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2011年7月25日月曜日

(麻) 術直後のシバリング

びっくりしたことに専門医試験の日程が4日間になっている。K先生、情報ありがとう。

***
「今更?」的な内容ではあるかもしれないが、たまーに遭遇するので、記しておこうと思う。

自験例では今年遭遇した4症例中3症例でペチジンが著効(つまり投与後数分でシバリングが目の前で改善した)だったので、やはりペチジンの効果はあるのだろう。因みに35mg/1Aを全例で投与したが、過鎮静は経験しなかった。「シバリング発生時の対応」への理解が、外回り看護師さんや執刀医にあると、シバリングが起きちゃったときに、とても対応しやすいということを改めて感じた7月22日の手術室でした。合併症のない患者さんでよかった…。

術直後のシバリングを経験するたびに、ASA-PS 3で中~高度の心肺合併症をもっている患者さんのときには、硬膜外麻酔にレミフェンタニルを併用するのを控えた方がよいのかな…と思ってしまう…がそのような高リスクの患者さんこそ効果消失の早いレミフェンタニルの出番のような気もするし。結局case by caseで対応するしかないのだろうか。術後シバリングの予測スコアリングシステムなど、どなたか開発してくださらないだろうか。

☆麻酔覚醒時のシバリングの原因として,
・疼痛刺激をはじめとするストレスによってシバリング閾値上昇
・麻酔薬が体温調節中枢を抑制し,術中に体温が低下すると体温を正常化させようと覚醒時にシバリングが起きる。
・体温調節中枢のセットポイントが手術侵襲によるサイトカインの影響などで上昇するため,術後は低体温になっていなくともシバリングが生じる。
・レミフェンタニルを使用した麻酔では,投与終了後にμ受容体作用部位での急激な濃度低下が起こり,シバリング閾値が低下する。

☆有用性がありそうな対策と起こった場合の対応
・術中に体温を下げない、アミノ酸製剤輸液、マグネシウム投与
・温風式加温装置
・高用量レミフェンタニルを控える(?)
・酸素投与量を増やし、冠虚血や末梢酸素供給低下を避ける
・transitional opioidをしっかり投与しておく
・NSAIDs
・ペチジン(0.5-1.0mg/kg程度):他のオピオイド受容体(R)に作用する薬物に比較して抗シバリング効果が強く,抗シバリング効果に対するκ受容体の関与が推測。
・デクスメデトミジン(α2アドレナリンR作動薬)。疼痛にかかわるノルアドレナリン核(青斑核)が,α2アドレナリンRにより活性が調節されるため,抗シバリング作用を有する。
・落ち着くまで降圧薬とβR遮断薬を持続投与
・トラマドール
・ケタミン(?)

☆以下麻酔科専門医認定筆記試験より
・シバリングは酸素消費量を500%も増加する場合あり 48B22他
・全ての麻酔薬は用量依存性に…
 ・発汗閾値を僅かに上昇
 ・血管収縮閾値やシバリング閾値を著明に低下:両者の低下には平行関係あり。
  (発汗閾値との差は用量依存性に開大していく Miller 7th p1536 Fig48-3)
・シバリングは新生児では起こらない(おそらく幼児以降)
・体温低下で吸入麻酔薬の組織への溶解度↑
・体温低下でMACは約5%/℃の割合で↓

参考した論文やweb
・レミフェンタニル投与終了後に重篤なシバリングを認めた気管形成術の1症例. 麻酔 2010; 59:504-6.
・レミフェンタニル麻酔の効用と副作用対策. 日本臨床麻酔学会誌 Vol. 29 (2009) , No. 4 455-466.
・Effects of magnesium sulphate on intraoperative anaesthetic requirements and postoperative analgesia in gynaecology patients receiving total intravenous anaesthesia. Br J Anaesth. 2008 Mar;100(3):397-403.
・Optimum dose of ketamine for prevention of postanesthetic shivering; a randomized double-blind placebo-controlled clinical trial. Acta Anaesthesiol Belg. 2011;62(1):33-6. (abstractのみ)
→ Prophylactic 0.25 and 0.5 mg/kg ketamine was found to be effective in preventing postanesthetic shivering with a better response observed with 0.25 mg/kg dosage.
・Intraoperative high-dose remifentanil increases post-anaesthetic shivering. Br. J. Anaesth. (2010) 105 (2): 162-167.

