは…
 ・他のモニターを使用する(epicardial echoなど)
 ・消化器科医へのコンサルト
 ・より小さいプローブの使用
 ・TEE検査範囲を制限すること
 ・不必要なプローブ操作を行わないこと
 ・熟練した者がプローべを操作すること

***
http://fragilemetalheart.blogspot.com/2009/10/advanced-tee.html
で聴いた内容を思い出した。
臨床家である以上ガイドラインは知っていたほうがよい。
術前評価のときにそれを根拠として、TEEが絶対必要なのか、あったほうがいいのか、または合併症を避けるために不必要なのか、をある程度の自信をもって他科の医師に助言できるからである。そうでないと「目の前の患者にTEEは使ってよいか?重度のMRがあるが、食道裂孔ヘルニアを合併している。自分の経験と感覚からすればTEEを使ってもよいような気がするけど、ほんとにいいんだろうか?一応文献をあたったほうがいいんだろうか?」という問いに患者ごとに毎回多大な時間をかけて答えなければならない。残念ながらそんな時間はないことが多い。特に心臓の緊急手術時は殆どの場合、上のガイドラインを鵜呑みにすれば「TEEの絶対適応」になるだろうから、その患者の合併症評価を瞬時に済ませなくてはならない。TEEのリスクとベネフィットを天秤にかけるのが麻酔科医の仕事。

TEEで病態の評価や診断をしなくちゃと躍起になる前に考えることがある。
そのプローべを食道に入れていいのか、悪いのか。

2010年4月18日日曜日

(麻) LVAD(left ventricular assist device)はいつも突然やってくる

ということですぐ思い出せるように記す。

LVAD挿入時の経食道心エコーでのチェック項目

1. 装着前
・卵円孔開存:カラーレンジ30-40cm/sにおとして観察
     LVADが機能し始めるとLA圧はほぼゼロに→R-L shuntになり奇異性塞栓の危険あり
・AR: LVAD機能後にLVに血液逆流、ポンプの回転数増やしても全身への拍出増えない
  左心不全患者ではLVEDPの上昇と拡張期血圧の低下のため、ARを過小評価する可能性あり
・MS: LVADへの血流が制限される
・MR:離脱の可能性や十分な容量負荷が必要になる症例であれば、中等度以上なら修復必要。
・心腔内血栓:左心耳とLV心尖は血栓が生じやすい
・大動脈アテローム
・RV機能障害:RVが動いているかとTRの程度.術前にmoderate TR以上なら右心不全の増悪因子になるので修復術するべき
 4CのRV面積駆出率が20%以下であれば心肺後に右心不全を起こす可能性が高い

2. 挿入時
・脱血カニューラのポジション:心尖部中央かつMVから離れていること(4Cか2Cで確認)
・空気除去:装置内やカニュラ内にも空気あることあり。大量空気で必ず下行大動脈に空気見えるのでチェック。

3. 装置の駆動
・ RV機能評価
・ PFO
・ ARの有無

4. バイパス後
・ 低ポンプ流量の鑑別診断
  ・低容量:左室が十分減圧され、かつ完全に虚脱してなければ前負荷は適当。
  ・タンポナーデの有無、胸水の貯留の有無
  ・RV不全:TRの評価。右室拡大の程度、心房心室中隔の偏位。右心機能が低下していればLVADの前負荷低下とoutput減少につながるためnRVASも必要  
  ・脱血管と送血管の閉塞:脱血管(心尖部のインレットカニューレ)は僧房弁から直線的であることを確認。アウトレットカニューレが適切に開口していることも確認。
  ・肺塞栓

・mCVP 10-15mmhg, sPAP 15-30mmHgを目標に管理
・CPB離脱時にはドパミン5γ程度、ノルアドレナリン0.1-0.5γ程度で昇圧。容量負荷をゆっくり行う
・PHに対してはPDE3阻害薬やNO吸入
・離脱後の尿量低下にはANP使用
・術後抗凝固warfarin 2.5-4程度

LVAD離脱可能かの判定
・へパリン300u/kgを投与して施行
・DOA,DOB10γ以下でsBP90<, CI 2.0L/min/m2以上の維持が可能か
・ポンプ停止15分で臨床症状の変化なし、TTEでLVDd55mm以下、LVEF40%以上
・右心カテーテル挿入下に心肺運動負荷試験を行う方法も

