このブログを検索

2011年8月25日木曜日

(雑) 目の前に晒されると気にならざるを得ない、AneCan編

あれは確か…帰り道に池袋駅ですれ違った女性のチークが、何故か右側だけ妙に濃くて、遠目からは一瞬「DVの傷跡か?!」、と妄想させられた日、だったから、8月16日の出来事。
という文脈で過去の日付を思い出す人を、私は、ちょっとばかり警戒するかもしれない。

ある特定の日付の思い出し方が「俺の地元の高校が3回も逆転して10-9で甲子園で初勝利をおさめた日」という想起の仕方だったら、あまり不審に思わず、あぁこの人は地元ラブなのね、くらいですむだろう。

その違いは何だろう…と思いながら、電車に乗ったところ、AneCan(姉キャン) の吊り革広告に目がとまった。
美人さんの容姿に目が行ったのではない。

「麗子OLの1か月CD」
と書かれていて興味を惹かれたのである。

CD?

私の知ってるCDは
音楽のcompact discと
cash dispenserと
偽膜性腸炎を起こすClostridium difficileという菌
くらいで、その中でAneCanで取り上げられる可能性が1番高いと推測されたのが音楽のCDだったからだ(それすら低いだろうとは思ったけど)。

1か月のCD特集、、これは興味深い。世のアラサーOL様たちが何を聴いて日々を送っているのか(あるいはAneCanは、その読者にどのような音楽を聴くことを欲しているのか)はほんのちょっと気になる。だが、音楽はとっくにダウンロードする時代になっているし、流行を作り出すのがこの手の雑誌の欲望するところの筈なのに、CDを特集するとは随分とアグレッシブに攻めてきたもんだ。いよいよ人生初のAneCan購入か、、、いやAneCan買うのは少女漫画を買うより恥ずかしいから妻に買って来てもらおう、、と妄想しつつ吊り革広告のそばににじりにじり寄ってみたら小さな文字で。

コーディネート。

と書かれていた。

こー、ディネート?
co・ordinateでは?

音節は無視か…。

いや、多分、ファッション雑誌では当たり前の略し方なのだろう。
そもそもAneCanは私を読者対象とは絶対に考えていないだろうし…。

いずれにせよ、8月で一番落胆した出来事だった。

と思って辞書を引いてみたが、
分節は「co・or・di・nate」だった。

だから、いいのか…。

2011年8月24日水曜日

(雑) 目の前に晒されると気にならざるを得ない

与党代表選の最有力候補は、端正なお顔立ちの元党代表らしい。やっぱりテレビ受けするもんなぁ…。国民の支持率も高いようだけど、やっぱり皆イケメンが好きなんだよなぁ。政策が他の候補者とどう違うか、なんて、皆どうでもいいんだろうなぁ。

その表れか、彼が党代表選に出馬を決めた翌日のトップニュースは、タレントの引退会見だった。
与党の党代表選、もとい次期総理大臣選は、2006年以降毎年の恒例行事化している。もはや誰がなろうと日本の平和は同じように保たれているように多くの国民には見える(または誰がなっても駄目っぷりは同じだろうというように、多くの国民が考えている)ことから、メディアの取り上げもその程度、ということなんだろうなぁ。
私にとっては、どちらも同程度に興味がないのだが、メディアが「多くの国民にとって、より大きな関心事は次の首相が誰になるかの行方、よりも、タレントの引退会見だろう」と認識している(NHKも含めて)ことが、私が今日分かった小さな小さなことである。

2011年8月23日火曜日

(音) Fleshgod Apocalypse - Agony (2011年, Italy) (やっぱり凄かった)

2007年~イタリアのテクニカルデスメタルバンドのフルアルバム2作目。

恐らくデスメタルを主食とする人たちには、このアルバムはオーケストラ、シンフォニックなアレンジが強すぎて、それ程受けないのかもしれないが、シンフォニックメタルを主食とする私には、2011年5指に入る大傑作作品。
世の中にヘヴィメタルを標榜するバンドは数多あれど、このアルバムほど、メタルでなければ描けない世界を描いているアルバムはそうそうないだろう。

