麻酔科医なら目にする機会も多いであろう、「Anet」(Vol.16 No.2 2012)で紹介されていたので、早速購入して読んでみました(ちなみにもう1冊の紹介本もAmazonで1円で出品されていたので買ってしまいました)。
本書は偉人の言葉に絡めた、元首相の旅の思い出エッセイ集です。写真も豊富で結構面白いうえにすぐ読了できました。
同書の中、幸田露伴のページに
「散る心、即ち散乱心は、其の働きの面白くない心である」し、「気の散るのは」実に好ましからぬ事である」。(中略)
チラチラする心で対すれば結果はかならずよくない。 (p171-172)
とあります。ぐさっときます。そりゃぁ、一事一事に集中することの大切さは改めて強調されるまでもなくよくわかります。
しかしながら、今の私、いろんなことに気が散ってばかりです。気が散らない状態を待ってから物事に取り組もうなんて思っていたら、何もかも、全然手につかないし、始まりません。実際、気が散りまくりつつも、それはそれとしてほっといて目の前のやるべきことをどんどんやる、というスタンスを取らざるを得ません。だから時間ばかりどんどん過ぎていくんでしょうか。徐々に、きちんと集中するときは集中、きちんと脱気するときは脱気、ってできるようになるんでしょうか。多分そうはならないんじゃなかろうか。
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実験は実験として進めながら、麻酔の演題の抄録作成に取り組んでいます。この1週間で40-50編くらい論文読んだんじゃなかろうか?勿論ナナメ読みとかabstractだけ読みもいっぱい入ってます。しかし、読めば読むほどケイアスに陥っていく自分がいます。わけがわかりません。こうなるとテレビなんかと同じで
仮説:太陽光発電を設置したほうが経済的で、自然にやさしい
結論:よって各家庭に導入すべきである
と仮説と結論をがっちり決めちゃって、それを支持する根拠だけをこれでもかと並べて放映する…。それ以外はほとんど無視。
そういう手法がいいんじゃないかなんて考えたりしてしまいます。
うーん、過去最高に難産だな…、この抄録作成。まぁいいことなんだろう。「前やったことあるからまたおんなじようにやればいいじゃん」っていう抄録づくりは、それこそ論文もたくさん発表して、講演も数えきれないほどやって…のようなスーパー麻酔科医になってからの話で(いや、きっとそんな先生たちは更に慎重に作るんでしょうが)、私みたいなまだまだヒヨっ子麻酔科医には早すぎるってことでしょう。やっつけ仕事ではできない仕事、っていうのは成長するチャンスですよね。精進せな。