参考文献
・補助循環マスターポイント102(改訂2版). MEDICAL VIEW. 2009
・実践周術期経食道心エコーマニュアル. エルゼビア・ジャパン. 2006
・慢性心不全患者の麻酔. LiSA 2009年3月号
・周術期における補助循環. 臨床麻酔 2010年4月号 p.701-707

2009年12月9日水曜日

第11回TEE講習会の募集開始

12月7日から心臓血管麻酔学会会員向けに上記の募集が始まっている。
講習会は3月6日と7日の2日間。参加費は20000円である。
非会員は12月21日から応募でき、参加費は27000円である。ちょうど学会年会費1年分だけ高い。
この講習会は私も過去2回参加したが、集中力を保ったまま最初から最後まで聴講するだけで相当な体力を消耗する。一晩中大動脈弓部置換の麻酔をやった後のような。だが、目的意識があれば(JB-POTに受かりたい、とか自分のTEEで患者さんの予後を少しでもよくしたい、など)非常に得るものが大きいと思う。今回は1日目の最後のセクションにJB-POTの過去問を解く時間もあるようだし、興味があれば積極的に参加したほうがよさそうである。

EGO WRAPPIN' の名曲「色彩のブルース」を愛聴して久しいが先日ベストアルバムが出ていることに気づいてレンタルしてみた。タイトルは「BEST WRAPPIN' 1996-2008」で二枚組。アップテンポな曲が多い「ヤルキ盤」とムーディなゆっくりめの曲が多い「セツナ盤」という分けられ方をしており、気分に合わせて変えられるところが嬉しい。

2009年12月5日土曜日

第6回JB-POTの結果が返ってきた

合格できていたのでほっとした。

文章問題 51/80 (63.75%)
ビデオ問題 26/40 (65%)
総合 77/120 (64.1%)

受験用に使用していた問題集「Perioperative Transesophageal Echocardiography Self-Assessment and Review」のあまりの正答率の低さに今年は記念受験になるかな、と半ばあきらめていただけに嬉しい結果となった。

確か昨年はクリスマスのころに結果が返ってきたので今年は合格通知が早い。相対順位は142位と昨年より落ちたが、ビデオ問題の得点率が上昇した。3~4週間に1回位でしか心臓外科の麻酔を担当する機会がなかったが、少ない機会でもきちんと計測したり記録したりしたことが少しは結果に反映されたようだ。少しでもadvanceに到達できるように努力していこう。英語での試験問題にもついていけたことは自信にしよう。

2009年11月17日火曜日

ろい

リスクがある患者さんの麻酔の前日に眠れないことなど今まで殆どなかったが(むしろいつも熟眠でき過ぎていて困っていたくらい)、日曜日の夜は寝つきが悪かった。そして寝ても何度か目が覚めてしまった。
それというのも僧帽弁形成術の麻酔の担当になっていたためである。TEEで逆流の機序や部位を外科医に正確に示すことで術式の最終決定に大きな役割を果たす。その責任は大きい。そして人工心肺離脱後の逆流の評価、逆流があった場合のsecond runの提案、各種カニューレ抜去後の新たな心臓・大動脈の異常の有無、LVOTO出現の有無の評価等非常に重要な任務が麻酔担当医に課せられる。

手術室で珍しく循環器内科の先生たちと話をすることができたが、ともにTEEを見ながら「ロイを広げてみてください」と言われ「???」理解不能で固まる私。ロイってなんですか?と聞くとなんてことはない「region of interest: 関心領域」のことであった。
普段私の周りで使われない略語だったが、循環器内科ではよく使われているのだろう。自分が何気なく使う言葉―研修医や患者さんに―も相手の立場にたって用いる必要性を感じる一日であった。

