尊敬する人の意見は素直に聞こうと思い記す。
***
今は解散してしまったピエロ(PIERROT)というバンドのポップなロックソングに「脳内モルヒネ」(1997年、インディーズ時代のアルバム「CELLULOID」収録、その後2003年に15枚目のシングルとして発表)があります。
サビの歌詞にこうあります。
脳下垂体は既に、生き続けることをあきらめ始めて
脊髄にモルヒネをせめて気が狂わぬように与えてくれる
私は彼是15年もこの楽曲を愛聴しているのですが、麻酔科専門医試験の午後のB問題、C問題を解いている最中にふとノイズの如く疑問が湧き出てきたのです。
「脳内モルヒネ」ってなんだ?そして「それ」は本当に下垂体から出てるんだっけ?
んー。
んー。
麻酔科専門医にならんと欲しているのに、「脳内モルヒネ」についてあまりにも無知だ。
こんなことで、私はいいんだろうか?
と思いはじめたが最後、午後の試験時間には、その疑問ばかりが頭の中をぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐると回り続け、試験問題が全く頭に入ってこない。
Brugada?あー。
HIT?んー。
目の前の、今まさに解決しなければならない問題より脳内モルヒネ。脳内モルヒネ。
試験が一秒でも早く終わらないだろうか。あー、早く脳内モルヒネについて勉強したい!!
と思うと(いや、思う前からですが)最早、試験は苦行でしかなく。
***
結局脳内モルヒネ=βエンドルフィンで、しかもきちんと下垂体から分泌されていることを知り、大変嬉しくなりました。流石尊敬するPIERROT。ちゃんと裏をとって歌詞を書いているんだな…とファン歴15年で、更にこのバンドへの畏敬の念を深めた麻酔科専門医試験の1日目。
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2011年9月29日木曜日
(麻) 鉛筆でぬりぬり
50Aから気になったところを。
・圧拮抗現象:吸入麻酔のメカニズムとしては,吸入麻酔薬が脳細胞の膜の脂質二重層に入り込んで側圧をまし,これがイオンチャンネル蛋白の活動に影響を与えて,麻酔状態を誘導すると考えられている.吸入麻酔薬は脂質二重層に入り込んで,膜構造に歪みを与える.高圧を加えると脂質二重層に入り込んだ吸入麻酔薬との物理化学的結合に異常が生じ,吸入麻酔薬分子が脂質二重層から除去されてしまう.これが圧拮抗現象である.
→参考ウェブ「電子版麻酔学教科書」
http://masuika.net/forum/forum2.cgi?Work=Part&Forum=page6&No=&Num=8&Back=Tree
・フルマゼニルの代謝:大部分がエチルエステルの加水分解によりカルボン酸体に代謝された後、その約40%がグルクロン酸抱合体に変化し、いずれも尿中に速やかに排泄。
・水中毒 ― オキシトシンの副作用
・脊髄の痛覚伝導路 ― 外側脊髄視床路
・パラコート:胃から吸収せず、腸から徐々に吸収(腸肝循環は少ない)吸収率=10(5~15)%、6時間で40%
@麻酔科学の歴史
・亜酸化窒素の麻酔作用発見:1800年 Davy H
・モルヒネ分離:1804年、ドイツの薬剤師フリードリヒ・ゼルチュルナー (Friedrich Sertürner) により、初めて分離(この物質は、史上初めて薬用植物から分離されたアルカロイドとなった)。
・CO2の麻酔作用:1824年。Hickman HH
・エーテル麻酔実施:1842年。Long CW
・プロカイン合成:1904年。Einhorn A
・圧拮抗現象:吸入麻酔のメカニズムとしては,吸入麻酔薬が脳細胞の膜の脂質二重層に入り込んで側圧をまし,これがイオンチャンネル蛋白の活動に影響を与えて,麻酔状態を誘導すると考えられている.吸入麻酔薬は脂質二重層に入り込んで,膜構造に歪みを与える.高圧を加えると脂質二重層に入り込んだ吸入麻酔薬との物理化学的結合に異常が生じ,吸入麻酔薬分子が脂質二重層から除去されてしまう.これが圧拮抗現象である.
→参考ウェブ「電子版麻酔学教科書」
http://masuika.net/forum/forum2.cgi?Work=Part&Forum=page6&No=&Num=8&Back=Tree
・フルマゼニルの代謝:大部分がエチルエステルの加水分解によりカルボン酸体に代謝された後、その約40%がグルクロン酸抱合体に変化し、いずれも尿中に速やかに排泄。
・水中毒 ― オキシトシンの副作用
・脊髄の痛覚伝導路 ― 外側脊髄視床路
・パラコート:胃から吸収せず、腸から徐々に吸収(腸肝循環は少ない)吸収率=10(5~15)%、6時間で40%
@麻酔科学の歴史
・亜酸化窒素の麻酔作用発見:1800年 Davy H
・モルヒネ分離:1804年、ドイツの薬剤師フリードリヒ・ゼルチュルナー (Friedrich Sertürner) により、初めて分離(この物質は、史上初めて薬用植物から分離されたアルカロイドとなった)。
・CO2の麻酔作用:1824年。Hickman HH
・エーテル麻酔実施:1842年。Long CW
・プロカイン合成:1904年。Einhorn A
2011年9月28日水曜日
(音) 実は自分好みの神曲があるということに気づくまで6年も要したDream Theater の Octavarium (US, 2005年)
今年2度目の神戸入り。明日から麻酔科専門医試験です。
***
熱心なファンやマニアの方々が非常に多く、「メタル」というジャンルを遥かに超越したアメリカの、いや世界の貴重な音楽遺産の一翼を担っている(?)バンドです。ジャンルはプログレッシブメタルに分類されることが多いです。
傍目に見てわかる特徴としては以下の2点。
1. 超絶技巧(楽器素人の私には、どのくらい超絶なのか、がわかりませんが、今から麻酔科医やめて一生練習しても到底辿り着けないであろう境地なことはライブ映像見るだけでもなんとなくわかります)
2. 1曲1曲が長い(組曲形式のSix Degrees of ~は約40分。それ以外でも10分程度はざらで、中には複数枚のアルバムを跨いで続いている曲があります)。
11作目となる新譜「A Dramatic Turn of Events」が今月発売され、既に聴かれた方々の作品に対する評価は概ね良いようなので、私も早く聴きたいのですが、未だ未聴の状態です。
というのも、これまでの作品にきちんと、正面から向き合ってなかった自分を恥じておるからなのです。これまでのスタジアルバムは全て何らかの形で所有していて聴いている筈なのに、「あぁ、あのアルバムだと~がいいよね~」と語れる程に聴き込んでいないのです。
私がどの曲も詳細に思い出せるアルバムと言ったら、5th「Metropolic Part.2 - Scenes from a memory」(1999年)と7th「Train of Thought」(2003年)だけ。とてもじゃないけどDream Theater (以下DT)ファンとは言えない状態。
ファンの間では名盤とされる3rd「Awake」(1994年)や言わずと知れたプログレッシブメタルの金字塔の2nd「Images and Words」(1992年)ですら、その評価の高さから何度も再生ボタンを押し、数曲聴いては、「…う~ん、やっぱTrain of Thought聴こっと」となって3曲目「Take the Time」の1:30あたりのラブリエのハイトーンヴォイスあたりで停止ボタンを押してしまっていたのです。おそらくこのアルバムが身に染みてこないのは、アルバムの発表をリアルタイムに追いかけるようになったのが、5thアルバムからだったからなのだと考えています。
だからもしかすると数年、数十年後には「Images and Words最高!」とか「やっぱ3rd albumのAwakeが一番いいよね~」とか言ってる可能性もあるので、今こうして「なんかイマイチなんだよなぁ…」と思いながらも2ndや3rdアルバムの曲のメロディを、取り敢えず脳のどこかにしまい込んでおくことは全くナンセンスなことではないと思っているのですが、それにしてもやっぱりある程度の即効性があって聴神経や脳が喜ぶような音を聴きたいものではあるのです。(多分HelloweenにおいていつまでもMichael Kiske在籍時の「Keeper of the Seven Keys Part I & II」が最高傑作!と言い続けているようなものでしょう、おそらく)