Dimmu Borgir的な曲にCryptopsy的な半端ない音数のドラムで演奏してくれちゃったら、もうそれだけで感涙ものなのだが、そこにダークサイドなオーケストレーションが加わり、全編圧倒的な音の塊。デス声が時折クリーンヴォーカルになり、無慈悲な孤高さを演出する。
この手のデスメタルでは、オーケストレーションが曲の飾り程度にしか使われないことが多く、真性デスメタルファンではない私には、それが不満だった。本作ではシンフォニックな管弦楽パートが見事に曲の一部として融合してしまっているのが何よりも特筆すべき点。デスメタル+シンフォニーというのは誰かがどこかでやっているのだろうけれど、ここまで美しく作られた楽曲群を私はこれまで未体験だったので、尚更ぐいぐい引き込まれた。

本作購入の決め手だった#5「The Violation」だけが突出した神曲というわけではなく、しかし、この曲が本作のハイライトではありながら、他のどの曲も押し並べて完成度が高い。加えて曲間の切れ目がほぼ皆無で、全編通して1つの曲、のようにも受け取れる。そのため、曲ごとの差別化は何回か聴かないとできないように思えるが、どの曲も荘厳激烈極まりないため、好きな人は好き、飽きる人は途中で飽きて脱落、「デスメタル」と聴いただけで逃げる人は端(はな)から聴かない、といういつもの構図に落ち着くだろう。

1. Temptation
2. The Hypocrisy
3. The Imposition
4. The Deceit
5. The Violation
6. The Egoism
7. The Betrayal
8. The Forsaking
9. The Oppression
10. Agony
11. Heartwork (Carcass cover)

ということでピアノソロな#10以外に凡曲が全く見当たらない上に、#11の「Heartwork」もシンフォニックアレンジで素敵出来。
初聴のバンドで、こんなにスリリングな作品に出会えたのは久しぶり。今年の研究室の猛暑を締めくくる(まだ?)にふさわしい作品でした。

2009:Oracles (1st full album)
2010:Mafia (EP)
もそのうち聴こう…。

(麻) 麻酔科専門医認定試験口答試験2010年症例4-1 胸部下行大動脈瘤の切迫破裂

簡単な人には簡単で、難しい人には難しい…のかな、こういう大血管問題って。
明暗が分かれそうですな。


@症例
・76 歳男性。165cm、55kg。
・胸部下行大動脈瘤に対しCPB下での人工血管置換術が予定。
・5 年前に大動脈弁置換術を受けた。
・10 年前よりカプトリル(ACE 阻害薬)、経口血糖降下剤、5年前からワルファリン内服中。

1) 術前評価と管理
1.この患者の術前での問題点を挙げる問題点
・心臓について一通りチェック。運動耐用能はどうか。A弁の動きはどうか、ASやARになっていないか、冠動脈疾患の有無(冠動脈造影所見)、収縮能拡張能はどの程度か、他の弁の動きがどうか。
・高血圧の程度をチェック。術当日のACE阻害薬は中止する
・DMについて程度をチェック。コントロール不良ならばインスリン導入を検討。罹患歴10年と長いので、腎臓・目・末梢神経障害の有無、特に腎機能低下がどの程度かをチェックする。
・抗凝固を術前にヘパリンに変更する