2011年7月21日木曜日

(本) 現代版 魔女の鉄槌 - 苫米地英人

私は「これがお勧めですよ」と大っぴらに胸をはって本をお薦めできるほど、本の選別眼が高くないと思っている(何より「良書は人によって異なる」ということを自分の少ない経験から嫌というほど感じているし、良書を良書だと盲目的に語るには、本の絶対量が足りないと感じている)し、メディアから得る情報を正しく選別できるほど、情報リテラシー(情報を、自己の目的に適合するように使用できる能力)が高いわけでもないし、想像力や推察力が豊かでもない。だから他人から発信された情報を受け止めるとき、自分の生活に関係しそうなものについては「本当かそれは?」と結構うんうんうなって疑うけれども、自分にとってどうでもよいと「その時点において」思えるようなものは、「ふぅん、そうなんだ」と一応素直に胸にしまっておく。
つまり、この著者が言うように「自分の聴きたい物語」や「自分が聴いて心地よい物語」しか取り入れていないのである。培養している癌細胞が、観察者が発現させたい外来DNAをtransfectionさせられてしまうように、取り込みやすいものを優先的に取り込む一方、「何言ってんだこいつ」というような情報は、当然ながらなかなか浸み込んでこないのである。
その選別の基準は「すべて自分が今までどのように洗脳されて生きてきたか」により、「他人に刷り込まれたようにしか情報に反応できない不自由な人生を送っている」、と著者はまず前書きで書いている。

私のこのブログを連続してご覧になっている方がいるとしたら、そこにプラスかマイナスかは不明だけど、何らかの役に立つ情報が含まれているのかもしれない。それは「へぇ、そんな面白いことがあるんだ」と溜飲を下げる対象として、かもしれないし、または「こいつはまたこんなこと書いてるぜ、書けば書くほど底の浅さが露呈されますな」と嘲笑の対象としての役立ち方をしているのかもしれない。
わざわざこのように書くのは、「自分が無意識に是として取り込んでいる情報」をどうして「是」としているか、をちょっと自分の脳みそから離れたところに意識を置くつもりで立ち止まって考えたほうがいいですよ、ということを、書いてみたかったからである。
本書で書かれている内容は、多くの日本国民にはそれなりに大きな衝撃をもって受け止められるだろうとは思うけれど、そもそも単行本で1785円もするのか…という時点で、多くの人は買ってまで読むことを躊躇するに違いない。ただ、メディアが時々発する「お隣の大国が情報操作をしてるよ」という情報を半ば盲信的に受け止めて嘲笑の対象とする一方で、「日本のメディアはもう少し健全だろう」と、彼の国の発する情報の1/10程度の疑いも持たないような人は、読むと有意義な可能性がある。もっとも、メディア情報よりも本書の方が何万倍も正しいことを言っている、と盲信することも危険だろうけど、「多く接してしまう情報や意見に、無意識的に刷り込まれている可能性」について考えるきっかけにはなると思う。
多くの情報をネット環境さえあれば無料で手に入れられるのは、本当に便利。だが、今回「麻酔科専門医認定試験の試験対策をどのくらいネットでできるか」をこの数週間試みてみたけれど、わかったことは
「情報の取捨選択において効率が悪すぎて話にならない」
ということだった。それはGoogle  ScholarやPubMedや医中誌を使ったうえででも、である(まぁ当たり前なんだけど)。
私はおそらく非麻酔科医の方々よりは「麻酔」に関する情報リテラシーが幾許か高いとは思うけれど、そのような状態でも「この麻酔に関する情報がどれくらい信用に足るものか」を逐一吟味するのは非常に骨が折れるのである。それは即ち私の現時点での脳力の限界を示すことにしかすぎないのであるけれど、より素人的な知識しかない
・原発是か非か
・首相の辞任を迫る理論的な根拠は何なのか
・セシウム牛肉は何が問題なのか
・どうして節電しなければならないのか
などなどについてメディアから発せられる情報に対する解釈を誤っている可能性は相当高いであろう。
メディアが提示する「これは本当に問題です。一刻も早い解決を望みます」が、本当に問題なのかってことから始めるのが筋なのだろうけど、なぁ。ということをつらつらと考え、気分が落ち込んだ一冊だった。

2011年7月20日水曜日

(音) Versailles - Holy Grail (2011年, 日本)