2009年10月29日木曜日

advanced TEE

advancedになるためには以下の4項目が重要
・術後評価がしっかりできるように
・術前評価を見直す
・定量的評価ができる
・幅広い病態を評価できる

TEEを安全に使用するために
・ACC/AHA/ASE 2003 guidelineに準拠して、
 適応を自信を持って提示できるようにする

TEEの合併症を避けるために
 ・術前評価で嚥下困難、頚部病変、放射線治療、ステロイド歴、
  心拡大、左房拡大、大きな胸部大動脈瘤などの評価
 ・長時間のCPBは消化管出血のリスク
 ・TIS < 1 を維持。必要ないときは画面はfreezeに。
  特に低体温中は注意。
 ・食道裂孔ヘルニアは禁忌ではないが注意。
 ・経胃でupかけて…と思ったら実は食道内でもupかけながら
  動かしていた、などとならないよう愛護的に。
 ・TEE挿入時は十分なゼリー。
  左手でjaw lift(口に手を入れて十分持ちあげる)し、
  probe先端に思いを馳せながら。
 ・TEE抜去後はprobe先端に血液付着等の異常がなかったか
  麻酔記録に残す。

その他の知識の復習
・ASDは位置によって脱血管の位置などが異なるので注意。確認。
・VSDは傍膜様部近くは刺激伝導系が通る。
・大動脈解離。エントリーは必ず偽腔の上流。
  7割は上行大動脈前右側。
  弓部を観察するには0°のままupしていく。
  使っても軽くanteflexのみ。
・MR。全麻下では過小評価する。
  CPB前後での相対的な逆流量もチェック。
・大動脈二尖弁。AVR後も拡大することあり。
  小さなARでも手術適応のことあり。

2009年10月28日水曜日

第6回JB-POTの動画問題覚え書き

試験時間は103分程度、30症例 設問は40問
私は英語で受験したために、そもそも問題を読み誤っていた可能性があります。ご了承下さい。

1.僧帽弁。ProlapseしているのはA1~P3のどれ?
2.ファロー四徴症
3.RWMAの場所、責任動脈
4.AVP後のperivalvelar leakageなど
5.全身空気塞栓の可能性が高そうな動画はどれか。5つの動画から
6.PACを進めている画像
7.心タンポナーデの場所、古いものか新しいものか、肝静脈波形は?
8.ASDの型(二次孔欠損かcoronary sinus型か、など)
9.VSD
10.TTEのview(どこからみているものなのか)と見えているアーチファクト
   (acoustic shadow, multiple reflectionとか)の組み合わせ
11.ARとAAEの妊婦、何の弁を使用するか、弁のサイズは?
   もしくはDavid手術?
12.CX吻合した後にPFOあり。肝静脈に空気の画像?
13.CAVD+PS診断
14.肝静脈にvenous canulaの画像。その対応は? ⇒ 深いから抜く
15.若年男性の上行大動脈CTにflapあり。TEEでは?
16.大動脈解離のLMT or RCA進展
17.TEEのモニタ設定をいろいろいじっている。(フィルタ、PRF、ゲイン他)
18.LVOTOの診断と治療
19.IABPの位置、LSCAに入っている動画と、いい位置の動画と。
20.人工物の位置と種類
21.ユースタキ弁、クマジン稜、分界稜、
22.IVCの腫瘍、IASにも。
23.OMIによるDCM様のTEE。Simpon法を行っている画像や
   MV逆流の画像など。LVEDP高そう?

受験から1ヶ月半経って、こうやって見直してみると合格ラインに達していなかったような気がしてきた。CHDに関しては普段見たことないからなぁ。筆記問題を通じてもCHDの比率が今回は少し高かった。
エコーの原理に関しては勉強していたとしても難問であった可能性がある問題が多かった印象を受けた。

2008年12月26日金曜日

第5回JB-POTの結果が返ってきた

結果は…なんと合格!!!
本当に嬉しい。
今回は106/253(42%)という合格率だったようす。
ちなみに過去の合格率は
2004年:45%
2005年:60%
2006年:48%
2007年:45%
といった状況なので、例年通りの合格率のようである。
問題の難易度はどのように変化しているかは分からないが・・・。

私は文章題75点、ビデオ59点、総合67点だったので、まだまだ実践が足りないという結果。それもそのはず生涯の心臓麻酔数30例弱で、試験前数か月はほとんどTEEに触っていないという状態。
やっぱりというかartifact問題は2問出て2問とも落としていたし、ビデオでのbasicは3問とも落としていた。
また心外麻酔ができる環境に戻れるので、新年度は臨床力に磨きをかけて、第6回JB-POTも受験したいと思う。
そして忘れてはならないのはあくまでTEEは目的ではなく手段だということ。
ちゃんと使えて、ちゃんと診断して、ちゃんと治療に結び付けられないと意味がない。循環管理に生かせないと意味がないのである。
だからJB-POTに合格したことは自信として、さらなるステップアップを目指していかなくてはならないと思う。