その他で知りたいこと
・頸動脈病変の合併は
・呼吸器や肝機能、腎機能等、他臓器の障害の有無
・TEEを是非使用したいので食道や胃の病変や手術歴の有無

2.手術前にワルファリンを未分画へパリンに変更。ヘパリン開始3 日目に貧血はないが、血小板が22 万から7 万へと低下。原因は?
・血液疾患の可能性もあるが・・・ヘパリン起因性血小板減少症 (heparin-induced thrombocytopenia、以下HIT)を第一に考える。
ヘパリン投与2~3日後の発症ならば、HITのI型の可能性もあるが、I型の場合、10~30%の血小板減少が起こるとされる。本症例では70%程度の減少がみられており、典型的ではない。そのため、時期としては典型例より早い(通常投与開始5~14日後~平均10日位~に発症)が、HIT II型の可能性がある(II型では15万/μl以下の減少、50%の減少)。

以下、聞かれてないのでおまけ:本患者では人工弁のため、抗凝固療法は必須である。 HIT I型ならヘパリンの投与を中止せずとも血小板数は自然に回復し合併症も起こさないが、II型の場合、ヘパリンの持続投与により動静脈塞栓症の危険性が高い。そのため、ヘパリンをただちに中止し、抗PF4・ヘパリン複合体抗体(HIT抗体)を測定し、代替の抗凝固療法(アルガトロバン)の投与を開始するのがよいだろうと考える。

2) 麻酔法および術中管理
1.胸痛が出現し、切迫破裂が疑われたため、緊急手術が行なわれることに。麻酔管理のポイントを挙げる。


(*注)HITではなく、夜間1人で当直している時にかかってきた悪夢のPHS…という設定で答えてみる。
・切迫破裂であればバイタルは安定していると考えられる。抗凝固中で出血の危険性も極めて高いので、待機的に手術できるのであればそちらの方が安全であると考えられる。降圧薬や鎮痛薬投与をして経過観察し、貧血の進行やバイタルの悪化、破裂所見の進行がなければ数日~10数日様子を見て、待機的に手術を行う。

もしショックバイタルなら待てないので当然緊急手術。
~オペ室に来る前にすべきこと~
・on callの若くてやる気のある麻酔科医(いれば)を呼ぶ。
・輸血の準備を大量にしてもらう(RCC 20U, FFP 20Uをまず)。血小板も必要。麻酔導入時には、輸血が手元にあることが必須。必ず確認。
・ヘパリン置換前、ワルファリン内服中での発症ならビタミンK(ケイツーNなど。10-20mg。アナフィラキシーに注意)を投与してもらう。その際は恐らく止血に大苦戦するだろうからFFPがもっと必要かもしれない。
・術式、体外循環の方法を確認する。下行大動脈ならおそらく右半側臥位のspiral incision(LiSA 2008年6月号p 619)だろうから、分離肺換気を要求されるだろう。左用DLTを入れるためには大動脈瘤で左主気管支が圧排されていないかをCTで確認しておく。また、動脈圧ラインをどこか入れるか(左鎖骨下動脈がクランプされるなら右橈骨動脈から挿入、また大腿動脈の非送血側にA-lineを留置))も予め相談。以上を外科医に確認しておく。
・もし家族を呼んで、手術の説明してから手術…であれば、家族を待っている間に外科医に右内頸静脈からCVCとPACを入れてもらう。いろんな余裕があれば気管挿管後の方が安全かもしれないが、その場合でも、麻酔導入前に太い口径の末梢静脈路があった方がよい。
~手術室~
・麻酔導入中に破裂するかもしれないので、麻酔導入前に外科医と機械出しナースが手洗い+ガウン着用をしていることが必要。
・血圧のコントロール。下げすぎず、決して上げすぎず。麻酔導入前にA-lineを必ず挿入。薬はミダゾラム(±ケタミン)、フェンタニル(or レミフェンタニル)、ロクロニウム。もちろんrapid sequenceで。循環変動に即座に対応できるよう、Ca拮抗薬や超短時間作用型βブロッカも吸っておいた方がよいだろう。
・MEPを測定するならプロポフォールやフェンタニルやケタミンで麻酔維持。

2.術中の大動脈遮断により心血管系ではどのような生理学的変化が予想されるか。
・急激な後負荷増大によって、
遮断近位側の血圧上昇
左室拡張終期圧の上昇
心負荷の増加
心筋酸素消費量の増加
が起こる