メジャーアルバム第2作、らしい。
らしいというのは、このバンドの音楽を聴くのは初めてのため。

もう、こういう作品は、アルバムジャケットだけでどんな内容だか聴きたくなってしまう。このアルバムジャケットで「コブクロ」や「Exile」のような音楽であるはずはないから(コブクロやExileが悪いって言っているわけでは努努ありませんので、あしからず。私は両方とも恐らく人並みには好きである)。
1曲目からして「Rhapsodyかよ」っていうくらい大仰な、スペクタクル映画のサントラのようなイントロ。私は勝手に宝塚メタルと命名させていただいた(宝塚、みたことないけど)。
youtube等でPVを見ると一目瞭然なのだが、これがまた、清々しいまでにビジュアル系な出で立ち。人によってはこのコスチュームだけで、音楽を聴く気が失せるに違いない。
私は、その出で立ちにもまた、人知れず感涙するわけだが、このアルバムの凄さはビジュアルではなく、楽器も歌唱も歌メロもなんとも聴かせる作りになっているところである。多くの日本人の遺伝子に組み込まれているであろう歌謡曲ラブマインドをびしばし刺激する音作りになっている。
メタル耳な私は#4や#9や#11で悶絶してしまうのだが、おそらく歌詞がほぼ日本語で唄われていることも影響しているんだろうなぁ。あ~なんてドラマティックで大仰な曲作りなんだろ。「歌詞が日本語じゃ聴けね~よ」と言わないくらい心の広いメロディックスピードメタルファンにも是非聴いてほしい。
個人的には200万枚くらい売れてほしいと思うくらいの衝撃だったが、アルバム1枚聴いた後に、VocalがあのLAREINEのKAMIJOだった、って知ったから余計にそう感じたんだろうなぁ。歌、上手くなったなぁ。しみじみ。
あ~「冬東京」聴こっと。「Solitude」も懐かしいな~。

1. MASQUERADE
2. Philia
3. Thanatos
4. Flowery
5. Remember Forever
6. Destiny -The Lovers-
7. DRY ICE SCREAM!![Remove Silence]
8. Threshold
9. Judicial Noir
10. Love will be born again
11. Vampire
12. Faith & Decision (16分28秒!)
13. The Theme of Holy Grail

2011年7月19日火曜日

(雑) 普遍化される失敗

「心配」は「失敗」を償うか(臨麻会誌 Vol.31 No. 4, 641-9, 2011)を読む。

失敗は毎日、世界中の病院(の手術室)で繰り返されている。
殆どの失敗は個人とその属する部署と施設のみで共有される。だが、失敗という個人的体験を、「できれば人に知られたくない」という感情と折り合いをつけて論文化することには、かなりの葛藤があったのではないかと想像する。40年の麻酔経験に裏打ちされた謙虚な筆致に私は感動しました。

・手抜きをしないで、麻酔からの覚醒を、自分自身で最終確認する
・心配したことは起こる
・記憶は減衰する。記録は普遍化される
・3回即アウト

これらは全て、麻酔に限らないことだよなぁ。

2011年7月18日月曜日

(雑) 遠き海の日(Marine Day)

さかのぼること2日前。日当直明けの土曜日。
引き継ぎの先生から「ちょっと渋滞してましたよ、三連休の初日だからですかね」

三連休だったのか。


確かに、以前その事実はカレンダーで確認していたが、すっかり失念していた。というのもこの4月以降3連休と言うものは、私の生活からはなくなっている。
カレンダーの月曜日が朱色になっていようがいまいが関係ないのであった。

そういえば、抄録のチェックをさせてもらったレジデントのT先生から「臨麻にいけることになりました」と報告をもらった。よかったよかった。
これまたレジデントのK先生の「麻酔」投稿用の原稿のチェックも漸く一段落ついて一安心である(1か月も待たせて本当にごめんなさい)。私なんかのチェックでいいんだろうか。それは査読のお偉い先生方が判断してくださるだろう。

んで土曜日。
何故か昼食を5分で食べた。
早食いだからではない。まぁ早食いかもしれないけど…。
実験をやっていると、「これを混ぜて30分室温放置」とか「これを混ぜて15分間on iceで待つ」という行程が割と多くある。その間に次のステップで使う試薬をいろんな薬の濃度を計算して混ぜ合わせて作成したり、使った後の必要なくなった薬剤を片づけたり、教わったことを自分で次にやるときに忘れないようもらったプロトコールにメモ書きを追加したりする。結構忙しいのである。
土曜日には指導してくださる先生方と合計3つの大きなタスクがあったため、珍しくパソコンを立ち上げる暇もない位だった。