早速"Practical Perioperative Transesophageal echocardiography"を購入。円高で少し洋書が安く買えます。

2008年10月4日土曜日

第5回JB-POTへの道を振り返る

<受験時の状態>
・麻酔科歴1年10ヶ月。
・TEEから遠ざかって5か月。今の病院の手術室にはTEEはない。必要もない。
・人生におけるTEE経験症例は「心臓麻酔も初めて」という状態から数えると20症例ちょっと。
・そのうちJB-POT有資格者に指導を受けたのはほんの数例。

ほぼゼロから出発し臨んだ第5回JB-POTであったが、この4か月(6-9月)を振り返っての勉強法を記す。

主に使った教科書
・青「実践周術期経食道心エコーマニュアル-基本と応用-  エルゼビアジャパン」
・ピンク「第7回経食道心エコー講習会テキスト(2008年3月15-16日、東京)」
  と その講習会のハンドアウト
・紫「周術期経食道心エコー実践法  真興交易医書出版部」
・DVD「Interactive Tee Review: Self-assessment Examination (DVD-ROM) LWW」

1つとしてそれで全てを網羅する完璧!という教材はなかったから、互いに補完し合うように読み進めていった。薄さ、重さ、持ち運びやすさ、それでいて内容が詰まっていると思ったのは「青」が一番か。
もちろん「青」だけでは無理である。また「青」はやや用語の統一がなされておらず、
「青」と「紫」で同じ用語を和訳しているのに違う邦訳である、といったことが少なからずあった(わかってしまえば大した問題ではないのだが)。
私の場合通勤に往復220分かかっていたので鞄の中には常に「青」or「青」+「ピンク」or「青」+「他の資料」が入っていた。しかし満員電車内では「青」すら取り出して読むのが難しい。

…そういうこともあるのでマイノートブックを作成した(TEEブック)。ノートの表紙に何と書くかも考えた。「経食道心エコーなんたら~」とか書くと電車内で非医療関係者に医療関係職であることを悟られてしまうのでは?と思い、結局「TEE」とだけ書いた。
そして学んだことをどんどんそこに書き込んでいった。「超音波の原理」「僧帽弁形成術」と単元ごとにまとめようとするとノートの構成に頭を悩ませるだけだったのでこのページは超音波の原理、このページはAS、という風に一つのページ内に違う項目が入ることだけは避けた。
そのようにどんどん書き込んでいくことで勉強したことを形として残すようにし、後で見返すことができる最低限の体裁を維持するようにした。

一日麻酔をして帰宅すると眠くなってしまう。
そのため、私は家に帰る前によく喫茶店を利用した。
ピンクを読んだり、DVDの問題をノートパソコンで立ち上げて解いたりした。
そうこうすること4か月。
出題アウトラインは一通り網羅することはできたが・・・?
結果はどうなんだろう?

JB-POT受験に使用した本/DVD
―書籍―
◎第7回経食道心エコー講習会テキスト(2008年3月15-16日、東京) と その講習会のハンドアウト
◎実践周術期経食道心エコーマニュアル-基本と応用-  エルゼビアジャパン
・カラー写真で一目でわかる経食道心エコー―撮り方、診かたの基本とコツ  羊土社
○周術期経食道心エコー実践法  真興交易医書出版部
○初心者から研修医のための経食道心エコー―部長も科長もみんな初心者  真興交易医書出版部
○臨床心エコー図学 第3版 吉川純一 文光堂(お高いですが、長く付き合うと思えば安いのかも)
・超音波検査士認定試験問題注解 金原出版(  超音波基礎の勉強に使用。問題のすぐ下に解答が載っているので構成としてはやや難だが、計算問題も豊富に収録)
・心臓外科手術と経食道心エコー―麻酔科医と心臓外科医のBridgeとしてのTEEの役割  克誠堂出版
・心エコー 2008年2月号 心臓手術と心エコー 文光堂
・心臓手術と周術期管理 MEDSI
・A practical approach to Cardiac Anesthesia fourth edition LWW
・人工心肺ハンドブック 中外医学社

―DVD―
◎Interactive Tee Review: Self-assessment Examination (DVD-ROM)  LWW
◎DVDでみる経食道心エコー法アドバンス 南江堂
・TEE on DVD: An Interactive Resource, Version 2.0 DVD