3) 周術期危機管理
1.胸部下行大動脈瘤手術における注意すべき神経学的合併症は何か。その原因と予見するためのモニタリングは何か。
・脊髄虚血(Adamkiewicz動脈は90%がTh7-L1)による対麻痺
モニタリング→MEP(motor evoked potential:運動誘発電位):頭皮上に刺激電極を貼って大脳皮質の運動野を刺激して下肢の筋収縮を測定。脊髄運動下降路の障害の有無を経時的にモニタ。術中はMEPの波形が観察されるような血圧で管理を行う必要あり。

(おまけ…SEP(somatosensory evoked potential:体性感覚誘発電位)は脊髄前角の虚血を反映しない。そのためSEPが正常でも対麻痺がおこる可能性がある。)


2.一般的な脊髄保護として考えられる方法を挙げる。
・CSFドレナージ:L3/4かL4/5よりくも膜下にカテーテルを留置。術中は10cmH2Oを超えないようドレナージ。術後数日で抜去する。
・硬膜外冷却法:硬膜外カテーテルから4℃の生食を潅流させる。CSF圧を見ながら。

・低体温(33-34℃程度)
・薬物投与(ナロキソン。ステロイドはヒトにおいてはCSFドレナージと併用でのみ効果あり、とMiller日本語版p1634にあり)
・遠位大動脈潅流

4)接遇問題―歯牙動揺のいきさつと今後の方針を説明をしましょう

記載のために参考にした文献やWebなど~大変お世話になりました
・ヘパリン起因性血小板減少症患者の大血管手術周術期抗凝固管理. 日本臨床麻酔学会誌 Vol. 28 (2008) , No. 7 951-955
http://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsca/28/7/28_951/_article/-char/ja
・HIT情報センター
http://www.hit-center.jp/contents/hit-genkyo.php
・LiSA別冊'06 胸腹部大動脈瘤手術の脊髄保護戦略
・LiSA2008年6月号p618-629
心臓手術の実際―外科医が語る術式、臨床工学技士が語る体外循環法(2008年,秀潤社) p154-161
・臨床麻酔2006年9月号 腹部大動脈瘤破裂患者の麻酔管理 p1384-1391
・大動脈外科と脊髄保護─コンセプトの変化と麻酔科の役割─. 日臨麻会誌 Vol. 30: 497-505, (2010) .
http://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsca/30/4/30_497/_article/-char/ja
・脳脊髄循環からみた脊椎外科・大血管外科における脊髄保護. 日臨麻会誌 Vol. 31: 193-201, (2011) .
http://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsca/31/2/31_193/_article/-char/ja/
***
Anesthesiology November 2011 - Volume 115 - Issue 5 - p 1093–1102
にCase Scenario: Anesthetic Considerations for Thoracoabdominal Aortic Aneurysm Repair
が掲載されていますので、知識の復習に。freeです。(2012/2/20追記)

2011年8月22日月曜日

(雑) "続・オヤジの一番長い日" ~私的「24」ならぬ「44」

私はいつも意識を失っている患者さんの頭側に立っている。

だから、患者さんの顔をまじまじと見ることが多い。
しかし、患者さんの頭側から覗き込むので、顔立ちとしての造形美についてはよくわからない。

口には気管チューブが挿入されているし、鼻からは胃管が挿入されているし、目はアイパッチという角膜が乾燥しないためのシールを貼ってしまうので、どんな美人さんでも美人さんじゃなくてもあんまり変わりないのだ。
でもいつも気になって気になって仕方ないことがある。

それは目脂(めやに)だ。

ご老人だと結構しっかり頑固にこびりついていることが多い。長期入院の方に多いのは想像できるが、中には昨日入院、今日手術、数日後退院のスケジュールなのに、がっちりとついていることもあるのだ。
この方は入院してなくても、目脂をごっそり付けたままスーパーに買い物に行ってたのだろうか、とか目脂がべっとり張り付いたままパチンコ屋でスロット打ってたのだろうか…と思うとなんとも言われない気持ちになる。