しかし。

丁寧に説明してくださる方々には大変感謝するけれども、なにぶん、自分の理解力が乏しすぎるのか、前提となる知識が少ないのか、途中から何を言っているのか、どういう理由でやっているのか、が分からなくなることが多い。
まるで、単位「モル」が出てきた辺りから化学の授業に付いていけなくなる高校生のようである(昔の私)。教える方に非はない。だって一生懸命やっている。だが、受ける側のレベルをもう少し、認識していただけないだろうか…。


***
毎日新聞 7月18日(月)11時39分配信

◇ネットの人気サイト活用/コンテ公募しテレビCM
知事選(31日投開票)で若年層の投票率を向上させようと、県選管がインターネットを活用した対策などに乗り出している。前回選の投票率は過去最低の27・67%で、中でも20~24歳が14・58%、25~29歳も14・81%と低迷した。県選管は「若者の感覚を取り入れることで、選挙に参加しようと思ってもらいたい」と期待する。
***

この記事から、短絡的に妄想すると
投票率が上がる→ネットや新聞、テレビのメディアが推す候補者の得票率が伸びる→ますます大衆迎合な政治になる→誰が何かちょっとでもチョンボするとすぐ「辞任しろ」の大合唱となる

若年層は、おそらく他の選挙権あり世代よりメディアの影響を受けやすいのではないだろうか。
でもそのメディアとは、もはやテレビや新聞では無いだろう。となるとネット上の選挙戦略が上手い候補者ほど得票率が上がるだろう。
選挙に行けば~~がもらえる、とか、消費税が安くなる、とか「目に見えるアメ」を与えないと、若者は動かないんじゃないだろうか。しかし、若年者は人口自体が減少傾向だから、選挙に勝とうと思ったら「選挙に行く元気のある中高年者」を対象とした戦略を繰り広げたほうが当然得票数は伸びるだろう。「若者の感覚」とは、おそらく「選挙?は?いくわけねーじゃん」だと思う。

ということは、若者の投票率を上げようと言う動きは「まぁ、選挙結果には大きな影響が出ないけど、少しは興味持った方がいいんじゃない?」という優しい優しいボランティア精神に溢れた善意の行動なのだろう。

(雑) ブクログを張ってみた

「hiromiartsのつぶやきブログ」さんにお世話になりました。
この場を借りてお礼を言いたいと思います。

読んだ本について全てコメントを書くのは不可能(初読で時間返せ、金返せと思ってブックオフに直行したとしても、もしかしたら後で気になる可能性もあるし)なので、せめて何を読んだかを整理しておこうと思う。

中身はまだこれから整理していく予定。

2011年7月17日日曜日

(音) CRUSH!-90’s V-Rock best hit cover songs-

タイトル通りに90年代ビジュアルロックのカヴァーを、現在活躍中のバンドたちが行ったもの。
すでにこれら「カバー曲」を「カバーしているバンド」よりも、カバーされている方(原曲の方)がよく知っているくらいに生きてきたのか、というごくごく平凡な考えがまず一に頭を擡(もた)げた。カバーバンドの中では、NoGoDとMERRYしか知りませんでした。

しかし、best hit cover songsと銘打っているが、このアルバムの収録曲自体、日本人1億2000万人ちょっとに対してアンケートを実施すると
category 1:「お、すっげ~なっつかし~あれもこれも入ってるじゃん!」と目頭を熱く熱くする5%以下の人
category 2:「は???、全然しらねーよ」という40%くらいの人
category 3:「Melty Loveと紅と、Winter, Againとロマンスくらいは知ってるけど、、、」という収録曲の1‐4曲くらい聴いたことがある、普通のJ-POP好きな55%くらいの人(妻はここに属する)
category 4:「『紅』は1989年だろ、90'に入んねーだろ」という1%以下の神経質な人
という風に大きく分かれるのではないかと妄想する。

カヴァー曲の真骨頂は「お、この曲かっこいー!原曲も聴いてみたい」と思わせて原曲に食指を向かせ、「あ、あれ?なんだこんな曲だったのか、カヴァーの方がかっこいーじゃん」と思わせることだと思う。