―ホームページ―
○Dr.SONOの公開講座「超音波の基礎」
・女医の仕事&家庭の両立日記 JB-POT-NBE

2008年10月2日木曜日

眠い

今日は夏休み明けで久々にファーストで麻酔を担当。
10日ぶりの職場。まだ私のことは忘れられていなかったようだ。

薬をシリンジに吸ったり、気管チューブをセッティングして麻酔の準備をしているときも何だか現実感がない。
離人症的な感覚に襲われながら、患者を手術室に迎える。
・・・やはりというか硬膜外麻酔に苦戦。18分間苦戦したところでボスを呼んでもらう。
いつの間にか背後に立っていたボスが滅菌手袋を装着しはじめたあたりでloss of resistenceの感触を得た。どっと汗が出る。

肝心の手術と麻酔はというと、極度の低体温にもならず輸血もせずにすみ無事抜管し病棟へ帰る。35kgで入室前からヘモグロビン値が8台の低位前方切除+回盲部切除。って輸血準備しておいてほしいと思うのは私だけ?

まぁめでたしめでたし。

JB-POTグッズもお世話になりました。
ひとまずお休みなさい。

2008年9月29日月曜日

(麻) 第5回JB-POT受験記録

「第5回 日本周術期経食道心エコー認定試験」
JB-POTである。

8時20分過ぎには丸ノ内線淡路町駅に到着。
会場に行くと集中できないと思い近くのcafeで時間を過ごす。
店内には数人のJB-POT受験者と思われる人々が本を広げている。
私は店の外向きの窓側のカウンター席へ。
自分で作成した「TEE ノートブック」と昨日までにまとめた「ポッターメモ」「☆☆☆JB-POT過去問覚え書き」などを最初から見直していく。
・・・・。

飽きてきたので9時20分ごろ会場へI先生とともに向かう。
クロークでバッグを預け、試験場内へ。280人弱が受験するということでずいぶん広いところ。
会議室机(2人分の椅子がそれぞれに設置されている)が並べられており、各々の机には液晶画面(SHARPのAQUOS15インチ)が置かれている。
自分の席に着き、鉛筆が3本、消しゴム、電卓(これもSHARP)が置かれている。
ちょっと寒い。
かばんを預けてしまい、場内には何も持ち込めないので勉強内容を見直すものもなく、 ぼーっとすごす。
いよいよ時間が迫ってくる。

9時50分。
場内前方にN先生が現れる。
「新幹線のトラブルがあってまだ到着されていない方がいるので少し遅らせます」

10時15分、試験スタート。
当初聞いていたとおり午前中はビデオ問題。
1症例ごとに問が1~3題出題される。
液晶画面上に合図が出る
⇒ 問題文を30秒読む
⇒合図ののち液晶画面上にビデオによる症例提示(大体10-20秒くらいか) 
⇒合図とともに60秒の解答時間  
⇒そこで再度同じ症例のビデオが流される 
⇒30秒のポーズ 
⇒次の症例へ
の繰り返し。それが30症例繰り返される。問題は全部で45題出題。
6割というと27/45問正解しなければならない。