そして自分にとって「即効性がない」という意味において、8曲入りの8thアルバム「Octavarium」(2005年)もそういう作品の中の1つだったのです。
2005年の発売時に購入していたものの、その魅力に長いこと気づきませんでした。恐らく買った当初は聴いたのだと思いますが、ヘヴィだけど……うーん……な#1と、曇り1つ無いバラード#2で完全に眠りの世界へ誘われ…ポップス過ぎる#4で完全に脱落。
「メロディはいいけど…別に、これってDTじゃなくてもいいじゃん」と不遜にも思ってしまって#5まで到達できていなかったのです。
おそらく購入した2005年あたりは、初期研修医として働き始めたこともあり、土日祝日関係なく毎日のように病院で仕事をして、音楽を楽しむ暇もそれほどなかったためではないでしょうか。だから「新しく中毒性を与えてくれる(かもしれない)この新しいOctavariumというアルバム」に少ない余暇の時間を割くよりも、確実に楽しめる「Train of Thought」を偏愛して聴いていたのだと思います。
1. Root Of All Evil (8:25)
2. Answer Lies Within (5:33) メタル色の一切ない非常に聴きやすいバラード。euphoric。
3. These Walls (7:36)
4. I Walk Beside You (4:29) これも聴きやすいけれど…。
5. Panic Attack (8:13)
6. Never Enough (6:46)
7. Sacrificed Sons (10:42)
8. Octavarium (24:00)
#8「Octavarium」の4:33-で聴かれるような郷愁を誘うメロディは好きなのですが、1曲で24:00はやっぱり長い…。これが楽しめるようになるには、もう少し年月が必要なようです。
兎に角、#5と#7は「This Dying Soul」や「Endless Sacrifice」並に今後聴き続けるであろうことが決定しただけでも、麻酔科専門試験の勉強をした甲斐がありました。
特に911の米国での同時多発テロを題材とした#7は、deep & darkな鳥肌モノのバラードに仕上がっていると思います。あー生きててよかった。
…しかし、こんな名盤が459円(+送料)程度でAmazonで買えるってどういうことなんだろう。DTくらい世界的に売れていれば安くても良いのかも知れないけど、大して売れてないバンドでこの価格だったら生計立てていくのきついだろうな…、と思わずにはいられません。11作目はもう少しだけ過去の曲を咀嚼してから聴くことにしよ。
***
熱心なファンやマニアの方々が非常に多く、「メタル」というジャンルを遥かに超越したアメリカの、いや世界の貴重な音楽遺産の一翼を担っている(?)バンドです。ジャンルはプログレッシブメタルに分類されることが多いです。
傍目に見てわかる特徴としては以下の2点。
1. 超絶技巧(楽器素人の私には、どのくらい超絶なのか、がわかりませんが、今から麻酔科医やめて一生練習しても到底辿り着けないであろう境地なことはライブ映像見るだけでもなんとなくわかります)
2. 1曲1曲が長い(組曲形式のSix Degrees of ~は約40分。それ以外でも10分程度はざらで、中には複数枚のアルバムを跨いで続いている曲があります)。
11作目となる新譜「A Dramatic Turn of Events」が今月発売され、既に聴かれた方々の作品に対する評価は概ね良いようなので、私も早く聴きたいのですが、未だ未聴の状態です。
というのも、これまでの作品にきちんと、正面から向き合ってなかった自分を恥じておるからなのです。これまでのスタジアルバムは全て何らかの形で所有していて聴いている筈なのに、「あぁ、あのアルバムだと~がいいよね~」と語れる程に聴き込んでいないのです。
私がどの曲も詳細に思い出せるアルバムと言ったら、5th「Metropolic Part.2 - Scenes from a memory」(1999年)と7th「Train of Thought」(2003年)だけ。とてもじゃないけどDream Theater (以下DT)ファンとは言えない状態。
ファンの間では名盤とされる3rd「Awake」(1994年)や言わずと知れたプログレッシブメタルの金字塔の2nd「Images and Words」(1992年)ですら、その評価の高さから何度も再生ボタンを押し、数曲聴いては、「…う~ん、やっぱTrain of Thought聴こっと」となって3曲目「Take the Time」の1:30あたりのラブリエのハイトーンヴォイスあたりで停止ボタンを押してしまっていたのです。おそらくこのアルバムが身に染みてこないのは、アルバムの発表をリアルタイムに追いかけるようになったのが、5thアルバムからだったからなのだと考えています。
だからもしかすると数年、数十年後には「Images and Words最高!」とか「やっぱ3rd albumのAwakeが一番いいよね~」とか言ってる可能性もあるので、今こうして「なんかイマイチなんだよなぁ…」と思いながらも2ndや3rdアルバムの曲のメロディを、取り敢えず脳のどこかにしまい込んでおくことは全くナンセンスなことではないと思っているのですが、それにしてもやっぱりある程度の即効性があって聴神経や脳が喜ぶような音を聴きたいものではあるのです。(多分HelloweenにおいていつまでもMichael Kiske在籍時の「Keeper of the Seven Keys Part I & II」が最高傑作!と言い続けているようなものでしょう、おそらく)
そして自分にとって「即効性がない」という意味において、8曲入りの8thアルバム「Octavarium」(2005年)もそういう作品の中の1つだったのです。
2005年の発売時に購入していたものの、その魅力に長いこと気づきませんでした。恐らく買った当初は聴いたのだと思いますが、ヘヴィだけど……うーん……な#1と、曇り1つ無いバラード#2で完全に眠りの世界へ誘われ…ポップス過ぎる#4で完全に脱落。
「メロディはいいけど…別に、これってDTじゃなくてもいいじゃん」と不遜にも思ってしまって#5まで到達できていなかったのです。
おそらく購入した2005年あたりは、初期研修医として働き始めたこともあり、土日祝日関係なく毎日のように病院で仕事をして、音楽を楽しむ暇もそれほどなかったためではないでしょうか。だから「新しく中毒性を与えてくれる(かもしれない)この新しいOctavariumというアルバム」に少ない余暇の時間を割くよりも、確実に楽しめる「Train of Thought」を偏愛して聴いていたのだと思います。
1. Root Of All Evil (8:25)
2. Answer Lies Within (5:33) メタル色の一切ない非常に聴きやすいバラード。euphoric。
3. These Walls (7:36)
4. I Walk Beside You (4:29) これも聴きやすいけれど…。
5. Panic Attack (8:13)
6. Never Enough (6:46)
7. Sacrificed Sons (10:42)
8. Octavarium (24:00)
#8「Octavarium」の4:33-で聴かれるような郷愁を誘うメロディは好きなのですが、1曲で24:00はやっぱり長い…。これが楽しめるようになるには、もう少し年月が必要なようです。
兎に角、#5と#7は「This Dying Soul」や「Endless Sacrifice」並に今後聴き続けるであろうことが決定しただけでも、麻酔科専門試験の勉強をした甲斐がありました。
特に911の米国での同時多発テロを題材とした#7は、deep & darkな鳥肌モノのバラードに仕上がっていると思います。あー生きててよかった。
…しかし、こんな名盤が459円(+送料)程度でAmazonで買えるってどういうことなんだろう。DTくらい世界的に売れていれば安くても良いのかも知れないけど、大して売れてないバンドでこの価格だったら生計立てていくのきついだろうな…、と思わずにはいられません。11作目はもう少しだけ過去の曲を咀嚼してから聴くことにしよ。
2011年9月27日火曜日
(麻) 肺動脈カテーテル(PAC) ― 麻酔科専門医試験に関連した知識
今からPAWPの波形書けるようにしておかなきゃ。もう遅い?