私的にはカヴァーするならこれくらいやってもらいたいな…というレベルはこれ。
・Sonata Arctica の Still Loving You(原曲はScorpions)
・Cradle of Filth の Hallowed Be Thy Name (原曲はIron Maiden)

カヴァーアルバムは、音楽でご飯を食べている自分たちのルーツの一部を、我儘なファンに対して「畏れ多いかもしれませぬが…」と提示して評価を仰いだり、カヴァー曲を入り口として「お、このバンド、今まで知らなかったけどいいじゃん!」と新しいファン層を開拓したり、バンド自身のちょっとした息抜きと遊びだったりと、結構いろんな役割を果たしていて忙しい。

そして聴いたみた。
意外に、というか、割と原曲に忠実なものが多い。企画としてはいいんだけどな…。
#13はうまく自分たちの曲にしていて流石の出来(このアルバムの中では選曲も1番マニアックだし)。#5はロックテイストが濃くなっているが、どうせならもっとゴリゴリのギターにして合間に意味なくアルペジオな早引きギターソロを入れてみたり、ヴォーカルにグロウルを入れてみたりして遊んでもらいたかったと思う。

()内はオリジナルアーティスト。 / カバー担当アーティスト
1. ピンクスパイダー(hide) / heidi.
2. 街(SOPHIA) / ドレミ團 
3. Melty Love(SHAZNA) / BugLug 
4. 1/3の純情な感情(SIAM SHADE) / NoGoD 
5. 月下の夜想曲(MALICE MIZER) / D
6. STORM(LUNA SEA) / 少女-ロリヰタ-23区
7. 紅(X JAPAN) / 摩天楼オペラ
8. With-you(La'cryma Christi) / DaizyStripper
9. Winter,again(GLAY) / 12012
10. ロマンス(PENICILLIN) / アンド
11. S.O.Sロマンティック(CASCADE) / Mix Speaker's,Inc.
12. ENDLESS LOVE(D-SHADE) / LOST ASH
13. Schweinの椅子(DIR EN GREY) / MERRY
14. JUPITER(BUCK-TICK) / DuelJewel
15. 夢より素敵な(Raphael) / DOG inTheパラレルワールドオーケストラ

アルバムのタイトルが「Best Hit」と銘打っている以上、仕方ないのかもしれないが、GLAYを入れる必要はあまりないと思う。彼らがビジュアル系とカテゴライズされていたのは結構初期の方だったような。
そして制作会社の意向が強いのかもしれないけれど、個性的なビジュアルで活動しているバンドたちの割には選曲が普通すぎるような。
どうせなら、割と知名度が高い上記の選曲より、もうちょっとマニアックな選曲の方が、このアルバムを手に取る人たちにとっては高評価だったように思うのは、私だけか。やや音楽的な毛色が異なるCASCADEをROUAGEに、BUCK-TICKをPIERROTにして、おんなじバンドの曲を歌ってもらうとしたら。

1. BACTERIA / hide
2. littele cloud / SOPHIA
3. すみれSeptember Love / SHAZNA
4. Don't tell lies / SIAM SHADE 
5. バロック / MALICE MIZER
6. LAMENTABLE / LUNA SEA 
7. SCARS / X JAPAN
8. Lhasa(unplugged) / La'cryma Christi 
9. 月に祈る / GLAY
10. 言葉にならない愛 / PENICILLIN
11. 食物連鎖 / ROUAGE
12. ALONE / D-SHADE
13. raison detre / DIR EN GREY
14. 脳内モルヒネ / PIERROT
15. 花咲く命ある限り / Raphael 

こんなカバーアルバムなら、iTunes Storeで見つけた途端に「アルバムを購入」ボタンをクリックしてしまうけど。あぁ、でも全然Best Hitじゃないな、これじゃ・・・。
次作があるのならば、是非Janne Da Arcの「Judgement -死神のkiss-」やLaputaの「freesia」やFANATIC CRISISの「火の鳥」やMASCHERAの「ekou」や雫…の「Manual of Sucide~夢を忘れた遺伝子達~」とかLareineの「冬東京」も取り上げてもらいたい。
まぁ、それはともかく、これらカヴァー曲を聴いて、原曲にあたって「こんないい曲があったんだ~」と感動する10‐20代前半の人が、1人でも多いといいなぁと思ってしまう三十路男なのであった。