目脂はおそらく、患者さんに無断でゴシゴシ取り除いても「お前、なんてことしてくれたんだよ!大事に取っておいたのに!」と怒髪天で憤慨されることはないだろう。だから、手術が終わって、アイパッチを剥がし、患者さんの意識が戻る前にガーゼなどでゴシゴシと取って差し上げることは、私の麻酔をやる上での、いくつかある楽しみのうちの1つである。

もう一つ気になることがある。

それは鼻毛(はなげ)だ。

びよ~んと、もの凄い長さのモノが1本だけ飛び出ていたりすると、切りたくて切りたくてウズウズしてしまう。だが、鼻毛の場合、「お前、なんてことしてくれたんだよ!その一本だけ伸ばして大事に取っておいたのに!」と万が一にも怒髪天で憤慨されることがあるかもしれないので、今日までの麻酔科医人生4年5ヵ月間で、患者さんに無断で鼻毛を切ったことはない。
いつか我慢できずに切ってしまう日がくるんだろうか…その時は術後回診時にきちんと説明した方がいいのだろうか…いやいや術前回診の時に説明しておく必要があるな。

「万が一、目に余る長さの鼻毛等がございましたら、全身麻酔中に処理させていただきます。」

それが高じて、そのうち、胆嚢を手術で取るついでに顔の無駄毛処理やフェイシャルパック、整髪パーマ染毛、二重瞼のプチ整形まで付いてきちゃうようなサービスが全身麻酔下にオペ室で行われるようになるのかなぁ。既に行われているのかなぁ。

***
などと妄想していて罰があたったのか、2か月と10日ぶり位に、オールナイトで麻酔をする羽目になった。
私は勝手に緊急手術の麻酔grading scaleを作って、難しい方から順にS級、A級、B級、C級(注1)に分類しているのだが、今回のはA級1件、S級1件、B級1件だった。なんにせよ、26時間中に6件の麻酔管理をしたのは久しぶり。真夜中に輸血をポンピングしたのも久しぶり。私はバイト麻酔科医なのに…。

これは自分の撒いた種ではない。
最早、金曜日に眠れるなんて甘い考えは捨てよう。

注1:C級とは、緊急手術なのにスパイロ検査をやっていたり、絶飲食時間がたっぷり取ってあったりする「外科医の都合による予定緊急手術」である。

2011年8月18日木曜日

(麻) 麻酔科専門医認定試験口答試験-2007年症例7-喘息患者の橈骨抜釘術

こちらもI先生からいただいたものを加筆したものです。

症例
・56歳男性。178cm、55kg
・左橈骨骨折術後の抜釘術
・小児期から気管支喘息があり、一年に数回、特に季節の変わり目に喘息発作が起こる。1ヶ月前にも発作が起こり、ステロイド吸入と気管支拡張薬の吸入療法を受けた。

1)術前評価
1.術前回診で必要な問診と検査について述べて下さい。
問診)
・現在、調子の良い時期か悪い時期か?分泌量はどうか?
・コントローラーは何を使用しているか?きちんと定期的にコントローラーを使用しているか?
・特にテオフィリン内服患者においては、血中濃度確認。
・レリーバーは何を使用しているか?最終発作とそのときの治療。
・ステロイドの内服歴は?
・喫煙の有無・ アスピリン喘息の可能性は?
・薬剤アレルギーの有無