***
@PAWPと肺動脈拡張期圧(PADP)の相関が悪くなる病態 (過去問頻出)
1. PAWP > LVEDP
MS、MR、LA myxoma、VSD ( LAP > LVEDP)
肺静脈閉塞性疾患( PAWP > LAP)
高いPEEP( PAWP > LAP)
2. PAWP < LVEDP
LVコンプライアンス低下、HCMなど(LAP < LVEDP)
AR(LAPのa 波 < LVEDP:拡張末期の早期僧帽弁閉鎖)
PR、右脚ブロック、肺血管症減少
3. PAWP < PADP
PH、肺性心、PE、頻脈(頻脈はLVEDP<LAP<PADP)
@PAWPの波と谷
(こちらも過去問頻出。因みにCVP問題もほぼ同様の考え方で解けます。僧帽弁→三尖弁、v波増高→三尖弁閉鎖不全、y谷の僧帽弁開放→三尖弁開放、というふうに。但しCVPのa波はECG上のP波の比較的すぐ後(PとQRSの間)に出現する=PAWPの波より時相が早いことに注意)
a波:心室拡張末期の心房収縮によって作られる陽性の波。洞調律ではこの波が最大。。
c波:収縮期開始時の僧帽弁閉鎖により作られる小さい陽性波
*ECGのR波に続いて見られる
v波:心室収縮期にPVから心房への血液の流入によってできる陽性ノッチ
x谷:a波、c波につづく下行脚。心房の弛緩に一致
y谷:v波につづく圧の低下。僧帽弁の開放にともなって心室への急速流入によってできる
*a波はatrial kickのa、c波はclosureのc、v波はvetrivcle、veinのv、と下記「Intensivist」のp205にあります。
@a波消失
・AF、房室結節リズム、心室ペーシング、心室調律
@巨大a波
・MS、拡張期LVコンプライアンス低下(47A36)、III度AVB、房室解離(タイミングがずれて僧帽弁が閉鎖された状態で心房収縮が起こるため生じる)
@巨大v波
・MR → 収縮後期逆流性雑音
・急性心筋虚血
その他過去問から
・肺動脈カテーテルによる心拍出量測定:古典的にはStewart-Hamilton式に基づく熱希釈法で行う。熱希釈曲線はCOが大きいほど変化が小さくなる(46B)
・希釈法では注入量が少ないと、COは実際値より高くなる。
@PAWP(平均圧6-12mmHg)の測定
・呼吸:胸腔内圧の変化の影響を最も受けにくい呼気終末に測定。
・循環:左室拡張末期圧(LVEDP)を見たいため、その圧を反映する心集気の点(心房収縮後で僧帽弁閉鎖直前(z点:a波とc波の間。ECG上Q波の50msec後、R波あたり))で測定。
・通常はPAWP≒肺動脈拡張期圧なので、PAWPは平均肺動脈圧より低い。
・PEEP付加時:一般的にはPEEPをかけたまま呼吸回路をはずさずにそのまま測定し、呼気終末の時点のa波の平均を採用
・PAWPを測定する理想的なポイントは過去問通りWest zone 3(肺動脈圧 > 肺毛細血管圧 >肺胞圧)
以下の文献やウェブに大変お世話になりました。
・非侵襲的モニターは侵襲的モニターを超えられるか 日臨麻会誌. Vol 31, 58-66, 2011
http://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsca/31/1/058/_pdf/-char/ja/
・Dr.讃井の集中治療のススメ
http://blog.goo.ne.jp/jseptic
・Intensivist 2011 vol.3 No.2 モニター、MEDSi、2011
・ICUブック第3版、MEDSi、2011
***
@PAWPと肺動脈拡張期圧(PADP)の相関が悪くなる病態 (過去問頻出)
1. PAWP > LVEDP
MS、MR、LA myxoma、VSD ( LAP > LVEDP)
肺静脈閉塞性疾患( PAWP > LAP)
高いPEEP( PAWP > LAP)
2. PAWP < LVEDP
LVコンプライアンス低下、HCMなど(LAP < LVEDP)
AR(LAPのa 波 < LVEDP:拡張末期の早期僧帽弁閉鎖)
PR、右脚ブロック、肺血管症減少
3. PAWP < PADP
PH、肺性心、PE、頻脈(頻脈はLVEDP<LAP<PADP)
@PAWPの波と谷
(こちらも過去問頻出。因みにCVP問題もほぼ同様の考え方で解けます。僧帽弁→三尖弁、v波増高→三尖弁閉鎖不全、y谷の僧帽弁開放→三尖弁開放、というふうに。但しCVPのa波はECG上のP波の比較的すぐ後(PとQRSの間)に出現する=PAWPの波より時相が早いことに注意)
a波:心室拡張末期の心房収縮によって作られる陽性の波。洞調律ではこの波が最大。。
c波:収縮期開始時の僧帽弁閉鎖により作られる小さい陽性波
*ECGのR波に続いて見られる
v波:心室収縮期にPVから心房への血液の流入によってできる陽性ノッチ
x谷:a波、c波につづく下行脚。心房の弛緩に一致
y谷:v波につづく圧の低下。僧帽弁の開放にともなって心室への急速流入によってできる
*a波はatrial kickのa、c波はclosureのc、v波はvetrivcle、veinのv、と下記「Intensivist」のp205にあります。
@a波消失
・AF、房室結節リズム、心室ペーシング、心室調律
@巨大a波
・MS、拡張期LVコンプライアンス低下(47A36)、III度AVB、房室解離(タイミングがずれて僧帽弁が閉鎖された状態で心房収縮が起こるため生じる)
@巨大v波
・MR → 収縮後期逆流性雑音
・急性心筋虚血
その他過去問から
・肺動脈カテーテルによる心拍出量測定:古典的にはStewart-Hamilton式に基づく熱希釈法で行う。熱希釈曲線はCOが大きいほど変化が小さくなる(46B)
・希釈法では注入量が少ないと、COは実際値より高くなる。
@PAWP(平均圧6-12mmHg)の測定
・呼吸:胸腔内圧の変化の影響を最も受けにくい呼気終末に測定。
・循環:左室拡張末期圧(LVEDP)を見たいため、その圧を反映する心集気の点(心房収縮後で僧帽弁閉鎖直前(z点:a波とc波の間。ECG上Q波の50msec後、R波あたり))で測定。
・通常はPAWP≒肺動脈拡張期圧なので、PAWPは平均肺動脈圧より低い。
・PEEP付加時:一般的にはPEEPをかけたまま呼吸回路をはずさずにそのまま測定し、呼気終末の時点のa波の平均を採用
・PAWPを測定する理想的なポイントは過去問通りWest zone 3(肺動脈圧 > 肺毛細血管圧 >肺胞圧)
以下の文献やウェブに大変お世話になりました。
・非侵襲的モニターは侵襲的モニターを超えられるか 日臨麻会誌. Vol 31, 58-66, 2011
http://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsca/31/1/058/_pdf/-char/ja/
・Dr.讃井の集中治療のススメ
http://blog.goo.ne.jp/jseptic
・Intensivist 2011 vol.3 No.2 モニター、MEDSi、2011
・ICUブック第3版、MEDSi、2011
(麻) 麻酔科専門医試験口頭試験2010年症例1-1 帯状疱疹後神経痛
初めて患者さんにSGBをさせていただいたときの緊張といったら、今でも忘れられない。
@症例
・65 歳男性。165cm、 70kg。
・糖尿病の既往
・6 か月前に右肺がんの手術を受け、化学療法中
・2 か月前に右項部(髪の毛の生え際)から右鎖骨領域にかけて痛みを伴う赤い集簇性の水疱が出現
・現在は、ぴりぴりした痛みがあり、シャツの襟が当たったときにぴりっとした強い痛みが走る。入浴で痛みが和らぐ。
質問
1) 全身状態の評価について
1.この患者の問題点を挙げる。
・BMI25.7で1度肥満
・DMの既往と化学療法中のために易感染性であろう
・肺がん術後で呼吸機能低下
・化学療法の薬剤によっては貧血と血小板数低下、末梢神経障害等の可能性もある
(帯状疱疹にまれに合併する髄膜炎、脳炎、肝・腎の巣状壊死、IPなども念頭に)
2.現在の痛みの原因は何か。
・水痘・帯状疱疹ウイルスによるもの。亜急性期(発症から1ヶ月~6ヶ月)