来年の自分のために思い出してみると(順不同)
1.大腿静脈からRAまで脱血用のカニューラを挿入している動画。
 カニューラは何本?位置は10cm抜いたほうが良い?
2.大動脈解離(A,B2種類の動画)
  Aは偽腔内に空気だらけ?人工心肺中?
  Bは大動脈クロスクランプ後によく見られる?体位は頭高位である?
3.大腿動脈と腋窩動脈からの偽腔送血の動画
  対応はどうすればよいか?すぐ低体温にすべきか。両側腋窩動脈送血にすべきか。送血量を減らすべきか
4.RAに進展する巨大腫瘤
  腫瘤内に血流がみられる。下大静脈は閉塞している。腎細胞癌か?
5.再弁置換MVR
  Antianatomicalかanatomicalか?スタックしてるのはどちらの弁か?
6.MVP 術後
  起こりうる合併症として最も考えにくいものは?
7.PCPSとIABPが入った患者のTEE
8.A,B2枚のドップラー画像。Bは何の条件をかえたか?
  ベースラインシフト?
9.AMIでCABGとなった81歳女性のTEE
  基部、中部、心尖部どこがhypokinesisかいろんな組み合わせの5択。
10.経胃中部短軸。冠動脈のどこが閉塞している?
  右冠動脈近位、遠位。左前下行枝近位、遠位。左回旋枝
11.僧帽弁逸脱
  交連像でどの弁尖が逸脱(P1だった)してる?
12.LAベントが入っているCPB離脱後の画像。矢印で示しているものはなにか。血栓か貯留型空気かベントか?
13.大動脈解離の画像。2,3の方向から見ている。ドップラーをいれたりしている。
 A,B2つの矢印が表示されて…Aはアーチファクトか、Bはフラップか?のような選択枝
14.人工物がある画像。この画像で…サイドローブはある、多重反射はある、などの選択肢で画像上にどのアーチファクトがあるかないかを問う
15.肺塞栓でショックの画像
 右肺に血栓がある。主肺動脈に血栓がある、はたまた左肺動脈?
 右室は容量負荷である、圧負荷である(画像で鑑別できないと正解できないと思われる)
16.4パターンの動画から…
 循環血液量減少の動画は? アナフィラキシーは動画は? の2連問。 
17.バルサルバ動脈瘤破裂の画像?
 左―右シャントが解答?
18.右房付近の正常構造物。bicaval viewなどでA,B,Cの矢印が画面上に現れて
 キアリネットワーク、ユースタキ弁、右房前壁、分界稜などから正しい組み合わせを選択する。
19.画像上にA,B,Cの矢印が現れて…
 右房、三尖弁、右室、左房、左室、僧帽弁などの組み合わせから正しいものを選択する(ちょっとLAが張ったLA,MV,LVの組み合わせだったような)
 → TGAの画像??そうだよなぁ、普通の組み合わせじゃボーナス問題だもんな
20.PFOの問題
 描出している断面は?(中部食道上下大静脈像) 診断は? の2連問
21.MSで術後の画像
 圧較差は改善している、とかの選択肢で間違っているものを選ぶ
22.大動脈解離でAR
 画像上見られない所見は
 術式は など3連問。
23.術後SAMの画像
 弁尖接合部が前より、後ろより?
 術前のリスクは・・・?
 治療は?(たしか選択肢にβブロッカーがあった)
24.左房近くの大きなエコーフリースペース
 このフリースペースは何か?
 (選択肢の中だと心膜横洞だとおもうんだけど、問題に出てたスペースの場所が
 左房に後ろだったから違うのかな?)
 エコーフリースペース近くの左房内構造物は何か(矢印で示している) 
 (アーチファクトはなかったから空気ではないと思うが…左心耳?クマジン綾?)