検査)聴診、胸部レントゲン、スパイログラム

*もし調子の悪い時期であれば、緊急手術ではないので、喘息の状態が改善するまで手術を延期することも患者さんや主治医と相談してよいと考える。

2)麻酔法および術中管理
1.この症例で選択する麻酔方法について理由を付けて説明。
・腕神経叢ブロック。喘息があるので、気道に刺激を与えたくないから。

2.この症例を腕神経叢ブロックで行う場合どのようなアプローチがあるか。選んだアプローチの利点と合併症を挙げる。
斜角筋間アプローチ、鎖骨上アプローチ、鎖骨下アプローチ、腋窩アプローチ
私なら・・・、鎖骨下アプローチ(超音波ガイド下、神経刺激装置併用)で、カテーテルを挿入する。
利点:斜角筋間アプローチや鎖骨上アプローチのような横隔神経麻痺やホルネル症候群が非常に稀。気胸の危険性はあるが、鎖骨上アプローチよりも頻度が少ない。カテーテル挿入位置が感染しにくく、見えやすく、固定性もよく、管理がしやすい。
合併症:気胸、血管損傷、神経損傷、局所麻酔薬中毒、感染、腫脹

3.この症例を全身麻酔で行うとすればどのような麻酔管理をおこなうか。
・気管挿管下にセボフルランとレミフェンタニルで行う。挿管前にセボフルラン濃度をしっかり高くし、レミフェンタニルの血中濃度が十分高くなるようにする。手術侵襲を考えるとLMAやi-Gelでもよいだろうが、術中に喉頭痙攣や重度の喘息発作が起こった時に換気ができなくなる可能性があるため、初めから気管内挿管で行う。
・術中、浅麻酔にならないように十分気を付ける。抜管は、深麻酔下またはしっかりと覚醒させてから行う。深麻酔のうちに、気管内吸引を行なっておく。
・手元にβ刺激薬を準備しておき、術中呼吸回路から使用できるように準備しておく。
・テオフィリンとステロイドを手元に準備しておく。

4.術後鎮痛は。
・腕神経叢ブロックなら…鎖骨下アプローチで後神経束近くにカテーテルを挿入。0.2%ロピバカイン4-6ml/hrを持続投与する。
・全身麻酔なら…アスピリン喘息ならNSAIDsは使用しない。抜釘ならペンタゾシンとアセトアミノフェンの併用で乗り切れるのではないだろうか。

3)周術期危機管理
1.術中に突然SpO2が90%以下に低下。どのように対処するか。
・術者に異常事態であることを告げ、外回り看護師に、他の上級麻酔科医(いれば)を呼んでもらう。
・酸素100%にし、麻酔回路と気管チューブ(もしくはLMA等)が接続されているか確認する。
・パルスオキシメータが患者さんの指にきちんと装着されていることを確認しつつ、換気を手動に替えバッグの重さを触診。聴診してwheezeが聴こえないか確認する。
・テオフィリンやアドレナリンやステロイドやサルブタモール等が手元になければ持ってきてもらう(救急カートにあればカートごと)。血圧がどの程度かも確認する。
・以上の対処をしつつ、麻酔機のトラブル、喘息発作、分泌物による閉塞、気胸、肺塞栓を鑑別する。
・喘息発作が最も疑わしければ、セボフルランを深くし、深くなってから、気管内吸引をする。
β2刺激薬の吸入を行う。アミノフィリン250mgを生食100mlに溶解し、半量を15分で、残りを45分かけて、持続静注する。ただし、もともとテオフィリンを内服しており血中濃度が8μg/mlの場合は、その半量とする。アスピリン喘息でなければ、ヒドロコルチゾン200mgを持続静注。それでも改善しなければアドレナリン1/3A程度を皮下注。

*喘息発作だと思っていても、アナフィラキシーの症状として出ている可能性があることを忘れない方がよいでしょう。覆布の下の患者さんの体に発赤がないか…をチェックするのって焦っていると忘れてしまいがちになる。

参考web
・麻酔と救急のために
http://www.msanuki.com/m/index.php?%E5%96%98%E6%81%AF%E6%B2%BB%E7%99%82%E5%89%A4
・リウマチ・アレルギー情報センター 成人気管支喘息ガイドライン
http://www.allergy.go.jp/allergy/guideline/02/contents_04.html#8
・慶應義塾大学医学部麻酔学教室 術中喘息発作の治療ガイドライン
http://www.keio-anesthesiology.jp/clinical/m09.html