*日本ペインクリニック学会誌, Vol. 17 (2010) No. Supplement pp.S55-S134によれば発症から6ヶ月で「帯状疱疹後神経痛」である(時期については暫定的で、まだ明確な定義なし)。6ヶ月以降の疼痛残存率は60歳以上で10%程度。免疫不全では45%程度まで上昇。
*因みに帯状疱疹の再発は全患者の1%程度と比較的稀。
3.この痛みのタイプ、皮膚分節における部位、痛みの特徴を挙げる。
・帯状疱疹神経痛
・皮膚分節:三叉神経第3枝~C4程度。
・ 皮膚がぴりぴりした感じや鈍痛で始まる。かゆみを伴う事もある。痛みは増強する。通常は発症2週間後に最高になる。皮膚の知覚異常を合併する。徐々に服がこすれただけでもピリピリ痛むようになる。
2) 星状神経節ブロックについて
1.この患者に星状神経節ブロックを施行する。星状神経節はどこにあるか。
・第7頸椎横突起基部前面。穿刺は第6(輪状軟骨の下縁)あるいは第7頸椎横突起を基部に行う 。C7の下部1/3は肺尖部と重なる。
2.星状神経節ブロックの実施前の注意点と具体的なブロック方法について述べる。
@実施前の注意点:
・緊急の対処が必要となる合併症の発生があり、酸素吸入、人工吸入、血管確保などが必要であることから、救急医薬品を常備して救急蘇生を行える準備をする
・出血傾向のないことを採血や問診で確認
・呼吸困難が出現したらただちに連絡するように事前に説明
・ICを行い、書面で同意を得る
@手技
準備:5ml注射器、25G針(25mm)、局所麻酔薬(1%メピバカインorリドカイン5ml)
体位:枕をはずし仰臥位。顎を前方に突き出し、頸部は少し後屈。軽く開口させ、頸部筋肉の緊張をとる
@手順
・清潔手袋で穿刺部位の消毒
・示指と中指で、輪状軟骨の高さで、胸鎖乳突筋をゆっくり外側に圧排、頸動脈拍動を触知。動脈誤穿刺を避けるために、頸動脈の位置を確認して穿刺。
・わずかに頭尾側、左右に指先を動かし第6頸椎横突起前結節を探り、指先で前結節をおさえ、その内側の横突起基部をめがけ刺入。
・頸部の軟部組織をしっかり分ければ、皮膚から横突起まで15mm以内で到達。血液逆流がないことを確認し薬液をゆっくり注入。
・抜針後は、刺入部に滅菌ガーゼを当て、患者にブロック側と反対側の指で、刺入部を圧迫させる。
・抜針時に針先や注射器に血液が認められた場合には、術者自身が5分以上圧迫。
・ブロック後20-30分以上、ベット上安静、経過観察。意識や呼吸状態のチェック。
3.星状神経節ブロック後の症状を列挙。
A.頸部交感神経幹 B.上胸部交感神経幹 双方が遮断される。
Aがブロックされたことの判定:眼瞼下垂、縮瞳、眼球陥凹のHorner徴候、眼球の充血、鼻閉感、顔面の紅潮、温感、発汗減少
Bがブロックされたことの判定:手掌の発汗停止、上肢の温度上昇
4.星状神経節ブロック後に予想される合併症を列挙。
・反回神経麻痺(針先が内側すぎると生じる。1-2時間で回復。その間、飲食を控えるよう指導)
・腕神経叢麻痺(針先が深すぎると腕神経叢ブロックに。針先が神経に触れると、paresthesia。C7から刺入すると起こりやすい。1-2時間で回復)
・硬膜外腔やくも膜下腔への誤注入(針先が内側深すぎると生じる。薬液が神経に沿って中枢に流れると、硬膜外ブロック、まれにくも膜下ブロックが生じる。両側の上肢感覚、運動障害)
・血管穿刺、出血(動脈内注入で意識消失、全身痙攣、呼吸停止。頸動脈の圧排、薬液注入前吸引テストを絶対行う。注入もゆっくり。注入中の患者の変化も見逃さない。巨大血腫形成による気道閉鎖は、ゆっくり進行し数時間かけて症状が出ることも)
・感染(咽頭後部膿瘍、椎体炎、椎間板炎などで脊髄圧迫症状や呼吸困難が起こる)
3) 接遇問題
ブロック後に気胸が判明したので、入院加療することになった。この患者に付き添ってきた家族が、今回の入院の原因と治療方針の説明を希望している。家族がすでに部屋で待っていて、その部屋に入っていくところから開始。
・自己紹介し、患者さんに状態を伺う。落ち着いているようであれば、家族に、患者さんとの関係を「失礼ですが…」と尋ねて確認する
・患者さんがどのような状態で当科を受診し、どのような治療を必要とし、どのような治療を行ったかについて、家族がどの程度知っていたかを把握する
・把握が十分でないようならば、家族の理解度を伺いながら、それについてまず十分な説明を行う
・その上で、なぜ気胸が起こったか、そして非常に稀な合併症であることを説明。気胸の増悪がないか胸部Xp等を行いながら経過観察していくことと、もし増悪するような場合には胸腔ドレーンという管を入れる可能性もあること、そしてそれでも回復が見込めないようならば手術が必要な可能性(これについては家族がどの程度の温度でいるのかを説明している感触を確かめながら適切な強調具合で説明するのがよろしいと考えます)について説明する。
***
以下の論文とサイトに大変お世話になりました。ありがとうございました。
“帯状疱疹後神経痛の多面的治療はここまで進んでいる”. 日臨麻会誌 Vol. 28: 19-30, (2008)
http://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsca/28/1/19/_pdf/-char/ja/
・Pain Rerief → ペインに関することが非常によくまとめられていて、とても勉強になります。
http://www.shiga-med.ac.jp/~koyama/analgesia/analg-bl-sympa.html#sgb
@症例
・65 歳男性。165cm、 70kg。
・糖尿病の既往
・6 か月前に右肺がんの手術を受け、化学療法中
・2 か月前に右項部(髪の毛の生え際)から右鎖骨領域にかけて痛みを伴う赤い集簇性の水疱が出現
・現在は、ぴりぴりした痛みがあり、シャツの襟が当たったときにぴりっとした強い痛みが走る。入浴で痛みが和らぐ。
質問
1) 全身状態の評価について
1.この患者の問題点を挙げる。
・BMI25.7で1度肥満
・DMの既往と化学療法中のために易感染性であろう
・肺がん術後で呼吸機能低下
・化学療法の薬剤によっては貧血と血小板数低下、末梢神経障害等の可能性もある
(帯状疱疹にまれに合併する髄膜炎、脳炎、肝・腎の巣状壊死、IPなども念頭に)
2.現在の痛みの原因は何か。
・水痘・帯状疱疹ウイルスによるもの。亜急性期(発症から1ヶ月~6ヶ月)
*日本ペインクリニック学会誌, Vol. 17 (2010) No. Supplement pp.S55-S134によれば発症から6ヶ月で「帯状疱疹後神経痛」である(時期については暫定的で、まだ明確な定義なし)。6ヶ月以降の疼痛残存率は60歳以上で10%程度。免疫不全では45%程度まで上昇。
*因みに帯状疱疹の再発は全患者の1%程度と比較的稀。
3.この痛みのタイプ、皮膚分節における部位、痛みの特徴を挙げる。
・帯状疱疹神経痛
・皮膚分節:三叉神経第3枝~C4程度。
・ 皮膚がぴりぴりした感じや鈍痛で始まる。かゆみを伴う事もある。痛みは増強する。通常は発症2週間後に最高になる。皮膚の知覚異常を合併する。徐々に服がこすれただけでもピリピリ痛むようになる。
2) 星状神経節ブロックについて
1.この患者に星状神経節ブロックを施行する。星状神経節はどこにあるか。
・第7頸椎横突起基部前面。穿刺は第6(輪状軟骨の下縁)あるいは第7頸椎横突起を基部に行う 。C7の下部1/3は肺尖部と重なる。
2.星状神経節ブロックの実施前の注意点と具体的なブロック方法について述べる。
@実施前の注意点:
・緊急の対処が必要となる合併症の発生があり、酸素吸入、人工吸入、血管確保などが必要であることから、救急医薬品を常備して救急蘇生を行える準備をする
・出血傾向のないことを採血や問診で確認
・呼吸困難が出現したらただちに連絡するように事前に説明
・ICを行い、書面で同意を得る
@手技
準備:5ml注射器、25G針(25mm)、局所麻酔薬(1%メピバカインorリドカイン5ml)
体位:枕をはずし仰臥位。顎を前方に突き出し、頸部は少し後屈。軽く開口させ、頸部筋肉の緊張をとる
@手順
・清潔手袋で穿刺部位の消毒
