高橋健二氏訳のシッダールタ(1922年ヘッセ著、1959年訳、新潮文庫)の、物語の最後に近い部分にこのような記載があります。
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「・・・そうすれば、いっさいは私にとってよくなり、私をそこなうことは決してありえない。抵抗を放棄することを学ぶためには、世界を愛することを学ぶためには、自分の希望し空想した何らかの世界や自分の考え出したような性質の完全さと、この世界を比較することはもはややめ、世界をあるがままにまかせ、世界を愛し、喜んで世界に帰属するためには、自分は罪を大いに必要とし、歓楽を必要とし、財貨への努力や虚栄や、極度に恥ずかしい絶望を必要とすることを、自分の心身に体験した。―おおゴーヴィンダよ、これが私の心に浮かんだ思想の二、三なのだ」
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中略
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だが、これ以上それについてことばを費やすのはやめよう。ことばは内にひそんでいる意味をそこなうものだ。ひとたび口に出すと、すべては常にすぐいくらか違ってくる、いくらかすりかえられて、いくらか愚かしくなる。―そうだ、それも大いによく、大いに私の意にかなう。ある人の宝であり知恵であるものが、ほかの人にとっては常に痴愚のように聞こえるということにも、私は大いに同感だ」(151-2頁)
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Dream Theaterのバラード”The Spirit Carries On”。
I may never find all the answers
I may never understand why
I may never prove
What I know to be true
But I know that I still have to try
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自分の思うスピードで出来たことが何1つなかったような気がする33歳でしたが、亀のような速度でも、少しずつ少しずつ人生が良い方に進んでいることを期待。