2011年8月16日火曜日

(雑) 上野のパワースポット

週末。
「空海と密教美術」展(東京国立博物館)に行って来た。

9:30開場のところ、9:40に着いたら長蛇の列。入場まで10分位待ったかな…。9:30より前に行くか、10時過ぎくらいに行った方がいいかも。
どこに隠れていたのか、世の中にこれほど空海に興味がある人がいたとは。
仏像より書が素晴らしかったな…。

***
んで昨日。
悪いことした。

帰りの電車を待っている21時半。英語圏から来たであろう若い外人さんカップルにホテルの場所を尋ねられた。恐らく2人の今日の宿泊場所だろう。ホテルの名前に、自分たちが今いる駅名が入ってたものだから、そしておそらく彼女たちもそうだと思ったにちがいなかったから、我々はこの駅で出会ったのだが、残念なことに、彼女が手にしている紙にはホテル名とホテルの外観の写真しか載っていなかった。

iPhoneで調べて、マップを見せてあっちの方角だよ、と教えたのはいいが。
よくよく見てみると、ホテルへは、もう一つ隣の駅から歩いた方が大分近かったのであった。小さな親切大きなお世話。相手のペースに呑まれず、もうちよっと調べて差し上げればよかった。

この暑いなか、散々歩いて、
彼氏「何であんなやつに聞いたんだよ」
彼女「あんたが地図をプリントアウトしてこなかったからでしょ、この役立たず!!」
と喧嘩になってなきゃいいな。もしかして新婚旅行で日本に来て、今日のこのエピソードが離婚のきっかけになったりして。しかも震災のために四ヶ月位遅らせてわざわざ日本に来てくれたのかもしれないのに。しかも円高で、どこに行っても当初の予定よりお金がかかっていて、普段はラブラブな2人の関係に溝ができているのかもしれない。あぁ、しかも腹ペコだったかもしれない。彼女の方は結構ふくよかだったから、もしかしなら人一倍お腹を空かせていたかも。それで10分以上も歩いたら、普段は温厚な彼女の怒りの閾値も下がるだろうなぁ、せめて私が持ってたガムでもあげればよかった、、、、。

と色々考えてしまうけど、貧困な私の妄想力ではこれ位しか思い浮かばないや。

***
Evernoteは10か月前にダウンロードしていたのだが、しばらく存在自体を忘れかけていた。このたび、iPhoneに「PostEver」のアプリをダウンロードした。何かのメモをそこで取って、Evernoteにどんどん送ることができる。パソコンにもEvernoteをダウンロードすることで、同じ情報が同期される。
今日から実験中のメモも、試験的にEvernote上に書き込むことにした。文字を入力してるそばから自動で保存してくれるのが嬉しいところ。実験のプロトコール等を移動中にiPhoneで見ることはあまりないだろうが、「何でも記録しておかないと心配になる病」に若干罹患気味な私には、大変役立つツールとなるだろう。そして、今日からPhotoshopとIllustratorを使い始めた。今のところ使い方がよく分からないが、まぁなんとかやっていこう。
加えて、解析用のアプリケーションをダウンロード。こちらはさらに訳が分からない。
こうしてどんどん覚えることが増えていくのであった。不良債権化しないようにしていかないと…。

(雑) Black "Nex" Aftermath

私は弁当とともに、水筒も持参するようになったのだが、その中身が麦茶やウーロン茶や玄米茶やジャスミン茶、という「~茶」にすっかり飽きてしまった。

そして、茶を持参するくせに、脱水を言い訳にコーラやブラックコーヒーを買ってしまっていたりしていた。

ということで「コーヒーかコーラ、どちらかを水筒で持っていけないだろうか?」と思ったのであった。

コーヒーを500ml持っていくのは・・・・この論文を読んでやっぱりやめた。

Epidemiologic evidence on coffee and cancer. Nutr Cancer. 2010;62(3):271-83.