・示指と中指で、輪状軟骨の高さで、胸鎖乳突筋をゆっくり外側に圧排、頸動脈拍動を触知。動脈誤穿刺を避けるために、頸動脈の位置を確認して穿刺。
・わずかに頭尾側、左右に指先を動かし第6頸椎横突起前結節を探り、指先で前結節をおさえ、その内側の横突起基部をめがけ刺入。
・頸部の軟部組織をしっかり分ければ、皮膚から横突起まで15mm以内で到達。血液逆流がないことを確認し薬液をゆっくり注入。
・抜針後は、刺入部に滅菌ガーゼを当て、患者にブロック側と反対側の指で、刺入部を圧迫させる。
・抜針時に針先や注射器に血液が認められた場合には、術者自身が5分以上圧迫。
・ブロック後20-30分以上、ベット上安静、経過観察。意識や呼吸状態のチェック。
3.星状神経節ブロック後の症状を列挙。
A.頸部交感神経幹 B.上胸部交感神経幹 双方が遮断される。
Aがブロックされたことの判定:眼瞼下垂、縮瞳、眼球陥凹のHorner徴候、眼球の充血、鼻閉感、顔面の紅潮、温感、発汗減少
Bがブロックされたことの判定:手掌の発汗停止、上肢の温度上昇
4.星状神経節ブロック後に予想される合併症を列挙。
・反回神経麻痺(針先が内側すぎると生じる。1-2時間で回復。その間、飲食を控えるよう指導)
・腕神経叢麻痺(針先が深すぎると腕神経叢ブロックに。針先が神経に触れると、paresthesia。C7から刺入すると起こりやすい。1-2時間で回復)
・硬膜外腔やくも膜下腔への誤注入(針先が内側深すぎると生じる。薬液が神経に沿って中枢に流れると、硬膜外ブロック、まれにくも膜下ブロックが生じる。両側の上肢感覚、運動障害)
・血管穿刺、出血(動脈内注入で意識消失、全身痙攣、呼吸停止。頸動脈の圧排、薬液注入前吸引テストを絶対行う。注入もゆっくり。注入中の患者の変化も見逃さない。巨大血腫形成による気道閉鎖は、ゆっくり進行し数時間かけて症状が出ることも)
・感染(咽頭後部膿瘍、椎体炎、椎間板炎などで脊髄圧迫症状や呼吸困難が起こる)
3) 接遇問題
ブロック後に気胸が判明したので、入院加療することになった。この患者に付き添ってきた家族が、今回の入院の原因と治療方針の説明を希望している。家族がすでに部屋で待っていて、その部屋に入っていくところから開始。
・自己紹介し、患者さんに状態を伺う。落ち着いているようであれば、家族に、患者さんとの関係を「失礼ですが…」と尋ねて確認する
・患者さんがどのような状態で当科を受診し、どのような治療を必要とし、どのような治療を行ったかについて、家族がどの程度知っていたかを把握する
・把握が十分でないようならば、家族の理解度を伺いながら、それについてまず十分な説明を行う
・その上で、なぜ気胸が起こったか、そして非常に稀な合併症であることを説明。気胸の増悪がないか胸部Xp等を行いながら経過観察していくことと、もし増悪するような場合には胸腔ドレーンという管を入れる可能性もあること、そしてそれでも回復が見込めないようならば手術が必要な可能性(これについては家族がどの程度の温度でいるのかを説明している感触を確かめながら適切な強調具合で説明するのがよろしいと考えます)について説明する。
***
以下の論文とサイトに大変お世話になりました。ありがとうございました。
“帯状疱疹後神経痛の多面的治療はここまで進んでいる”. 日臨麻会誌 Vol. 28: 19-30, (2008)
http://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsca/28/1/19/_pdf/-char/ja/
・Pain Rerief → ペインに関することが非常によくまとめられていて、とても勉強になります。
http://www.shiga-med.ac.jp/~koyama/analgesia/analg-bl-sympa.html#sgb
(麻) 麻酔科専門医認定試験口頭試験2006年-症例2糖尿病患者透析中
以前作った回答を上げておこうかな。こういう問題に当たれば、満点は取れないとしても、全く答えられないということはないので、ありがたいのだけれど。
***
症例
・45 歳男性。169cm、52kg。
・手根管症候群に対して手根管開放術予定。
・糖尿病性腎症で血液透析中。
・BP 170/80mmHg、HR 84bpm。
・空腹時血糖は181mg/dl、血液透析後のHb濃度8.1g/dl、血清K 4.3mEq/l、血清Ca 8.4mg/dl。
質問
1)術前評価と管理
1. この患者の術前状態における問題点を列挙してください。
・血糖コントロール不良の糖尿病かつ血液透析中であること
・調節不良の高血圧
・腎性?貧血
・軽度の低Ca血症(基準値およそ8.5-10.2mg/dl, 2.1-2.5mmol/L程度。血漿イオン化Ca<1.10mmol/L程度以下で低Ca血症)
2. 術前に必要な検査を挙げ説明してください。
・血算(血小板低下の有無)、生化学(肝機能など)、HbA1c値(普段のコントロールの指標に)
・透析に関する情報:スケジュール、週何回なのか、除水量は、dry weightは、HD中の血圧低下や臨床症状はあるのか、
・凝固機能(腕神経叢ブロックを考慮する際には)
・血液ガス分析(代謝性アシドーシスの程度)、
・胸部Xp(肺うっ血所見、胸水貯留所見、心拡大の有無)
・心機能(12誘導心電図、TTEで心嚢水貯留や弁機能、心収縮能・拡張能、壁運動以上をチェック)
問診では
・シャントの位置
・普段の運動耐容能(何METsくらいか推測)
・手根管症候群による正中神経麻痺以外の手足の神経症状
・出血傾向の有無
3. 貧血を是正するか。
・出血量は多くないだろうし、手術も短時間であることが予想されるため是正しない
4. 低Ca血症をどうするか。
ごく軽度なのでそのままでもよいように思う。
5. 糖尿病の評価、コントロールはどうか。
随時血糖値から判断する限りではあまりよろしくないであろう。恐らく末梢神経障害、自律神経障害、眼障害もあるのではなかろうか。冠動脈病変もあることを念頭においた管理が望ましい。
2)麻酔法および術中管理
1. 麻酔法を選択しその理由を説明してください。
2. 麻酔導入の方法と使用する薬剤について具体的に述べてください。
略。喘息患者の抜釘と同様に全麻か腕神経叢ブロックでどちらか安全に施行しうると思う方で説明。
3. 研修医が「スキサメトニウムを使いたい」と言った時、どのようにするか。
・K値が上昇する可能性がある。現時点ではK値は4台なので、恐らく問題とならないだろう。だが、術中使用する他の薬剤によりK値が上昇する可能性があるし、万が一にも赤血球輸血を行う可能性もあるだろうから、より安全に使用できる患者さんに対して使いましょう。
3)周術期危機管理
1. 全身麻酔で管理し、ETCO2が25mmHg で経過していたときにST がさらに低下。どうするか。
・純酸素にしながら、術者にSTが低下している旨を伝える。
・エフェドリン、フェニレフリン等の昇圧剤を投与する。
・ETCO2 35-40mmHg程度になるよう、換気回数を減らす
・冠拡張薬(ニコランジル2-6mg/hや硝酸イソソルビド2-5mg/h)投与開始。血圧が低くなければニトログリセリン使用も
・以上で回復すればそのまま注意深く経過観察。手術再開してもらう。ST低下や血圧低下が持続するようなら、TEEを。(但し食道・胃にTEEの禁忌となるような病気なければ)
2. i) 術前術後の透析スケジュールについて説明。
・術前日に透析を行う。dry weightを目標に。
・術後は術中合併症なく、術後出血も落ち着いているようならば術翌日に行う。
ii) 一般に透析患者に輸液や薬剤を使用する際にどのようなことに注意するか。
・輸液はKなしのものを使用する。生食か1号液。輸液量は除水量から判断して多すぎず少なすぎず、術後のことも考えて。低血圧には昇圧剤を積極的に使用し、輸血の判断も早めに行う。
・腎代謝の薬剤の使用は十分気をつける。筋弛緩薬は通常よりさらに慎重に、またモルヒネは極力使用しない。HD患者へのスガマデクスの投与は推奨されていないので、残存筋弛緩には十分注意して抜管・退室の指示をする。
4)術後管理
術後鎮痛の方法を具体的に説明。
略
***
症例
・45 歳男性。169cm、52kg。