筆記編(順不同)
1.3枚の画像で粘液腫と線維腫と、乳頭状弾性線維腫の組み合わせを選択
2.ASD(静脈洞型)の画像で「静脈洞型」を選ばせる
3.AS,LVOTS,ARのドップラー3枚出されて正しい組み合わせを選ぶ
4.MRのPISA計算問題
5.周波数が与えられてて波長を計算する問題。
 5MHzだったら速度1540m/sとで1540÷5000000をしましょう
6.ASD(VSDだったか?)のパッチ閉鎖後のQp/Qsの計算問題。
 PA直径とLVOT直径、VTIが与えられている。CSA×VTIの比を出せばよい。
  (*専門医認定試験46C38にこの公式を使う問題が出題されている)
7.6の連問でPA圧とCVPが高いけど治療はどうすればいいの~。
 (NTGとかフェニレフリン、ドパミンとか選択肢にあった。)
8.左室の一回拍出量の計算問題。画像が4枚提示されていてLVOT径がちょっとちがう
 (1枚は2.1cm?2枚目はLVOT部分が拡大されている画像で2.2cm?だったかな)と、
 ドップラーの波形からVTIが出てるんだけど1枚は波形の内側をなぞっていて、
 もう1枚はドップラー波の一番外側をなぞってVTIを出している。それらから計算。
 ようするに正しい測定がそれぞれどちらかというのを聞いているのか?
9.拘束型心筋症と収縮性心膜炎の鑑別とかそれに付随する問題
10.三尖弁輪の心尖部下方移動は…mmでは正常(異常?)である
11.僧帽弁輪の収縮期下方移動は12mmは正常(異常?)である。
 拡張末期左室径は60mmは正常?
12.RCAとLMTはどちらがよりAVより?ほかの選択肢とで正誤判定問題。
13.近距離音場に関する設問。周波数が大きいと長くなる。とかそういう選択肢。
14.フェーズトアレイに関する問題
15.TOFに関する問題。術後のPSは経過でよくなりうる、とか
 大動脈騎乗を描出するのは四腔像が一番いいとか、
 心配離脱中に右室/左室圧比が0.6以上になることもあるとか
16.未治療IEに関する問題。弁接合部にできやすい。ジェット内にできやすい。
 弁尖の動きと関係なく高速に動く、10mm以上では塞栓のリスク高いとか・・・。
17.弁輪部膿瘍に関する問題。「抗生剤が効きにくい」という選択肢が正解だったかな。
18.ASDのAMPLATZERの適応としてよいものは?「25mmの二次孔欠損」が正解。
 Rimがなかったり、血栓あったり、1次孔欠損だったりは適応外。
19.深度を6cm⇒12cmにして、ほかの条件が変化しなかったと仮定した場合に
 フレームレートはどうなるか?1/2になるのかな?
20.リウマチ性MSのウィルキンススコアに含まれてない項目。「圧較差」が正解。
21.心臓のイラストで右室内が見えている。3つ矢印があってmoderator band, partial band(?),
 前尖、後尖などから正しい組み合わせを選ぶ。どっかでみたな・・。
22.ティシュドップラーについて。連続波ティシュドップラーとかいろいろあるとかないとか
23.いろんな病態のE/A比とか、DCTとか。16歳のE/A比>2ってどうなんですか?
24.中心周波数を上げるとMIは増加する(しません)、とか。
25.TEEのプローベは38度以下にしましょう(41度いかだよね)、とか
26.TEEを挿入するときはロックしましょう(するわけないですよね)、とか
27.TEE挿入時に血行動態で気をつけるべき病態
 巨大弓部大動脈瘤、PLSVC、巨大左房、総肺静脈還流異常症、右鎖骨下動脈狭窄(だったかな?)
28…あとは思い出せません。

私の感想。
・ビデオ問題は難しい。普段ほとんど座学だったから致し方ないか?  
・会場が寒くてトイレの心配で集中できなかった。ビデオ問題開始前には膀胱を空にしておくべきである。

(ビデオ対策)
・解けない問題は考えない。  
・選択肢を2択くらいまでに絞っておいて、次の問題で時間が余ったら思い出しつつやる。  
・すぐとける問題があったら、次の問題、その次の問題の選択肢を見ておく。  
・選択肢から予想して「映されるであろう断面」をあらかじめ問題用紙の余白に書いておくとか。
・記述問題はかなりハイペースで解くようにして80分かかり、見直しをハイペースでやってもちょっと足りないように感じた。もちろん途中退室される先生もいた。

・お弁当はおいしくなかった。

2008年9月27日土曜日

これにて終了のポッターメモ12

*赤字は第5回JB-POTの出題に関連していた個所です。記憶の範囲で。

◎MVPに関連して
SAM/LVOTO
   ・MVP施行者の16%以上に出現。
 ・主因は過剰な僧帽弁尖組織。
 術前リスクとしてはAL/PL(前尖長/後尖長) <1やC-sept(接合点と中隔の距離) <>  
   ・MVP術後に弁尖の接合点がより前方に位置する例、術後の長い前尖もリスクに。
 ・小さいリングを使うのはリスクになる。
 ・部分リングを使用した場合にはSAMはあまりみられない。

   治療はカテコラミン中止、容量負荷。α刺激薬。LVOT圧較差あればβ遮断薬も考慮する。
   ・
利尿薬は使わない!