のThere appears to be no association with breast, pancreatic, kidney, ovarian, prostate, or gastric cancer. Risk of bladder cancer appears to be associated with heavy coffee consumption in some populations and among men. The associations with childhood leukemia and mother’s consumption of coffee were ambiguous—with some suggestion of risk at high levels of daily consumption.


国立がん研究センター
喫煙、コーヒー、緑茶、カフェイン摂取と膀胱がん発生率との関係について
http://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/339.html

別にコーヒーを飲むことをやめるわけではない。
肉食やアルコールが大腸がんのリスクだったり、たばこが肺がん食道がん喉頭がんのリスクだったりしても、やめない人はやめない。大したリスクではないので、コーヒーをやめる必要もないのだが。知られているすべてのリスクを回避したとしても、発がんするときは発がんするだろう。

んで、コーラを水筒に入れて持って行った2日目。初日は全く問題なかったのに、何故か水筒のふたが緩んでいて、カバンと水筒の周囲にあった文庫本4冊が残念なことになった。本当にどうでもよくないけどどうでもよいことなのだが、Naglfarというブラックメタルバンドの「Sheol」というアルバムの2曲目に「Black God Aftermath」という曲がある。何故かペプシネックスで汚染されたカバンや本を見て、「綺麗に拭かなくちゃ」ということよりも、まず1番先に想起されたのが、この曲名とヴォーカルの咆哮だった。

ということで、「コーラ水筒で持っていこう計画」はたった2日であえなく潰えた…という話、をあえてブログに残しておくと、今後の自分のためや、誰かのためになるのかよくわからないが、一応書いておこうと。

2011年8月14日日曜日

(走) Training in Rena (其の百十七-九)

暑さで生命力が減退しているが、それに甘えていてはいかん、と思い走ったところ、3週間も間隔が空いてしまっていたことに気づく。

7/17 10.0km, 66min (9-11km/h, 傾斜 0) → 初めて論文を読みながら走ってみる。距離が短く感じた。あまり読みやすいとはいえない。
7/24 5.0km, 32min (9-11km/h, 傾斜 0) → 頭痛のため途中で中断
8/14 5.0km, 31min (8.5-12.5km/h, 傾斜0-3.0) → 論文を持って行ってみたが、トレーニングマシンの台において走ってみると、文字が小さくて読めないことに気付く。もっと大きい文字に印刷してこないとだめなのか。

total distance: 835.2km (July 34.0km, August 5.0km)
total time: 5262min = 88h21m (since 7th, Feb, 2010 走り始めて今日で554日目)

(音) Fleshgod Apocalypse - Agony(まだ聴いてないけど)


こりゃあ確かに凄い。

最近、「英語に慣れようキャンペーン」の一環として、英語のウェブサイトでメタルの情報を狩猟するようになってきている。
その中に「METAL STORM」というメタルアルバムのレビューサイトがある。今日現在6276バンド、37977枚のアルバムについてレビューされている。
んで、「2011年のアルバム1位」に選出されていたのが、このイタリアのバンドの作品。本当にいいのかよ…と思って半信半疑のままYou Tubeでみた"The Violation"のあまりの破壊力に一聴するなり大爆笑。確かに…凄い。
ハリウッド映画のサウンドトラックのようなシンフォニックで大仰なサウンドが一気にデスメタル化するイントロは芸術そのもの。Dimmu Borgirがデスメタルをやっているようなサウンドで、ヴォーカルもデス声主体だが時折キャッチーなクリーンヴォイス化するため、デスメタルの中では相当聴きやすい部類に入ると思う。輸入版はもう日本でも手に入るようだけど、8月19日のiTunesでの発売を待ってみることにしよう。楽しみ。