・手根管症候群に対して手根管開放術予定。
・糖尿病性腎症で血液透析中。
・BP 170/80mmHg、HR 84bpm。
・空腹時血糖は181mg/dl、血液透析後のHb濃度8.1g/dl、血清K 4.3mEq/l、血清Ca 8.4mg/dl。
質問
1)術前評価と管理
1. この患者の術前状態における問題点を列挙してください。
・血糖コントロール不良の糖尿病かつ血液透析中であること
・調節不良の高血圧
・腎性?貧血
・軽度の低Ca血症(基準値およそ8.5-10.2mg/dl, 2.1-2.5mmol/L程度。血漿イオン化Ca<1.10mmol/L程度以下で低Ca血症)
2. 術前に必要な検査を挙げ説明してください。
・血算(血小板低下の有無)、生化学(肝機能など)、HbA1c値(普段のコントロールの指標に)
・透析に関する情報:スケジュール、週何回なのか、除水量は、dry weightは、HD中の血圧低下や臨床症状はあるのか、
・凝固機能(腕神経叢ブロックを考慮する際には)
・血液ガス分析(代謝性アシドーシスの程度)、
・胸部Xp(肺うっ血所見、胸水貯留所見、心拡大の有無)
・心機能(12誘導心電図、TTEで心嚢水貯留や弁機能、心収縮能・拡張能、壁運動以上をチェック)
問診では
・シャントの位置
・普段の運動耐容能(何METsくらいか推測)
・手根管症候群による正中神経麻痺以外の手足の神経症状
・出血傾向の有無
3. 貧血を是正するか。
・出血量は多くないだろうし、手術も短時間であることが予想されるため是正しない
4. 低Ca血症をどうするか。
ごく軽度なのでそのままでもよいように思う。
5. 糖尿病の評価、コントロールはどうか。
随時血糖値から判断する限りではあまりよろしくないであろう。恐らく末梢神経障害、自律神経障害、眼障害もあるのではなかろうか。冠動脈病変もあることを念頭においた管理が望ましい。
2)麻酔法および術中管理
1. 麻酔法を選択しその理由を説明してください。
2. 麻酔導入の方法と使用する薬剤について具体的に述べてください。
略。喘息患者の抜釘と同様に全麻か腕神経叢ブロックでどちらか安全に施行しうると思う方で説明。
3. 研修医が「スキサメトニウムを使いたい」と言った時、どのようにするか。
・K値が上昇する可能性がある。現時点ではK値は4台なので、恐らく問題とならないだろう。だが、術中使用する他の薬剤によりK値が上昇する可能性があるし、万が一にも赤血球輸血を行う可能性もあるだろうから、より安全に使用できる患者さんに対して使いましょう。
3)周術期危機管理
1. 全身麻酔で管理し、ETCO2が25mmHg で経過していたときにST がさらに低下。どうするか。
・純酸素にしながら、術者にSTが低下している旨を伝える。
・エフェドリン、フェニレフリン等の昇圧剤を投与する。
・ETCO2 35-40mmHg程度になるよう、換気回数を減らす
・冠拡張薬(ニコランジル2-6mg/hや硝酸イソソルビド2-5mg/h)投与開始。血圧が低くなければニトログリセリン使用も
・以上で回復すればそのまま注意深く経過観察。手術再開してもらう。ST低下や血圧低下が持続するようなら、TEEを。(但し食道・胃にTEEの禁忌となるような病気なければ)
2. i) 術前術後の透析スケジュールについて説明。
・術前日に透析を行う。dry weightを目標に。
・術後は術中合併症なく、術後出血も落ち着いているようならば術翌日に行う。
ii) 一般に透析患者に輸液や薬剤を使用する際にどのようなことに注意するか。
・輸液はKなしのものを使用する。生食か1号液。輸液量は除水量から判断して多すぎず少なすぎず、術後のことも考えて。低血圧には昇圧剤を積極的に使用し、輸血の判断も早めに行う。
・腎代謝の薬剤の使用は十分気をつける。筋弛緩薬は通常よりさらに慎重に、またモルヒネは極力使用しない。HD患者へのスガマデクスの投与は推奨されていないので、残存筋弛緩には十分注意して抜管・退室の指示をする。
4)術後管理
術後鎮痛の方法を具体的に説明。
略
(本) 近ごろ気になる言葉たち
・男子たるものは、一度戦って負けても、やめてはならない。二度目三度目の戦いの後でも、やめてはならない。刀折れ、矢尽きてもやめてはならない。骨が砕け、最後の血の一滴まで流して、初めてやめるのだ。―新島襄 (見城徹、藤田晋―憂鬱でなければ、仕事じゃない、p230)
・あらゆることについて疑ってみること、どんなに困難であろうとも決して回避しないこと、思考のどんな誤謬もどんな矛盾もどんな混乱も決して不注意から看過せず、自分自身の説であろうと他人の説であろうと否定的批判による厳密な吟味なしでは一切容認しないこと、そして特に、一つの言葉を実際に使用する前にその言葉の意味を、一つの命題に同意する前にその命題の意味を明確に理解しておくこと。(J.S. ミル―大学教育について、p47)
・言葉は賢人にとっては現金代わりの数取り札であり、愚者にとっては貨幣である (同p35)
・満足した豚であるより不満足な人間であるほうがよく、満足した愚か者であるより不満足なソクラテスであるほうがよい。そして、愚か者や豚の意見がこれと異なるなら、それは彼らがこの問題について自分自身の側しか知らないからだ(J.S.ミル) (これからの「正義」の話をしよう、マイケル・サンデル、p75)
・生物学的に言えば、子供は私であり、孫も私であり、私、私、私と、私を伝えていくのが生物というものです。だから私の範囲をとらえ直し、未来の私までも勘定に入れた利己主義者になりませんかと、若者には勧めたいですね。 (本川達雄、生物学的文明論、p224)
・智者が同一を見るところにおいて、愚者は差別を見る。そして、差別にとらわれて、さまざまな迷いを生じ、恐れを生じ、さまざまな苦を受けている。(梅原猛、空海の思想について、p100)
・「お金は大好きです。でもお金が倍あっても、今晩食べるものは決まっています。」(WEDGE2010年10月号)
・他のどんなことよりも教育を受ける機会を切望している数億の子どもたちが世界中に存在することを知らない子どもたちだけが「学ぶことに何の意味があるんですか?」というような問いを口にすることができる。そして自分たちがそのような問いを口にすることができるということそのものが歴史的に見て例外的な事態なのだということを、彼らは知りません。(内田樹、下流志向、p43)
・「分散は、われわれ自身の無知に対するヘッジである。自分がしていることがわかっている者にとっては、分散はまったく意味のない行為である」(ウォレン・バフェット)
***
ゾンビたちに追いつめられる夢。学校の屋上で、眼下には焼却炉。喰まれゆらゆらと落ちながら目が覚める。
オープンテラスにいる夢。石畳で海が見える。痴漢に間違えられ交番に連れて行かれて目が覚める。
***
しかしなお、人間の、聖盤、聖杯探求のねがいは続く、いまあるような人間性でない、未来の人間性への望みと努力は続いているはずだとしか、もしトーマス・マンがいまなお生きていたとしても、かれにはいえないのではないか? (大江健三郎、「話して考える」と「書いて考える」、p218)
・あらゆることについて疑ってみること、どんなに困難であろうとも決して回避しないこと、思考のどんな誤謬もどんな矛盾もどんな混乱も決して不注意から看過せず、自分自身の説であろうと他人の説であろうと否定的批判による厳密な吟味なしでは一切容認しないこと、そして特に、一つの言葉を実際に使用する前にその言葉の意味を、一つの命題に同意する前にその命題の意味を明確に理解しておくこと。(J.S. ミル―大学教育について、p47)
・言葉は賢人にとっては現金代わりの数取り札であり、愚者にとっては貨幣である (同p35)
・満足した豚であるより不満足な人間であるほうがよく、満足した愚か者であるより不満足なソクラテスであるほうがよい。そして、愚か者や豚の意見がこれと異なるなら、それは彼らがこの問題について自分自身の側しか知らないからだ(J.S.ミル) (これからの「正義」の話をしよう、マイケル・サンデル、p75)
・生物学的に言えば、子供は私であり、孫も私であり、私、私、私と、私を伝えていくのが生物というものです。だから私の範囲をとらえ直し、未来の私までも勘定に入れた利己主義者になりませんかと、若者には勧めたいですね。 (本川達雄、生物学的文明論、p224)