2011年7月15日金曜日

(麻) 麻酔科専門医認定試験~口頭試問2010-症例3-1 前置胎盤+妊娠高血圧症候群(PIH)の帝王切開術

1)術前評価
1. 問題点
・153cm/66kg。1度の肥満
・前置胎盤なので大量出血の可能性がある。(初産婦なので可能性は低いが癒着胎盤の可能性もある)
・肝機能異常(ごく軽度だが)
・軽症の妊娠高血圧症候群(PIH: pregnancy induced hypertension.)
  (ちなみに下腿浮腫の有無はPIHの定義に関係ない)
・尿糖は±なので病的意義は低かろう
・妊婦なのでfull stomach

2.麻酔担当医として得ておきたい情報
・予定手術の日程はいつなのか。(麻酔科にも手術部看護師にも産婦人科にも余裕の人員がないような時間帯・日に、本症例のような高リスク手術をセッティングしないよう、あらかじめ手術部の先生や手術部看護師と相談しておく。)
・胎児の発育や合併症の有無(PIHでは子宮内胎児発育遅延:IUGRが多い)
・臨床的出血傾向の有無。病的出血の既往や血縁者の出血傾向を来たす疾患者の有無を確認。PT-INRとAPTT。
・主治医チームが準備している輸血の量
・「38wの妊婦である」という以外に挿管困難を疑う所見
・これまでの血圧の推移と、それに対する治療の有無。

2)術中管理
1.麻酔法および導入法、麻酔薬剤の選択
*静脈路は麻酔導入前に2本確保する。
*硬膜外カテーテルを留置した後、脊髄くも膜下麻酔で行う。
・薬剤は高比重ブピバカイン1.6-1.8ml+フェンタニル10ug(+モルヒネ0.01mg)
・麻酔高の上昇が思わしくなければ硬膜外カテーテルから1.5%メピバカインを数mlずつ追加してT4以下の無痛域を確保する。

2.通常の帝切準備以外に必要な処置は
*輸血加温装置(あらかじめセッティングしておく)
*全身麻酔の準備
・チオペンタール4mg/kgとサクシニルコリン1.0-1.5mg/kgをすぐ投与できるようにシリンジに吸っておく
・プロポフォール(全麻になった場合の麻酔維持用)とフェンタニル、レミフェンタニル、ロクロニウムを手元に置いておく
*BISモニター(全麻になった場合の術中覚醒予防。吸入麻酔で維持してもよいだろうけれど、妊婦はMACが低いからと言って、セボフルランを低濃度にしますなんて口を滑らせると減点されるかもしれません。→ Pregnancy does not enhance volatile anesthetic sensitivity on the brain: an electroencephalographic analysis study. Anesthesiology, 2010, 113(3):577-84. )
*動脈圧ライン(子宮切開創のない場合の前置胎盤でも癒着胎盤は5%程度ある。「必要になったときに挿入するだけ」の状態までセットアップしておく)
*手の空いている麻酔科医を出来る限り確保しておく。
*エアウェイスコープなどの挿管困難グッズを手元に置いておく

3)術後管理
1.早期離床のために計画する術後鎮痛は。具体的に。
*硬膜外鎮痛:0.1%アナペイン4mL/hr+フェンタニル20μg/hr程度
・大量出血して局麻入れたくなければ、硬膜外モルヒネ3mg/日程度
*硬膜外カテーテルなければiv-PCA。モルヒネを必要量。

4)周術期危機管理
Spinalで麻酔。児娩出後に母が呼吸困難に。SpO2 95%。
1.考えられる病態
・高位脊髄くも膜下麻酔
・喘息や気胸などの一般的な呼吸困難を起こす病気
・輸液の過負荷 and/or 分娩後の子宮収縮に伴う循環血液量増加による肺水腫
・研修医が誤ってマレイン酸エルゴメトリンを静注した。それによる副作用の肺水腫。
など

2.対処法は?
・胸部聴診する。
・パルスオキシメータが指にきちんと付いているか確認。また、血圧低下がないか確認。
・その後麻酔高を確認。高位脊麻を否定する。
・血液ガス測定してPaO2を確認する。酸素化を維持できずみるみるSpO2が下がるようなら、患者さんに今の状況を説明したのちに、全麻導入薬を用いて気管内挿管。人工呼吸管理。
・術野の出血が落ち着いているなど、状況が許せば胸部X線撮影。肺水腫の有無を診断。
・肺水腫があれば人工呼吸管理。フロセミド投与したりして利尿。