・晩期僧帽弁形成不全
 ・再手術は腱索短縮術のTrenching法が用いられたときに必要となることが多い。
  (人工腱索移植術は長期成績が良い)

◎ARに関連して
・ドップラービームを適正に配置する際は
 ・速度は速く(4-5m/s)しておく
 ・ARはジェットが入ると大きくまじりけのない音色になる
 ・ドップラー信号のスペクトラル波形の輝度(濃度)はリークの重症度に比例する
 ・有意なARのある患者のLVOTの流速は1.5m/sを超えることがしばしばある
 
・severe ARではPHTは200ms以下、逆流ジェット勾配は3m/s以上
☆(逆流ジェット幅 / LVOT径) は 25~64%がmoderate *ME AO長軸で!
☆(逆流ジェット面積 / 室流出路面積)は 25~59%がmoderate *MEAO短軸で!
vena contracta(長軸で6mm以上もしくは短軸で面積が7.5mm2以上ならsevere)
MRの重症度とは対照的に前負荷・後負荷に依存しない。

◎ASに関連して
・カテ室で使われていたGorlinの式は
  大動脈弁口面積 = (心拍出量) / {44.3×(収縮期駆出時間)×(心拍数)×(平均圧較差の平方根)}
 のように心拍出量に直接比例している、圧較差の平方根に反比例している
・プラニメトリ法は低心拍出量または正常心拍出量を呈する患者で有効。
 弁石灰化が強いときは不正確。
 *低心拍出状態では他に TVI(LVOT) / TVI(AV) の式も重症度判定に使える(0.25以下で重症)
・圧較差は心カテでは…最大圧間の圧較差
       エコーでは…左室と大動脈の間の最大瞬間血流速度から計測
  そのため圧較差は エコー > 心カテ
・左心機能が落ちてれば、最大圧較差が50mmHgを超えるくらいの心拍出量は出せない…

◎人工弁に関連して
・ステントレス大動脈弁植込みの相対的禁忌は大動脈基部の膿瘍である
 ・ステントレス弁の性能は大動脈基部の形態次第。
・弁輪の大きさ(自己弁輪≦20mmは有用)、弁輪の面での弁葉の不揃い、大動脈基部の拡張。
・上行大動脈が拡張していないこと、STJの径がステントレス弁の直径に等しいか10%以内の差で
 あることを確認

◎右心系の評価に関連して
・僧帽弁と三尖弁の弁輪面の長軸の間隔が8mm/m2以上の場合、エプスタイン奇形を疑う所見。
   ・エプスタイン奇形は前尖の病変は少ない。伝導障害やTRを合併することが多い。
・Ross手術 
 ・重症PR、PVとAVの弁輪径差が2mm以上では適応外。
 ・術後はARの評価と、新しい左室中隔の局所壁運動異常のチェック

◎胸部大動脈
・壁内血腫…交通のない大動脈解離
 ・大動脈壁内の7mm以上の全周性または三日月状肥厚
 ・内膜石灰化の内方偏位
 ・層状構造
 ・1-20cmの長軸方向への拡がり
 ・内膜亀裂や内膜フラップを持たない
・DeBakey分類
 ・Ⅰ型…解離が上行Aoから始まり、下行Aoの種々の部分を巻き込む
 ・Ⅱ型…解離が上行Aoに限局
 ・Ⅲ型…解離が左鎖骨下Aoより末梢から 胸部下行Aoまで(Ⅲa)と腹部Aoまで(Ⅲb)
・TEEによるblind zoneは「上行Ao~近位弓部に重なる気管と左主気管支」のために起こる
・大動脈解離による血栓はCTやMRIの方が感度高い
・大動脈の位置
 ・遠位弓部のレベルでは食道の前方
 ・横隔膜のレベルでは食道の後方真腔と偽腔の見分け方 ・真腔は収縮期に拡大し、拡張期に小さくなる
 ・真腔は薄くやや低輝度の内膜を有す。偽腔は大動脈内腔に接して明るい高輝度の層がある

◎成人先天性心疾患
・大動脈二尖弁
 ・交連の癒着の結果起こる。弁尖は同じだったり全然違う大きさだったり。
 ・全CHDの5%を占める。
 ・一部患者では上行Aoや弓部は中膜の脆弱化により瘤化しやすい。
 ・合併奇形はVSDやAo縮窄症。IEの危険も高い。
 ・Ao弁口面積を評価するためのプラニメトリ法は信頼性に欠ける

・D型大血管転位
 ・房室接合は一致、心室大血管接合は不一致
・L型(修正)大血管転位
 ・房室接合、心室大血管接合ともに不一致

◎アーチファクト
・距離分解能は方位分解能の2倍
・サイドローブアーチファクトは探触子からの距離は正しいが、横方向には間違っている。
 メインビームの経路の外側。


今回の試験前はこれで終わりにします。
もうあとは野となれ山となれ