・智者が同一を見るところにおいて、愚者は差別を見る。そして、差別にとらわれて、さまざまな迷いを生じ、恐れを生じ、さまざまな苦を受けている。(梅原猛、空海の思想について、p100)
・「お金は大好きです。でもお金が倍あっても、今晩食べるものは決まっています。」(WEDGE2010年10月号)
・他のどんなことよりも教育を受ける機会を切望している数億の子どもたちが世界中に存在することを知らない子どもたちだけが「学ぶことに何の意味があるんですか?」というような問いを口にすることができる。そして自分たちがそのような問いを口にすることができるということそのものが歴史的に見て例外的な事態なのだということを、彼らは知りません。(内田樹、下流志向、p43)
・「分散は、われわれ自身の無知に対するヘッジである。自分がしていることがわかっている者にとっては、分散はまったく意味のない行為である」(ウォレン・バフェット)
***
ゾンビたちに追いつめられる夢。学校の屋上で、眼下には焼却炉。喰まれゆらゆらと落ちながら目が覚める。
オープンテラスにいる夢。石畳で海が見える。痴漢に間違えられ交番に連れて行かれて目が覚める。
***
しかしなお、人間の、聖盤、聖杯探求のねがいは続く、いまあるような人間性でない、未来の人間性への望みと努力は続いているはずだとしか、もしトーマス・マンがいまなお生きていたとしても、かれにはいえないのではないか? (大江健三郎、「話して考える」と「書いて考える」、p218)
2011年9月26日月曜日
(麻) IABP(intra-aortic baloon pump)メモ
オペ室では時々しか登場しないので、知識を忘れかけた時の記憶トリガー用に。ただIABPバルーンの先端の場所をTEEで確認するだけじゃまずかろうて。
@何はともあれ入れる前に
・適応:心原性ショック、ACS、MIに伴うMV乳頭筋断裂、VSPなど、ハイリスクPCI、ハイリスクCABG、難治性心室性不整脈
・禁忌:2度以上のAR、重篤なAVシャント、大動脈解離、大動脈瘤、コントロールのつかない敗血症や出血、高度の末梢動脈疾患、補助人工心臓適応時(特にECG非同期駆動期)
・効果は多くても自己COの20-30%、長くても1週間くらいで抜去を考慮
・バルーンカテーテルは8.5-9.0Fr。バルーン部位は15-20cm。
・バルーンはヘリウムガスで膨らませる
・バルーンサイズの身長別、およその目安
・<150cm 30ml
・150-160cm 35ml
・160cm< 40ml
・透視が出来る部屋で挿入する。刺入部から第2肋間までの距離を目安に。
・基本的にSeldinger法で
@駆動
*IABP駆動前に、出来る限り洞調律にすることが重要。不適切なタイミングでは心負荷が増えるだけ。
・トリガー信号としてECG、大動脈圧、心臓ペーシングあり。
・基本はECGトリガー。電メス使用時には大動脈圧信号で。
・バルーンinflate(膨張)は大動脈弁閉鎖直後。心収縮期にinflateしたらafterload増えるだけで有害。
・至適タイミング見るべく2:1でIABP開始
<心電図トリガーの時>
・inflate - T波頂点よりやや遅れた地点
・deflate - QRS波の直前
<動脈圧波形トリガーの時>
~兎に角波形をしっかりみて調節するのが重要!誤ったタイミングでは心負荷増えるだけ。
・inflate:開始は動脈圧波形のdicrotic notchに合わせる
・deflate:deflateした時点の収縮期圧が最も低くなるよう、動脈圧波形を見ながら調節
・抗凝固:1:1駆動の際には必要ないかも知れないが、4:1や8:1駆動時には注意が必要。ACTで150-200秒にする
@離脱
・2:1を6-12時間、4:1を2-6時間厳重に監視、具合悪ければ8:1(この比率では殆ど補助効果は期待できないので、使うのはあくまでweaning時)でも様子見る
・中断数時間後に心原性ショックになることがあるので抜去後も注意して観察を。
・離脱基準:自己mAP≧70mmHg、PAWP≦18mmHg、CI≧2.0、反復胸痛なし
・抜去後は15-30分圧迫、その後圧迫器具を更に使用して確実に止血
@合併症
・血管性:下肢虚血、動脈損傷・解離、重篤な出血、血栓塞栓症(腸間膜動脈や腎動脈、脾動脈、上肢下肢)
・非血管性:神経障害(原因不明が多い。前脊髄動脈虚血?)、バルーン破裂(ガス塞栓になり危険!直ちに駆動停止しバルーンカテーテルを抜去)、血小板減少、溶血、内臓虚血
***
参考図書
・補助循環マスターポイント102 改訂2版、メジカルビュー社、2009年 p46-57
・続 麻酔科臨床の書 -A.M.C.心臓手術と麻酔の手引-、MEDSi, 2011年 p199-208
@何はともあれ入れる前に
・適応:心原性ショック、ACS、MIに伴うMV乳頭筋断裂、VSPなど、ハイリスクPCI、ハイリスクCABG、難治性心室性不整脈
・禁忌:2度以上のAR、重篤なAVシャント、大動脈解離、大動脈瘤、コントロールのつかない敗血症や出血、高度の末梢動脈疾患、補助人工心臓適応時(特にECG非同期駆動期)
・効果は多くても自己COの20-30%、長くても1週間くらいで抜去を考慮
・バルーンカテーテルは8.5-9.0Fr。バルーン部位は15-20cm。
・バルーンはヘリウムガスで膨らませる
・バルーンサイズの身長別、およその目安
・<150cm 30ml
・150-160cm 35ml
・160cm< 40ml
・透視が出来る部屋で挿入する。刺入部から第2肋間までの距離を目安に。
・基本的にSeldinger法で
@駆動
*IABP駆動前に、出来る限り洞調律にすることが重要。不適切なタイミングでは心負荷が増えるだけ。
・トリガー信号としてECG、大動脈圧、心臓ペーシングあり。
・基本はECGトリガー。電メス使用時には大動脈圧信号で。
・バルーンinflate(膨張)は大動脈弁閉鎖直後。心収縮期にinflateしたらafterload増えるだけで有害。
・至適タイミング見るべく2:1でIABP開始
<心電図トリガーの時>
・inflate - T波頂点よりやや遅れた地点
・deflate - QRS波の直前
<動脈圧波形トリガーの時>
~兎に角波形をしっかりみて調節するのが重要!誤ったタイミングでは心負荷増えるだけ。
・inflate:開始は動脈圧波形のdicrotic notchに合わせる
・deflate:deflateした時点の収縮期圧が最も低くなるよう、動脈圧波形を見ながら調節
・抗凝固:1:1駆動の際には必要ないかも知れないが、4:1や8:1駆動時には注意が必要。ACTで150-200秒にする
@離脱
・2:1を6-12時間、4:1を2-6時間厳重に監視、具合悪ければ8:1(この比率では殆ど補助効果は期待できないので、使うのはあくまでweaning時)でも様子見る
・中断数時間後に心原性ショックになることがあるので抜去後も注意して観察を。
・離脱基準:自己mAP≧70mmHg、PAWP≦18mmHg、CI≧2.0、反復胸痛なし
・抜去後は15-30分圧迫、その後圧迫器具を更に使用して確実に止血
@合併症
・血管性:下肢虚血、動脈損傷・解離、重篤な出血、血栓塞栓症(腸間膜動脈や腎動脈、脾動脈、上肢下肢)
・非血管性:神経障害(原因不明が多い。前脊髄動脈虚血?)、バルーン破裂(ガス塞栓になり危険!直ちに駆動停止しバルーンカテーテルを抜去)、血小板減少、溶血、内臓虚血
***
参考図書
・補助循環マスターポイント102 改訂2版、メジカルビュー社、2009年 p46-57
・続 麻酔科臨床の書 -A.M.C.心臓手術と麻酔の手引-、MEDSi, 2011年 p199-208
(麻) 麻酔科専門医認定試験口頭試験2007年症例5-分離肺換気中の気胸低酸素血症に関連して
この問題のヤマは低酸素の対応にあると思いますが。問題文中にも患者が肥満体型で肺にブラがある、ということで一側肺換気(OLV)にしたら気道内圧が高くなるぞ~ということが容易に想像できます。でも実際にOLV中に気胸が起こることってどれくらいあるのでしょう?