5)接遇問題
翌日の脊麻後頭痛。NSAID無効。患者さんに頭痛の原因と対処を説明。
↓のような説明を参考にされるのがよいのではないでしょうか。患者さんの確認と、自己紹介を忘れずに。説明後には「何か質問はありませんか」を加えましょう。
http://www.neuroanesth.com/masui/faq.htm

*主な参考web
・麻酔をうける人と麻酔科医のためのページ
・帝王切開の麻酔のお手本となる一例
http://p.booklog.jp/book/5593/chapter/7747
・妊娠高血圧症候群は
http://www.jsog.or.jp/PDF/58/5805-061.pdf
・その他無料で読める「日本臨床麻酔学会誌」のバックナンバー

*参考図書
・最新産科麻酔ハンドブック 改訂第2版 p.253-278あたり
・LiSAのバックナンバー2009年4月号、2011年5月号p470など

うーん。これくらい答えれば、何とか合格点はもらえるだろうか??

これを書いていたら、前置胎盤の帝王切開で5000mlくらい出血したけど全麻にならずに乗り切った、という患者さんのことを思い出した。タイから来た留学生に拙い英語でレクチャーをしながら麻酔をするという、まさに初日だった気がする。専門医試験の勉強って、もしかすると自分がこれまで担当してきた数少ないハイリスク麻酔症例から得られなかった知識(その時は慌てていて、患者さんを生きたまま手術室から返すために対処することに必死で、何とか乗り切った後も、「何とかなったね、あぁよかったよかった」で終わって勉強が疎かになってしまった麻酔から、その都度得てしかるべき知識)の習得も兼ねてるんだろうか。だとしたら愛にあふれた試験だなぁ。試験対策に勉強した内容が仕事に役立つんだから、こんな幸せなことってない。

*お世話になったアルバム
VersaillesのHoly Grail (2011年, 日本)
ポップでドラマティックなMALICE MIZER系歌謡メタル。

(本) 「前に進む力 - ダグラス・パーヴァイアンス、跡部徹」

まえがき、が好きだ。
さらっといい言葉が書いてある。

「人生の最中に与えられる”チャレンジ”のうち、
どれが『自分の力でなんとかできる』もので、
どれが『自分の力ではどうしようもない』ものなのか、
大切なのは、その”違いを見抜ける”ようになることだ」(p4-5)

著者はニューヨークの一流ミュージシャンらしい。

・新しいことにチャレンジするときに、最初からスマートにできるわけなどない。もし最初から簡単にできるようなことだったら、あなたはまだコンフォートゾーン内にいるのかもしれない。(31-32)
・「自分に仕事を依頼してくるということは、その人が、私ならできると考えていてくれているということだ」(34)
・どんな人にだって、何歳になったって、成長する余地はつねに残っている。(35)
・周囲からのアドバイスの多くは憶測だ(59)
・Let us love you, until you can love yourself.(85)
・Principles before personality.(自分のエゴよりも信条を優先させなさい)(122)

どこかで聴いたような言葉が空虚に感じられないのは、言葉に血と汗と涙が通っているからだろう。

2011年7月14日木曜日

(本) 16分34秒で読む「夢をかなえる勉強法 - 伊藤真」

著者は司法試験塾の先生。
勉強の心構えを記した本でした。

・体で覚えた基礎、つまり”急行列車の回路”をたくさん持っていたほうが、目的地には早く着くことができる。知識を血肉化する、つまり常識にしてしまえば、次に進むのが楽である。(p65)
・本質を一言で言えないのは、わかっていない証拠である。物事の本質はとてもシンプルなのだ。(180)
・自分の人生の目標は何か?それはなぜか?そのために何をしているのか?その答えをさがすために、私たちは勉強をしているのである。(188)
・「10年後の自分」を想像するのはやめる(中略)10年後にこうありたいと思う自分は、未熟でたかが知れている現在の自分が考えた姿である。そんなちっぽけな自分が、未来の自分の姿を決めてしまっていいのだろうか。(208)
・自分の人生や運命は、過去に自分がまいてきた種を刈り取っているにすぎない。(217-8)

このような文言はこれまで様々な本や人から見聞きした内容であるけれど、私は時々それらを注入していただく。そうでないと前に進むのが時々(いや、結構な頻度で)滞るからである。息抜きに読む本が「勉強法」の本だなんて、どうかしてる。