と思って安直ですが、PubMedを引いてみる。
比較的最近には
Intraoperative contralateral tension pneumothorax during pneumonectomy. Anesth Analg. 2008 Jan;106(1):58-60.
http://www.anesthesia-analgesia.org/content/106/1/58.long
で症例報告されています(free article)。ご存じの方も多いかもしれませんが。
この症例では肺がんに対して左下葉切除術。右用DLT(二腔気管支チューブ)をなんとか挿入(挿管困難だったのではじめは通常の気管チューブ→チューブエクスチェンジャー使用して右用DLTを挿入)し、右側臥位で手術開始。OLV開始後、低酸素や循環破綻なく、高気道内圧になった(ディスカッションでは数少ない報告全てが低酸素や循環破綻が初発症状)。
本報告の症例では右用DLTなので、右上葉換気孔の位置異常による高気道内圧や挿管に伴う気道損傷を疑ったようですが、Xpではしっかりと気胸になっていた、というもの。
本症例における診断治療の流れは・・・
高気道内圧→気管内吸引とファイバーでチューブ位置異常確認なし→高気道内圧持続→両肺換気に→皮下気腫ないけど頚静脈怒張あるぞ→Xp撮ったら緊張性気胸→その後すぐ閉胸して仰臥位にして再度Xpで気胸を確認→右胸腔ドレーン挿入→DLTを左用にチェンジ→ドレーンから持続的な排気なし→循環呼吸安定しているため再度体位をとって手術再開→オペ室で抜管。術後問題なくよかったよかった・・・。
分離肺換気中の低酸素血症はDLTの閉塞、位置異常、気管支痙攣等が鑑別に上がりますが、気胸も大事な鑑別診断の1つに挙げられますね。こんなシチュエーション、いつ何時にでも遭遇しかねない。
因みに麻酔中の気胸は・・・CVC挿入、腕神経叢ブロック、胸部硬膜外カテーテル挿入、手術に伴うもの、が多いようです。
@これまた因みに…分離肺換気の絶対的適応
1. 他肺からの感染性分泌物
・血液の流入阻止
・肺膿瘍・膿胸などの感染症
・大量出血(喀血)
2. 開放気道が存在する場合
・気管支瘻・気管支皮膚瘻
・手術が主要気道に及ぶ場合
・気管・気管支の損傷
3. 一側の肺胞洗浄
・肺胞蛋白症
上記以外は全て相対適応です。
と思って安直ですが、PubMedを引いてみる。
比較的最近には
Intraoperative contralateral tension pneumothorax during pneumonectomy. Anesth Analg. 2008 Jan;106(1):58-60.
http://www.anesthesia-analgesia.org/content/106/1/58.long
で症例報告されています(free article)。ご存じの方も多いかもしれませんが。
この症例では肺がんに対して左下葉切除術。右用DLT(二腔気管支チューブ)をなんとか挿入(挿管困難だったのではじめは通常の気管チューブ→チューブエクスチェンジャー使用して右用DLTを挿入)し、右側臥位で手術開始。OLV開始後、低酸素や循環破綻なく、高気道内圧になった(ディスカッションでは数少ない報告全てが低酸素や循環破綻が初発症状)。
本報告の症例では右用DLTなので、右上葉換気孔の位置異常による高気道内圧や挿管に伴う気道損傷を疑ったようですが、Xpではしっかりと気胸になっていた、というもの。
本症例における診断治療の流れは・・・
高気道内圧→気管内吸引とファイバーでチューブ位置異常確認なし→高気道内圧持続→両肺換気に→皮下気腫ないけど頚静脈怒張あるぞ→Xp撮ったら緊張性気胸→その後すぐ閉胸して仰臥位にして再度Xpで気胸を確認→右胸腔ドレーン挿入→DLTを左用にチェンジ→ドレーンから持続的な排気なし→循環呼吸安定しているため再度体位をとって手術再開→オペ室で抜管。術後問題なくよかったよかった・・・。
分離肺換気中の低酸素血症はDLTの閉塞、位置異常、気管支痙攣等が鑑別に上がりますが、気胸も大事な鑑別診断の1つに挙げられますね。こんなシチュエーション、いつ何時にでも遭遇しかねない。
因みに麻酔中の気胸は・・・CVC挿入、腕神経叢ブロック、胸部硬膜外カテーテル挿入、手術に伴うもの、が多いようです。
@これまた因みに…分離肺換気の絶対的適応
1. 他肺からの感染性分泌物
・血液の流入阻止
・肺膿瘍・膿胸などの感染症
・大量出血(喀血)
2. 開放気道が存在する場合
・気管支瘻・気管支皮膚瘻
・手術が主要気道に及ぶ場合
・気管・気管支の損傷
3. 一側の肺胞洗浄
・肺胞蛋白症
上記以外は全て相対適応です。
(雑) iTunesの新パソコンへの引越し移行、携帯電話の電池交換
・どうでもいい話題其ノ壱。
パソコンを買い換えて1ヶ月程になりますが、漸く旧パソコンから新パソコンへのiTunesの音楽ファイルの引越しを終了しました。凡そ70ギガ分のファイルを引っ越すのは結構時間が掛かりそうだな…と思って今日までサボっていたのですが、
http://nomano.shiwaza.com/tnoma/blog/archives/007359.html
こちらの記事を完全に盲信して「CopyTrans TuneSwift」(以前は無料でダウンロードできたようですが、現在は1480円かかります)というアプリケーションを使用して外付けHDD経由に移しました。お金を全くかけずに自力でやる方法もありそうだったのですが、多大な時間と労力と、そして結局何処かでエラーが起こって発狂しそうなくらいイライラする…のような事態に発展することが容易に想像できたので、上記アプリを購入しました。
操作自体は私にも簡単で、大したことなかったのですが、ファイルを旧パソコン→HDDに80分、HDD→新パソコンに60分ほどかかりました。それでも新しいパソコンのiTunesにイチから音楽CDをインポートするよりは遥かに遥かに早いし、いろんな設定なんかも完全に保存されたままのようで大変満足できました。
iTunesは便利で便利でしょうがないのですが、パソコンが壊れたら一緒に消える運命。大事な音楽ファイルは面倒臭がらず、きちんと外付けHDDやDVDやCD-Rに保存しておこうと思いました。当たり前ですが。
・本当にどうでもいい話題其之弐。
携帯電話の電池交換をしました。今の携帯電話を使い始めて5年半になるのですが(当然スマートフォンじゃない)、近頃はフル充電下で会話をしても3分で活動停止するような状態。いくら何でもまずかろうと2回目の電池交換をすることに。そろそろ愛用中の機種の電池生産停止が視野に入ってくるらしく(私が使っている携帯の一世代前のものは今年の春先に電池の生産を終了したとのこと)、次に電池を交換しようとする際には、観念して新機種を買わないといけないのだろうか。その日が来ることを思うと今から胃が痛い。でも携帯電話ってちょっとしたメールと、待ち合わせの時のちょっとした電話と、困ったときの連絡報告に使うくらい。他の用事は殆どパソコンのメールで事足りる。本当に必要なんだろうか。
パソコンを買い換えて1ヶ月程になりますが、漸く旧パソコンから新パソコンへのiTunesの音楽ファイルの引越しを終了しました。凡そ70ギガ分のファイルを引っ越すのは結構時間が掛かりそうだな…と思って今日までサボっていたのですが、
http://nomano.shiwaza.com/tnoma/blog/archives/007359.html
こちらの記事を完全に盲信して「CopyTrans TuneSwift」(以前は無料でダウンロードできたようですが、現在は1480円かかります)というアプリケーションを使用して外付けHDD経由に移しました。お金を全くかけずに自力でやる方法もありそうだったのですが、多大な時間と労力と、そして結局何処かでエラーが起こって発狂しそうなくらいイライラする…のような事態に発展することが容易に想像できたので、上記アプリを購入しました。
操作自体は私にも簡単で、大したことなかったのですが、ファイルを旧パソコン→HDDに80分、HDD→新パソコンに60分ほどかかりました。それでも新しいパソコンのiTunesにイチから音楽CDをインポートするよりは遥かに遥かに早いし、いろんな設定なんかも完全に保存されたままのようで大変満足できました。
iTunesは便利で便利でしょうがないのですが、パソコンが壊れたら一緒に消える運命。大事な音楽ファイルは面倒臭がらず、きちんと外付けHDDやDVDやCD-Rに保存しておこうと思いました。当たり前ですが。
・本当にどうでもいい話題其之弐。
携帯電話の電池交換をしました。今の携帯電話を使い始めて5年半になるのですが(当然スマートフォンじゃない)、近頃はフル充電下で会話をしても3分で活動停止するような状態。いくら何でもまずかろうと2回目の電池交換をすることに。そろそろ愛用中の機種の電池生産停止が視野に入ってくるらしく(私が使っている携帯の一世代前のものは今年の春先に電池の生産を終了したとのこと)、次に電池を交換しようとする際には、観念して新機種を買わないといけないのだろうか。その日が来ることを思うと今から胃が痛い。でも携帯電話ってちょっとしたメールと、待ち合わせの時のちょっとした電話と、困ったときの連絡報告に使うくらい。他の用事は殆どパソコンのメールで事足りる。本当に必要なんだろうか。
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